いくつになっても、健やかで美しい素肌でいたい。
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
年齢を重ねたり、食生活の乱れ・運動不足・睡眠不足などが続いたりすると、少しずつ肌の乾燥やハリ不足、くすみなどが気になりやすくなります。とくに、肌のうるおいを保つ力が低下してくると、しわやたるみ、毛穴の目立ちといったエイジングサインが目立ちやすくなります【2】。
肌を健やかに保つためには、バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠といった毎日の生活習慣がとても大切です。それでも、加齢による変化をゼロにすることはできません。
そこで、年齢に応じたお手入れをサポートするのが、「エイジングケア化粧品」です。
1) 化粧品の役割をもう一度おさらい
エイジングケア化粧品を選ぶ前に、「化粧品」とは何かを簡単に振り返っておきましょう。
化粧品とは
「人の身体を清潔にし、美しく見せ、魅力を高め、容貌を整え、皮膚や毛髪を健やかに保つために用いられる、“作用の穏やかな”製品」
多くの化粧品には、グリセリンやBGなどのベース成分にくわえ、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分が配合されています。
これらは、肌の乾燥を防いでキメを整え、うるおいやツヤを保つためのものです。
医薬品のように症状を治すことを目的としたものではありません。
化粧品は、穏やかな働きで肌を整え、よい状態を保つためにケア(お手入れ)をするアイテムです。
2) エイジングケア化粧品の役割
「エイジング(aging )」は“加齢・年齢変化”、「ケア(care)」は“お手入れ”を意味します。
表皮では、エイジングにより角層水分量低下、バリア機能低下、皮膚表面pH上昇などの表皮機能変化が生じ、それがシミや小じわにつながります【3】。
また、酸化、糖化、紫外線、細胞の衰え、血管やリンパ管の衰えで、真皮の老化が進むと深いシワやたるみが目立ちます。【4】。
エイジングケアとは、年齢とともに現れやすくなる肌悩みに対して、年齢に応じたお手入れをしていくことです【5】。
肌老化の背景には、次のような変化が重なって起こると考えられています。
- 角層の水分量の低下による乾燥
- コラーゲンやエラスチンなど、ハリを支える成分の減少
- ヒアルロン酸やプロテオグリカンなど潤いや滑らかさを支える成分の減少
- セラミドなど、バリア機能を担う成分の減少
- 紫外線による光老化
- 酸化ストレス など
こうした変化は20代後半頃から少しずつ始まり、40代、50代と年齢を重ねるにつれて進みやすくなります。
エイジングケア化粧品は、一般的な化粧品と同じく「保湿」が基本の役割ですが、
そこに年齢サインに寄り添う機能性の高い成分をプラスしたもの、というイメージです。
3) エイジングケアに役立つ代表的な成分
エイジングケア化粧品には、次のような美容成分が使われることが多くなっています。
- ナールスゲン
- ビタミンC誘導体
- ナイアシンアミド
- レチノール
- ペプチド類
- プラセンタエキス
- コエンザイムQ10
- ヒト幹細胞培養液
- トコフェリルリン酸Na
- セラミド
など、バリア機能やターンオーバーのはたらきをサポートする成分、エイジングサインが目立つのを緩やかにする成分が配合されています【6】【7】【8】【9】。
また、シワ改善の医薬部外品やアルブチンやトラネキサム酸などを配合した美白医薬部外品、化粧水・美容液・乳液などの機能をひとつにまとめたオールインワンジェル・オールインワンゲルなども、エイジングケア世代に人気です。
4) “消す”のではなく、“支える”のがエイジングケア化粧品
もう一度、エイジングケア化粧品の位置づけを確認しておきましょう。
エイジングケア化粧品は、
といった、医薬品のような「治療」を目的としたものではありません。
エイジングサインの予防やケアをサポートし、肌をすこやかで前向きな状態に保つことが、エイジングケア化粧品の大きな役割です。
生活習慣の見直しや紫外線対策とあわせて、自分の肌に合ったエイジングケア化粧品を取り入れていくことで、将来の肌状態をよりよく保つことが期待できます。
5) 科学の進歩とエイジングケア化粧品
最近では、皮膚科学・美容成分研究の進歩により、科学的根拠(エビデンス)に基づいたエイジングケア成分が増加しています【10】。
そのため、エイジングケア化粧品は進化し続けています。
機能性の高まりで、適切なエイジングケア化粧品を取り入れることで、肌老化の進行を抑え、健やかで美しい肌を維持することは十分可能です。
一方、エイジングサインの進行が進むとエイジングケア化粧品でケアできないことも多く、医薬品の注入やレーザーなどを使った美容医療による治療が必要となることもあります【11】。