2)医療機器による治療
医療機器による酒さの治療にも保険適応が可能なものがあります。
①VビームⅡ
VビームⅡという色素レーザーでは、赤ら顔を保険適用で治療することが可能です。
VビームⅡの波長は、血流の赤色(ヘモグロビン)に吸収され反応します。
4カ月以上間隔をあけ、必要に応じて継続的に数回治療を行うことで、血管が徐々に収縮し、赤みが減っていきます。
VビームⅡの施術では、施術後のダウンタイムがあり、3週間程度紫斑が出ます。
施術の説明 |
レーザーが血流の赤色(ヘモグロビン)に反応することで血管が徐々に収縮し、赤みにはたらきかけていきます。
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想定される副作用・リスク |
火傷のような症状 色素沈着 |
料金 |
¥30,000〜 |
②ロングパルスレーザー
ジェントルマックスプロなどのロングパルスヤグレーザーを酒さに使うことがあります。
これは保険適応外です。
3週間ごとに5回を1クールとして治療します。
ゴムで強くはじいたような痛みがともないます。そのため、痛みに弱い方や広範囲の場合は、麻酔クリームを使用して痛みを軽減することが可能です。
VビームⅡと違ってダウンタイムはありません。
③IPL(光治療)
フォトフェイシャルステラM22などの医療用IPL(光)治療機は、保険適応外で酒さの治療にも使用されることがあります。
IPLは、さまざまな波長のマイルドな光線を出しますが、そのうちの一部が赤色(ヘモグロビン)に反応します。
その結果、ゆっくりと血管が収縮して赤みを抑えていくようはたらきかけます。
IPLは幅広い波長を持つので、赤ら顔だけでなく、皮膚の色味全体や肌質を改善させる効果もあります。
ダウンタイムはありませんが、稀に赤く火傷のような症状や色素沈着が起こる可能性がありますが、半年程度で薄くなっていきます。
施術の説明 |
IPLが赤色(ヘモグロビン)に反応して毛細血管を収縮させ、赤みを抑えていくようはたらきかけます。
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想定されるリスク |
熱傷による痂皮や水疱ができる可能性がある(回復に5~10日程度かかる場合がある
色素脱失・色素沈着(多くの場合、半年~1年程度で薄くなる)
紅斑(1~3日間続く場合がある)
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料金(1回あたり) |
1~5回目: ¥27,500
6回目以降: ¥22,000 |
④マイクロニードルRF治療
マイクロニードルRF治療は、保険適応外ですが酒さの治療に使われることはあります。
髪の毛よりも微細なマイクロニードル(極細針)で肌に刺入し、マイクロニードルの先端からはRFという高周波エネルギーを出力する治療です。
ポテンツァやエリシスセンスという医療機器があります。
<参考記事>
<監修医からのメッセージ>
赤ら顔で保険適応が可能な色素レーザー「VビームⅡ」の治療は、表面の血管に熱を加えるので直後は内出血したような跡(紫斑)が残ります。
これは、通常、2~3週間程で治まりますが、そこから時間をかけて徐々に赤色が抜けていくという特徴があるので、ゆっくりと治っていくのを見守りましょう。
紫斑ができにくい治療を希望する場合は、ロングパルスヤグレーザーやフォトフェイシャルも選択肢です。
また、酒さは1回の治療で治ることはありませんので、長い目で経過を見る必要があります。さらに、毎回の受診後のアフターケアや毎日のスキンケア、生活習慣などにも気を配ることが大切です。