ハトムギやイチゴで美肌作りとエイジングケアを!

ハトムギやイチゴで美肌作りとエイジングケアを!

薬剤師 OHTA太田富久研究所

太田富久さん

金沢大学名誉教授
金沢大学学際科学実験センター 客員教授
金沢市異業種研修会館 館長

●主な経歴
1974年度-1976年度 Cornell大学 Research Associate
1976年度-1989年度 東北大学薬学部助手
1990年度-1993年度 東北大学薬学部講師
1994年度-1996年度:東北大学薬学部、助教授
1997年度-2011年度:金沢大学薬学部、教授(医薬保健研究域薬学系)
2012年度-2016年度:金沢大学、金沢大学大学院特任教授(医薬保健学総合研究科)
2012年度- 現在  :金沢大学名誉教授

●主な研究経歴
・生理活性天然物の単離および構造解析に関する研究
・代謝酵素制御物質の天然物化学的研究
・抗ストレス科学の評価系を用いる機能性物質の探索
・主な特許(他40件~)
・スイゼンジナ(金時草)を用いた血糖降下剤
・イチゴ由来の薬物代謝酵素阻害剤及びその製造法
・ハトムギの葉茎を用いた食品及び医薬組成物
・腫瘍またはヒト乳頭腫ウイルス性疾患の予防剤又は治療剤

薬剤師でOHTA太田富久研究所太田富久さんから、ご自身の研究にもとづき「ハトムギやイチゴで美肌作りとエイジングケアを!」というメッセージをいただきました。また、ナールスから化粧品成分としてのハトムギやイチゴのエイジングケアへの効果について紹介します。

ハトムギやイチゴの研究で効果を確認~薬剤師太田富久さんからのメッセージ

私たちの体は、20歳くらいをピークに加齢や疲労の蓄積で機能の低下が起こります。
そのため、肌の老化も進むのです。
だから、30歳を過ぎるエイジングケア世代の方の肌悩みが多くなります。
例えば、しわやシミが目立ったり、肌荒れに悩むことが多くなります。
スキンケアやエイジングケアを一生懸命行うことは大切ですが、体や肌に良い栄養素を摂り入れることも大切です。
健康や美肌に対しては、できれば科学的なエビデンスがあって信頼できる食べ物、サプリメントを摂るのがベターだと思います。
そこで、今まで私が研究を続けてわかった、ハトムギやイチゴの美肌効果をご紹介します。

<参考記事>

1)ハトムギの効果と健康やエイジングケアへの可能性

ハトムギの写真

ハトムギエキスは古くからイボの治療薬としてよく知られています。
乾燥させた種子は薏苡仁 (ヨクイニン) と呼ばれ、消炎や利尿、鎮痛などの目的で使われる医薬品としても知られています。
そんなハトムギについて、いくつかの研究を行いました。
その結果、ハトムギエキスには、次のような効果があることがわかりました。

  • 免疫賦活活性がある
  • 皮膚の表皮を増殖させる成分が含まれる
  • 皮膚の真皮の線維芽細胞を増殖させる成分が含まれる
  • ターンオーバーの改善や美白効果がある
  • 紫外線保護作用を見出した。
  • 抗炎症活性がある

こうしたことから、ハトムギエキスは、皮膚が新しく生まれ変わることをサポートし、表皮に存在するメラニン(しみ・黒ずみ)や疣贅(ユウゼイ=イボ)を体外に追い出す効果があるのです。

従来は、イボへの効果で有名だったハトムギですが、エイジングケア世代に多い肌悩みの改善にも良い食べ物であることがわかってきたのです。
ハトムギを食べ物として摂ったり、ハトムギエキスのサプリメントを日々の美肌作りやエイジングケアとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

<参考記事>

2)イチゴの効果と健康やエイジングケアへの可能性

イチゴ

イチゴは多くの方が好きなフルーツの1つだと思います。
そんなイチゴには、次のような成分が含まれています。

栄養素・成分 100g当たりの量
ポリフェノールの一種であるアントシアニン・エラグ酸 150mg
キシリトール 350mg
ビタミンC 62mg
葉酸 92mg
食物繊維のペクチン 1.4g

これら栄養素や成分に着目して研究を行った結果、次のようなことがわかりました。

  • イチゴポリフェノールはヒト由来細胞における美白試験においてアルブチンと同等のメラニン産生抑制作用を示しました。
  • 表皮角化細胞における抗炎症作用を示しました。
  • マウスを使った試験でアレルギー抑制作用を示しました。
  • 抗肥満作用を示しました。

このように、イチゴにもエイジングケア世代の肌悩みであるシミへの効果や肌荒れなどを抑える効果があることがわかったのです。

また、ビタミンCが豊富なので、コラーゲン産生を促すことで、肌のハリ改善にも効果的です。
さらに、体や肌の疲労にも効果的です。
ただし、イチゴでこれらの美肌効果や健康効果を得るには、毎日10粒近く食べる必要があります。
そのため、イチゴポリフェノールなどのサプリメントなどで摂ることがおすすめです。

<関連記事>

ここからは、ナールスがハトムギやイチゴの化粧品成分としての特徴やエイジングケア化粧品としての可能性を紹介します。

ハトムギ種子エキスは有名な化粧品成分

ハトムギを使った化粧品としては、ハトムギ化粧水が有名で人気です。
これには、化粧品成分としてハトムギエキスが配合されています。
ここでは、ハトムギエキスの特徴や効果・安全性を紹介します。

ハトムギエキスの効果やはたらき

ハトムギから抽出した「ハトムギエキス」には、なんと19種もののアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は、肌の角質層でバリア機能を担う天然保湿因子(NMF)の成分で肌の保湿にとても大切です。また、バリア機能が維持されると肌のターンオーバーも整うため、潤ったキメの細かい肌をサポートします。
さらに、ハトムギエキスには、アミノ酸以外にもコイキセノリド、パルミチン酸、ステアリン酸、フェルロイルスチグマスタノール、フェルロイルカンペスタノール、コイキソールなどが含まれています。
これらの成分によって次のような働きを発揮します。

  • 角層水分量増加およびフィラグリン産生促進
  • ヒスタミン遊離抑制によるアトピー性皮膚炎への効果
  • 表皮角化細胞増殖促進による細胞賦活作用

フィラグリンは肌のターンオーバーの過程で生成され、天然保湿因子の元になる成分です。
フィラグリンが増えると天然保湿因子も増えるのでバリア機能維持や向上に役立ちます。
ヒスタミンが抑えられることで乾燥肌やアトピー性皮膚炎によるかゆみの軽減が期待できます。
細胞が賦活することでターンオーバーが促進されます。
このようにハトムギエキスには、スキンケアやエイジングケアで大切なバリア機能とターンオーバーの両方を正常化するのに有用な成分です。

<参考記事>

ハトムギエキスの安全性

ハトムギエキスは化粧品成分として15年以上使われています。
そんな中で重大な皮膚への副作用の報告はありません。
そのため、基本的には安全性に問題のない成分です。

イチゴのエキスも化粧品として使われる

イチゴは果実エキスや種子エキスが化粧品成分として使われます。

効果

イチゴ果実エキスには、ビタミンCやアントシアニン、糖質などが含まれています。
原料によって異なりますが、ビタミンCやアントシアニンが持つ抗酸化作用などが期待されます。
また、ヨーロッパキイチゴ果実エキスには、収れん作用や感触改良、抗アレルギー作用、角質剥離作用などが実験で認められています。
一方、イチゴ種子エキスには、保湿効果に加えて、セラミド増加、フィラグリン・インボルクリン 増加作用による肌のバリア機能の改善効果が実験で認められています。
こうしたことから、イチゴ果実エキスやイチゴ種子エキスは、乾燥肌の予防や肌荒れの予防などスキンケアやエイジングケアにも有用な成分です。

<参考記事>

安全性

イチゴの種や果実のエキスは、化粧品成分としてそれほど長い期間の実績はありません。
しかし、現時点では重大な皮膚への副作用の報告はありません。

まとめ

薬剤師でOHTA太田富久研究所太田富久さんから、ご自身の研究にもとづき「ハトムギやイチゴで美肌作りとエイジングケアを!」というメッセージをいただきました。また、ナールスから化粧品成分としてのハトムギやイチゴのエイジングケアへの効果や安全性について紹介しました。
ハトムギやイチゴの成分は、健康や美肌、エイジングケアに効果的なはたらきがあることが研究で報告されています。そのためエキスがサプリメントや化粧品としても普及しています。
しかし、サプリメントと化粧品では効果やはたらきが違う点もあります。
イチゴやハトムギはとても有用な食品ですが、サプリメントや化粧品としてのはたらきも理解して健康やエイジングケアに役立てましょう。

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