トコフェロール(ビタミンE)のはたらき
トコフェロールという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
ビタミンEは、油に溶けやすく水に溶けにくい性質をもっています。
体内では肝臓・脂肪組織・心臓・筋肉・血液・副腎・子宮など、多くの組織の細胞膜に蓄えられます。
また、次のような5つの働きがあります。
1)抗酸化作用
細胞の酸化は、からだや肌の老化の原因となります。
関節節炎、ガン、白内障、糖尿病、アルツハイマー病などは、すべて酸化が原因の1つとなっている病気です。
また、酸化した悪玉コレステロールが増えすぎると、血管内に溜まってしまい動脈硬化の原因になります。
さらに、肌の酸化はシワやたるみの原因になります。
細胞の酸化を防ぐことは健康でいることや美肌のためにとても大切です。
ビタミンEには、酸化が進まないようにする働きがあります。
つまり、酸化による病気の予防効果や肌の老化の予防が期待できるのです。
2)貧血の予防
活性酸素で赤血球の膜が酸化すると、貧血を起こすリスクが高まります。
ビタミンEには、抗酸化作用により赤血球の膜の酸化を防ぐ働きがあります。
つまり、貧血を予防する働きが期待できるのです。
この働きは女性にとっては特に嬉しい効果ではないでしょうか。
3)血流の改善
ビタミンEには、血管の収縮を促す神経伝達物質の生成を抑えて毛細血管を広げる働きがあります。
その働きで、血流を改善する効果が期待できます。
そのため、肩こり、腰痛、冷え性、頭痛、しもやけ、痔など、末梢血管の流れの障害から起こる症状の予防や改善が期待できます。
4)生殖機能の維持
ビタミンEは、副腎や卵巣にも蓄えられています。
そして、女性ホルモンの生成や分泌の調整をする脳下垂体によい影響を与え、生殖機能の維持をサポートします。
こうした健康や美肌に良いビタミンEは、医薬品・食品・サプリメント・飼料などに使われるほか、疾病の治療・栄養の補給・食品添加物の酸化防止剤として生活のさまざまな場面で活用されています。