アトピー性皮膚炎のスキンケア~私がやっている方法と日常生活~

アトピー性皮膚炎のスキンケア~私がやっている方法と日常生活~

薬剤師

松本メグミさん

2017年明治薬科大学卒業。ドラッグストアのOTC専門薬剤師、調剤薬局薬剤師を経験。
主にOTC医薬品(市販薬)・サプリメント・スキンケア商品の接客販売をおこなう。
現在はフリーランスのライターとして活動中。
化粧品成分検定1級も取得し、健康・美容に関する記事を執筆中。

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薬剤師の松本メグミさんに、「アトピー性皮膚炎の私がやっているスキンケアと日常生活」というテーマでメッセージをいただきました。また、ナールスからアトピー性皮膚炎のスキンケアのポイントや基礎化粧品の選び方のコツ、またおすすめの化粧品をご紹介します。大人でもアトピー性皮膚炎に悩んでいる方はぜひ、チェックしてみてくださいね。

トピー性皮膚炎の私がやっているスキンケアと日常生活~松本メグミさんのメッセージ~

私は、元々ひどい乾燥肌で、アトピー性皮膚炎が悪化した経験もあります。
特に20代後半にアトピー性皮膚炎の症状が悪化した際は、体に色素沈着が残ってしまうほどでした。
幸い今では症状が治まり、たまにかゆみは出ますが、病院に行くほどではありません。
そんな私の経験から、スキンケアやエイジングケア、日常生活で気を付けていることをもとに、アトピー性皮膚炎の症状悪化や乾燥肌を防ぐ方法をご紹介します。
このポイントは、肌が薄くなっていく30代以降のエイジングケア世代の方や乾燥肌、敏感肌の方にも役立つと思います。
といっても難しいことではなく、ごくごく当たり前のことかも知れません。よければ参考にしてくださいね。

1)保湿の徹底

セラミドが不足していたり、天然保湿因子の元の成分フィラグリンの異常などによって、肌の乾燥が進んでバリア機能が低下すると、少しの刺激でもかゆみが出やすくなります。
乾燥による肌荒れを防ぐためには、刺激の少ない保湿成分を使ってしっかりスキンケアやエイジングケアを行うことが大切です。

フィラグリンと天然保湿因子

乾燥肌の方のスキンケアは、セラミドや天然保湿因子の元となるアミノ酸、ヒアルロン酸など、肌の水分と油分を補って保てるような保湿成分が入ったエイジングケア化粧品などを使用すると良いでしょう。
私の場合は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が何種類か配合されたスキンケア商品を使っています。
脱保湿といって、あえてスキンケアやエイジングケアをしない方法や、ワセリンだけを塗るという方法がネットなどに出ていますが、アトピー性皮膚炎の方は自己判断せず、医師の指示を守って保湿をすることを心がけてほしいと感じます。
乾燥肌の方も保湿成分を使って肌を整えることを優先しましょう。
基本的には、保湿は水性成分と油性成分の両方をバランス良く使うことが大切だと思います。
特定の成分に頼るなどの極端な美容法は避けて、基本に忠実な保湿ケアを行うことが乾燥肌の予防や改善、エイジングケアにもつながります。
ほかでは、秋〜冬は部屋の乾燥にも気をつけるために加湿器を使ったり、部屋干しで部屋の湿度を維持しています。

2)たんぱく質を摂る

ご存じのとおり、お肌の材料はたんぱく質です。
肌のハリのもとであるコラーゲンやエラスチンもたんぱく質。
また、天然保湿因子もアミノ酸が成分です。
そのため、健康維持やうるおいを保つという意味で、たんぱく質を意識的に摂るようにしています。
厳密にたんぱく質量を計ることまではしませんが、いろんな成分表示を見てみた結果、100gの肉・魚=20gのたんぱく質が摂れるかなと思っています。
また、野菜や豆にもたんぱく質は含まれているので、それらも摂るようにしています。
ちなみに、たんぱく質が多い野菜ベスト5は次のとおりです。

順位 食材 たんぱく質量(100g中)
第1位 野菜の豆類_枝豆 11.5g
野菜の豆類_空豆 10.9g
第2位 ブロッコリー 5.4g
第3位 豆苗 3.8g
第4位 タケノコ 3.6g
第5位 アスパラガス 2.6g

3)睡眠をきちんととる

私は、眠れたり眠れなかったり差が激しいのですが、なるべく1日あたり8時間の睡眠時間を確保するよう心がけています。
最近では、睡眠のゴールデンタイム「午後10時から午前2時の間に」という考えは誤りであることがわかってきました。
体の組織の新陳代謝や肌のターンオーバーを促す成長ホルモンが最も分泌されるのは、睡眠の最初の90分をいかに深く眠るかが大切だということが明らかになったのです。
眠る前はリラックスするためにスマホを見ないようにしたり、クラシックなどの音楽を聴いたりすることも、深い睡眠をするためには良い方法です。

4)ストレスをためない

過度なストレスは普通肌の方でも肌荒れを起こすきっかけになることがあります。
ましてやアトピー性皮膚炎の場合はなおさらです。
私もアトピー性皮膚炎がひどいときは、かゆみのストレスでさらに肌荒れを引き起こすという負の連鎖を実感していました。
一時期は「腸に悪いらしいから小麦は食べない!」のように食事内容にも厳しくなっていましたが、ストレスを感じることもありました。
今は何事もやりすぎないほうがいいかなと思い、いろんなものを満遍なく食べるようにしています。
また、私の場合は、仕事や日常生活のストレスを減らしたら、ジャンクフードを食べたりお酒を飲んだりすることがだいぶ減りました。
ストレスを解消するのは、なかなか難しいと感じる方も多いと思いますが、音楽、おしゃべり、映画、スポーツ、買い物など、自分に合ったリフレッシュ方法を1つでも見つけていただければと思います。
体のためにも美肌のためにも、ストレスを溜めないことはとても大切だと思います。

<参考記事>

5)血行を良くする

私は冷え性で体が冷えやすい体質です。
そのため、肌のターンオーバーが乱れがちで顔のくすみが目立つことがあります。
それを改善するために、湯船に浸かったり、温かい飲み物を飲んだりしています。
時々、顔の血行をよくするためにマッサージをする際には炭酸美容液を使っています。
また、私はあまりできていませんが、軽い運動やストレッチなども血行促進に良いのでおすすめです

私が実践している方法やできていなくても良いと思う方法をご紹介しました。
乾燥肌の方、アトピー性皮膚炎の方、エイジングケア世代の方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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アトピー性皮膚炎のスキンケアの基本

薬剤師の松本メグミさんのお話にもあったとおり、アトピー性皮膚炎は、症状の改善と悪化をくり返すことが一般的です。
症状が重い時は皮膚科などを受診したほうが良いですが、軽い時にこそ正しいスキンケアを行うことが大切です。
なぜなら、適切なスキンケアを行うことでアトピー性皮膚炎の症状を抑えたり、重くなることを防げるからです。
正しいスキンケアのカギは、「バリア機能を守る」ことと「ターンオーバーを正常に保つ」ことです。
そのためにできるスキンケアは特別なことではなく、「肌を清潔に保つ」ことと「保湿で肌を潤す」ことです。
また、外部の物理的刺激や紫外線ダメージなどの化学的刺激を防ぐことも大切です。

正常な肌とバリア機能が低下した肌

<参考記事>

アトピー性皮膚炎は保湿が大切

松本メグミさんのお話のとおり、肌の保湿で乾燥を防ぐことはアトピー性皮膚炎のスキンケアの基本です。
しっかり保湿を行うことで、バリア機能が守られ、外部からの刺激物質の侵入を防げるのです。
また、乾燥を防ぐことでアトピー性皮膚炎の特徴的な症状であるかゆみも防ぐことが可能です。

<参考記事>

皮膚科で処方されるアトピー性皮膚炎の保湿剤

皮膚科で処方される保湿剤には次のようなものがあります。

保湿剤 特徴・効果
ヘパリン類似物質 ヒルドイドの名前でよく知られています。
角層内の水分を引きつけてうるおいを保つ力が強く、血行を促進するはたらきもあります。
ワセリン 純度の高いプロペト(一般名:白色ワセリン)が使われます。 肌表面を覆って肌を保護します。
直接的な保湿効果はありません。
尿素 角層内の水分を引きつけたり、角層を柔らかくするはたらきがあります。
タンパク質を分解するはたらきがあるので、長期使用は注意が必要です。
また、傷にしみることがあります。
亜鉛華軟膏 亜鉛華軟膏(一般名:亜鉛華単)は、酸化亜鉛を10%含む外用薬です。収れん・消炎・保護、および緩和な防腐作用があり、皮膚の保護、びらん・潰瘍・湿潤面の治療に用いられます。
ビタミンE・A製剤 ユベラ軟膏(トコフェロール・ビタミンA油軟膏)としてよく知られています。
皮膚に適度な水分を保持させ、乾燥や刺激などから皮膚を守ることで湿疹などの発生や悪化を防ぎます。
血行を促進するはたらきがあります。
<参考記事>

化粧品でよく使われる保湿成分

化粧品成分としては、保湿の3大因子である角質細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂膜のはたらきに近い保湿成分をアトピー性皮膚炎に使うことにより、バリア機能を守ることが可能です。

保湿の3大因子

角質細胞間脂質のはたらき セラミド、コレステロール、スフィンゴ脂質など
天然保湿因子のはたらき 各種アミノ酸(リシン、プロリン、グリシンなど)、PCA-Naなど
皮脂膜のはたらき スクワラン、シアバターなど
<参考記事>

保湿の回数やタイミング

アトピー性皮膚炎の場合は、少なくとも1日2回、たとえば朝と夜は保湿ケアを行いましょう。
基本は、洗顔後すぐに保湿することです。また、入浴後は、遅くても10分以内をめどに保湿剤を塗りましょう。

保湿ケアは塗り方・塗る量も大切

保湿のためのスキンケアアイテムは、決してこすらず、やさしく塗りましょう。しわがあったり、関節などで溝がある場合は、皮膚をのばして塗漏れがないようにしましょう。
また、症状がある部位はもちろん、その周辺も塗りましょう。

塗る量は適量が大切です。説明書や医師の指示に従い、少なすぎず多すぎない量を使うことが大切です。

<参考記事>

剤型をどう選ぶ

保湿剤には、剤型の違いがあります。テクスチャーにも違いがあり、のびが良いものやべたつかないものなどもあります。
また、成分によっては向く剤型や向かないものがあります。
剤型は、アトピー性皮膚炎の部位や好み、季節などに合わせて上手に使い分けることが大切です。

剤型のタイプ 特徴
ローション さっぱりした使い心地でベタつかない
短時間でぬれる 広い範囲や、髪の毛のある頭皮に向いている
春から秋に向いている
ジェル ローションに次いで、さっぱりした使い心地でベタつかない
ジェルのベタベタ感でかゆくなることがある
広い範囲や、髪の毛のある頭皮に向いている
春から秋に向いている
クリーム 油分と水分のバランスが良い
ベタつき、テカリはあるが軟膏ほどではない
どの季節でも使える
軟膏 油分を含み皮膚を保護する力が強い
刺激が小さい
テカったりベタベタすることがデメリット
秋から冬に向いている
フォーム 新しい剤型
短時間でぬれる
広い範囲に向いている
春から秋に向いている

洗顔や洗体は優しくを徹底

アトピー性皮膚炎で肌を清潔にすることが大切なのは、細菌などの感染を防ぐためです。
アトピー性皮膚炎では、炎症部があると悪玉菌である黄色ブドウ球菌がいる場合があります。
こうした細菌は、アトピー性皮膚炎の炎症をひどくすることがあるので、繁殖しない状態にしておくことが大切です。
一方、顔や体を洗う行為は少なからず刺激になります。
そのため、肌の清潔を保つ一方で、バリア機能を守るために優しく行うことも大切なのです。

体を洗う際のポイント

まず、ナイロンのタオルやスポンジ、目の粗いタオルは肌の刺激になるので避けましょう。できるだけ優しい素材のものを使いましょう。
体を洗うときは、石鹸や洗浄剤をしっかりと泡立てることが大切です。泡立てずに、直接体につけることはやめましょう。
泡立ては、固形石鹸の場合には泡立てネットなどを使うと便利です。
また、泡立てが苦手な方は、最初からフォーム状の洗浄剤を使いましょう。
また、洗浄成分は石鹸で刺激を感じるならアミノ酸系や弱酸性のタイプを選びましょう。

体を洗った後は、洗浄成分を皮膚に残さず落としきることが大切です。
ぬるめのお湯で十分にすすぎ、しっかりと汚れと洗浄成分を洗い流しましょう。

体を拭くときは、木綿などの刺激の少ない素材のタオルで体を包み込みおさえるようにします。こすったり、たたくのはNGです。

入浴時の注意

入浴は温度と時間を意識する

入浴時のお湯の温度は、皮膚のバリア機能を守るため、38~40℃くらいにしましょう。
熱いお湯や長風呂は、セラミドや天然保湿因子が失われ、バリア機能を低下させます。また、かゆみが起きやすくなるので避けましょう。
なお、長時間や高温のシャワーもかゆみが起きやすくなりますので避けましょう。

入浴剤は使って良い?

アトピー性皮膚炎でも入浴剤を使うことは可能です。
敏感肌や肌の弱い人でも使える高保湿・低刺激のものを選びましょう。
ただし、アトピー性皮膚炎の症状がひどい場合は、医師に相談しましょう。
また、入浴剤で刺激やかゆみなどを感じるなら、使用を中止しましょう。

<参考記事>

アトピー性皮膚炎は紫外線をブロックすることも大切

紫外線はバリア機能を低下させます。また、紫外線が刺激となって皮膚をかきむしり、アトピー性皮膚炎が悪化することがあります。
そのため、アトピー性皮膚炎は紫外線をブロックすることが大切です。
まずは、どの季節でも紫外線が強い10時〜14時の時間帯に外出する際は、しっかり紫外線対策を行いましょう。
帽子や日傘、衣類などで物理的に紫外線を防いだ上で、日焼け止めを塗るようにしましょう。
日焼け止めは、刺激の小さなノンケミカルタイプがおすすめです。

<参考記事>

ナールスの一押し!アトピーでもおすすめのアイテム

ナールスのエイジングケア化粧品は、低刺激で敏感肌でも使えるように成分を配合しています。
そのため多くの場合、アトピー性皮膚炎にも使うことが可能です。
中でもおすすめは、クレンジングジェル「ナールス エークレンズ」エイジングケア美容液「ナールス ネオ」日焼け止め・化粧下地「ナールス ヴェール」です。

ナールスエークレンズ

ナールス エークレンズは、医師監修でアミノ酸系洗浄成分配合、防腐剤や香料・着色料フリーの優しいクレンジング料です。

ナールスネオ

ナールス ネオは、医師監修のもと、6種のヒト型セラミド、8種のアミノ酸、PCA-Na、スクワランなどを配合した高保湿の美容液です。

また、防腐剤や香料・着色料フリーの優しい美容液です。

ナールス ヴェールも医師監修でノンケミカルの日焼け止めです。
赤ちゃんでも使えるほど優しいのに、SPF50+/PA++++という高い紫外線ブロック力を実現しています。

アトピー性皮膚炎の症状がひどいなら皮膚科を受診しよう!

アトピー性皮膚炎の症状がひどい場合は、セルフメディケーションやセルフケアではなく、皮膚科を受診しましょう。
保湿剤以外にもステロイド剤や抗アレルギー剤ほか、さまざまな治療薬が登場しています。
皮膚科ではそれぞれの症状に合った治療法、治療薬を選択してもらえます。

まとめ

薬剤師の松本メグミさんに「アトピー性皮膚炎の私がやっているスキンケアと日常生活」というテーマでメッセージをいただきました。また、ナールスからアトピー性皮膚炎のスキンケアのポイントや基礎化粧品の選び方のコツ、またおすすめの化粧品をご紹介しました。
アトピー性皮膚炎は、完全に治すことは難しい皮膚の病気ですが、スキンケアを適切に行うことで症状の悪化を防いだり、抑え込むことが可能です。
肌の保湿と清潔に保つこと、さらに紫外線対策の3本柱でスキンケアやエイジングケアを行って、アトピー性皮膚炎の症状悪化を防ぎましょう。

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