歯科医が教える表情筋エクササイズ!30代からはエイジングケアも

■経歴
1988年 京都大学薬学部卒業 (大阪大学歯学部学士入学)
1992年 大阪大学歯学部卒業 大阪大学歯学部 附属病院勤務
2003年 姫路市にて開業

■所属学会・研究会
日本歯科補綴学会
日本歯周病学会
日本包括歯科臨床学会
日本アンチエイジング歯科学会
咬合育成研究会

■認定
糖尿病協会登録歯科医
日本ホームヘルスコーチ協会認定ホームヘルスコーチ
アンチエイジング歯科学会認定医
ホワイトニングエキスパート認定
メディカルアロマコーディネーター
ビューティーアドバイザー

きみえ歯科院長の中村喜美恵先生に、実際にクリニックで行っている表情筋エクササイズについて教えていただきました。表情筋を鍛えることは、ほうれい線などのたるみ予防に効果的です。しかし、間違った方法で行うと逆効果になることも。歯科医が教える方法でたるみの無い美顔を目指しましょう。

きみえ歯科の表情筋エクササイズのコンセプト

きみえ歯科の表情筋エクササイズは、「きちんと鍛えれば、何歳からでも筋力はアップします」という宝田恭子先生の信条のもと、たるみのない美顔を目指す方法です。

宝田恭子先生は、江戸川区の「宝田歯科医院」の院長で、独自に生み出した表情筋エクササイズ歯科治療のメソッドに取り入れているのが特徴です。

きみえ歯科院長の中村喜美恵先生は、宝田恭子先生に直接師事されています。
また、歯科からのアプローチとして、咀嚼筋のマッサージを加えることで、口が開きやすく笑顔がつくりやすくなる(ロ角が上がる)メソッドも加えています。

これによって、たるみの予防とともに、魅力的な笑顔を目指します。

表情筋の衰えはたるみやほうれい線の原因に

表情筋とは、その名のとおり、顔の表情をつくっている筋肉です。
からだの筋肉は、骨と骨を繋いでいますが、表情筋は皮膚に直接つながっています。

顔が豊かな表情をつくることができるのは、こうした表情筋が直接、顔表面の皮膚を動かすことができるからです。

表情筋は24種類ありますが、その他にも関連のある顔筋を入れると、約30種類もの筋肉が相互に関係しあうことで、顔の動きや表情をつくり出しています。
しかし、何もしなければ20代をピークにその後は衰え、硬くなっていきます。

それが原因となって、顔のたるみやほうれい線、マリオネットライン、ゴルゴライン、口角の下がりなど、エイジングサインが目立つのです。

これらの原因は表情筋の衰えだけが原因ではありませんが、大きな影響を与えています。

そのため、ほうれい線をはじめ肌のたるみを防ぐために、表情筋を鍛えることは効果的な手段の1つとなります。

<参考記事>

表情筋を鍛えるメリットとデメリット

表情筋(顔筋)が約30種類以上あると聞くと、鍛えるのが大変だと思いますね。
実は、その中で特に注目すべき表情筋は8つです。

  • 広頚筋
  • 胸鎖乳突筋
  • 口輪筋
  • 下唇下制筋
  • 口角下制筋
  • 小頬骨筋
  • 大頬骨筋
  • 笑筋

意識すべき8つの表情筋
<提供:きみえ歯科>

①広頚筋(こうけいきん)

頬、下顎から首の前と側方に広がる幅の広い表情筋です。
口角を下方に引くはたらきがあります。
広頚筋が衰え弱くなってくると、お肌の重みを支えきれずにたるみの原因になり、マリオネットラインを目立たせます。

②胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

表情筋ではありませんが、しわやたるみに関係の深い顔筋です。
胸骨と鎖骨の2カ所から始まり、耳の後ろの頭蓋骨についている筋肉です。
首や頭の角度を曲げたり、回旋させた状態で頭の位置を安定させるはたらきをしています。

③口輪筋(こうりんきん)

唇の周りを円状に囲んでいる表情筋です。
口を閉じたり突き出したりすることで、口元のさまざまな表情をつくり出します。
この筋肉が衰えると、口元のたるみ・シワにつながり、ほうれい線が目立つ原因となります。
ほかの表情筋の約7割とつながっているので、顔の表情への影響が大きい筋肉です。

④下唇下制筋(かしんかせいきん)

下唇を動かす表情筋です。
口輪筋の補助をする筋肉として、下唇を外側方向へ引っ張るはたらきをします。
下唇下制筋が衰えると、口元から顎にかかる縦ジワの原因に繋がります。

⑤口角下制筋(こうかくかせいきん)

上唇と口角を下方に引っ張る表情筋です。
この筋肉が弱まると、口角から下あごの縦ジワ、つまり、マリオネットラインの原因になってしまいます。

⑥小頬骨筋(しょうきょうこつきん)

口元や頬を斜めに引き上げて、笑顔をつくるはたらきをする表情筋です。
小頬骨筋が衰えると、頬にたるみができて、ほうれい線の原因になります。

⑦大頬骨筋(だいきょうこつきん)

口角を上外方へ引き上げて、大きな笑顔をつくるのに中心的なはたらきをする表情筋です。
大頬骨筋を鍛えることで、ほうれい線の予防につながります。

⑧笑筋(しょうきん)

口元から外側のエラに伸びている表情筋です。
口元を後方へ引っ張ることで、笑顔をつくります。
口輪筋だけでなく、口角の皮膚やあごの筋肉ともつながっています。

これらの表情筋(顔筋)は、多くの筋肉が複雑に連動していて、特に笑顔作りには重要な役割を担っています。これらのたるみを改善することにより、美顔を取り戻すことができます。
もちろん、8つでも大変と思う方も多いと思いますが、ここからきみえ歯科の表情筋エクササイズのポイントをご紹介します。

表情筋エクササイズの実践法は?

表情筋エクササイズの実践法は、別の記事で詳細を説明しています。
ここでは、ポイントのみを紹介します。

<参考記事>

ウォーミングアップで準備を行う

表情筋エクササイズを開始する前のウォーミングアップとして、全身の血流をあげ、姿勢を整えます。

表情筋エクササイズの注意点

表情筋エクササイズで効果を期待するには、いくつかの注意点があります。

  • 準備を怠りなく
  • 正しい姿勢で行う
  • 肌へのダメージを最小限に気持ちよく
  • 同じ表情筋ばかり鍛えない
  • 毎日朝晩2回行う

表情筋以外のたるみの原因

顔のたるみやそれが原因のほうれい線やゴルゴライン、マリオネットラインラインなどは、表情筋以外の衰えも原因になります。
そのため、表情筋だけを意識するのではく、ほかの原因にも目を向けることが大切です。
また、たるみの原因となる症状の多くは、残念ながらスキンケアやエイジングケアでは改善することはできません。
そのため、たるみの改善を目指す場合は美容医療の力が必要なこともあります。

原因 説明
真皮の衰え 加齢や紫外線ダメージなどで真皮のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが減少することで、顔のたるみが進みます。
皮下組織の衰え 皮下組織は、皮下脂肪と靭帯(リガメント)で構成されていますが、加齢などで皮下脂肪の肥大化や靭帯が衰えると、重力に負けてたるみが生じます。
SMAS(スマス)筋膜の劣化 皮下組織に奥にはSMAS筋膜があり、表情筋と連動しています。
SMAS筋膜が衰えると、皮膚や皮下組織を支えきれなくなり、顔がたるんでフェイスラインが崩れてしまいます。
骨の萎縮 医学論文で、 骨粗鬆症による頭蓋骨の崩れが、顔のたるみに悪影響を与えることが示唆されています。
顔の土台である骨が痩せることで、顔のたるみをもたらします。
<参考記事>

保湿や紫外線対策もしっかり行ってエイジングケアを

顔のたるみの改善は、スキンケアやエイジングケアではできませんが、予防は可能です。
30代からは表情筋の衰えだけではなく、肌全体も老化が進みます。
スキンケアやエイジングケアの基本である保湿をしっかり行いましょう。
また、紫外線対策をしっかり行いましょう。

保湿ケア

スキンケアの考え方に「コルネオセラピー」という概念があります。
これは、「コルネオ=角質」を健やかな状態に保てば、その奥にある表皮の顆粒層や有棘層、基底層、さらに奥の真皮も良い状態に保てる、逆に角質の状態が悪いと肌の奥までダメージを与えるというという考え方です。
皮膚科専門医の中でもこの考え方は重視されています。

たるみ対策として、表情筋を鍛えることは大切ですが、保湿ケアで肌のターンオーバーやバリア機能を守り、健やかな角質をキープすることも大切です。
30代からはセラミドやアミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸などの高保湿成分を取り入れて保湿を行いましょう。

<参考記事>

機能性の高い成分をエイジングケアに取り入れる

最近の医薬部外品成分や化粧品成分には、コラーゲンやエラスチンを増やしたり、破壊されるのを防ぐものがあります。
医薬部外品としてシワ改善が認められているのは、レチノール、ナイアシンアミド、ニールワン、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムM(VEP-M)の4つです。
化粧品成分では、ビタミンC誘導体、ナールスゲン、ネオダーミルなどにコラーゲンやエラスチンを増やすはたきがあります。
早めに機能性の高い医薬部外品やエイジングケア化粧品を使うことも、たるみの予防美容に大切です。

<参考記事>

紫外線対策

紫外線ダメージが蓄積すると、光老化でたるみの原因になってしまいます。
光老化が進むと、表情筋エクササイズでも改善しないたるみが目立ちます。
紫外線対策をしっかり行ってたるみを予防しましょう。

<参考記事>

まとめ

きみえ歯科院長の中村喜美恵先生に、実際にクリニックで行っている表情筋エクササイズについてご紹介いただきました。
30代を超えると、乾燥肌に加えて顔のたるみが気になることも。
その大きな原因が表情筋の衰えです。
残念ながら、表情筋は化粧品を使ったスキンケアやエイジングケアでは鍛えることはできません。
また、放置すると衰えが進み、エイジングを重ねるにつれて顔のたるみがどんどん進んでしまうこともあります。
スキンケアやエイジングケアに加えて、歯科医が教える正しい表情筋エクササイズでたるみのない美顔を目指しましょう。

<参考記事>
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