基礎化粧品(化粧水、美容液、クリームなど)の使い方~正しい保湿ケアのために~

金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。
皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。
内科院長として勤務しています。

化粧水、美容液、クリームなど基礎化粧品は、正しく使うことが大切です。もちろん、エイジングケア化粧品も基礎化粧品の1つです。そのため、正しく使うことが大切です。
なぜなら、せっかく高い保湿力を持つエイジングケア化粧品であっても、正しく使わないと効果を実感できないからです。
特に、エイジングとともにお肌が刺激に弱くなる30代以上の場合はなおさらです。
化粧品でアンチエイジングを目指すことはできませんが、エイジングに合った正しい使い方で乾燥肌をはじめとする肌トラブルを防ぐことは可能です。
ここでは、クリスタル医科歯科クリニック 内科院長の中島由美先生から、基礎化粧品(化粧水、美容液、クリームなど)の使い方の基本についてメッセージをいただいた上で、ナールスが考える正しい基礎化粧品の使い方のコツをご紹介します。

<参考記事>

中島由美先生からの基礎化粧品の使い方に関するメッセージ

自分の肌に合う、どんなに良い化粧品を選んでも、正しく使用できていなければ、期待できる効果も半減するリスクがあります。
有名な保湿剤であるヘパリン類似物質(ヒルドイドローション)の検証では、1日1回に比べて1日2回塗ると効果が4倍になり、1日3回以上では効果は2回の場合とほぼ同等という結果が出ています。(*)

また、ヘパリン類似物質含有クリーム(W/O型)の塗布量と保湿効果の関係を調べたところ、ある程度十分な量を塗布することが保湿効果をより高めるという結果も出ています。
このことから、化粧水、美容液、保湿クリームなどの保湿化粧品は、メーカー指定の量を守り、一日2回塗布することで、効果を高めることができると考えられます。

塗布の順序については、洗顔後、水溶性成分を含む割合の多いアイテムから順に使用し、脂溶性成分の多い商品を最後に使うのが、基本的な考え方になります。
一般的に、スキンケア化粧品における水溶性成分の割合は、次のようになっています。
化粧水 > 美容液 > 乳液 > 保湿クリーム
そのため、使用順序も上記の順番になります。

ただし、メーカーによっては、違う順番で使う場合もありますので、その場合はメーカーや販売会社の説明通りに使用しましょう。

スキンケアの大切な目的である保湿。使用量、使用回数、使用順序を守って毎日ケアすることで、潤いのある素肌をキープしやすくなるでしょう。

中村 光裕 ら:皮膚の科学,5(4), 311-316, 2006

正しい保湿のための基礎化粧品の使い方の基本

ここからは、ナールスが正しい保湿のための基礎化粧品の使い方の基本のワンポイントアドバイスをお届けします。

化粧水の使い方の基本

化粧水は、朝は洗顔後、夜はクレンジング後、真っ先に清潔な肌を整えるために使う基礎化粧品です。
洗顔後、タオルで肌が乾き終わったら、時間をおかずに使いましょう。
遅くとも、洗顔後10分以内が目安です。

化粧水をつける適量は、各社のブランドやアイテムで異なります。そのため、添付されている説明を確認してください。
使い方としては、手のひらやコットンでも良いですが、摩擦の無いように優しくつけましょう。
エイジングケア世代の方におすすめは、ハンドプレスです。

美容液の使い方の基本

美容液は化粧水の次の使う基礎化粧品です。
美容液はエイジングケアや美白目的など様々なタイプがあるとともに、保湿成分が凝縮されています。

美容液の使用量は、化粧水と同じく各社のブランドやアイテムで異なります。そのため、添付されている説明を確認してください。

塗り方は、顔全体に美容液が行き渡るよう、内側から外側へ、下から上へ優しくのばすことが基本です。また、最後でハンドプレスし、顔全体になじませましょう。

また、目元や口元など乾燥しやすいパーツや肌悩みがあるパーツは、美容液を重ねてつけすることもおすすめです。
ただし、過度にならない程度にしましょう。

保湿クリームの使い方の基本

保湿クリームは、スキンケアやエイジングケアの最後の仕上げに使うのが基本です。
つまり、化粧水、美容液、乳液の後です。
しかし、美容オイルを使いたい場合は、は保湿クリームの後に使います。

保湿クリームの適量も、各社のブランドやアイテムで異なります。そのため、添付されている説明を確認してください。

保湿クリームは美容オイルに次いで油分が多く、肌の表面の水分蒸散を防ぐために大切な基礎化粧品です。

保湿クリームは、特に冬場の空気が乾燥しやすい季節におすすめです。
ただし、エイジングによる肌の乾燥対策なら、バリア機能が低下している方など季節を問わずに使いましょう。

基礎化粧品の使い方に関するよくある質問

ここからは、ナールスのエイジングケア化粧品のお客様から頂くことが多い、基礎化粧品の使い方に関するよくある質問と回答を掲載させていただきます。

Q1.化粧水を2種使う場合、どちらを先に使えば良いですか?

化粧水を2種使う場合は、水溶性成分の割合が多い方を使うのが正解です。
しかし、一般の方は2つの化粧水でどちらが水溶成分が多いかを判断するのは、難しいかと思います。
100%ではありませんが、軽いテクスチャーの方を先に使うのが基本です。
なお、エイジングケア化粧水「ナールスピュア」は100%水溶性成分(水にも油にもなじむ両親媒性成分含む)なので、こちらを真っ先に使うのがおすすめです。

Q2.化粧水はケチらずバシャバシャ使えば良いというのは本当ですか?

化粧水はたとえプチプラなど安いものを使っていても、バシャバシャ使うのは間違いです。
たくさん使っても効果があがるわけではありません。
使いすぎは、肌の角質層が水浸しになってバリア機能が低下刷るリスクがあります。
また、肌の水分が蒸発する際に、角質層の天然保湿因子(NMF)などを一緒に肌の外へ出すことで、乾燥肌になるリスクもあります。 化粧水は適量使うことが正解です。

Q3.フェイスマスクを使う順番を教えてください

フェイスマスクに含まれる美容成分にもよりますが、基本は化粧水のあと、美容液の前です。
フェイスマスクの多くは、化粧水よりは油溶性成分の割合が多く、美容液より少ないことが多いからです。
ナールスのフェイスマスク「ナールスリジェパーフェクトマスク」も同じで、エイジングケア化粧水「ナールスピュア」の後、エイジングケア美容液「ナールネオ」の前に使うのが正解です。

Q4.保湿クリームを使えば乳液を使わなくても良いですか?

はい。原則として乳液と保湿クリームを両方使う必要はありません。
なぜなら、乳液と保湿クリームは、水溶性成分と油溶性成分の割合が近く、役割が似ているからです。
両方使いたい場合は、春や夏は美容液の後に乳液を使い秋や冬は保湿クリームを使うなど使い分けがおすすめです。

Q5.美容オイルを一番先に使えば良いという情報がありますが、本当ですか?

美容オイルはほぼ基礎化粧品の中で最も油溶性成分が多いアイテムです。
原則としてスキンケアやエイジングケアの最後に使いましょう。
メーカーによっては、最初に使うことをおすすめしていますが、その場合は他のアイテムは時間を置いて使うことをおすすめします。

まとめ

クリスタル医科歯科クリニック 内科院長の中島由美先生から、基礎化粧品(化粧水、美容液、クリームなど)の使い方の基本についてメッセージをいただいた上で、ナールスが考える正しい基礎化粧品の使い方のコツをご紹介しました。
スキンケアやエイジングケアのために良い基礎化粧品を選ぶことはとても大切です。しかし、使い方を誤ればせっかく良さが失われることもあります。
エイジングに負けない健やかな美肌のために基礎化粧品は正しく使いましょう。

<参考記事>
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