コラーゲンの効果がある?ない?には賛否両論が。
最近ではさまざまな研究が進み、効果があるとするもの、ないとするものがあります。
そんなコラーゲンについて、2017年にNHK「ためしてガッテン!」でもユニークなはたらきが紹介されていました。
今回は、そのポイントや研究結果などをご紹介します。
- コラーゲンは、アミノ酸でできている成分で、骨、関節、肌にあります。全体としては、体内のたんぱく質の30%、ヒトのからだの6%を占める成分です。
- コラーゲンをサプリメントで摂るとすべてがアミノ酸に分解されないことがわかっています。約20%がオリゴペプチドとして血管や細胞に届くのです。
- 体内のコラーゲンは年齢とともに減ります。また、紫外線ダメージや酸化、糖化でも変性します。だから、バランスのよい食事、紫外線対策などで維持を図ることが健康や美肌にとって大切です。
- コラーゲンに関するさまざまな研究が進みつつあります。肌や関節などにも良い効果があるとする結果も出てきています。また、褥瘡のガイドラインでも摂取が推奨されています。
- しかし、コラーゲンの効果のエビデンス(科学的根拠を示す研究データ)は十分とはいえません。あくまで食品として補助的に摂ることで、美肌や健康をサポートするものと考えるのが適切です。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
CONTENTS
1.コラーゲンを正しく理解したいあなたへ
『コラーゲンは、NHK「ためしてガッテン!』でも効果が紹介された!」をお届けします。
コラーゲンは今や誰もが知っている美容成分。
エイジングケア化粧品からサプリメント、ドリンクなど、身近なところで手に入れることができるので、一度は試したことがある方も多いのではないでしょうか。
そんなコラーゲンについては、「食べたら翌日はお肌プルプル」、「なんだか関節が軽くなった」「肌にハリがでた」といった効果を感じる方がいます。
一方、「食べても飲んでも分解されるので意味がない!」、「使ったけど効果がない」、といったネガティブな印象を持つ方もいます。
実は、コラーゲンは、ヒトの体内にあるたんぱく質の約30%を占めます。たんぱく質は全体の約20%あるので、コラーゲンはヒト全体の6%も。
肌では真皮の70%もがコラーゲンです。
かなり多いですね。
そんなコラーゲンが、2017年に、NHK「ためしてガッテン!」でも取り上げられました。
そこで紹介されたのが、興味深いコラーゲンの体内での動き。
それは、胃や腸で分解されなかったコラーゲンの代謝物(コラーゲン・ペプチド)はからだに吸収され、血管や細胞に届いて、からだにキズや肌にダメージがある人の場合、真皮にある線維芽細胞(せんいがいさいぼう)を増やしているのではないか、というものです。
実は、コラーゲンのすべてがアミノ酸に分解されず、血液や細胞に届くことは研究で発表されています。
また、さまざまな研究の結果からも、おそらくはコラーゲンペプチドが、健康や美肌に効果をもたらしている可能性が高いと考えられています。
この記事では、NHK「ためしてガッテン!」でも取り上げられた情報をもとに、コラーゲンのユニークなはたらきや効果をご紹介します。
「からだにあるコラーゲンとサプリメントは違うの?」
「コラーゲンのユニークなはたらきって?教えて!」
「コラーゲンの効果って証明されているの?エビデンスは?」
「コラーゲンの効果は?肌にどんな良いことがあるの?」
「コラーゲンは食べ物とサプリメント、どっちで摂れば良いの?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
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*コラーゲンはなぜ必要?その解説とおすすめコラーゲンサプリご紹介!
<コラーゲンを生み出す力をチェックしたいなら!>
*プルプル肌診断
<動画でコラーゲンを学ぶなら>
【美肌になりたい方は必見!】コラーゲンサプリのウソ?ホント?
2.コラーゲンのおさらい
1)コラーゲンの成分
コラーゲンは、人や動物の肌、骨、軟骨、靭帯などにある成分で、アミノ酸からできています。
具体的には、ヒドロキシプロリン、トレオニン、アスパラギン酸、イソロイシン、パリン、グルタミン酸、ロイシン、チロシン、グリシン、リジン、アルギニン、プロリン、メチオニン、ヒスチジン、セリン、フェニルアラニン、アラニン、ヒドロキシリジンがその成分です。
2)コラーゲンのはたらきと種類
そんなコラーゲンは、細胞と細胞の間にあって、細胞同士を結び付けたり、支えるはたらきがあります。
つまり、からだや肌を形作る大切な役割を担っているのです。
コラーゲンは、大きく分けると、線維を形成する「線維性」と形成しない「非線維性」の2種類があります。
たとえば、肌ではⅠ型コラーゲンやⅢ型コラーゲンは線維性で、表皮の基底膜にあるⅣ型コラーゲンは非線維性です。
また、コラーゲンはビタミンCの力で増えることが知られています。
<参考記事>
*コラーゲンのエイジングケアとアンチエイジングにおける効果と役割
3)コラーゲンは年齢や紫外線ダメージで減少
年齢とともにコラーゲンの量は少なくなり、柔らかさも失われていくことが知られています。
<コラーゲンの量は加齢で低下>
<コラーゲンの質は加齢で低下>
また、紫外線ダメージによる光老化で変性したり、酸化や糖化によっても変性してしまうことが知られています。
さらに、良くない生活習慣を続けていると、毛細血管は細くなって、コラーゲンの量や質が低下します。
ほかにも、コラーゲンがスライムのように過度に柔らかくなって伸びた状態であるカルバミル化などをおこすこともあります。
<参考記事>
*注目の新発見!コラーゲンの「カルバミル化」は顔たるみの原因
*毛細血管のゴースト化でコラーゲンも老化!美肌を取り戻す方法
3.飲んだり食べてもコラーゲンは全部分解されない!って本当?
食べ物に含まれるコラーゲンは、食べてもそのままコラーゲンとして体内で吸収されるのではなく、消化酵素によってアミノ酸やペプチドに分解されます。
ペプチドとは、アミノ酸がいくつかつながったものです。
コラーゲンの場合は、アミノ酸が2つまたは3つつながったオリゴペプチドという状態に分解されます。
一方、サプリメントのコラーゲンは、加工したペプチドの状態になっています。
なぜなら、生のコラーゲンよりも消化吸収されやすくなるからです。
コラーゲンは、もともと3重のらせん構造ですが、加熱して抽出・精製するとゼラチンになります。
さらに、ゼラチンを加水分解すると「コラーゲンペプチド」(オリゴペプチド)になります。
<コラーゲン・ゼラチン・コラーゲンペプチドの関係>
「ためしてガッテン」の中でも同じような内容のことが伝えられていましたが、研究によってコラーゲンが、オリゴペプチドとして血液や細胞に約20%届くことがわかっています。
また、オリゴペプチドは、食後数時間は血流内に存在してからだ中をめぐっているということもわかりました。
さらに、オリゴペプチドを詳しく調べたところ、特定のアミノ酸の組み合わせであることもわかったのです。
それは、「プロリン-ヒドロキシプロリン」と「ヒドロキシプロリン-グリシン」という組み合わせでした。
この3つは、コラーゲンの成分であるアミノ酸ですが、ヒドロキシプロリンは、コラーゲンとコラーゲンに似た構造のたんぱく質にしか含まれない特殊アミノ酸であることがわかっています。
つまり、コラーゲンを特徴づけているアミノ酸なのです。
<参照元>
*ためしてガッテン「決定版!コラーゲン100%活用SP」
<参考書籍>
真野博. コラーゲン完全バイブル. 幻冬舎メディアコンサルティング, 2011.
<参考記事>
*「コラーゲン完全バイブル 」の内容・特徴!を活用して美肌と健康を!
4.なぜコラーゲンの効果にばらつきがあるの?
コラーゲンの効果のメカニズムは、まだ仮説段階のようです。
それは、コラーゲンペプチドを摂った際に、ヒドロキシプロリンやプロリンなど特有のアミノ酸が何らかのシグナルを送り、「コラーゲンが壊れている」と勘違いすることで、線維芽細胞を刺激して、生成を促すというものです。
この仮説の場合、からだや肌のコラーゲンが少なかったり、壊れている場合のほうが、効果が高くなる可能性があります。
また、研究でも評価・効果が主観的であったり、それに使うコラーゲンの種類も異なることや人によって酵素活性が違うため、血中のコラーゲンペプチドの状態が違うことも効果にばらつきがある原因だと考えられています。
5.コラーゲンが床ずれ(褥瘡)のケアに良い!って本当?
「ためしてガッテン」のウェブサイトでも紹介されていますが、2015年の日本褥瘡学会のガイドラインにおける「CQ4.10 褥瘡患者に特定の栄養素を補給することは有効か?」の項目で、コラーゲン加水分解物(コラーゲンペプチド)がほかの5つの栄養素ととともに「疾患を考慮して補給しても良い」と記載されています。
コラーゲンが肌再生を助けた可能性が示唆される研究論文のデータもあります。
<コラーゲンペプチドで褥瘡の程度が良化>
<コラーゲンペプチドで褥瘡の傷面積が縮小>
<参考>
【床ずれに効果的】コラーゲンを飲んで健康的になろう!
6.コラーゲンは関節にも良い?
「ためしてガッテン」のウェブサイトでは、ドイツの病院で関節の痛みなどを抱える患者さんに、コラーゲンが使われることが掲載されています。
また、アスリートがコラーゲンを食べることで、関節のケガや痛みが軽減したという話も。
これについても研究報告があります。
関節痛は、コラーゲンの継続摂取で軽減されるという論文が2008年にドイツで発表されています。
ひざに痛みをもつ人が1日に10g、半年間コラーゲンを継続摂取した結果、痛みが軽減したのとの結果です。
この結果は、コラーゲンを摂ることが関節にポジティブな効果があると示唆しています。
一方、米国や英国では関節の痛みにコラーゲンの効果がなかったとする論文もあります。
人種による食生活の違いなどが関係しているようですが、まだ確実にコラーゲンが関節に良いとは言い切れないようです。
<参照論文>
Current Medical Research Opinion. 2008(PMID:18416885)
24-Week study on the use of collagen hydrolysate as a dietary supplement in athletes with activity-related joint pain
7.まだある!コラーゲンのさまざまな効果
1)コラーゲンのさまざまな効果
コラーゲンは、褥瘡や関節以外でも肌や血管への効果、紫外線による光老化を防ぐ効果などもあります。
たとえば、シワやほうれい線などのお肌の老化の予防、皮膚、爪が丈夫になる、髪のハリやコシをつくる、軟骨や骨、じん帯や腱が丈夫になる、傷が治りやすくなるなど、お肌とからだにとって大きな役割を果たしています。
<参考記事>
*プルプル美肌になる!コラーゲンサプリメントの種類と選び方のコツ
*コラーゲンはなぜ必要?おすすめの低分子コラーゲンサプリご紹介!
*コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド
*毛髪に朗報!ノニと魚由来コラーゲン入りドリンクで抜け毛が減った
*コラーゲンを毎日食べて、紫外線による光老化や肌老化を予防しよう!
*コラーゲンをサプリメントで摂れば効果的。エビデンスを知って美肌に!
2)コラーゲンの効果が確実に検証されているわけではない
しかし、さまざまな研究が進んでいるコラーゲンですが、そのエビデンスが十分とは言い切れません。
今回の記事でも、皮膚のハリを保ったり、関節の痛みを和らげるなどの研究をご紹介しましたが、有効性が十分証明されているとまではいえないのです。
コラーゲンは、からだや肌にとってとても大切であることは間違いありませんが、サプリメントやドリンクで補うものはあくまで健康食品です。
過度な期待をするのではなく、補助的なものとして摂ることをおすすめします。
【美肌になりたい方は必見!】コラーゲンサプリのウソ?ホント?
8.品質の良いコラーゲンを正しく摂ろう
ではどんなコラーゲンを摂れば良いのでしょか?
また、摂り方は?
ここでは、そのポイントをご紹介します。
1)吸収が良いのは魚由来
コラーゲンサプリやコラーゲンドリンクには、魚由来と動物由来があります。
魚由来は、タラやマグロなど天然の海水魚の皮由来とテラピアなどの養殖魚のウロコ由来があります。
動物由来は、豚と鶏由来があります。
それぞれ特徴がありますが、吸収が良いのは「魚由来のコラーゲン」です。
魚由来と豚皮由来のコラーゲンペプチドの効果を調べた研究では、プラセボと比べて、魚由来のコラーゲンペプチドを飲んだ被験者で角層の水分量が増えていたことがわかりました。
一方で、豚皮由来のコラーゲンペプチドを飲んだ被験者では、プラセボと比較して有意な変化はありませんでした。
この研究だけでなく、魚由来のものは、動物由来のコラーゲンと比べて分解能が良いよいことが報告されています。
中でもまぐろやタラなど、低体温の天然魚由来のコラーゲンの吸収が良いことがわかっっています。
このほかの条件としては、香料、着色料、防腐剤など添加物を含まないことや化学薬品を用いた漂白・脱臭は一切行ってないなど、安全面や品質を意識することが大切です。
<参考記事>
*マリンコラーゲンとフィッシュコラーゲンに大きな違い!真実は?
*マリンコラーゲンのメリットと提供理由!日本酵研さんにインタビュー
*資生堂のザ・コラーゲン リラクル〈ドリンク〉の贅沢美容成分を体験!
2)コラーゲンの摂り方
コラーゲンペプチドを摂ることを、毎日の習慣にすることがとても大切です。
その理由は、コラーゲンペプチドが血中に吸収されても、その効果は1日経てば消えてしまうと考えられているからです。
たとえば、コラーゲンペプチドを4週間摂りつづけることで、しわの改善が認められ、お肌の水分量も上がったという論文もあります。
また、コラーゲンの1日摂取量は、エビデンスをもとに、骨や関節には1日10g、お肌のためには1日2.5g以上、できれば5gを目安に摂ることが効果的とされています。
<参考記事>
9.まとめ
NHK「ためしてガッテン!」で紹介されたコラーゲンの情報をもとに、その効果や役割を紹介しました。
その効果には、賛否両論がありますが、最近ではさまざまな研究が進んでいます。
まだ、エビデンスの質や量は十分とはいえませんが、肌や関節などで良い効果が出たという結果も増えています。
それは、コラーゲンがすべて分解されずにオリゴペプチドとして血管や細胞に届くことによるものと考えられています。
つまり、すべてがアミノ酸に分解されないことによる効果です。
ぜひ、コラーゲンに対する正しい理解を深めて、健康や美肌に活かしましょう。
この記事『コラーゲンは、NHK「ためしてガッテン!」でも効果が紹介された!』が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
ナールスエイジングケアアカデミー編集長京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。文部科学省後援日本化粧品検定1級。
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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