化粧品に興味のある方でしたら、「ビタミンC誘導体」が基礎化粧品やエイジングケア化粧品によく使われることは、ご存知だと思います。そんなビタミンC誘導体には、水溶性、油溶性、さらに水にも油に溶ける両親媒性のものがあります。ビタミンCがどんどん進化するのは、何といっても美肌に役立つから。この記事では、水溶性ビタミンC誘導体の種類や特徴と効果的な使い方をご紹介します。また、おすすめの水溶性ビタミンC誘導体配合のエイジングケア化粧品をご紹介します。
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- ビタミンCは不安定であるため、化粧品成分として使う際に、その問題を解決したのが「誘導体」です。エイジングケアや美肌の成分としてとても役立っています。
- ビタミンC誘導体には「水溶性」、「油溶性」の2種類がありました。そして、今では両方に溶ける両親媒性のタイプも登場して3種類になりました。
- 水溶性ビタミンC誘導体は、水に溶けやすい特徴から化粧水やローションタイプのエイジングケア化粧品に配合されていることが多くなっています。また、速効性があることもメリットです。一方、刺激性があることがデメリットです。
- 水溶性ビタミンC誘導体はさまざまな種類があるので、特徴を理解して自分に合うものを選びましょう。オススメは、VCエチルやリン酸アスコルビルです。
- APPS(アプレシエ)は、水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体の両方の特徴を持ち合わせた新しい種類のビタミンC誘導体として注目されています。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
松岡 桓準 先生
近畿大学薬学部卒業後、薬剤師免許を取得。大学院修了後、化粧品関連企業で化粧品有効成分の研究開発に携わる。
2014年より株式会社育星会カイセイ薬局にて地域住民の薬物治療のサポートを行う一方で、認定NPO法人健康ラボステーションでの活動を通して未病・予防に関する情報発信を行っている。
CONTENTS
1.水溶性ビタミンC誘導体は、今も進化
「水溶性ビタミンC誘導体の種類・特徴と効果的な使い方は?」をお届けします。水溶性ビタミンC誘導体は、今ではエイジングケア化粧水や美白化粧水によく配合される成分です。また、メンズ化粧水に配合されることもあります。そんな人気の水溶性ビタミンC誘導体は、もともとビタミンC。その歴史や進化はどんなものでしょうか。水溶性ビタミンC誘導体の特徴や使い方の前に、少し進化の過程を探ってみましょう。
1)ビタミンCの歴史
美容、美肌の味方「ビタミンC」。もともと、水溶性で食物から摂取しても、お肌につけても効果的なビタミンです。
そもそも、このビタミンCが注目されはじめたのは16世紀の大航海時代に遡ります。長期間の航海で船員達が次々と壊血病(かいけつびょう)によって命を落としていきました。命を落としていった船員たちは、下働きの下級船員達ばかり。そこで、イギリスの海軍医ジェームズ・リンドは、食事環境が比較的良好な高級船員の発症者が少ないことから、新鮮な野菜や果物を摂ることによってこの病気の予防ができるのではないかと考えました。つまり、ビタミンCが壊血病を予防することが発見されたのです。この発見によって大航海にともなうリスクが減って、ヨーロッパ各国の大航海が活発になりました。
今では誰もが知っているビタミンCですが、振り返れば「ビタミンCが世界の歴史を変えた」という見方もできるのです。その後も、ビタミンCの研究は進み、医薬品、食品へと応用されるようになっていったのです。
2)水溶性ビタミンC誘導体に進化
ビタミンCが化粧品成分として使われはじめたのは、比較的最近で1980年代頃からになります。ただ、ビタミンCを化粧品に配合するには問題がありました。それは、このビタミンCは、空気に触れると壊れてしまうという特徴があったことです。だから、化粧品に配合するためには、工夫が必要だったのです。その工夫とは、お肌の中に吸収されてからビタミンCに変わるような工夫、つまり、ビタミンC誘導体に加工するという方法なのです。
これが、ビタミンCを使った化粧品に進化をもたらしました。ビタミンCはもともと水溶性のため、ビタミンC誘導体も水溶性のものが多く、化粧水やローションタイプのアイテムに配合されることが多い成分でした。最近の水溶性ビタミンC誘導体は随分進化し、種類も増えましたが、基本的な特性は、いずれも水溶性ビタミンC誘導体なので同じです。しかし、その種類で浸透性、持続性、効果などが少しずつ異なります。
さらに、今では油溶性ビタミンC誘導体も登場し、選択肢が広がりました。ですから、より緻密に自分のお悩みの用途にあった水溶性ビタミンC誘導体が配合されたエイジングケア化粧品を選びたいなら、1つひとつの水溶性ビタミンC誘導体の詳しい知識が必要です。
この記事では、水溶性ビタミンC誘導体の種類やおすすめのビタミンC誘導体配合のエイジングケア化粧品を紹介していますので、エイジングケア化粧品を選ぶ際に是非参考にしてみてくださいね。
「水溶性ビタミンC誘導体にはどのような種類があるの?教えて!」
「それぞれの特徴は?」
「水溶性ビタミンC誘導体って、種類でどれだけ効果が違うの?」
「また、安全性の違いは?」
「水溶性ビタミンC誘導体はどのような使い方をするのがおすすめなの?」
といった疑問をお持ちの方はぜひ、読み進めてください。
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2.水溶性ビタミンC誘導体とは?
1)ビタミンC(vitamin C、VC)とは?
ビタミンC誘導体のお話の前に、ビタミンCに触れておきましょう。ビタミンC(vitamin C、VC)は、水溶性ビタミンです。化学的には、「L-アスコルビン酸」と呼びます。そして、このL-アスコルビン酸は、人の生命維持に関して重要な役割があるのです。
具体的には、次のような様々な作用があります。
- 抗酸化作用によってタバコの毒性などの無害化を助ける
- コラーゲンの生成を促し、肌のハリやツヤ、弾力をサポートする
- メラニン生成を抑制することで、シミの予防を助ける
- 皮脂分泌を抑える
- 鉄やカルシウムの吸収を高める
- アミノ酸、糖、鉄、カルシウムの代謝に関与する
- アレルギー反応で生じるヒスタミンの放出を抑える
- ストレスを軽減するホルモンの生成を促す
- アルコールの分解を助ける
これらのうち、メラニン生成の抑制や抗酸化作用は、ビタミンCがほかの物質から酸素を奪うはたらきである還元作用(抗酸化作用ともいいます)によるものです。一方、ビタミンCが不足すると、コラーゲンがつくられなくなり、血管が弱くなることで体内のいろいろな部位で出血を起こす壊血病になってしまうことがあります。また、お肌でもコラーゲンがつくられなくなり、お肌のハリや弾力が失われたり、シミやしわができやすくなるのです。こうしたL-アスコルビン酸のはたらきに着目されて、化粧品成分への応用が進められました。
2)誘導体とは?
しかし、ビタミンCは不安定であり、化粧品として使いづらいという弱点がありました。そこで、力を発揮したのが、「誘導体」です。では、「誘導体」とは一体何なのでしょうか?化粧品の場合、「アミノ酸誘導体」や「ビタミンA誘導体(レチノール、レチノイン酸トコフェリル)」など、いくつかの誘導体がありますが、誘導体化させる目的は基本的にはすべて同じです。
誘導体とは、ある物質(化合物)の化学構造の一部を、もともとの特性と変わらないレベルで変化させたもののことです。つまり、ビタミンC誘導体とはビタミンCに含まれるL-アスコルビン酸の効果を活かした状態のまま、少しだけ化学構造(形)を変えて、ビタミンCの安定性や吸収性をよりよく改良したもののことをいいます。ビタミンC誘導体は、一旦「誘導体」として肌に吸収されたのち、体内の酵素のはたらきでビタミンCに戻って、効果を発揮します。
3)ビタミンC誘導体の種類で何が違うの?
ビタミンCそのものは、L-アスコルビン酸なので1種類です。ビタミンC誘導体に種類があるのは、「誘導体」に種類があるからで、先程お伝えしたような、ビタミンCにちょっとした加工をする方法がいくつかあるからなのです。そのビタミンC誘導体の種類によって、持続時間、吸収性、刺激性などに違いが生じ、結果的にお肌での効果の違いにつながるのです。
ここまでで抑えておきたいポイントです。
- ビタミンC誘導体の種類が違っても、その効果を発揮するのはビタミンCなので、その本質が変わるわけではない
- 誘導体にする方法の違いで、お肌への効果や刺激が違ってくる
したがって、ビタミンC誘導体の種類とその違いを知っておくことが、ビタミンC誘導体化粧品を選ぶポイントの1つになります。
4)水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体
まず、ビタミンC誘導体には、大きく分けて「水溶性ビタミンC誘導体」、「油溶性ビタミンC誘導体」の2種類があります。また、最近では後で詳しく説明する「両親媒性ビタミンC誘導体」も登場しています。水溶性ビタミンC誘導体は短期間で吸収されるため、即効性が高いことが特徴とされ、化粧水やローションタイプの化粧品に配合されることが多いです。皮脂のコントロールにも優れ、シミやそばかすなどの原因となるメラニン色素を還元することで、シミを改善するはたらきがあります。ビタミンC誘導体を配合した化粧水については、「ビタミンC誘導体化粧水の選び方はエイジングケアの視点で」を参考にしてください。
しかし、肌が弱っている時に使用すると、高濃度なものだと刺激を感じやすいことや、成分が紫外線に弱く夏場には向かないことなどの欠点もあります。また、乾燥肌の原因になってしまうこともあるので、その点も注意が必要です。水溶性ビタミンC誘導体を使う場合は、しっかりと保湿を行って乾燥肌の対策もあわせて行いましょう。その点については、「乾燥肌対策の保湿にビタミンC誘導体化粧水は使っていいの?悪いの?」を参考にしてください。
一方、油溶性ビタミンC誘導体は美容液や保湿クリームなどに高濃度に配合されたものが多く、ビタミンCの持続性にも優れています。肌への刺激も少ないので、敏感肌や、肌トラブルが起きている人でも使用しやすいという特徴もあります。とろみのある美容液や、こってりとしたクリームタイプなどのエイジングケア化粧品に配合されている事が多い成分です。油溶性ビタミンC誘導体は、「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)は油溶性ビタミンC誘導体」に詳しく解説しています。
ここまで、水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体の特徴の違いを説明しました。次に、水溶性ビタミンC誘導体にはどのような種類があるのかみていきましょう。
3.水溶性ビタミンC誘導体の種類と特徴
今、説明したとおり、水溶性ビタミンC誘導体にはいくつか種類があます。基本的には、ビタミンC(L-アスコルビン酸)の特性を持っていますが、持続時間、吸収性、効果などで違いがあります。だから、水溶性ビタミンC誘導体それぞれの種類の特徴を知ることで、自分の肌によいものはどれか、どのような種類のビタミンC誘導体化粧水を選べばいいのかを知ることができます。それでは、具体的に1つひとつの水溶性ビタミンC誘導体の特徴を説明します。
1)リン酸アスコルビル
まずはリン酸型ビタミンC誘導体から紹介します。リン酸型には「リン酸アスコルビルナトリウム」と「リン酸アスコルビルマグネシウム」の2種類があります。どちらも安定性の高い水溶性ビタミンC誘導体です。どちらもビタミンC(L-アスコルビン酸)にリン酸という構造を追加しており、ナトリウムやマグネシウムが加えられています。ビタミンC誘導体からビタミンCに変化するのに約6時間~10時間かかるとされていて、1日2回の使用で体内にビタミンCを残しておけるので美肌効果が期待できます。
①リン酸アスコルビルナトリウム(アスコルビルリン酸Na)
肌への吸収率に優れ、リーズナブルな価格であることから、高濃度配合が可能な成分で、皮膚科などでよく用いられる種類のビタミンC誘導体です。一般的に、ビタミンC誘導体化粧水には1~3%程度で配合されます。リン酸アスコルビルナトリウムは、お肌へ浸透する過程で、お肌にある酵素フォスファスターゼでビタミンC(L-アスコルビン酸)に戻ります。シミ、しわ、くすみなどのエイジングケア効果や美白効果、ニキビの改善効果、ニキビ跡のケアなどが期待できます。強い抗酸化作用や美肌にはかかせないコラーゲンの生成にも役立つ、ベーシックな水溶性ビタミンC誘導体です。
②リン酸アスコルビルマグネシウム(アスコルビルリン酸Mg)
リン酸アスコルビルマグネシウムは、最も歴史が古い種類の水溶性ビタミンC誘導体になります。酸素との反応がよいため、水溶性ビタミンC誘導体として高い効果が期待できます。使用感もピリピリした刺激が少ないので、肌が弱く、ほかの水溶性ビタミンC誘導体で刺激を感じる場合でも、使える場合があります。ただし、マグネシウムのはたらきから、沈殿しやすいため、高濃度での配合が難しいのが欠点です。「リン酸アスコルビルナトリウム」と「リン酸アスコルビルマグネシウム」の違いは大きくありませんが、浸透性や扱いやすさでは、リン酸アスコルビルナトリウムがやや勝り、刺激性の少なさや効果では、リン酸アスコルビルマグネシウムがやや勝ります。とはいっても大きな差ではなく、ともに汎用性の高い優れた水溶性ビタミンC誘導体です。エイジングケア化粧水であるナールスピュアには、リン酸アスコルビルナトリウムが配合されています。
2)L-アスコルビン酸-2グルコシド
アスコルビン酸にグルコース(糖)を結合させた無臭のビタミンC誘導体です。安定性が高く水に溶けやすいのが特徴なので、化粧水への配合に向いた成分です。しかし、人間の肌にはアスコルビン酸と糖の結合を分解する酵素がほとんどないので、誘導体からビタミンCに戻りづらい点が欠点だとされています。ゆっくりとビタミンCに戻るので、効果の持続時間は長くなります。ただし、本来のビタミンCの効果を発揮するかは疑問視されていること、新たな水溶性ビタミンC誘導体が登場したことなどで、現代では使われることが減ってきました。
3)ビタミンCエチル(VCエチル)
ビタミンCエチルは、ビタミンCに炭素原子を2つ結合した新しいタイプのビタミンC誘導体です。エチルアスコルビン酸とも呼ばれます。ビタミンC誘導体がビタミンCへ変換されるには、体内で酵素によって分解されることが必要ですが、ビタミンCエチルは、酵素反応を必要とせず、そのままの形で即ビタミンCと類似の働きを示します。つけた直後から効果を発揮するという視点から、即効性が期待されています。
また、ビタミンCやビタミンC誘導体は、安定性が課題でしたが、ビタミンCエチルは、その点が改善され、従来のビタミンCや他の水溶性ビタミンC誘導体よりも安定性が高いといわれています。さらに、従来のビタミンC誘導体がもつ「メラニンをつくる酵素を阻害するはたらき」に加え、紫外線A波(UVA)によって引き起こされる「即時型色素沈着を抑制する効果」が認められており、美白成分として今後注目が集まりそうな成分です。
エイジングケア美容液である「ナールスネオ」には、VCエチルが配合されています。
↓↓ 即時型色素沈着とは ↓↓
紫外線を浴びてすぐに灰黒色の色素が現れてくること。色黒の人に起こりやすい黒化現象。
4.ビタミンC誘導体APPS(アプレシエ)とは?
APPSの正式名称は「パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム」といいます。「100倍浸透するビタミンC誘導体」といわれ、エイジングケア化粧品成分として有名になりました。水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体の両方の特徴をあわせ持ち、新型のビタミンC誘導体として注目されています。APPSは何よりも浸透率のよさが評価されています。
しかし、APPSは値段がほかの種類の水溶性ビタミンC誘導体と比較して高額であり、APPSを配合した化粧品は、それ以外の種類のビタミンC誘導体が配合された製品に比べてまだ数が少ないのが現状です。そのため、ほかの水溶性ビタミンC誘導体との効果で差がどれほどあるかはよくわかっていません。
■APPSの効果
APPSの効果については、現在も研究が続いています。今回は、その研究の中でもAPPSの効果が示された論文の1つを紹介します。
ただし、ご紹介するAPPSの試験は、人体ではなく、ヒト皮膚片などで行われたものを含んでいます。だから、この効果が実際の効果ではない点をご理解いただき、読み進めていただければ幸いです。
【試験内容】
APPSにおいて「①皮膚浸透性」「②しわ改善効果」「③美白効果」「④抗アクネ効果」の4項目に対する評価を行った。
①皮膚浸透性
色素にて色を付けたAPPSおよびアスコルビルリン酸にヒト皮膚片を18時間浸透させ、顕微鏡で観察したところ、APPSの浸透性が高かった。
②しわ改善効果
21名の被験者の目尻のしわ部分に、1日2回、1~3カ月間1%APPS配合美容液を塗布し、目視にて使用開始前と比較したところ、約半数以上の方でしわの改善と角層水分量の増加が認められた。
このことからAPPSには乾燥によるしわを目立たなくする効果が示唆された。
③美白効果
メラニンがつくりだされるメラノサイトおよびケラチノサイトを培養した皮膚モデルに1%APPSを投与し、2週間培養後、生成したメラニンを確認したところ、APPSのメラニン量は投与なし群の約70%にとどまった。
④抗アクネ効果
皮膚科に通院中のアクネ患者に1%APPS配合ローションを1日2回、6カ月間塗布したところ、面皰(めんぽう:毛穴がつまって皮脂がたまっているニキビ)や赤色丘疹(せきしょくきゅうしん:赤く炎症を起こしているニキビ)が減少した。
【結果】
①~④のいずれの項目でもAPPSはコントロール群と比較して良好な結果となった。
参考:Fragrance Journal 2015; 9: 51-56.
いかがでしたでしょうか?エイジングケア世代にとっては、しわ改善効果、美白効果が非常に気になりますよね。今後、APPSはさらに研究が進み、たくさんの種類のAPPS配合エイジングケア化粧品が発売されることになると思います。
APPS配合化粧水については、「APPS(アプレシエ)化粧水の選び方とおすすめは?」こちらを参考にしてくださいね。ご自身がビタミンC誘導体に求めることやご自身のお肌と相談して、ぴったりのビタミンC誘導体配合の化粧品を探してください。
5.水溶性ビタミンC誘導体は、どんな肌質に使えるの?
では、水溶性ビタミンC誘導体は、どんな肌質に向いているのか?あるいは、向いていないのでしょうか?肌質は、通常、普通肌、乾燥肌、脂性肌、乾燥性脂性肌(インナードライ肌)の4つのことです。また、乾燥肌がひどくなってバリア機能がさらに低下すると敏感肌や乾燥性敏感肌、顔のパーツで脂性肌、乾燥肌などの今あげた肌タイプが混在しているお肌が混合肌です。混合肌の多くは、Tゾーンは脂性肌、Uゾーンは乾燥肌です。
<お肌の質・タイプの分類>
水溶性ビタミンC誘導体は、普通肌や脂性肌のスキンケアには、肌荒れなどが特に問題がない場合は、向いている化粧品成分です。
気を付けたいのは、乾燥肌やインナードライ肌、敏感肌の場合です。ビタミンC誘導体の皮脂の抑制の効果で乾燥肌を助長させるリスクがあるからです。
また、混合肌の場合は、Tゾーンなど皮脂過剰なパーツはよくても乾燥したパーツでは気を付けましょう。Uゾーンに加えて、皮膚の薄い目元・口元などのOゾーンにも注意が必要です。
ただし、脂性肌も混合肌も、バリア機能の低下が原因で、お肌を守るために皮脂の分泌が過剰な場合もあります。そんな場合は、水溶性ビタミンC誘導体は要注意です。エイジングケアや美肌にとって、とてもよい効果のある水溶性ビタミンC誘導体ですが、肌質や肌状態に応じて、上手に使うことが大切なのです。
6.水溶性ビタミンC誘導体の使い方を考える
水溶性ビタミンC誘導体を使用する時には、ほかの成分との組み合わせや順序を考えて使うようにしましょう。また、それ以外の方法も試してみる価値があるのでご紹介します。
1)オススメの組み合わせは、ナールスゲンとビタミンE誘導体
実は、ビタミンC誘導体と相性のよいエイジングケア化粧品成分があります。それが、「ナールスゲン」と「ビタミンE誘導体」です。
①ナールスゲンとの組み合わせ
ナールスゲンとビタミンC誘導体を一緒に使うことで、相乗効果があることがわかっています。ナールスゲンにもビタミンCにもコラーゲンを増やすはたらきがありますが、一緒に用いると、コラーゲンをさらに増やす効果があります。
<ビタミンCとの相乗効果>
②ビタミンE誘導体との組み合わせ
ビタミンE誘導体も、ビタミンC誘導体と同じく、抗酸化作用、つまりは還元作用があります。ビタミンEは抗酸化作用を発揮することで、自分自身は酸化されてしまいます。酸化されてしまったビタミンEは、もはやエネルギーを失った状態で役に立ちません。
しかし、近くにビタミンCがあると、そこからエネルギーをもらうことができるのです。つまり、一旦、酸化されたビタミンEがビタミンCのおかげで、元の状態に戻るのです。化粧水では特に、両親媒性ビタミンE誘導体のトコフェリルリン酸Naがおすすめです。このように、ビタミンE誘導体とビタミンC誘導体は、相性のよい組み合わせなのです。
ナールスゲン + ビタミンC + ビタミンEのエイジングケア化粧水「ナールスピュア」
2)この順番はNG?
せっかく水溶性ビタミンC誘導体が含まれているエイジングケア化粧品を使っても、誤った順番で使えば、水溶性ビタミンC誘導体の効果を十分に発揮できないこともあります。たとえば、油溶性のものを先に使用してしまうと、後から水溶性ビタミンC誘導体が配合されたエイジングケア化粧品を使っても油膜が蓋をしてしまうので、最大限の効果は得ることができません。逆に水溶性のビタミンC誘導体の後、油溶性のビタミンC誘導体が配合されたエイジングケア化粧品を使うことには問題ありません。基礎化粧品を使う順番は、「化粧水、美容液、乳液、保湿クリームの違いとつける順番は?」を参考にしてください。
3)水溶性ビタミンC誘導体のローションパックはOK?
水溶性ビタミンC誘導体を配合しているエイジングケア化粧水をローションパック(化粧水パック)として使う方法は、お手軽なので試してみてはいかがでしょう。お手持ちのビタミンC誘導体化粧水をティッシュやコットンなどに含ませることで、お手軽にパックができます。手持ちの化粧水を染み込ませて使うパック用シートも市販されていますよね。ただし、ティッシュやコットンを使う場合は、お肌をパンパンたたいたり、擦ったりして刺激をあたえないようにしましょう。
4)水溶性ビタミンC誘導体のフェイスマスクは有効?
さまざまなメーカーが多種類のフェイスマスクを販売しています。多くのフェイスマスクに配合されている化粧品成分は美容液に近いものです。その中には、水溶性ビタミンC誘導体や油溶性ビタミンC誘導体が配合されたものがあります。値段としては500円~数千円と種類によって差があります。ビタミンC誘導体が高濃度で配合されているフェイスマスクを毎日行うと、肌への刺激が強くトラブルの原因になってしまうこともあるので、週1回程度のスペシャルケアとして使用するのがおすすめです。水溶性成分が中心のフェイスマスクの後は、ワセリンやシアバターなど油溶性成分(エモリエント成分)を含む保湿クリームなどで蓋をすることもよい方法です。
フェイスマスクについての詳しい情報は、「フェイスマスクの選び方とオススメ・ランキングの関係は?」をご覧ください。
また、ほうれい線にお悩みの場合なら、「ほうれい線ケアのフェイスマスクの選び方と使い方」も参考にしてください。
5)水溶性ビタミンC誘導体とイオン導入器ってよいの?
水溶性ビタミンC誘導体の効果を得るためには、電子の力を利用することでビタミンCをお肌の奥までしっかりと浸透させることができるといわれる「イオン導入」という方法があります。
これは、水に溶けてマイナスの電荷を帯びるビタミンC誘導体とイオン導入器が生み出すマイナスの微弱電流が反発しあうことで、ビタミンC(L-アスコルビン酸)を皮膚の深部にまで浸透させることができるという理論によるものです。
水溶性ビタミンC誘導体は、下記の特性を持っているので、イオン導入に向いています。
- 分子量が小さい
- 水溶性
- マイナスイオン化する
ほかにもアミノ酸、ナールスゲン、プラセンタエキス、トラネキサム酸などもイオン導入に向く成分です。だから、これらの成分が入っていれば、イオン導入に向く化粧水です。つまり、ビタミンC誘導体化粧水やアミノ酸化粧水は、イオン導入に適した化粧水と言えます。
ただ、イオン導入器の価格はピンキリで多くの種類があり、性能もさまざまです。だから、どこまで、理論通りにお肌の奥まで浸透するかは、イオン導入器によってもマチマチです。試してみることはよい選択肢だと思いますが、その効果には幅がありそうです。購入したメーカーなどからしっかりと情報提供を受けましょう。
また、美容皮膚科やエステなどでも使っているところがあります。なお、ビタミンCの肌への負担も考えると週に1~2回の使用がおすすめです。
6)紫外線のアフターケアに水溶性ビタミンC誘導体を使う
水溶性ビタミンC誘導体のオススメの使い方をもう1つ紹介します。それは、紫外線のビフォー&アフターに使うことです。
紫外線は活性素紫を発生させることで、お肌のエイジングを促進させてしまいます。一度浴びてしまった紫外線は、すぐにお手入れをしないと、シミや乾燥だけでなく、お肌の中のコラーゲンやエラスチンにもダメージを与えてしまいます。もちろん、表皮、真皮、線維芽細胞などにダメージを与え、お肌のたるみの原因になります。
ビタミンC誘導体は、そんな紫外線のビフォーケアやアフターケアにもピッタリなエイジングケア化粧品成分なのです。紫外線を浴びてしまった後は、水溶性ビタミンC誘導体を配合したエイジングケア化粧水ですぐにお手入れをしましょう。紫外線のアフターケアに関する詳しい情報は、「外出時の紫外線による日焼けのアフターケアはビタミンACEで!」にて解説しています。
<参考記事>
ビタミンC誘導体化粧水おすすめ14選!ドラッグストア〜デパコスまで
7.おすすめの水溶性ビタミンC誘導体配合化粧品
1)おすすめの水溶性ビタミンC誘導体配合化粧水
水溶性ビタミンC誘導体「アスコルビルリン酸Na」とAPPS配合のエイジングケア化粧水がナールスピュア。私たちの化粧水ランキング第1位です。
ナールスピュアの特徴は次のとおりです。
- ナールスゲン推奨濃度配合
- 水溶性ビタミンC誘導体アスコルビルリン酸ナトリウム配合
- 両親媒性ビタミンC誘導体APPS配合
- 両親媒性ビタミンE誘導体トコフェリルリン酸ナトリウム配合
- 水溶性プロテオグリカン配合
シンプルな配合で、アルコールフリーの化粧水であり、自ら潤い弾む美肌をもたらすビタミンC誘導体化粧水です。30代からの初めてのエイジングケアはもちろん、40代のエイジングケアにも50代のエイジングケアにもオススメのエイジングケア化粧水です。
水溶性ビタミンC誘導体化粧水なら、水溶性ビタミンC誘導体配合エイジングケアローション「ナールスピュア」
2)おすすめの水溶性ビタミンC誘導体配合美容液
水溶性ビタミンC誘導体配合のオススメのエイジングケア美容液がナールス ネオです。美女が選ぶベスト美容液などでも高い評価を得ている目元・口元専用美容液です。私たちの美容液ランキングの1位です。目元のハリや口元のハリ、肌ツヤをキープして、「目元・口元のエイジングサインへのファイナルアンサー」を目指して開発しました。
ナールス ネオの特徴は次のとおりです。
- ナールスゲン推奨濃度配合
- 水溶性ビタミンC誘導体VCエチル配合
- 両親媒性ビタミンC誘導体APPS配合
- ネオダーミル配合
- 6種のヒト型セラミド配合
- 抗酸化成分の金コロイドやレスベラトロール配合
- FGF(線維芽細胞成長因子)に似たはたらきをするアセチルデカペプチド-3配合
また、アルコールフリー化粧品であり、多くの保湿成分を配合。そんなナールス ネオは、エイジングケア世代になると、冬の乾燥肌対策だけでなく夏でも乾燥肌対策に使えるビタミンC誘導体配合のエイジングケア美容液です。
もちろん、春の乾燥肌対策や秋の乾燥肌対策でも使えます
水溶性ビタミンC誘導体配合エイジングケア美容液「ナールス ネオ」
8.水溶性ビタミンC誘導体の肌老化への効果と限界
水溶性ビタミンC誘導体は、優れたエイジングケア化粧品成分の1つです。だから、くすみケアの化粧水、毛穴の黒ずみケアの化粧水、たるみ毛穴ケアの化粧水、しわケア化粧水などの肌悩み対策のアイテムに配合されます。
また「30代~40代でほうれい線を消すエイジングケア化粧水!選び方は?」や「50代からのほうれい線ケア化粧水の選び方の秘密?おすすめもご紹介」でもご紹介したとおり、ほうれい線対策のアイテムにも使われます。
しかし、「ほうれい線の改善にビタミンC誘導体化粧水は効果があるの?ないの?」でも取り上げているとおり、顔のたるみを改善したり、深いほうれい線を消すことはできません。
つまり、水溶性ビタミンC誘導体は、肌老化の予防美容のための美容成分なのです。その点を理解してエイジングケアに活かしましょう。
9.水溶性ビタミンC誘導体に関するよくある質問
Q1.水溶性ビタミンC誘導体の最大のメリットは何ですか?
水溶性ビタミンC誘導体の最大の特徴は、即効性に優れていることです。 そのため、短期間で皮膚に吸収される点が大きなメリットです。
Q2.ビタミンC誘導体の美容効果は?
水溶性ビタミンC誘導体には、シミの原因となるメラニンの生成を抑える美白効果や皮脂分泌を抑える作用でニキビ予防も期待できます。
Q3.ビタミンC誘導体の水溶性と油溶性の違いは何ですか?
水溶性ビタミンC誘導体は水に溶ける性質があり、即効性があります。化粧水やローションによく配合されます。一方、油溶性ビタミンCは、油に溶けやすく通常の水溶性ビタミンC誘導体より浸透性と持続性が高いという特徴があります。
Q4.ビタミンC誘導体とビタミンCの違いは何ですか?
ビタミンC誘導体は、ビタミンCの基本構造を変えずに、安定性が低いという弱点を改良した化合物です。その効果は、ビタミンとほとんど同じです。
Q5.水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体ではどっちが良いですか?
水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体には、ともにメリットとデメリットがあります。
即効性を期待するなら、水溶性ビタミンC誘導体がおすすめです。
一方、浸透性や持続性を期待するなら、油溶性ビタミンC誘導体がおすすめです。
10.まとめ
「ビタミンC」と「誘導体」の説明を交えながら、水溶性ビタミンC誘導体の種類について解説してきました。水溶性ビタミンC誘導体の種類についてご理解いただけましたでしょうか?また、使い方の注意点はいかがでしょうか?
ビタミンC誘導体は、美肌を目指す女性にはなくてはならないビタミンC(L-アスコルビン酸)を、お肌から効率的に吸収できるように工夫した化粧品成分です。お肌への効果を考えた場合、ビタミンCは食べ物で摂るよりも化粧品を利用した方が即効性があります。
一方、ビタミンCはお肌だけではなく全身にも必要なビタミンです。だから、エイジングケアには、お肌からと食べ物からの両方で摂ることが大切なのです。
ビタミンCには「水溶性」と「油溶性」があって、それぞれ種類があります。水溶性ビタミンC誘導体は、油溶性に比べ即効性に優れる反面、刺激がやや高いです。そんな水溶性ビタミンC誘導体の中でも、誘導体にする方法の違いで、吸収性、持続時間、浸透性、刺激性などが違ってきます。だから、ご自身のお肌に合わないものを使用するとヒリヒリとした使用感が出てしまうことがありますので、その特性を理解し、濃度なども確認して、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
エイジングケアでは、自分の肌質を知ってお手入れをすることが大切なので、上手にビタミンC化粧品を使ってください。
この記事「水溶性ビタミンC誘導体の種類・特徴と効果的な使い方は?」が、エイジングケア世代の女性の美肌づくりのお役に立てば幸いです。
★おすすめのナールス化粧品
水溶性ビタミンC誘導体配合エイジングケア化粧水「ナールスピュア」
APPS、水溶性ビタミンC誘導体、ナールスゲンを配合したエイジングケア化粧水
*「ナールスピュア」をはじめ、本気のエイジングケア化粧品ナールスシリーズが手軽に試せるナールストラベルセットが初回半額
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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