あなたは、シアノコバラミンという言葉を聞いたことがありますか?
シアノコバラミンとは、ビタミンB12の1つです。
ビタミンB12には、ちょっとした構造の違いで5種類もあり、身体や美肌には欠かせないものなのです。
この記事では、シアノコバラミンを中心にビタミンB12をご紹介します。
また、シアノコバラミンは、化粧品や医薬品としても使われていますので、どんな効果が期待できるかもご紹介していきます。
この記事(1章から5章、7章から9章)の監修者
pluskampo株式会社代表
薬剤師
笹森有起(ささもり ゆうき)さん
「日常を彩る、新しい漢方の可能性の追求」をミッションに
オンラインで漢方処方を行う「+kampo(プラス漢方)」、オリジナル漢方製品の企画開発を行っております。
+kampo公式サイト
+kampoのアドバイザー医師:新見正則先生
新見正則医院ホームページ
<メッセージ>
化粧品はさまざまな成分が配合されて開発されています。
化粧品の効果は、個人の肌質や健康状態によって異なる結果になることがあります。つまり、化粧品の効果は個人差があるため、全ての人に同じ結果が得られるわけではありません。
また、新しい化粧品成分を使用する際には、パッチテストを行うなど安全に使えるように留意することも大切です。
化粧品成分を正しく理解して上手に化粧品を使いましょう。
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
CONTENTS
1.シアノコバラミンの効果が気になるあなたへ
無着色なのに、ピンク色のハンドクリームなどを見かけることがありませんか?
その正体は、「シアノコバラミン」かもしれません。
シアノコバラミンは、ビタミンB12の1種で、エイジングケア化粧品にも配合されることがあります。
あるいは、神経痛や関節痛のお薬を飲んでいる方は、成分名に「シアノコバラミン」と記載されているのを見たことがあるかもしれませんね。
シアノコバラミンは、関節痛や神経痛の治療に使われる医薬品にも配合されることがある成分です。
このように、シアノコバラミン(ビタミンB12)は、美容をはじめ、身体全体の健康やエイジングケアには大切な成分です。
今回は、そんな「シアノコバラミン(ビタミンB12)」について紹介します。医薬品や化粧品成分としての効果や安全性などもご紹介します。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは、エイジングケア化粧品に配合されることも多く、その名もよく知られた主役級のビタミンですが、シアノコバラミンはそれらに比較すると、認知度は劣ります。
でも、エイジングケア化粧品やハンドクリーム、医薬品などに配合されることもある、ちょっと面白いビタミンです。
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- シアノコバラミンは、ビタミンB12の1種で、「赤いビタミン」と呼ばれています。水溶性のビタミンでコバルトを含んでいるため、暗赤色なのです。
- シアノコバラミンは、健康や美肌にも関係の深いビタミンです。造血作用、神経を整える作用、保湿作用などがあります。
- ビタミンB12の中でも、シアノコバラミンは化粧品や医薬品など、さまざまな利用をされています。
- シアノコバラミンは、食べ物では、貝類、牛や鶏のレバー、海藻類に豊富です。年齢とともに減少するので、エイジングケア世代になれば意識して摂りましょう。
- 化粧品成分としてのシアノコバラミンは、化粧水や美容液を始め、さまざまなアイテムに使われます。また、天然の着色料としても使われます。
2.シアノコバラミンとは?
1)シアノコバラミンの基本情報
シアノコバラミンは水溶性、つまり水に溶けやすいビタミンです。
シアノコバラミンはビタミンB12の1種ですが、このビタミンB12は、ミネラルのひとつである「コバルト」を含んでいます。
これが暗赤色なので、「赤いビタミン」と呼ばれています。
また、赤血球を生成する時にはたらくことから、「造血のビタミン」とも呼ばれます。
さらに、シアノコバラミンは、末梢神経の修復にも関与し、しびれなどの神経症状を和らげる作用から「末梢神経のビタミン」とも呼ばれます。
2)シアノコバラミンとビタミンB12
こうした「コバルト」を持つビタミンは、すべてビタミンB12と呼ばれ、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、スルフィトコバラミン、ヒドロキシコバラミンも仲間です。
専門的に言えば、これらはビタミンB12の誘導体です。
「誘導体」とは、もとの成分あるいは化合物の構造や性質を変えない程度に異なった原子などがくっ付いたものです。
ビタミンB12の中で最も効率よく利用されるのは、シアノコバラミンとヒドロキシコバラミンです。
アデノシルコバラミンとメチルコバラミンは、生体内で補酵素としてはたらきます。
補酵素とは、助酵素、コエンザイム、コエンチームとも呼ばれますが、簡単に言えば「酵素のはたらきを助ける酵素」です。
3.ビタミンB12のはたらきは?
ビタミンB12は、他のビタミンに比べると必要量はごくわずかですが、人の健康に関わる大切な役割を担っています。
体内では、メチルコバラミンとアデノシルコバラミンに変換され、さまざまな代謝に関わる補酵素としてはたらきます。
ビタミンB12のはたらきを理解することは、内側からのエイジングケアにとっても大切です。
もちろん、ビタミンB12のはたらきとは、シアノコバラミンのはたらきです。
1)悪性貧血を防ぐ
貧血には、鉄分が不足して起こるものと、赤血球の形成や再生がうまくいかずに起こるものとがあります。
「造血のビタミン」の呼び名のとおり、ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンの合成を促進し、健康な赤血球をつくります。
赤血球の核酸の合成には葉酸が欠かせませんが、葉酸の合成にはビタミンB12も必要で、どちらかが不足すると貧血症状が起こる原因となるのです。
2)神経機能を正常に保つ
ビタミンB12は、神経細胞内の核酸やアミノ酸、たんぱく質の合成を助け、神経機能の維持・改善にはたらきます。
ビタミンB12をもう少し詳しく説明しましょう。
- ビタミンB12には、末梢神経や中枢神経のいずれもの機能の維持・改善の働きがあります。
- ビタミンB12は、神経線維の軸索を覆っている脂質膜である「ミエリン鞘」という膜の生成に関係しています。
- ビタミンB12が欠乏すると、神経細胞にも障害が起き、また、知覚異常を引き起します。
例えば、40代半ばころから、肩・腰・膝が痛み出すことがありますが、そんな場合は、ビタミンB12不足の可能性があるのです。
だから、そんな場合は、ビタミンB12を補うことが必要なのです。
ビタミンB12を補うことで、傷ついた末梢神経の回復効果があることから、肩・腰・膝の痛みなどの末梢神経障害にビタミンB12配合の医薬品が用いられています。
また、ビタミンB12のはたらきは、認知症を予防する効果にも期待が高まっています。
3)睡眠のリズムを整える
ビタミンB12は、睡眠と覚醒のリズムにも関わっていることがわかってきました。
ストレスや不規則な生活などで乱れた睡眠のリズムを正常に戻し、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという体内時計を調整するはたらきがあるとされています。
これは、ビタミンB12の中枢神経への作用によるものです。
活性型ビタミンB12の大量投与(1,500~3000μg/日)により、睡眠障害が改善された例も報告されています。
また時差ぼけを早くもとに戻すためにもビタミンB12の大量投与が有効と考えられています。
質のよい睡眠は美肌づくりの基本。
睡眠中に多く分泌されるといわれる成長ホルモンは、昼間に身体やお肌が受けたダメージを修復し、お肌の表皮の新陳代謝であるターンオーバーを活発にしてくれます。
もちろん、真皮の新陳代謝にも影響を与えます。
だから、ビタミンB12の不足はお肌に悪影響を与えますし、しっかり補給して十分な睡眠を取ることによって、ハリやツヤのある美肌の維持をサポートしてくれるのです。
睡眠とエイジングケアの関係については、
「美肌は、睡眠中のホルモンによってつくられるってホント!?」
こちらを参考にしてください。
4)シアノコバラミンの眼に対するはたらき
シアノコバラミンは、眼の組織呼吸を活性化し、毛様体筋の収縮に必要なエネルギーを増やします。
その結果、眼精疲労を改善させる効果が期待できるのです。
シアノコバラミンを点眼すると、眼の酸素消費量が増加します。
その酸素が目の組織で利用されてエネルギー(ATP)として使われることで、目のレンズ(水晶体)の厚さを調節する毛様体筋という筋肉が活力を取り戻すのです。
5)シアノコバラミンは、たんぱく質やアミノ酸の合成をサポート
たんぱく質を食べると、それが分解されて再びアミノ酸が合成されます。
シアノコバラミンは、そのサポートをするはたらきがあります。
アミノ酸は、筋肉の材料になるとともに、たんぱく質として筋肉を合成するのですが、その時に活躍してくれるのがビタミンB12です。
つまり、シアノコバラミン(ビタミンB12)のおかげで、筋肉の活動もサポートされるのです。
また、肉体疲労時や病気中や病後の体力が低下した後に、シアノコバラミン(ビタミンB12)を補給すると、回復をサポートしてくれるのです。
4.シアノコバラミンを食事で効率よく摂取するには
1)シアノコバラミン(ビタミンB12)と食べ物の基本
①若く健康な人では不足も過剰もあまり心配は不要
通常、ビタミンB12は人の体内では腸内細菌によってつくられ、肝臓に蓄えられるので、不足の心配はほとんどありません。
また、ビタミンB12は水溶性のため、余分に摂取しても吸収に必要な範囲でしか使われることがないので、過剰症の心配もないのです。
②ベジタリアンは、ビタミンB12不足のリスクが!
ただし、ビタミンB12は微生物によってしか合成されないので、基本的には植物性の食べ物には含まれず、多く含むのは動物性の食品。
そのため、ダイエット中の人や野菜が食事の中心になるベジタリアンは、不足しないよう注意が必要です。
また、精進料理も、ビタミンB12が不足しているので、そればかり食べると栄養バランスが崩れます。
なお、例外として海藻類、特に海苔には豊富に含まれています。
③高齢の方は、ビタミンB12の貯蔵量が減少
エイジングを重ね、高齢になると体内ビタミンB12貯蔵量が減少します。
また、加齢に伴い、胃酸分泌量が低下するので、食べ物に含まれるビタミンB12の吸収率も減少します。
その結果、ビタミンB12が不足するのです。
これが、40代半ば以降の膝や肩、首、腰などの神経障害による痛みの原因の1つです。
さらに、胃から分泌されるたんぱく質がないとビタミンB12は吸収されません。
だから、胃を手術で切除した人では欠乏症が起きやすいのです。
2)シアノコバラミン(ビタミンB12)を多く含む食べ物
シアノコバラミンは、表で記載したとおり、しじみ、あかがいなどの貝類や牛や鶏のレバー、海藻類などに豊富です。
しかし、ビタミン12は水溶性のため、煮物などにすると溶け出してしまいます。
効率よく摂取するには、スープなどにして煮汁ごと食べるのがおすすめです。
また、葉酸と連携してはたらくので、いっしょに摂ることもポイントです。
葉酸が多い食べ物には、たたみいわし、焼きのり、納豆、レバー、うなぎの肝などがあります。
このうち、たたみいわし、焼きのり、レバーにはビタミンB12も豊富なので特にオススメですね。
美肌のための栄養素や食べ物について知りたい方は、
こちらの記事に詳しく解説していますので、ぜひそちらもお読みください。
5.シアノコバラミンと化粧品
ここまで、シアノコバラミン(ビタミンB12)の体内でのはたらきや、食品から摂取する場合のポイントなどを説明してきました。
ここからは、シアノコバラミンがどのような美容や健康、病気の治療のための商品に配合されているのか、シアノコバラミンの利用方法についてみていきましょう。
まずは、化粧品成分としのシアノコバラミンについてご紹介します。
1)化粧品成分としてのシアノコバラミンの基本
シアノコバラミンは、バクテリアの醗酵でつくられるビタミンB12で、暗赤色の結晶あるいは粉末です。
水に溶けますが、アルコールにはほとんど溶けません。
化粧品の全成分表示も医薬部外品も「シアノコバラミン」と表記されます。
2)化粧品成分としてのシアノコバラミンのはたらき
化粧水、乳液、美容液、保湿クリームなどに保湿成分として配合されます。
もちろん、エイジングケア化粧品に配合されることもあります。
また、シアノコバラミンは、暗紅色素材として、チーク、口紅などの化粧品に使われることもあります。
シアノコバラミンを化粧品に使うことで、無着色ながら色を出すことや、他の色素を減らすことが可能になります。
ダマスクローズなどのバラ由来の成分配合のハンドクリームにも、シアノコバラミンが配合されることがあります。
着色料を使わなくても、バラの色を引き立てることができるからです。
無着色で、保湿と色の両方を実現できる点では、シアノコバラミンは魅力的な化粧品成分です。
しかし、長期間の保存では、光や空気によって酸化されるリスクもあります。
そのため、シアノコバラミン配合のハンドクリームやエイジングケア化粧品などの容器は遮光する必要があります。
また、ボトルや容器を密閉しないと、色が薄くなってしまうこともあるのです。
つまり、シアノコバラミンは色素剤を目的にして用いた場合は、少し取り扱いに注意が必要な化粧品成分です。
このように、化粧品成分としてのシアノコバラミンは、エイジングケア化粧品に汎用される、下記の他のビタミンなどとは、かなり性質の異なったビタミンなのです。
- ビタミンA誘導体(レチノールやレチノイン酸トコフェリル)
- ビタミンC誘導体(水溶性ビタミンC誘導体)
- 油溶性ビタミンC誘導体
- 両親媒性ビタミンC誘導体APPS
- ビタミンE誘導体
3)シアノコバラミンの安全性
シアノコバラミンには皮膚や目への刺激性はなく、特に安全性で問題となる報告もありません。
また、アレルゲンとなってアレルギーを引き起こした報告もありません。
そのため、普通肌や脂性肌はもちろんのこと、乾燥肌や敏感肌、インナードライ肌、混合肌のあらゆる肌質の方でも使うことが可能です。
しかし、どんな成分であっても誰にでも安全とは言えませんし、肌荒れなどになる可能性を100%否定することはできません。
だから、アトピー性皮膚炎やアレルギーのある方、お肌が弱い方は注意が必要です。
肌が弱いなどで気になる方は、パッチテストをすることをおすすめします。
4)シアノコバラミンはどんな化粧品に配合されるの?
シアノコバラミンは、さまざまな化粧品に配合されます。
洗顔パウダーや洗顔フォームなどの洗顔料、クレンジングジェルなどのクレンジング料、保湿化粧水、保湿美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスパック、オールインワンゲル、ハンドクリーム、ボディケア用品、シャンプーやヘアコンディショナーなど頭皮ケア用品、唇(リップ)ケア用品、爪(ネイル)ケア用品、などに使われます。
さらに日焼け止めやファンデーション、化粧下地などのメイク用品にも使われます。
また、エイジングケア化粧水やエイジングケア美容液、エイジングケア保湿クリームなどにも配合されるようになっています。
5)育毛剤成分としてのシアノコバラミン
シアノコバラミン(ビタミンB12)には、脂質の合成や修復作用によって、毛細血管の血管壁を強くする効果があるとされます。
喫煙の習慣や睡眠不足が続くと、ビタミンB12は消費されやすくなりますが、そんな場合に直接頭皮につけることで頭皮からビタミンB12が吸収され、育毛や抜け毛対策に有効といわれています。もちろん、女性の薄毛にも有効です。
こうしたビタミンB12の持つたんぱく質の合成、補修作用によって、髪の成長を高めることを目的に、育毛剤に配合されているのです。
シアノコバラミン配合の育毛剤には、「 Deeper 3D」などがあります。
6.シアノコバラミン配合のオススメのハンドクリーム
ここで珍しいシアノコバラミン配合のハンドクリーム(ハンド美容ジェル)をご紹介します。
その名は、「ナールスロゼ」。
シアノコバラミンに加え、ダマスクローズを高濃度で配合したハンド美容ジェルです。
ナールスロゼは、エイジングケア化粧品成分であるナールスゲンを推奨濃度で配合し、バラの女王と呼ばれるダマスクローズを50%も配合したハンド美容ジェルです。
他にも、セラミド、水溶性ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体などを配合し、手肌の保湿や手荒れの予防だけではなく、手肌のエイジングケアにもオススメです。
なお、シアノコバラミンの保湿作用やバラの色を引き立てる作用をいかしたエイジングケアハンドクリームの詳しい情報については、
「ナールス ロゼは、ホンモノのダマスクローズのハンドジェル」
こちらをご覧ください。
7.医薬品としてのシアノコバラミン
1)点眼液成分としてのシアノコバラミン
シアノコバラミンは、眼精疲労の治療薬として点眼液に多く配合されています。
眼精疲労とは、いわゆる疲れ目のことで、ピントを合わせる目の筋肉の緊張・弛緩運動がうまく行えなくなるため、目がかすんだり、眼痛や肩こりなど身体の他の部分にも悪影響を与えることもあります。
この調整機能を改善するといわれているのがシアノコバラミン。
薬局などで販売されている眼精疲労の目薬の主成分として、シアノコバラミンが配合されているのです。
ちなみに、シアノコバラミン配合の点眼液は、シアノコバラミンが赤い色をしているため赤色のパッケージが多く、購入の際の目安にするとよいでしょう。
一般用医薬品では、まずシアノコバラミンを含む点眼液として、ソフトサンティアひとみストレッチ(点眼薬)が有名です。
また、医療用医薬品では、サンコバ点眼液(シアノコバラミン)が代表的です。
主な副作用としては、過敏症状などが報告されています。このような症状がでたら、医師または薬剤師に相談してください。
2)関節痛・神経痛の治療に使われるシアノコバラミン
①医療用医薬品としてのシアノコバラミン
シアノコバラミンは、医療用医薬品、つまり医師の処方せんが必要な注射用の医薬品としても古くから使われています。
効能・効果は、次の通りです。
■ビタミンB12欠乏症の予防及び治療
- ビタミンB12の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)
- 巨赤芽球性貧血
- 広節裂頭条虫症
- 悪性貧血に伴う神経障害
吸収不全症候群(スプルーなど)
■下記疾患のうち、ビタミンB12の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
※ただし、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
- 栄養性及び妊娠性貧血
- 胃切除後の貧血
- 肝障害に伴う貧血
- 放射線による白血球減少症
- 神経痛
- 末梢神経炎、末梢神経麻痺
副作用としては、ショック様の過敏症状があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止されます。
②市販の医薬品(一般用医薬品)
第三類医薬品として代表的なものが、リョウシンJV錠やロスミンローヤルです。
三類医薬品とは、服用することで体調に影響があったとしても日常生活に支障を来すには至らないレベルのものが区分されます。
シアノコバラミンなどのようなビタミン剤や整腸薬などが第三類医薬品に含まれます。
【リョウシンJV錠】
リョウシンJV錠には、シアノコバラミンが国内承認品目の最大量の1,500μg配合されています。
効能効果は、次の通りです。
シアノコバラミン以外にもビタミンCや生薬も配合されています。
効果効能は、次の通りです。
しみ、そばかす、にきび、肌あれ、小じわなどは、美肌の敵です。
40代以上のエイジングケア世代の女性にとっては、この効果はウレシイですね。
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このように悪性貧血改善のための注射液、サプリメントなど、シアノコバラミンは多方面にわたって活用されています。
8.シアノコバラミンとメコバラミンの違い
ビタミンB12には、次の4つがあるとお伝えしました。
- シアノコバラミン
- ヒドロキソコバラミン
- アデノシルコバラミン
- メコバラミン(メチルコバラミン)
この4つうち、医薬品として使われるのは、主にシアノコバラミンとメコバラミンです。
メコバラミンは、活性型のビタミンB12です。だから、生体内でそのまま効果を発揮します。
一方、シアノコバラミンは、そのままでは活性がないタイプのビタミンB12なので、生体内で代謝を受けてから効果を発揮します。
つまり、生体内で活性型のメコバラミン、アデノシルコバラミンに変換されて、効果を示すと考えられています。
他の違いとしては、メコバラミンは光で分解され、ヒドロキソコバラミンなどに変化してしまうので、医薬品などは遮光での保管が必要です。
一方で、シアノコバラミンは光に対して安定的であり、遮光保存しなくてもそれほど早く分解されることはありません。
基本的なはたらきは同じでも、シアノコバラミンとメコバラミンにはこうした違いがあるのです。
9.シアノコバラミンのまとめ
シアノコバラミンとはどんな成分か?また、効果や安全性などを幅広くご紹介しました。
いかがでしたか?
シアノコバラミン(ビタミンB12)とはどのような成分で、身近な商品としてはどのようなものに配合されているのか、理解していただけましたでしょうか。
シアノコバラミンは、そのさまざまなはたらきから、医薬品、サプリメント、化粧品など、私たちの健康や美肌をサポートする製品に応用されています。
身体全体のエイジングケアにも大切であり、とくにエイジングケア化粧品やハンドクリームをはじめ、多くの種類の化粧品に配合されるシアノコバラミン(ビタミンB12)。
それは、保湿やお肌を整える役割に加えて、色素剤としても使えるからです。
ダマスクローズなどのバラ水と混ぜると魅力的なピンク色を醸し出します。
一方で、容器のキャップをしっかり密閉しないと色が薄くなってしまうリスクも。
シアノコバラミン配合のハンドクリームやエイジングケア化粧品を使う場合は、蓋をしっかり閉めるとともに、光の当たらない場所に保管するなど工夫しましょう。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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