レチノールの効果と副作用を知って、正しいエイジングケア!

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あなたはきっと、レチノールって小じわや毛穴のケアによい成分と聞いたことがあるのではないでしょうか?レチノールは、その効果も期待される一方で、刺激性の問題も取り上げられているエイジングケア化粧品成分です。だから、しっかりと理解して使うことが大切です。この記事では、そんなレチノールを詳しく取り上げてみます。また、おすすめの美容液やクリームをご紹介します。

この記事の監修医

医療法人社団愛美会

理事長

中村淑子先生

 
<この記事の大切なポイント>

  • レチノールとは、ヒトや動物の体内にあるビタミンA(レチノイド)の一種です。広い意味では、レチノイン酸やレチナールの関連物質や含誘導体を含めてレチノイドと総称されます。
  • レチノイン酸は、「トレチノイン」という名前の医薬品として、医師の処方の下で使えます。効果が高い反面、刺激も強いことが特徴です。
  • レチノール類縁成分には、医薬品、医薬部外品、化粧品がありますが、効果と副作用は、その順で緩徐になります。
  • レチノールによる、使い始めの際の赤みやカサカサ感を、レチノイド反応と呼びます。
    お肌の強い方なら、1〜2週間でこの反応がなくなるので継続して使えます。
  • 化粧品成分としてのレチノールにもいくつかの種類があり、少しずつ特性が異なります。だから、正しく理解することが大切です。
  • レチノール配合化粧品では、医薬品のような効果は期待できません。それでも、ほうれい線、しわ、毛穴など肌老化や肌悩みの予防美容的なエイジングケアには有用です。
  • レチノールは油溶性なので、美容液やクリームに向いた成分です。そのエイジングケア効果と副作用を理解して、上手に選んで使いましょう。

化粧品成分上級スペシャリスト&京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事

ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。

 

1.レチノールに興味を抱いたあなたへ

「レチノールの効果と副作用を知って、正しいエイジングケア!」をお届けします。

レチノールとは、「ビタミンA」のことで、エイジングケア化粧品成分としては、パルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどの「ビタミンA誘導体」がよく知られています。また、最近では「純粋レチノール」と呼ばれる成分も登場しています。レチノールには、高いエイジングケア効果が期待される半面、副作用もあるので正しい理解の下、適切に使うことが大切です。

さて、美容やエイジングケアに興味のある多くの女性は、化粧品を選ぶ際に、話題の美容成分には特に注目をします。最近では、どのような美容成分が配合されているかだけでなく、化粧品メーカーがどのような濃度で配合しているか、また、ナノ化など、どのように加工をしているのかにも注目が集まっています。そんな中で、レチノールは、比較的よく名前が知られたエイジングケア化粧品成分です。おそらく「レチノールクリーム」を、化粧品の専門店や百貨店で目にしたことのある方も多く、名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。その反面、特徴、効果、副作用の面では、理解が難しいエイジングケア化粧品成分です。

なぜなら、レチノールはお肌へのさまざまな作用があるとともに、代謝の過程での効果も変わるからです。

そこで今回の記事では、エイジングケア化粧品成分「レチノール」の性質や美容への効果について考えてみたいと思います。

また、おすすめの美容液やクリームをご紹介します。

  • レチノールって、そもそも何なの?効果は?
  • レチノールってよく名前を聞くけど、エイジングケアに本当によいの?
  • しわやしみが取れるって聞くけど本当?毛穴ケアにもよい?
  • レチノールは、刺激が強いので使いにくいって本当?
  • レチノール配合のエイジングケア化粧品を選ぶポイントは何?また、おすすめは?

などの疑問をお持ちの方は、ぜひ、読み進めていただければ幸いです。なお、レチノールの安全性を高めたレチノイン酸トコフェリル配合のエイジングケア美容液やエイジングケア保湿クリームについて、先にチェックしたい場合は、こちら

◎ナールスゲン配合エイジングケア美容液

レチノイン酸トコフェリル配合のエイジングケア美容液「ナールス ネオ」

◎ナールスゲン配合エイジングケア保湿クリーム

レチノイン酸トコフェリル配合のエイジングケア「ナールス ユニバ」

美容のプロがレチノールの効果と副作用、上手な使い方について徹底解説

2.レチノールとビタミンA

エイジングケア成分のレチノール

1)レチノールとビタミンAの関係は?

エイジングケア化粧品成分であるレチノールの説明に入る前に、ビタミンAとレチノールの関係について触れておきましょう。

ビタミンA は、レチノール、レチナール、レチノイン酸およびこれらの3-デヒドロ体やその誘導体の総称です。また、ビタミンA関連の医薬品や化粧品すべてを、レチノイドと呼ぶこともあります。

この「誘導体」とは、簡単に言えば、基本的な性質が同じで、少し化学構造が違うために発揮する効果が異なる成分です。どんな成分でも多くの場合は、唯一のものを示すケースよりも「仲間」「カテゴリー」を総称する場合が多く、ビタミンAとレチノールの関係も同じなのです。つまり、レチノールは、ビタミンAの1つなのです。レチノールは、ヒトの血液のビタミンAの大半を占めることから、狭い意味ではレチノールと言えば、ビタミンAのことを指すこともあります。

2)ビタミンAの効果は?

ビタミンAは、油溶性のビタミンで動物だけにあります。にんじんなどに含まれるβ―カロテンもビタミンAと思われていますが、厳密には体内に入ってからビタミンAに変わるので、「プロビタミンA」として分けて考えられます。このプロビタミンAは、動物にも植物にもあります。

また、プロビタミンAには、抗酸化作用があります。日常的には、βカロテンもレチノールもビタミンAと呼んでも差し支えありませんが、詳しくみていくと名前もたくさんあって、少し複雑なのです。

ビタミンAには、次のようなさまざまな効果があります。

  • 粘膜や皮膚を健康に保つ効果
  • 視覚など視機能を改善する効果
  • 動脈硬化を予防する効果

一方、油溶性であることから、摂りすぎると排泄されずに身体に溜るので、過剰摂取にも注意が必要です。

監修医コメント

ビタミンAの1日の摂取推奨量は700〜900mcg RAE、国際単位で5,000 IUです。そして安全とされている上限値は成人19歳以上で10,000 IUと言われています。これを超えて摂取するとめまいや頭痛を引き起こし、場合によっては命に関わるので、5,000 〜10,000 IUの間で摂取量を調整してください。

これから詳しく説明するエイジングケア化粧品成分のレチノールは、このビタミンAの持つお肌への効果に着目して開発されたのです。

<参考記事>
エイジングケアに効果あり? レチノールの効果と使い方を医師が解説
ビタミンAの効果とは?効果的な取り方や多く含まれる食べ物を解説!
ビタミンA(厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』)





3.レチノールとレチノイン酸

ここからは、レチノールとレチノイン酸の関係について説明します。

1)体内のレチノールとレチノイン酸

からだの中にあるレチノールは、レチニルエステル(主にパルミチン酸レチノール)として蓄えられています。それが体内で皮膚の表皮の基底層に運ばれると、酵素によって代謝を受けてレチナールに変わり、最終的にレチノイン酸に変化します。レチニルエステルからレチノールへの変化は可逆的です。

また、レチノールからレチナールへの変化は可逆的で、レチナールがレチノールに戻る場合もあります。しかし、レチナールが一旦レチノイン酸に変わると、もとには戻りません。

<レチノールの変化>
レチノールの変化

レチノール ⇒ レチナール ⇒ レチノイン酸 ⇒ ターンオーバー活性化

このレチノイン酸が、角質の代謝を促すことで、お肌のターンオーバーを活性化させるのです。このレチノイン酸の効果によって、お肌の老化を遅らせるはたらきがあるのです。つまり、実際にお肌を生まれ変わらせる立役者は、レチノールではなくレチノイン酸なのです。

また、レチノイン酸には、線維芽細胞にはたらきかけ、コラーゲンやエラスチン線維の生成を促進させる効果や皮脂分泌抑制などの効果もあるのです。それによって、シワの改善、たるみの改善、シミの解消、毛穴ケア、ほうれい線ケア、ニキビ跡の解消、目の下のクマの解消が期待されます。(*1)

<(*1)参照記事>
レチノイン酸について 千葉 真美 先生

2)レチノイン酸は医薬品

ここで、「レチノールではなく、レチノイン酸をエイジングケア化粧品成分にすればよいのでは?」という疑問が浮かばないでしょうか?

実は、レチノイン酸は、「トレチノイン」という医薬品として存在します。なぜ医薬品かといえば、トレチノインは、非常に強い効果を発揮する反面、副作用もあるので、医療や美容の専門家でないと取り扱いが難しいからです。

つまり、レチノールより効果も副作用も強い成分なのです。だから、トレチノインは処方薬(医療用医薬品)となっています。レチノイン酸による皮膚のターンオーバーを促進させる力は、かなり強力です。ある意味、無理やりターンオーバーさせているのです。そのため、刺激が強くなって、肌荒れのリスクが高まります。さらには、レチノイン酸は紫外線にも弱いので、使用中は日焼け止めも併用することが必要です。こうしたことから、トレチノインは、医師の処方によってしか使えないのです。

トレチノインは、美容皮膚科や美容クリニックで、小じわ、ニキビ、ニキビ跡、そばかす、毛穴の開き、くすみ、老人性色素斑、しみ、日焼けあとのしみ、怪我や火傷や手術後の色の改善などの治療で処方されます。(*2)

<(*2)参照記事>
専門医が教えるトレチノインの正しい使い方ーどんな「しみ」でも消えるのか、費用、副作用を含めて徹底解説ー

また、ニキビ治療に使われる「ディフィリンゲル」と呼ばれる医薬品があります。この医薬品は、一般名称「アダパレン」という成分で、レチノイドの一種です。このように、レチノイドにはトレチノインやアダパレンのような医薬品があります。

3)レチノールは医薬部外品&化粧品でも使える

一方、レチノールはといえば、もちろん、レチノイン酸と同じタイプの効果と副作用があります。しかし、レチノールには、その種類や配合濃度によって、医薬品として扱われるケースから、医薬部外品、エイジングケア化粧品成分として扱われるケースまであるのです。

基本的には、レチノールは、次のことがいえます。

  • 医薬品の場合は、高濃度で効果も高いが副作用がある
  • 化粧品の場合は、低濃度で効果も低いが副作用も少ない

監修医コメント

副作用の可能性が低い化粧品でも、体質やお肌の状態によっては肌の乾燥や赤み、痒みが起こることがあります。これは、いきなり新陳代謝を早めたために起こる反応です。基本的には自然に治りますが、症状が重い場合は医師に相談してください。また、自然に治った場合も同じ化粧品は使用せず、より濃度の低い製品に変えましょう。


4.レチノールの基本と種類

レチノールの基本的な作用

ここまでで、レチノールやレチノイン酸について詳しく説明してきました。ここからは、エイジングケア化粧品をはじめ医薬部外品、化粧品に使われるレチノールについて、お話を進めます。

1)レチノールの基本

美容や化粧品業界で、広義でレチノールという言葉を使う場合、レチノイン酸やレチナール、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、パルミチン酸レチノールを差します。一方、狭義の場合は、レチノール(ピュアレチノール、純粋レチノール)だけを指します。

レチノールは、ビタミンAアルコールとも呼ばれ、活性型のビタミンA誘導体の1つで、その基本的な特性は、次のとおりです。

  • 化学的に合成され、黄色の結晶体
  • 水には溶けず、アルコールや油分に溶ける
  • 分子量が小さい
  • 乾燥や高温に不安定
  • 酸化を受けやすい
  • ビタミンEなどと一緒であれば安定性が増す

そのため、化粧品成分としては、誘導体にして安定化させています。それが、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールなどです。これらは、レチノイン酸と比べ、効果と副作用を減らすことによって、化粧品にも使えるようにしたものです。また、レチノールは、一般的に化粧品に配合される場合、その濃度は0.1%程度までです。その種類や濃度で異なりますが、レチノールの効果は、レチノイン酸の1/20~1/100程度になります。(*3)
<(*3)参照記事>
レチノールとは?トレチノインとは?

医薬部外品では、もう少し高い濃度で配合される場合もありますが、2013年末に発売中止になった大手製薬メーカーのレチノール配合の医薬部外品のようなケースもあるので、配合濃度の高いものには、より注意が必要です。

2)レチノールの種類と特性

ここでレチノイン酸とレチノールをあらためて整理しておきましょう。医薬品、化粧品で使うビタミンA(レチノイド)といえば、レチノイン酸、レチナール、レチノールとその誘導体に分かれます。化粧品成分として使われるのは、レチノールとその誘導体、レチナールです。

レチナールは、レチノールが酸化したものでレチノイン酸の前駆体です。性質はレチノイン酸に近いので、作用と刺激もレチノールより強いものとなります。ただし、レチナールは安定性が低いため、レチナールを使った化粧品ほど種類は多くありません。

レチノイン酸、レチナール、レチノールは、効果が高いことから「攻めのビタミンA」と呼ばれます。一方、パルミチン酸レチノールなどの誘導体は、比較的安定性が高いので化粧品によく使われます。パルミチン酸レチノールやプロピオン酸レチノール、酢酸レチナールは、効果が緩徐なことから「守りのビタミンA」と呼ばれます。これらは、活性、浸透度、安定性、皮膚への刺激が異なります。

<レチノールの種類と特徴>

レチノールの種類と特徴

3)レチノールと誘導体の特徴

ここでは、いくつかのレチノールとその誘導体の種類と特性を簡単にご紹介します。

 

①パルミチン酸レチノール

レチノールパルミテートとも呼ばれる浸透力の高いレチノールです。パルミチン酸レチノールはレチノールにパルミチン酸を結合させることで、浸透力を高めた成分です。

②酢酸レチノール

レチニルアセテートとも呼ばれる比較的安定性の高いレチノールです。レチノールに酢酸を結合させることで、安定性を増した成分です。

③シラスフィアレチノール

レチノールと天然ビタミンEなどを配合した混合成分でレチノールよりもマイルドです。レチノール以外では、水 、BG、ダイズ油、カルボマー、トコフェロール(ビタミンE)、アラビアゴム、アルギン酸PG、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベンが配合されています。

④ピュアレチノール

即効性に優れ、浸透力も高いことが特徴です。ピュアレチノールは、レチノールの効果に近いので高い効果が期待できる反面、刺激も強いリスクがあります。

⑤純粋レチノール

資生堂が、レチノール誘導体と区別するため、純粋レチノールと表記している呼称です。その名のとおり、純粋なビタミンAです。2017年に医薬部外品の抗シワ成分として、「シワ改善」効果の認可を取得しました。

⑥レチノイン酸トコフェリル

レチノイン酸と名前がついていますが、医薬品ではなくレチノールの一種で、効果をそのままに安全性を高めた成分です。レチノイン酸とビタミンE誘導体(トコフェロール)を結合させることで、安全性を高めています。

レチノイン酸トコフェリルの詳しい情報は、「レチノイン酸トコフェリルでハリ・ツヤが増すエイジングケア」をご覧ください。

ほかにも、リノール酸とレチノールを結合させたリノール酸レチノール、レチノールに水素を添加した水添レチノール、プロピオン酸とレチノールを結合させたプロピオン酸レチノールがあります。これらは、すべてレチノールを安定化し、浸透を上げるためにほかの成分を結合させたものです。

2種のレチノール配合ナールスアイクリーム


5.レチノールのエイジングケア化粧品成分としての効果

レチノール配合の化粧品やエイジングケア化粧品でも、レチノイン酸と同じメカニズムにより効果が期待されますが、その効果は比較的、緩徐なものといえるのです。そんなレチノール配合の化粧品には、大きく4つの効果が期待できます。

1)ターンオーバーの促進

ターンオーバーを促して、角層内の細胞を、表皮の上方へ押し上げます。その結果、メラニン色素を含む細胞を排出して、くすみやシミ、ニキビ跡を目立たなくするサポートをします。また、結果的にお肌の表皮が生まれ変わるので、ピーリング効果も期待できます。

だから、ターンオーバーが遅くなっている場合はよい選択肢なのですが、ターンオーバーが早すぎる場合に使うことは避けましょう。敏感肌やインナードライ肌の方は、バリア機能の低下でターンオーバーが促進している可能性があります。また、乾燥肌がひどい場合を含め、特に注意が必要です。

監修医コメント

ターンオーバーが早すぎるということは、本来まだ作られている最中の肌細胞が、未熟なまま表に出てきてしまうということです。こうしたお肌はNMF(天然保湿因子)や角質間細胞間脂質のような保湿因子が不十分のため、乾燥しやすかったり、外部からの刺激に弱かったりしますので、早すぎる場合も含めて、ターンオーバーの乱れには注意が必要です。

2)線維芽細胞を活性化

線維芽細胞を活性化させることで、コラーゲンやエラスチンの産生をサポートします。また、ヒアルロン酸の産生もサポートします。

その結果、お肌のハリやツヤをよくする効果が期待されます。ただし、レチノール化粧品の場合、深く刻まれた真皮じわ、ほうれい線、たるみなどを改善することまではできません。

3)表皮細胞の活性化

表皮細胞を活性化することで、表皮が厚くなりふっくらします。その結果、肌のキメも整います。

4)皮脂分泌の抑制

皮脂分泌を抑制することでお肌を整え、ニキビを予防します。また、毛穴の詰まりや黒ずみ、いちご鼻などの予防効果が期待できます。

5)紫外線ダメージの軽減

紫外線を吸収することで光老化の軽減やお肌の細胞のDNAを保護します。つまり、紫外線ダメージを軽減できるのです。たとえば、パルミチン酸レチノーにはSPF20程度の紫外線ブロック力があるという研究データもあります。





6.レチノールの副作用とは?

レチノールには、敏感肌ではない方でも、次のような副作用をともなうことがあります。

  • お肌がカサカサする
  • お肌の乾燥を感じる
  • 痒みを感じる
  • 赤みや刺激を感じる

これはレチノイド反応またはA反応と呼ばれます。この副作用によるアレルギーは、使用量を減らしたり、使い続けることでお肌がなれて問題なくなることもあります。これが、レチノールでよくおこる副作用です。これらが出ていても、さほど大きなダメージを感じない場合なら、目安として1~2週間程度、様子を見ることも1つの方法です。1~2週間でレチノイド反応がなくなれば、使い続けても大丈夫な場合が多いようです。(*4)

<(*4)参照記事>
皮膚科医に聞く!レチノールの使い方|順番や一回の量は?毎日使ってもいいの?

レチノイド反応は、お肌の強さとレチノールの種類、配合濃度、使う量などで変わるものですが、ひどい場合には使用をストップして、医師に相談しましょう。

<参考記事>
エイジングケアに効果あり? レチノールの効果と使い方を医師が解説


7.レチノール配合化粧品の使い方と選び方

レチノールが配合された美容化粧品

1)レチノール配合化粧品の使い方

レチノール配合化粧品は、エイジングケアの一環として、これらのエイジングサインの予防を意識して使うものです。

①腕などで大丈夫なのかをチェック

一方、先ほども説明したとおり、副作用もトレチノインと比較すれば少ないのですが、肌あれや肌が赤くなってしまうリスクはあります。レチノール配合のエイジングケア化粧品を使う場合は、腕などで使って大丈夫かどうかをパッチテストしてチェックしてみましょう。ただ、最初はピリッとしても慣れると使える場合があるので、自分の肌質やお肌の状態と相談して使うこともポイントです。

また、最初は夜だけで週2〜3回の使用から始めるなども良い方法です。ほかには、目まわりや口まわりといった粘膜の付近は、特に刺激を感じやすい部分なので、いきなりレチノールを使うのは控えましょう。

②日焼け止めと一緒に使う

また、レチノール配合のエイジングケア化粧品は、紫外線に対して不安定なため、使用の際には日焼け止めと一緒に使うか、夜のスキンケアだけに使う、外出を避けるなどの工夫も必要です。なお、夏場は紫外線が強いので、朝のスキンケアなど外出前の使用は避けたほうが無難です。

監修医コメント

夏場以上に気をつけたいのはスキーのような雪山に行くシーンです。新雪は紫外線が反射しやすく、その反射量は約80%にもなります。直接の紫外線と合わせると、新雪の上にいる時に浴びる紫外線量は夏場以上と言われているため、レチノール配合の化粧品は使用を避けましょう。

③肌の状態で使用法を変える

もちろん、肌の状態が安定しない季節の変わり目、生理前、睡眠不足が続く日など、肌の状態がよくない場合や敏感になっている場合は、使用を控える、使用量を減らす、使用回数を減らすなどの工夫も必要です。

④使用量や使用期間は?

市販のレチノール配合化粧品は、パッケージに書かれている使用量を守ることが大切です。医療機関の治療でレチノールを処方されている場合は、医師の指示する使用量を守りましょう。使用期間に関しては、トレチノインには耐性(長く使っていると、効果が得られにくくなること)が生じるため8週間くらいが目安という考え方もあります。(*1)

一方、トレチノインを4年間長期使用し、組織学的な肌の紫外線ダメージからの回復を調べた試験では、光老化の改善が認められたり、10年以上使用している方もいるようです。(*2)確実なエビデンスはありませんが、トレチノインよりもはるかに作用の弱いレチノールは、正しく使えば大きな副作用は起こっていないことから、長期間使っても問題はなさそうです。

⑤相性の良い成分と悪い成分

レチノールには刺激があるので、同じく刺激のあるビタミンC誘導体との併用は慎重になる必要があります。お互いの効果を弱めるという話もありますが、実際にはそんなエビデンスはなく、併用そのもので、2つの成分の効果を得ることができます。しかし、副作用のリスクはあがります。

ナイアシンアミドもシワ改善の効能がある医薬部外品ですが、こちらは刺激性がないので併用はおすすめです。ほかにもエモリエント成分であるスクワラン、保湿成分であるヒアルロン酸との併用もおすすめです。美容クリニックなどでニキビやシミを治療する場合は、ハイドロキノンやトラネキサム酸を併用することがあります。また、ピーリング効果をもつグリコール酸を併用することもあります。

<参考図書>
『効果的な「組み合わせ」がわかる化粧品成分事典』(久光一誠 監修、池田書店)

2)レチノール化粧品でケアする肌悩みは?

レチノール化粧品は、その作用特性からさまざまな肌悩みのスキンケア、エイジングケアに使うことが可能です。しわ、ほうれい線、たるみ毛穴、毛穴の黒ずみ、くすみ、シミ、目の下のくま、にきびなどターンオーバーの遅れやお肌老化による肌悩みに使えます。エイジングサインができるだけ目立たない時期から使うことで、予防したり、進行を遅らせることが可能です。

しかし、レチノール化粧品には、医薬品のレチノイン酸で期待できるほどの効果はないので、目立ってしまったエイジングサインを劇的に改善できる効果はないことを理解しておきましょう。

一方、レチノールは、乾燥肌や敏感肌、インナードライ肌などでバリア機能の正常化を目指す場合には、刺激が強いのであまりオススメできません。こうした症状の場合は、バリア機能をサポートするセラミドなどの保湿成分の高い成分を配合した化粧品を使うことをおすすめします。

もちろん、肌悩みが複数の場合もあるので、両方の成分を同時に使うこともよい方法です。なお、レチノールと肌悩みについては、下記も参考にしてください。

レチノールクリームは、ほうれい線の改善に効果的なの?

レチノールは目の下のクマのエイジングケアに効くの?

しわ取りクリームは、本当にシワに効く?その選び方と使い方

毛穴ケアにレチノールクリームや美容液は効果があるの?

3)レチノール配合エイジングケア化粧品を選ぶポイント

まず、レチノールが油溶性であることから、レチノール配合のエイジングケア化粧品は、クリームか美容液から選ぶことが基本です。種類が多いのは、レチノールクリームです。レチノール配合化粧品を選ぶポイントしては、以下の3点です。

①初めての場合は、高濃度配合のものを避ける

何度も説明しているとおり、配合濃度が高いものほど、刺激が強いので、高濃度のものは避けたほうがよいでしょう。とくにレチナールやピュアレチノールは効果も期待できる分、刺激も強いので最初は、これらの高濃度配合の化粧品を避けた方がよいでしょう。

②レチノール以外のエイジングケア化粧品成分に着目する

エイジングケアの基本は、何といっても保湿です。そのため、レチノール以外の成分にどんなものがあるかを確認しましょう。美容液なら、セラミドなどの保湿成分が一緒に配合しているものがおすすめです。保湿クリームなら、セラミドに加え、スクワランやシアバターなどの保湿成分が一緒に配合しているものがおすすめです。

③レチノールを改良したレチノイン酸トコフェリル配合化粧品を選ぶ

先ほど説明したとおり、レチノールにビタミンE誘導体を結び付け、効果はそのままで、安定性を高めて刺激を少なくしたレチノイン酸トコフェリルというエイジングケア化粧品成分があります。レチノールではなく、レチノイン酸トコフェリル配合のエイジングケア化粧品を選ぶこともよい選択肢の1つです。

なお、ナールスゲン配合のエイジングケア化粧品の中では、エイジングケア美容液ナールス ネオとエイジングケア保湿クリームナールス ユニバに、レチノイン酸トコフェリルを配合しています。このように、レチノール配合のエイジングケア化粧品を選ぶ際には、3つの点を意識してみましょう。


8.ナールスのおすすめのレチノール化粧品

ナールスのエイジングケア化粧品には、今、挙げたとおり2つのレチノイン酸トコフェリル配合のものがあります。

1)オススメのエイジングケア美容液

レチノイン酸トコフェリル配合エイジングケア美容液「ナールス ネオ」

エイジングケア美容液ナールスネオ

初回限定 9,900円 → 6,600円(税込)

ナールス ネオのレチノイン酸トコフェリル以外の配合成分の特徴は次のとおりです。
ナールスゲンや若さのコラーゲンと呼ばれるⅢ型コラーゲンを増やすネオダーミル、さらにVCエチル、APPSといった2種のビタミンC誘導体、金コロイド、レスベラトロール、コエンザイムQ10などの抗酸化成分を配合したエイジングケア美容液です。また、乾燥肌対策をサポートする6種のヒト型セラミド、プロテオグリカン、9種のアミノ酸を配合。無香料・無着色、パラベン、フェノキシエタノール、アルコールの無添加化粧品です。レチノイン酸トコフェリル配合の目元・口元美容液として、目尻のシワや口もとのしわにアプローチし、肌のハリ感にあふれる素肌へと高めます。

2)オススメのエイジングケア保湿クリーム

レチノイン酸トコフェリル配合エイジングケア保湿クリーム「ナールス ユニバ」

ナールスユニバ

初回限定 11,660円 → 7,700円(税込)

ナールス ユニバのレチノイン酸トコフェリル以外の配合成分の特徴は次のとおりです。

ナールスゲンと3種のヒト型セラミド、シアバター、スクワラン、油溶性ビタミンC誘導体を配合したエイジングケア保湿クリームです。「育む」「守る」「攻める」の3方向からエイジングケアをアプローチする高機能美容クリームがナールス ユニバです。バリア機能を高め、透明感ある肌の潤いとハリやツヤ感のある肌へと導きます。

<ナールスシリーズのエイジングケア化粧品が気軽に試せる>

「ナールス ネオ」、「ナールス ユニバ」をはじめ、本気のエイジングケア化粧品をラインでお試しできるナールスのトラベルセットが初回半額!

監修医コメント

化粧品は、同ブランドの別製品を互いに補い合うような作りになっています。このため、1つだけ使うよりもライン使いした方が、効率的なエイジングケアが叶います。
ライン使いをする時も、お肌の状態に合わせた製品選びは大切です。化粧水からクリームまで、全てを使う必要はないので、ご自身のお肌の悩みに合わせてお使いください。


9.おすすめのレチノールクリーム&美容液

ここでは、おすすめのレチノール配合のクリームと美容液を9種ご紹介します。

エイジングケアに効果があるレチノールを上手に使って、ハリと弾力のあるお肌を手に入れましょう。

1)エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム

エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム

①基本情報

メーカー:資生堂

容量:15g・22g

価格:6,380円・8,580円(税込)

②特徴

資生堂が約30年かけ研究開発したシワを改善する薬用有効成分、純粋レチノールが配合されています。「しわを改善する」新効能の認可を受け、医薬部外品として純粋レチノール配合の化粧品を販売することができるのは、資生堂だけです。

純正レチノールは、表皮角化細胞においてお肌の弾力を保つヒアルロン酸の産生を促し、角質の水分量を増加させ、お肌を柔らかくしてシワを改善します。純粋レチノールは、熱、光、酸素に弱く、化粧品へ配合することが難しい成分です。しかし資生堂は、純粋レチノールの分解を防いで安定配合し製造する技術を生み出すことに成功。純粋レチノールをしっかりお肌に届けるために、酸素を通さない特殊なチューブも開発しています。

純粋レチノールに加え、薬用美白有効成分m-トラネキサム酸を配合し、しわ改善&美白の機能を持たせた「エリクシール ホワイト エンリッチド リンクルホワイトクリーム」もあります。

2)Belle Eau(ベルオー)グラシュープラス

gracieux(グラシュー)

①基本情報

メーカー:イッテイ

容量:20g

価格:9,982円(税込)

②特徴

年齢が出やすい目元のケア専用のアイクリームです。皮膚の専門医と共同開発した商品で、3種類のヒアルロン酸が配合されています。

角質層までしっかり浸透する低分子ヒアルロン酸、皮膚の表面に吸い付いて潤いを保つスーパーヒアルロン酸、そして1gで6リットルもの水分を抱え込む高分子ヒアルロン酸が絶妙な組み合わせで配合され、保湿効果を高めることで潤いとハリのある目元を維持します。

また、ナノ化セラミドを配合。セラミドはお肌内部の水分が蒸発してしまうことを防ぎ、小じわが発生しやすい目元の乾燥を防ぎます。ほかにも、シミ対策ができるヒメフウロエキス、くすみ対策のシルバーバイン果実エキス、美白成分であるプラセンタエキスなどを配合。若々しい目元を育みます。

3)ビーグレン QuSome レチノA

ビーグレン QuSome レチノA

①基本情報

メーカー:ビバリーグレンラボラトリーズ

容量:15g

価格:6,600円(税込)

②特徴

3種類のビタミンA(レチノール)を配合した美容液です。ピュアレチノール、レチノイン酸トコフェリル、パルミチン酸レチノールを独自の浸透テクノロジーQuSomeの極小カプセルで包んで肌の奥まで届け、気になる部分をピンポイントでケア。柔らかくハリのある美肌へと導きます。

もちろん、レチノール以外にもスクワランやオーガニックシアバターなど、ハリや潤いを保つ成分が豊富です。コクのあるテクスチャーで肌へのなじみもよく、じっくりと肌にはたらきかけることで内側から弾力のあるお肌を育みます。また、先端が細いチューブタイプなので、適量を出しやすくなっています。

4)薬用レチノAエッセンス

薬用レチノAエッセンス

①基本情報

メーカー:DHC

容量:5g×3本

価格:3,960円(税込)

②特徴

レチノールが、お肌の弾力を生み出すコラーゲンの生成にはたらきかけ、弾力とハリのあるお肌へと導きます。

また、レチノールだけではなく、レチノールの効果を最大限引き出すオリーブバージンオイルやプラセンタエキスなどの美容成分を配合していることが特徴です。優れた保湿効果があり、若々しくなめらかなお肌を育みます。無香料、無着色、パラベンフリーと低刺激であり、お肌に優しくアプローチ。密閉チューブを採用しており、デリケートなレチノールの品質を保ちます。テクスチャーはなめらかで伸びがよく、まろやかな使い心地で日々のお手入れに適しています。

5)レチノール アンチウィンクル フェイシャルセーラム

①基本情報

メーカー:スキンケア エルデル コスメティクス

容量:1オンス(約28g)

価格:3,000円(税別)

②特徴

500,000IUものビタミンAが配合されたアメリカで大人気の美容液です。アメリカだけでも累計1,000万個の販売実績があります。日本国内でも根強い人気があり、30年以上の歴史があります。配合されているのは、アクティブレベルが最も高いパルミチン酸レチノール。レチノールの効果を強く実感できる化粧品に仕上がっています。トーンが明るく弾力のあるお肌へと導きます。

テクスチャーはなめらかで、ベタつきも少なく肌触りがよいので、ベタつきが苦手な方も心地よくお手入れできます。1日2回、朝のスキンケアと夜のスキンケアに使いましょう。使い続けるごとに効果を実感できます。





10.まとめ

レチノールとは一体どんな成分か、また、その効果や副作用をはじめレチノール配合化粧品の使い方から選び方までさまざまな観点から解説してきました。

また、おすすめのレチノールクリームや美容液をご紹介しました。いかがだったでしょうか?

レチノールは、エイジングケアにとって魅力的な効果が期待できる反面、刺激性などのリスクを持っています。

また、エイジングケア化粧品成分として使われる場合は、医薬品であるレチノイン酸ほどの効果が期待できるわけではありません。

レチノールの理解には、化学的な知識も必要なので少し難しい点があるかもしれませんが、化粧品に過度な期待をするのではなく、あくまで予防美容的なエイジングケアを考える成分として、デメリットや副作用のリスクを知ったうえで、正しく使いましょう。

この記事「レチノールの効果と副作用を知って、正しいエイジングケア!」が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。

著者・編集者・校正者情報

著者情報 株式会社ディープインパクト 富本充昭
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。

文部科学省後援日本化粧品検定1級

一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

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