ラウリン酸ポリグリセリル-10は、安全性の高い非イオン界面活性剤です。
洗浄剤、乳化剤やエモリエント剤としてスキンケア化粧品などに広く使用されています。
また、食品の添加物として使用されることもあります。
この記事では、ラウリン酸ポリグリセリル-10の効果や安全性をご紹介します。
また、どんな化粧品に配合されるかを取り上げます。
さらに、ラウリン酸ポリグリセリル-10配合のオススメのクレンジング料についてもご紹介します。
この記事(1章から3章、5章)の監修者
pluskampo株式会社代表
薬剤師
笹森有起(ささもり ゆうき)さん
「日常を彩る、新しい漢方の可能性の追求」をミッションに
オンラインで漢方処方を行う「+kampo(プラス漢方)」、オリジナル漢方製品の企画開発を行っております。
+kampo公式サイト
+kampoのアドバイザー医師:新見正則先生
新見正則医院ホームページ
<メッセージ>
化粧品はさまざまな成分が配合されて開発されています。
化粧品の効果は、個人の肌質や健康状態によって異なる結果になることがあります。つまり、化粧品の効果は個人差があるため、全ての人に同じ結果が得られるわけではありません。
また、新しい化粧品成分を使用する際には、パッチテストを行うなど安全に使えるように留意することも大切です。
化粧品成分を正しく理解して上手に化粧品を使いましょう。
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
CONTENTS
1.ラウリン酸ポリグリセリル-10に興味がある方へ
「ラウリン酸ポリグリセリル-10が安全なのは非イオン界面活性剤だから」をお届けします。
今回は、あまり名前が知られていない界面活性剤がテーマ。
ラウリン酸ポリグリセリル-10は、安全性の高い非イオン界面活性剤です。
つまり、イオン化しないので電気を帯びないという特徴があります。
ラウリン酸ポリグリセリル-10には、洗浄作用があるので、洗顔料やクレンジング料の洗浄成分として配合されます。
また、化粧水、美容液などの乳化剤としても使われる成分です。
安全性が高いことから敏感肌化粧水を含む敏感肌化粧品、エイジングケア化粧品にも配合されることがあります。
正しいエイジングケアのためには、ラウリン酸ポリグリセリル-10をはじめさまざまな化粧品成分の理解が大切です。
なぜなら、化粧品はいくつかの成分の組み合わせなので、1つ1つの特性を知れば、化粧品の全体が理解できるからです。
特に洗顔料やクレンジング料については、界面活性剤について理解することが大切です。
この記事では、ラウリン酸ポリグリセリル-10の特性、効果、安全性について詳しくご紹介します。また、どんな化粧品に配合されるかを取り上げます。さらに、ラウリン酸ポリグリセリル-10配合のオススメのクレンジング料についてもご紹介します。
「ラウリン酸ポリグリセリル-10のはたらきは?また、特徴は?」
「非イオン界面活性剤ってどんな作用があるの?教えて!」
「ラウリン酸ポリグリセリル-10の安全性や刺激性は?ほかの界面活性剤と比べてどうなの?」
「乾燥肌や敏感肌でも使えるの?教えて!」
「ラウリン酸ポリグリセリル-10配合のオススメの化粧品は?どんな種類があるの?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
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- 界面活性剤とは、物質と物質の境界面、つまり界面に作用して、性質を変化させる物質のことです。洗浄力がそのはたらきの1つで、クレンジング料や洗顔料をはじめ、化粧品にとってなくてはならない成分です。
- ラウリン酸ポリグリセリル-10は、非イオン界面活性剤の1つです。イオン化しないので静電気を帯びないことが特徴です。
- ラウリン酸ポリグリセリル-10には、洗浄効果や乳化作用があることから、洗顔料やクレンジング料をはじめさまざまな化粧品に配合されます。とても有用性の高い界面活性剤です。
- ラウリン酸ポリグリセリル-10は、皮脂に似た構造をしているため保湿効果を発揮します。そのため、化粧水や美容液にも配合されます。
- ラウリン酸ポリグリセリル-10は、毒性や刺激性はほとんどなく安全性が高い成分です。その効果と安全性から、乾燥肌や敏感肌の方でも安心して使うことができます。
2.ラウリン酸ポリグリセリル-10とは?
1)界面活性剤の基本
ラウリン酸ポリグリセリル-10をご紹介する前に界面活性剤について簡単にふれておきます。
界面活性剤とは、物質と物質の境界面、つまり界面に作用して、性質を変化させる物質のことです。
界面活性剤は、お肌に刺激のあるものから優しいものまでさまざまな種類があります。
界面活性剤が、水と油のように混ざり合わないものを、混ぜ合わせることができるのは、1つの分子内に水になじみやすい「親水基」と、油になじみやすい「親油基(疎水基)」の2つの構造を持っているからです。
界面活性剤には、主に次の3つの作用があります。
- 浸透作用
- 乳化作用
- 分散作用
このはたらきを利用して、医薬品、化粧品、クレンジング料、洗顔料、シャンプーなどの洗浄剤、台所用、洗濯用の洗剤、食品などの成分としても広く使われています。
<界面活性剤とは?>
2)非イオン界面活性剤とは?
界面活性剤は、大きく分けて2つのタイプが存在します。
水に溶けた時に、電離してイオン(電荷をもつ原子または原子団)となるイオン性界面活性剤とイオンにならない非イオン(ノニオン)界面活性剤です。
イオン性界面活性剤は、水に溶けた場合のイオンの種類によって、3種類に分かれます。
- アニオン(陰イオン)界面活性剤
石鹸やラウロイルグルタミン酸Naなど
- カチオン(陽イオン)界面活性剤
セトリモニウムクロリドなど
- 両性(陰イオンと陽イオンの両方をあわせ持つ)界面活性剤
水添レシチンやリゾレシチンなど
非イオン界面活性剤は、水に溶けたとき、イオン化しない親水基をもっている界面活性剤です。
水の硬度や電解質の影響を受けにくく、ほかのすべての界面活性剤と併用できることがメリットです。
また、浸透性、乳化・分散性、洗浄性などの性能面でイオン性界面活性剤に劣らず、静電気を発生しないというメリットもあります。
そのため、非イオン界面活性剤は、アニオン界面活性剤とならぶ主力界面活性剤になっています。
ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10やラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、PPG-4セテス-20、ポリソルベート-20、PEG-60水添ヒマシ油などがあります。
3)ラウリン酸ポリグリセリル-10の基本
ラウリン酸ポリグリセリル-10は、ヤシ油やパーム核油から得られるラウリン酸(植物脂肪酸)とグリセリンからつくられる透明の非イオン界面活性剤です。
化学構造的には炭素数12の多価アルコールの一種であり、脂肪酸エステルに分類されます。
分子量は約941ダルトンです。
化粧品としての全成分表示は、「ラウリン酸ポリグリセリル-10」です。
一方、医薬部外品表示名称は、「モノラウリン酸ポリグリセリル」です。
また、水を外部相とし、その中に油が微細粒子状に分散している水中油滴型(O/W型:Oil in Water type)の状態となります。
水中油滴型は、油中水滴型(W/O型:Water in Oil type)と比べてサッパリしたジェル状であることが特徴です。
ラウリン酸ポリグリセリル-10は、そうした洗浄剤をつくるためによく使われます。
4)ラウリン酸ポリグリセリル-10が配合される化粧品
ラウリン酸ポリグリセリル-10は、さまざまな化粧品に配合されます。
洗顔料、クレンジングジェルなどのクレンジング料、保湿化粧水、保湿美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスク、オールインワン化粧品、ボディクリーム、ハンドクリーム、頭皮ケア、日焼け止めや化粧下地、ファンデーションなどのメイク用のアイテムに使われます。
エイジングケア化粧水、エイジングケア美容液、エイジングケア保湿クリームなどにも配合されるようになっています。
3.ラウリン酸ポリグリセリル-10の効果と安全性
1)ラウリン酸ポリグリセリル-10のはたらき・効果
①刺激が小さな洗浄剤
ラウリン酸ポリグリセリル-10の基本的なはたらきは、浸透、乳化、分散の3つの力で洗浄力を発揮することです。
界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す指標には、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水親油バランス)が使われます。
HLB値は、0〜20までの値があります。
0に近いほど親油性が高く油になじみやすい性質で、20に近いほど親水性が高く水になじみやすいことがHLB値でわかります。
ラウリン酸ポリグリセリル-10のHLB値は、14〜17程度であることが知られています。
つまり、比較的、水に溶けやすいのです。
洗顔料やクレンジング料に配合される場合は、このはたらきを期待してのものです。
ラウリン酸ポリグリセリル-10による洗浄の特徴は、洗い上がりがさっぱりしながらもしっとり感があることです。
ただし、洗浄力は低く単独では高い洗浄効果はありません。
だから、陰イオン界面活性剤との組み合わせで、起泡力、泡のクリーミーさ、泡の持続性を増強するために使われるのが一般的です。
②乳化剤
また、化粧水や美容液などに配合される場合は、乳化作用を発揮して成分同士を混ざり合わせます。
さらに、ラウリン酸ポリグリセリル-10は、人の皮脂に似た構造をしています。
そのため、エモリエント効果や保湿効果があることも特徴の1つです。
保湿成分ではありませんが、保湿効果があることは、ラウリン酸ポリグリセリル-10の大きなメリットです。
<乳化と分散>
乳化も分散も、本来は混ざり合わないものを混ざり合った状態にすることは同じです。
しかし、乳化が液体同士で混ざり合うことに対し、分散は液体の中に固体を均一に混ぜ合わせることを指します。
ラウリン酸ポリグリセリル-10には、乳化と分散の両方のはたらきがあります。
2)ラウリン酸ポリグリセリル-10の安全性
ラウリン酸ポリグリセリル-10は、毒性はなく刺激性も少ない安全性の高い成分です。
基本的な特性として、非イオン界面活性剤のメリットである静電気を発生しないという点が特徴です。
そのためバリア機能を壊すなどのリスクが低い成分です。
したがって、乾燥肌や敏感肌、乾燥性敏感肌、インナードライ肌をはじめ、どんな肌質の方でも使うことが可能です。
だから、子供の乾燥肌対策や高齢の方の乾燥肌対策のアイテムに乳化剤として使われることもあります。
もちろん、普通肌や脂性肌、混合肌でも使えます。
しかし、どんな成分でも誰にでも安全とはいえませんし、化粧品かぶれ(接触皮膚炎)や肌荒れなどになる可能性を100%否定することはできません。
だから、アトピー性皮膚炎などアレルギーのある方やお肌が弱い方は注意が必要です。
肌が弱いなどで気になる方は、パッチテストをすることをおすすめします。
4.ラウリン酸ポリグリセリル-10配合のオススメのクレンジング料
ラウリン酸ポリグリセリル-10配合のオススメのクレンジングジェルをご紹介します。
アミノ酸系界面活性剤配合クレンジングジェル「ナールス エークレンズ」です。
水性のオイルフリーのクレンジングジェルで、ラウリン酸ポリグリセリル-10以外にもアミノ酸系界面活性剤の1つであるラウロイルグルタミン酸Naが洗浄成分なので、乾燥肌や敏感肌でも安心して使えるクレンジング料です。
また、ダブル洗顔不要のクレンジング料です。
ラウリン酸ポリグリセリル-10配合以外の特徴は次のとおりです。
ナールス エークレンズは、皮膚科医監修で、次のような特徴があります。
- アミノ酸系界面活性剤により、お肌に負担の少ないクレンジングが可能です。
- 粘りのあるジェルがお肌に密着し、汚れをしっかり落としながらも、優しく洗い上げます。
- クレイ(軟質多孔性の海泥)の力で毛穴の汚れを落とすクレンジングをサポート。
- アーチチョーク葉エキス配合で、毛穴のたるみ、毛穴の開きや詰まり、いちご鼻、ザラつきなどの毛穴の悩みにアプローチし、毛穴の目立ちにくいお肌をサポートします。
- ナノサイズまで小さくした「金コロイド」を配合。永続する抗酸化効果で、お肌の老化の原因となる活性酸素を除去し、お肌の酸化を防ぎます。
- 保湿成分であるユズ果実エキスや酒粕エキス、トウミツの効果で、保湿やバリア機能の改善をサポートします。※リンク重複
- 肌荒れ防止成分のシソ葉エキス、カワラヨモギ花エキスが、デリケートなお肌を優しくいたわり、肌荒れを感じさせない健やかな素肌へと導きます。
- 12の無添加(無香料、無着色、無鉱物油、オイルフリー、アルコールフリー、パラベンフリー、フェノキシエタノールフリー、石油系界面活性剤フリー、PG・DPGフリー、紫外線吸収剤フリー、旧表示指定成分フリー)を実現しています。
- ダブル洗顔不要でマツエクもOKのクレンジング料です。
ぜひ、エイジングケア世代の女性に使っていただきたいクレンジングジェルです。
<全成分>
水、BG、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ペンチレングリコール、グリセリン、ラウロイルグルタミン酸Na、ヒアルロン酸Na、加水分解ヒアルロン酸、酒粕エキス、トウミツ、金、タナクラクレイ、カワラヨモギ花エキス、シソ葉エキス、ユズ果実エキス、アーチチョーク葉エキス、ダマスクバラ花油、PEG-60水添ヒマシ油、カルボマー、ポリアクリル酸Na、水酸化K
5.まとめ
ラウリン酸ポリグリセリル-10がどんな化粧品成分なのか、その効果や安全性をご紹介しました。
また、界面活性剤の基本について簡単にまとめました。
さらに、ラウリン酸ポリグリセリル-10配合のオススメのクレンジングジェルについてもご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
ラウリン酸ポリグリセリル-10は、非イオン界面活性剤でその使いやすさと安全性の高さから、クレンジング料をはじめさまざまな化粧品に使われています。
特に、最近では使い勝手の良さからさまざまなスキンケアアイテムに配合されることが増えています。
ただし、コスメの主役ではなくサポート役の成分です。
ぜひ、ラウリン酸ポリグリセリル-10の特性を知って、上手にエイジングケアに取り入れてくださいね。
この記事「ラウリン酸ポリグリセリル-10が安全なのは非イオン界面活性剤だから」が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
ナールスエイジングケアアカデミー編集長京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。文部科学省後援日本化粧品検定1級。一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト。著作(共著)KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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