PG(プロピレングリコール)は、酸化プロピレンから化学合成された保湿成分です。
いわゆる「旧表示指定成分」であり、刺激性への懸念から近年では化粧品への使用が減っています。
この記事では、PG(プロピレングリコール) の特性や効果、安全性について詳しくご紹介します。
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆日本化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
CONTENTS
1.PG(プロピレングリコール)を詳しく知りたいあなたへ
「PG(プロピレングリコール)は保湿成分!効果や安全性はどうなの?」をお届けします。
PG(プロピレングリコール)は、酸化プロピレンから化学合成された保湿成分です。
1,2-プロパンジオールとも呼ばれます。
グリセリンより粘性が低く、サラッとしたテクスチャーで、水やアルコールに非常に溶けやすいのが特徴です。
また、一定濃度以下の配合で食品に添加されることもあります。
かつて、PGは化粧水や美容液など多くの化粧品で使われていましたが、最近では刺激性への不安から使用が減っています。
もちろん、敏感肌向きの化粧水ほか敏感肌化粧品やエイジングケア化粧品に配合されることはほとんどありません。
その代わり、よく似た成分で刺激性の少ないDPG(ジプロピレングリコール)が多く使用されるようになってきました。
正しいエイジングケアのためには、PGをはじめさまざまな化粧品成分について理解することが大切です。
なぜなら、メリットやデメリットを知って上手に使うことが美肌への近道だから。
この記事では、PGの特性、効果、安全性について詳しくご紹介します。
また、メリットやデメリットなどもご紹介します。
「PGってどんな化粧品成分?特徴を教えて!」
「PGにはどんな効果やはたらきがあるの?保湿効果は高いの?」
「PGとDPGの違いは?どちらが安全?」
「PGはどんな化粧品に配合されるの?種類は?」
「DPGの安全性や刺激性は?敏感肌に使ってはいけないの?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
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ナールス化粧品はいずれの製品にもPGは配合していません。
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- PG(プロピレングリコール)は、酸化プロピレンから化学合成された多価アルコールの1種です。最近では、植物油脂を原料として合成されることがあります。
- PGは旧表示指定成分ですが、使用感触のよさや、水やアルコールに非常に溶けやすいメリットから、多くの化粧品に配合されていました。しかし、いまでは刺激性への不安から配合されるケースが減っています。
- PG配合の化粧品は、敏感肌の方には使用をおすすめできません。また、肌荒れがある場合にも使用を控えましょう。
- PGは、物質を溶かす性質が優れているため、クレンジング料やシャンプーなど洗い流すスキンケアアイテムに配合されることがあります。そんなアイテムのなかでも、全成分表示の上位に表記される場合には、注意が必要です。敏感肌などの方はPG配合の製品はおすすめできません。
- 最近では、PGに代わって刺激性の低いDPG(ジプロピレングリコール)がよく使われるようになってきました。そのため、いまではPG配合の化粧品の種類は減っています。
2.PGとは?
1)PGの基本
PGは、酸化プロピレンから化学合成でできる多価アルコールです。
最近では、植物油脂を原料として合成される場合もあります。
多価アルコールとは、分子内に水酸基(-OH)を2個以上もつアルコールのことです。
化粧品成分で言うアルコールとは「エタノール」のことなので、PGが配合されていても「アルコール配合化粧品ではなく、ノンアルコール化粧品です。
PGは無色透明の液体で、グリセリンよりサラッとしたテクスチャーを持ち、水やアルコールに溶けやすい性質があります。
また、保湿効果や抗菌効果もあります。
保湿効果は、グリセリンなどと同じく水を吸着することで発揮されます。
つまり、PGはヒューメクタントです。
抗菌効果は、グラム陰性菌の一種である大腸菌に対する抗菌性が認められていますが、そのほかの細菌にはありません。
そのため、ベースの保湿成分としてだけではなく、製品の使用感のアップ、保存性の向上、パラベンやフェノキシエタノールなど防腐剤の配合濃度を減らせるなどのメリットがあります。
また、色素および香料の溶剤や固形の石鹸を透明化するために配合されることがあります。
しかし、刺激性があることから、最近ではPGからつくられる刺激性の少ないDPG(ジプロピレングリコール)にとって代わられつつあります。
PGは、化粧品の全成分表示では「PG」と表記され、医薬部外品では「プロピレングリコール」と表記されます。
2)PGが配合される化粧品
PGは、使い勝手のよさからさまざまなスキンケアアイテムに使用されてきました。
かつては10,000種類近くの製品に使われてきましたが、いまでは随分と減っています。
それでも3,000種類程度の製品に使われています。
かつては、保湿化粧水、保湿美容液、乳液、保湿クリームなどのつけたままにする基礎化粧品にも多く使われていましたが、最近では洗顔料、クレンジング料、シャンプーやリンスなど頭皮ケア用のアイテムへの配合にシフトされつつあります。
それでも、いまもオールインワン化粧品、フェイスマスク、マニュキュアなどの爪ケアのアイテム、ハンドクリーム、日焼け止めや化粧下地、ファンデーションなどのメイクのアイテム、マスカラ、口紅やリップクリームなどの唇ケアのアイテムなどで使われています。
なお、刺激性から、最近発売されているエイジングケア化粧水、エイジングケア美容液、エイジングケア保湿クリームなどに配合されるケースはほとんどありません。
3.PGの効果やメリットを知ろう!
ここでは、PGの効果やメリットを考えてみましょう。
1)高い吸湿性がある
PGとBG、グリセリン、DPG、ソルビトール、1,2-ヘキサンジオールの6つの保湿成分の表皮の角質層の水分増加量を比較した実験があります。
PGは、グリセリンに次いで2番目の保湿作用があることがわかりました。
つまり、ヒューメクタントのなかでは、比較的高い吸湿性があるのです。
だから、バリア機能を改善し、乾燥肌やそれが原因のくすみや毛穴などの悩みには一定の効果はあると考えられます。
これが、従来、乾燥肌のスキンケアのために用いられてきた理由です。
2)PGの抗菌効果は?
PGはグラム陰性菌の一種である大腸菌に抗菌効果を発揮します。
しかし、単独で防腐剤として使用できるレベルではありません。
その強さはグリセリンには勝りますが、ペンチレングリコールやDPGに劣ります。
それでも、ほかの防腐剤との組み合わせで、刺激性のある防腐剤の配合量を減らすメリットがあります。
4.PGの安全性は?副作用はないの?
PGには刺激性があることをお伝えしましたが、化粧品や医薬部外品の成分なので、基本的には安全性の高い成分です。
ただし、皮膚刺激によってまれに紅斑が起こる可能性があります。
また、軽度の眼刺激性があります。
さらに、PGで経皮水分蒸発量が増えて乾燥肌の原因になる可能性や肌の細胞密度が減少する可能性も指摘されています。
そのため、乾燥肌、インナードライ肌、敏感肌、乾燥性敏感肌などの肌質の方や肌荒れがある場合には、PG配合の製品は控えたほうが無難といえます。
特に、高齢で乾燥肌の方や子供の乾燥肌、アトピー性皮膚炎の場合も避けたほうがよいでしょう。
一方、普通肌や脂性肌、混合肌などほかの肌質であっても、エイジングケア世代の方ならわざわざPG配合の製品を使う必要性はないので、よほど肌に合っているなどの理由がなければPGは無添加の化粧品を選ぶことをオススメします。
5.ナールスのエイジングケア化粧品はすべてPG無添加
PGの特徴やメリット、デメリットを見てきましたが、総合的に考えればエイジングケア化粧品はにあえて使う成分とはいえません。
そのため、ナールスブランドのエイジングケア化粧品にはどのアイテムにもPGを配合していません。
たとえば、ナールスゲン配合のエイジングケア化粧水であるナールスピュアには、ヒューメクタントしては、BG、グリセリン、ベタイン、1,2-ヘキサンジオールを配合し、PGは無添加です。
日本人で増えている敏感肌のことやエイジングケア世代の女性が多いことを考えれば、PGの有用性は高くないので、使用は減る傾向にあるでしょう。
6.PGなどのエイジングケア化粧品成分を学ぶ書籍
ナールスエイジングケアアカデミーの書籍レビューのコーナーでは、エイジングケア化粧品成分を学ぶための書籍を何冊かご紹介しています。
PGをはじめ、もっとたくさんの美容成分や化粧品成分をチェックしたい方は、ぜひ、参考にしてください。
化粧品成分ガイド 第6版(宇山侊男/岡部美代治/久光一誠 著、フレグランスジャーナル社)
天然成分だけで化粧品をつくることはできないのか?(角谷貴斗 著、中央書院)
知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑(小西さやか 著、東西社)
化粧品選びの常識が変わる!美肌成分事典(かずのすけ/白野実 著、主婦の友社)
7.まとめ
PG(プロピレングリコール)がどんな化粧品成分か、その特徴、効果、安全性についてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
PGは、水溶性の保湿成分で、使い勝手がよいことからかつてはさまざまな化粧品に配合されてきました。
しかし、刺激性への不安から、最近では刺激性の低いDPGを使用するケースが増えています。
PGは、溶解剤としては有用なので存在意義はありますが、エイジングケア世代にはあまりオススメできない成分です。
この記事「PG(プロピレングリコール)は保湿成分!効果や安全性はどうなの?」がエイジングケア世代の女性の美肌づくりのお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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