パラベンは、化粧品に配合される防腐剤の1種です。
パラベンには、主にメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンの4種があります。
この4つは、少しずつ、抗菌力と刺激性が異なります。
最近では、パラベンフリーの化粧品も登場していますが、エイジングケアによいのでしょうか?
この記事では、パラベンの特徴やパラベンフリーの化粧品のメリットやデメリットについて、幅広くご紹介します。
- パラベンは防腐剤の一種で、パラオキシ安息香酸エステルが正式名称です。100年近くの長きにわたり、さまざまな化粧品に配合されています。
- パラベンは、その有用性と比較して悪いイメージを持つ方がいますが、化粧品に配合される濃度では安全性に大きな問題のない防腐剤です。ただし、絶対に安全とはいえませんので、敏感肌など刺激に弱い方は注意が必要です。
- パラベンには4つの種類があります。基本的な特性は同じですが、抗菌効果や刺激性などが少し異なります。
- パラベンフリー化粧品が、必ずしも防腐剤フリーの化粧品ではありません。なぜなら、保湿成分に抗菌効果のあるものを配合している場合があり、それに刺激性を感じる可能性があるからです。
- パラベン以外でも刺激のある化粧品成分があるので、それらにも注意が必要です。むしろ、そちらのほうの刺激性が高いこともあります。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
松岡 桓準 先生
近畿大学薬学部卒業後、薬剤師免許を取得。大学院修了後、化粧品関連企業で化粧品有効成分の研究開発に携わる。
2014年より株式会社育星会カイセイ薬局にて地域住民の薬物治療のサポートを行う一方で、認定NPO法人健康ラボステーションでの活動を通して未病・予防に関する情報発信を行っている。
CONTENTS
1.パラベンのリスクが気になるあなたへ
「パラベンとは?パラベンフリー化粧品のメリットとデメリット!」をお届けします。
パラベンと聞くと、「刺激があって危険では?」と思われる女性も多いのではないでしょうか?
エイジングケア世代や敏感肌の女性は、刺激の強い成分は避けたいので、そのリスクがある成分を使うのは嫌ですよね。
はたして、パラベンはそんな成分なのでしょうか?
パラベンは、食品や化粧品の防腐剤ですが、一時期、その刺激性を問題視する情報が出回りました。
そのため、「パラベンは毒性が強い」「パラベンフリーの化粧品を使わないとお肌が危ない」などの印象を持っている方もいます。
だから、最近のエイジングケア化粧品や敏感肌化粧品、敏感肌化粧水などでは避けられることが多い防腐剤です。
しかし、パラベンは1924年に医薬品の防腐剤としての使用から始まり、100年近く使われている防腐剤で、刺激性は多少あるものの、化粧品に配合される濃度では大きな問題になる成分ではないのです。
つまり、基本的には安全性の高い有益な成分です。
この記事では、そんなパラベンの特徴とパラベンフリー化粧品のメリットとデメリットをご紹介します。
また、おすすめのパラベンフリーのエイジングケア化粧品をご紹介します。
「パラベンのはたらきは?どんな作用で防腐効果を発揮するの?」
「なぜ、パラベンが化粧品に必要なの?ないとダメなの?」
「パラベンって種類があるの?その特徴や抗菌効果の違いは?」
「パラベンフリー化粧品って敏感肌に使ってよいの?悪いの?」
「パラベンに刺激を感じる場合はどうすればよいの?ほかのおすすめの防腐剤は?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
<おすすめのエイジングケア化粧品>
ナールスブランドはパラベンフリー。防腐剤は主にフェノキシエタノールを使っています。
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2.パラベンとは?
1)パラベンは化粧品の防腐剤の1種
パラベンとは、パラオキシ安息香酸エステルが正式名称の成分です。
パラベンは、化粧品や医薬部外品だけでなく、医薬品や食品などに防腐剤として使用されています。
防腐剤といっても多くの種類がありますが、なかでもパラベンは、広い範囲の微生物に対して抗菌力があり、毒性が低く安全性も高いことから、ポピュラーな成分として幅広い分野で活用されています。
細菌に対して、菌膜破壊、細胞内部タンパク変性および補酵素との拮抗反応によって抗菌力を発揮します。
2)パラベンの防腐効果の特徴は?
パラベンのもう少し詳しい特徴をまとめると次のとおりです。
①比較的高濃度で配合可能
パラベンは1%の濃度まで配合することが可能です。
たとえば、ほかの防腐剤の配合濃度の上限は、サリチル酸は0.2%、安息香酸は0.2%、トリクロサンは0.1%と決まっています。
②酵母やカビに対して効果的
パラベンは、カビに対しては0.1%の濃度で抗菌効果を発揮します。
ほかの防腐剤では、フェノキシエタノールでは0.5%、プロパンジオールでは20%もの濃度が必要です。
また、パラベンは酵母に対しても0.1%以下で抗菌効果を発揮します。
このことから、パラベンがカビに対して強い抗菌効果があることがわかります。
③グラム陰性菌にも抗菌力がある
代表的なグラム陰性菌である大腸菌に高い抗菌効果を発揮します。
たとえば、パラベンは大腸菌に対して、0.125%の濃度で抗菌効果を示しますが、フェノキシエタノールでは0.5%、プロパンジオールでは10%の濃度が必要となります。
ただし、緑膿菌に対しては、特に効果はありません。
④グラム陽性菌にも抗菌力がある
パラベンは、0.2%以下の濃度でもグラム陽性菌である黄色ブドウ球菌に抗菌効果を発揮します。これは皮膚常在菌の中の悪玉菌です。
一方、美肌菌といわれる表皮ブドウ球菌にも抗菌効果を発揮するのはデメリットです。
⑤ほかの防腐剤とも組み合わせやすい
パラベンは、他の防腐剤および防腐作用を有する成分と組み合わせて使用されます。
それは、より低濃度の防腐成分の使用で刺激や毒性を減らしたり、耐性菌の出現防止といったメリットがあるからです。
3)なぜ、化粧品にパラベンなどの防腐剤が必要?
化粧品は、グリセリン、アミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、セラミドなどのさまざまな美容成分や保湿成分が含まれますが、これらは微生物が好む成分です。
だから、開封した後に微生物の対策を取らなければ、手についた雑菌などが化粧品のなかに入った場合など、微生物が増殖し、品質が低下してしまいます。
また、微生物によって、腐敗が進行してしまうと、元の清潔な状態に戻ることはありません。
このため、化粧品の品質を維持するには、抗菌作用によって防腐効果を発揮してくれるパラベンなどの防腐剤が必要なのです。
つまり、防腐剤としてパラベンを配合することで、化粧品を長期的にかつ安全に使用することができるのです。
4)パラベンは安全性が低いの?
パラベンは防腐剤として、化粧品に長い間使用されてきました。
安全性が低い防腐剤でないことは、数々の実験で科学的に証明されているにもかかわらず、悪者のように扱われてしまったことがあり、実際以上に悪いイメージを持たれている成分なのです。
その背景には、厚生労働省が1980年に定めた表示指定成分があります。
表示指定成分とは、厚生労働省が人によっては肌トラブルなどが起こる可能性が高いと判断した成分や物質のことです。
当時、表示指定成分に定められた成分は、商品に成分名の表示が義務付けられました。
当時の日本では化粧品の配合成分をすべて記載する決まりはなく、厚生労働省が指定した要注意成分のみを記載していたのです。
現在、全成分表示のルールから、原則としてすべての成分を表示することになり、当時の「表示指定成分」は、いまでは「旧表示指定成分」と呼ばれています。
だから、いまでもパラベンをはじめ旧表示指定成分は、「なんとなく危険なもの」というイメージが定着してしまったのではないかといわれています。
かつては、パラベンの配合濃度も高く、刺激性への懸念もありましたが、現在では研究が進み安全性や品質が向上するとともに、配合濃度も低下しています。
だから、パラベン配合の化粧品もそれほど刺激性を気にする必要がなくなっているのです。
だから、パラベンを過度に避けることは、正しいエイジングケアやスキンケアとはいえないのです。
5)パラベンパラドックスとは?
「パラベンパラドックス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
パラベンは、ほとんどの方で健康な皮膚に塗布したとしても問題はありません。
しかし、肌荒れや裂傷などに塗布すると、一転してアレルギーを起こすことが増えます。
つまり、パラベンはもとから、リスクが低い方には問題が起こることは少なく、逆にリスクが高い方には問題が起こる可能性が上がることから、「パラベンパラドックス」と呼ばれるようになったのです。
つまりパラベンは、傷がなければアレルギーの心配がほとんどない成分といえます。
加えて、現在の日本では、パラベンの使用量は「化粧品基準」によって上限が1%(100gに対して1.0g)と決められています。
しかも、市販の化粧品のほとんどは、パラベンの使用量は0.1~0.5%程度というのが実際です。
このように、パラベンは、基本的には低い含有量でもほかの防腐剤と比べて優れた効果を発揮し、さらに安全性も高いので、パラベンを忌み嫌う必要はないのです。
6)パラベンとフェノキシエタノールの違い
パラベンとともに代表的な防腐剤といえば、フェノキシエタノールです。
こちらは、次のような特徴があります。
- パラベンが効きにくい微生物に有効
- パラベンより殺菌力が劣る
- パラベンよりもアレルギーのリスクが小さい
フェノキシエタノールは、最近では食品や化粧品などによく使用されます。
殺菌力が弱いことから、一般的にはパラベンより濃い濃度で配合しなければ効果が得られないことがデメリットです。
フェノキシエタノールは、1,3-ブチレングリコール(BG)やパラベンとも組み合わせて配合されることも多い成分です。
パラベンにしてもフェノキシエタノールにしても、肌質やバリア機能が低下した乾燥肌や敏感肌、インナードライ肌などの肌状態によっては、刺激になることがあります。
また、場合によっては化粧品かぶれ、つまり、接触皮膚炎を起こすこともあります。
一方、普通肌(ノーマルスキン)や脂性肌(オイリースキン)の方ではそれほど問題になることはありません。
3.パラベンの種類と特徴
パラベンにはいくつか種類があります。なかでも代表的なものを、刺激のマイルドな順に4つご紹介しましょう。
ちなみにこの4つのパラベンの抗菌活性の強さは、ブチル、プロピル、エチル、メチルの順です。
しかし、刺激性や使いやすさの点から、メチル、エチル、プロピル、ブチルの順でよく使われます。
1)メチルパラベン
正式名称は、パラオキシ安息香酸メチルです。
数あるパラベンの種類のなかでも、水に溶けやすく一番肌への刺激が少ない成分です。
そのため、化粧品、特に化粧水の防腐剤としてよく用いられます。
メチルパラベンそのものの抗菌力はさほど強くないのですが、ほかの種類のパラベンと組み合わせることで抗菌力を上げることが可能です。
2)エチルパラベン
正式名称は、パラオキシ安息香酸エチルです。
エチルパラベンは、広範囲の微生物に対する殺菌力をもっています。
無色の結晶または白色の結晶性粉末状の成分で、油溶性の防腐剤です。
メチルパラベンに次いで汎用されるとともに、セットで配合されている場合が多くあります。
3)プロピルパラベン
正式名称は、パラオキシ安息香酸プロピルです。
プロピルパラベンは、パラヒドロキシ安息香酸とプロパノールからつくられる石油由来のエステルです。
パラベンのなかでは刺激性が高いので注意が必要です。
4)ブチルパラベン
正式名称は、パラオキシ安息香酸ブチルです。
紹介した4種のパラベンのなかで、最も抗菌力が高いブチルパラベン。
無色の結晶または白色の結晶性粉末状であり、水にはほとんど溶けない油溶性の防腐剤です。
ブチルパラベンは、環境ホルモンでないとはいい切れないと考えられています。
パラベンの中で控えたほうがよい成分としては、ブチルパラベンです。
いまご紹介した4つは、パラベンのなかでもよく使われており、1種類だけ配合されていることもあれば、4種類すべて添加されている場合もあります。
エイジングケアで安心なのは、メチルパラベンとエチルパラベンです。
なお、パラベンの種類としては、イソプロピルパラベン(パラオキシ安息香酸イソプロピル、isopropyl 4-hydroxybenzoate)、イソブチルパラベン(パラオキシ安息香酸イソブチル、isobutyl 4-hydroxybenzoate)やベンジルパラベン(パラオキシ安息香酸ベンジル、benzyl 4-hydroxybenzoate)もありますが、こちらは化粧品の防腐剤として使われることはありません。
4.パラベンが配合される化粧品の種類
さまざまな洗浄剤や化粧品に配合されます。
具体的には、クレンジングオイルやクレンジングジェルなどのクレンジング料、洗顔料、保湿化粧水、保湿美容液、目元美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスク、シャンプーやコンディショナーなどの頭皮ケアや毛髪ケアのアイテム、ハンドクリーム、リップケアクリーム、ボディケアクリームなどに使われます。
さらに日焼け止めやUV化粧下地、ファンデーションなど、メイクのアイテムにも使われます。
ただし、その印象度の問題から最近ではフェノキシエタノールの使用頻度が増えており、パラペンの使用頻度は減っている傾向にあります。
5.パラベンフリー化粧品のメリットとデメリットは?
1)パラベンフリー化粧品とは?
パラベンフリー化粧品とは、その名のとおりパラベンを配合していない化粧品の総称です。
つまり、パラベンが無添加の化粧品です。
ただし、パラベンが入っていない=防腐剤が入っていない、というわけではなく、パラベン以外の防腐剤が使われていることがほとんどです。
化粧品には、期限を記載しない場合は、未開封の状態で3年間以上の保存が可能であるという条件を満たす必要があります。
防腐剤が入っていない場合、この条件を満たすことはほぼ不可能です。
だから、この条件をクリアするためには、何らかの防腐効果のある成分が用いられることになります。
消費期限が記載されていないときは、防腐剤無添加と書いてあっても、実際は防腐剤と同等の防腐効果のあるアルコール(エタノール)、1,2-ヘキサンジオール、ヒノキチオールなどの成分が入っているのでチェックしてみましょう。
もし、防腐剤が完全に入っていないとすれば、未開封で3年間の保存ができない場合がほとんどなので、消費期限が目立つところに記載されています。
2)パラベンフリー化粧品のメリットは?
先にもご紹介したとおり、パラベン=なんとなくからだに悪いものというイメージを持っている人が少なからず存在します。
プロピルパラベンやブチルパラベンには注意が必要ですが、ほかのパラベンは低濃度なら防腐剤のなかでも肌への負担が少ないので、パラベンフリーの化粧品をあえて選ぶことのメリットは少ないといえます。
しかし、人によってはメチルパラベンやエチルパラベンでもお肌にとって刺激となってしまうので、パラベンフリーの化粧品を使うほうがオススメです。
また、パラベンフリー化粧品の場合、パラベンに対してなんとなく危険なものというイメージを持っている人にとっては、心理的な安心感もメリットです。
化粧品にもプラセボ効果があり得るので、パラベンフリーの化粧品というだけで安心して使うことができれば、効果が期待できる可能性も否定できません。
3)パラベンフリー化粧品のデメリットは?
パラベンフリー化粧品そのものに、デメリットはありません。
ただし、パラベンで何も感じない方が、もしフェノキシエタノールやほかの防腐効果のある成分で刺激を感じるなら、結果的にデメリットとなってしまいます。
つまり、パラベンフリー化粧品でパラベンを避けたことで、ほかの防腐剤の刺激を肌に与えてしまう可能性があることがデメリットになるのです。
もちろん、パラベンとフェノキシエタノールの両方に刺激を感じるなら、パラベンフリーでもフェノキシエタノールフリーであっても同じことです。
逆に、どちらでも大丈夫な方なら、特に問題にはならないのです。
6.パラベンフリーのおすすめの化粧品
ナールスブランドのおすすめのパラベンフリーのエイジングケア化粧品をご紹介します。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品はすべてパラベンフリーですが、そのなかから3つを取り上げました。
1)おすすめのパラベンフリーの化粧水
パラベンフリーのオススメの化粧水は、ナールスゲン配合のエイジングケア化粧水である「ナールスピュア」。また、アルコールフリーの化粧水です。
さらに、香料・着色料・界面活性剤も無添加の化粧水です。
ナールスピュアは、@コスメの化粧水ランキングの口コミでも高評価を得ています。
肌老化によるほうれい線、しわ、たるみ毛穴などが目立たないように予防美容をサポートします。
ナールスゲン以外でも、プロテオグリカン、ビタミンC誘導体であるAPPS(アプレシエ)やアスコルビン酸Na、ビタミンE誘導体、水性保湿油(ウィルブライド S-753)を配合しています。
また、2020年のリニューアルで、セラミドを増やす成分であるナイアシンアミドと3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸(セラミドプロモーター)、さらにPCA-Naを加えました。
30代のエイジングケアや40代のエイジングケアにオススメです。
2)おすすめのパラベンフリーの美容液
おすすめのパラベンフリーのエイジングケア美容液「ナールス ネオ」。
ナールスゲンとスイス発のバイオテクノロジーで開発されたネオダーミル、6種のヒト型セラミド、VCエチル、アセチルデカペプチド-3などを配合したエイジングケア美容液です。
目もと・口元など気になるエイジングサインを集中的にケアする目元美容液として目尻のシワにアプローチし、肌のハリがあふれる素肌へと高めます。
ナールスネオは、実はキャリーオーバー成分としてメチルパラベンとプロピルパラベン、フが含まれていますが、これは原料にはじめから配合されているのです。
この場合には、パラベンフリーと名乗ることができるのです。
3)おすすめのパラベンフリーのクレンジングジェル
パラベンフリーのおすすめのクレンジングジェルが、エイジングケアクレンジングジェル「ナールス エークレンズ」。
アミノ酸系洗界面活性剤であるラウロイルグルタミン酸Na、金コロイド、アーチチョーク葉エキス、グルコシルセラミドを配合した敏感肌でも使えるクレンジング料です。
また、このクレンジング料は、パラベンフリーに加えて、フェノキシエタノールフリーです。
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7.パラベンにまつわるQ&A
1)パラベンが乳がんの原因になるって本当?
パラベンが乳がん患者の乳房組織から検出されたことがあり、それが学術論文に掲載されました。
Barr, G. Metaxas, C. Harbach, L.-A. Savoy, P. Darbre, J. Appl. Toxicol. 2012. DOI: 10.1002/jat.1786
また、少ないながら女性ホルモンであるエストロゲンに似たはたらきがあります。
そのことから、パラベンが乳がん発症に関連の原因として関与している可能性が懸念されました。
しかし、この研究が健康な女性を対象にした比較調査が行われていないなど、「パラベンが乳がんの原因」とするには問題があるとする見解があります。
Chemistry Views: Underarm Hygiene Does Not Cause Breast Cancer
つまり、現時点ではパラベンが乳がんの原因というエビデンスが不十分であり、はっきりといい切ることはできません。
2)ブチルパラベンの環境ホルモンの可能性は?
環境ホルモンとは、生物の代謝や成長、生殖などに必要なホルモンのはたらきに影響を及ぼす内分泌系を狂わせる物質全般のことです。
ブチルパラベンは、人間ではそのような報告はありませんが、動物実験ではその可能性があるようです。
現時点では、ブチルパラベンが環境ホルモンではないといい切れません。
3)パラベンが経皮毒になるのは本当ですか?
これは都市伝説です。
そもそも経皮毒は、学術的に認められた概念ではありません。
パラベンは、皮膚に浸透しますが、体内で分解され、数時間から3日以内に体外に排出されることもわかっています。
このようにパラベンを取り巻く状況としてはネガティブなこともあり、過度に忌み嫌う人も多いのです。
4)植天然物中にもパラベンはあるのですか?
化粧品に使うパラベンは化学合成で作られています。
一方、ニンジンやトマトなどの野菜やフルーツにも広く含まれていることが古くから知られています。
これらは、体内に取り込まれると容易に分解されて、代謝物である『パラヒドロキシ安息香酸』に変化して速やかに体外に排出されるので、健康上の心配はないと考えられています。
5)食品に使用されるパラベンについて教えてもらえますか?
国内ではエチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどが醤油や酢、清涼飲料水などの保存料として一定の基準濃度の範囲で使用されます。
米国ではメチルパラベンとプロピルパラベンがGRAS(Generally Recognized As Safe:一般に安全と認められる物質)として、食品中の上限を0.1%として認められています。
また、ヨーロッパでも一定基準のもと、パラベンが使用されます。
6)パラベンの原料は何ですか?
パラベンは、石油を原料として精製して作られる合成保存料です。正式名称を「パラオキシ安息香酸エステル」です。
7)パラベンはなぜ悪いという噂があるのですか?
パラベンは、1924年に初めて医薬品の防腐剤として使用されました。約100年という長きにわたってされ、防腐効果や安定性が高いと評価されている成分です。
しかし、皮膚への塗布や摂取によって皮膚炎や湿疹などのアレルギー反応の可能性があります。その点が強調されすぎて、一時、パラベンが悪いという噂が出回りました。
8)パラベンフリーの化粧品で使われる防腐剤は?
パラベンフリーを謳う化粧品で使われる防腐剤で最も多いのは、フェノキシエタノールを使うケースです。
ほかにも、安息香酸ナトリウムやイソプロピルメチルフェノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸などが使われます。
また、防腐剤の代わりにエタノールやBG、ペンチレングリコール、ヒノキチオールを使うこともあります。
9)パラベンは今でも有益な防腐剤ですか?
パラベンは他の防腐剤に比較して低い含有量で優れた効果を発揮します。また、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性などの毒性がほとんど認められていません。
さらに、化粧品の防腐剤としても80年以上の歴史があります。
この点からは、パラベンは今でも有益な防腐剤と言えます。
パラベン以外の防腐剤の中には、低い含有量では十分な防腐効果が得られず、パラベンと同じ効果を出すために含有量を上げれることで刺激性などの毒性が強く表れるような物もあります。
10)パラベンの化粧品への配合濃度はどれくらいですか?
パラベンの使用量の上限は法律で1%(100gに対して1.0g)と定められています。しかし、
パラベンは高濃度でなくても防腐効果が十分なので、多くの化粧品においてはパラベンは0.1~0.5%という低用量で使用されています。
8.エイジングケアの視点から考える化粧品と防腐剤
1)エイジングケアで防腐剤に神経質になる必要はない
エイジングケアのためには、肌への刺激をできるだけ少なくすることがポイントとなります。
特に40代のエイジングケア化粧品や50代のエイジングケア化粧品では、お肌に優しいものを選びたいものです。
ここまで記事をお読みになった方はおわかりいただけると思いますが、その場合「パラベンフリー化粧品」を選べばよいわけではありません。
なぜなら、パラベンは入っていなくとも、ほかの何かしらの防腐剤や防腐効果のある成分が入っている可能性は高いので、それに刺激を感じてしまうリスクがあるからです。
だから、エイジングケア化粧品の選び方としては、やみくもにパラベンフリー化粧品だからよいと考えるのではなく、防腐剤やほかの刺激のある成分を確かめて、お肌にとってなるべく負担の少ないものを選ぶことが大切です。
パラベンが、ほかの防腐剤より刺激性が高いわけではないので、パラベンに刺激を感じないなら悪い選択肢ではないのです。
たとえば、フェノキシエタノールも安全性の高い防腐剤です。
アレルギーのリスクもほぼなくよい防腐剤ですが、パラベンより配合濃度が高くなります。
だから、パラベンが大丈夫でもフェノキシエタノールに刺激を感じる方がいます。
そんな場合は、パラベン配合の化粧品を使えばよいのです。
もちろん、多くの方はパラベンでもフェノキシエタノールでも問題ありません。
また、フェノキシエタノールが大丈夫で、パラベンに刺激を感じる場合もあります。
そんな方は、フェノキシエタノール配合の化粧品を使えばよいのです。
防腐剤に関しては、現在は研究が進んでいるので、パラベンまたはフェノキシエタノールを配合した化粧品の安全性はとても高くなっています。
敏感肌などお肌に合わない場合は使用を避けることが必要ですが、パラベンなどを配合した化粧品のほうが、品質維持の点では心配が少ないのです。
つまり、結論としては、エイジングケアで防腐剤に神経質になる必要はないということです。
2)気をつけたい化粧品の保管と使い方
パラベンフリー化粧品でそのほかの防腐剤もフリーであるものの場合は、消費期限に注意して清潔な状態で使用することを心がけましょう。
使用するときに皮膚に付着している雑菌が入って汚染されてしまった場合、腐敗や変色などが起こって、パラベンフリーかつ防腐剤フリーであっても、お肌にとっては危険です。
小ぶりの容量のものをできるだけ早く使い切るなど、使い方を工夫することが大事なポイントとなります。
なお、どんな化粧品にもいえることですが、正しい使い方を行うことがエイジングケアに有効です。
使用する前に、使う予定の化粧品の正しい使い方を確認して、お肌にとって最適の状態で用いるようにしましょう。
正しい使い方をすることで、化粧品の効果を最大限引き出すことができます。
<参考記事>
3)パラベンほか化粧品成分をしっかり学ぼう
ナールスエイジングケアアカデミーの書籍レビューのコーナーでは、化粧品成分を学ぶための書籍を何冊かご紹介しています。
パラベンをはじめ、もっとたくさんの美容成分や化粧品成分をチェックしたい方は、ぜひ、参考にしてください。
*化粧品成分ガイド 第6版(宇山侊男/岡部美代治/久光一誠 著、フレグランスジャーナル社)
*天然成分だけで化粧品をつくることはできないのか?(角谷貴斗 著、中央書院)
*知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑(小西さやか 著、東西社)
*化粧品選びの常識が変わる!美肌成分事典(かずのすけ/白野実 著、主婦の友社)
9.パラベンより注意したい成分と使い方
エイジングケアを上手に実践するためには、パラベンやほかの防腐剤以上に扱いに気をつけたい成分があります。
もちろん、それらの成分にはメリットもあるので上手な使い方をすればエイジングケアやスキンケアにとってプラスですが、誤った使い方をすればデメリットが大きくなるので注意しましょう。
1)アルコール
アルコールは、ふき取り化粧水、収れん化粧水、メンズ化粧水などでよく配合される成分です。それは、殺菌、収れん、清涼などの効果があるからです。
しかし、刺激性や揮発性があり濃度が高いと乾燥肌の原因になることもあります。
エイジングケアの観点からは、高濃度のものは控えることをオススメします。
特に、乾燥肌、乾燥性敏感肌、インナードライ肌の方は、ノンアルコール化粧品やアルコールフリー化粧品を使う
ことをオススメします。
2)尿素
尿素は、お肌の角質を溶かすことで手肌やかかとなどの角質肥厚に効果を発揮する成分です。
そのためハンドクリームやボディの保湿ケアのクリームに配合されることがあります。
しかし、長期間使うと未成熟な角質、必要な角質まで溶かしてしまうリスクがあることに注意しましょう。
3)AHA(アルファヒドロキシ酸)
AHAとは、りんご酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸などの総称です。
AHAは、フルーツ酸とも呼ばれます。
これらは、家庭用のピーリングアイテムに配合されます。
AHAの酸の力で角質を溶かしターンオーバーを促進して、お肌のごわつきの改善が期待できます。
しかし、使い過ぎは尿素と同じく未成熟な角質、必要な角質まで溶かしてしまうリスクがあるので注意が必要です。
4)PG/DPG
PGやDPGは、保湿効果もありますが、刺激性もある成分です。濃度が低ければ心配はあまりありませんが、高濃度の場合は注意が必要です。
全成分表示の1~3行目くらいまでに、PGやDPGの表示がある化粧品は、エイジングケアにはあまりオススメできません。
5)界面活性剤
化粧水や美容液に含まれる界面活性剤はあまり心配ありませんが、シャンプー、クレンジング料、洗顔料に含まれる界面活性剤のなかには刺激の強いものもあります。
たとえば、シャンプーなどに使われるラウリル硫酸Naなどは刺激に強い界面活性剤です。
肌に優しい界面活性剤としては、ラウロイルグルタミン酸Naなどのアミノ酸系界面活性剤がオススメです。
10.まとめ
パラベンとはどんな防腐剤か、また、その特徴やパラベンフリー化粧品のメリットとデメリットについてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
これで、パラベンについてご理解いただけたのではないでしょうか?
パラベンは低刺激で優れた防腐効果のある防腐剤で、化粧品をつくる上で有用性の高い成分です。
しかし、それでも刺激を感じる方もいます。
そんな場合は、フェノキシエタノールなどパラベン以外の防腐剤の化粧品を選ぶことも選択肢の1つです。
必要以上に悪者にされることもあるパラベンですが、メリットもあるので、パラベンフリーというだけでその化粧品を選ばないようにしましょう。
パラベンを正しく理解して、よりよいエイジングケアを実践してくださいね。
この記事「パラベンとは?パラベンフリー化粧品のメリットとデメリット!」が、エイジングケア世代の女性のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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