マイカは原石である白雲母、金雲母を粉砕して得られる含水ケイ酸アルミニウムカリウムを主体とする板状粉体です。
また、マイカは表面がすべすべな化粧品成分です。
主に、体質顔料として化粧品に配合されます。
この記事では化粧品成分としてのマイカの役割やはたらき、安全性について幅広くご紹介します。
また、どんな化粧品に配合されるのかを取り上げます。
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆日本化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
- マイカは、体質顔料であり、また光輝性顔料としても使われる化粧品成分です。ラテン語で輝くという意味を持つmicareという単語が名前の由来です。
- 原石である白雲母、金雲母を粉砕して得られる含水ケイ酸アルミニウムカリウムが主成分です。
- マイカを化粧品に配合することで、伸びのよさやなめらかさ、肌への密着性などを実現します。また、すべすべとしたツヤのある肌を演出します。
- マイカには皮膚刺激性がほとんどなく、安全な成分です。だから、敏感肌など肌質を選ばず使うことが可能です。
- マイカは、日焼け止め、ファンデーション、口紅、マニキュアほか、20,000種を超えるさまざまな化粧品で使われています。つまり、とても有用な化粧品成分です。
1.マイカを使ったメイクでキレイになりたいあなたへ
マイカは、化粧品の形を保つために使われる体質顔料です。
体質顔料とは、他の顔料や塗料の増量剤です。
また、着色性や強度などを改善するための混合剤として用いられる白色顔料のことです。
化粧品は、こうした体質顔料などの色や形を保つ成分が含まることによって、使い心地がよくなります。
また、マイカは体質顔料としてだけでなく、光輝性顔料としての役割を持つ成分です。
光輝性顔料とは、パールのような光沢あるいは金属性の光沢をあたえる顔料のことで、肌を艶やかに見せる効果があります。
正しいスキンケアやエイジングケアで美肌を保つためには、マイカをはじめ化粧品成分についてしっかり理解することが大切です。
この記事では、マイカの特性、効果、安全性について詳しくご紹介します。
また、どんな化粧品に配合されるのかを取り上げます。
「マイカってどんな化粧品成分?特徴を知りたい!」
「期待できる肌への効果って何?肌悩みは改善するの?」
「マイカはどんな化粧品に使われているの?メイク用品だけに使われるの?」
「安全性や刺激性について知りたい!敏感肌でも使える?」
「マイカとタルクとどう違うの?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
2.マイカとは?
1)マイカの基本特性
マイカは、天然の含水ケイ酸アルミニウムカリウムを主体とする成分です。
つまり、水、珪素、酸素、アルミニウム、カリウムが混合した成分です。
一般的に、含有不純物の少ない白雲母を細かく微粉末状に粉砕したものが化粧品の原料となります。
ラテン語で輝くという意味を持つmicareという単語が名前の由来です。
化粧品の全成分表示では、マイカと表示されます。
また、医薬部外品では、マイカまたはセリサイトと表記されます。
マイカは多くの種類が存在し、また化学成分にばらつきも多くあります。
たとえば、セリサイト(絹雲母)はマイカの一種ですが、マイカと比較して粉体に厚みがあり、より滑らかな使用感があります。
2)マイカは体質顔料であり光輝性顔料
マイカは、体質顔料の一種であり、光輝性顔料としても使われています。
①体質顔料とは?
体質顔料や光輝性顔料という言葉に馴染みがないという方も少なくないでしょう。
体質顔料とは、色を付けるよりもメイキャップに使う化粧品の濃淡調整や、感触を調整する目的で使われる無機顔料です。
また、製品の形を保つ目的でも配合されます。
マイカは被覆力の小さい、白色の粉末です。
マイカは白い色をしていますが、塗布すると透明になりほとんど色が付きません。
そのため、白色顔料とは区別されています。
体質顔料としては、マイカの他にタルクなども有名です。
タルクは、マイカと比較して、白色度が高くて不透明なので、おもに粉白粉(おしろい)、ファンデーションなどに使われます。
②光輝顔料とは?
一方、光輝性顔料とは、真珠あるいは金属のような光沢感を演出する顔料をさします。
絹のような光沢があるとされる絹雲母からつくられたものは、「セリサイト」と呼ばれます。
セリサイトの主な産地は日本です。
無機顔料や光輝性顔料は色材と呼ばれる成分で、化粧品に色を付けることなどに役立ちます。
ちなみに顔料とは、水にも油にも溶けない粉末状の色材のことです。
無機顔料は、天然の鉱石や金属の化学反応によって得られる酸化物などからつくられる顔料で、分子構造の中に有機物を含みません。
また、顔料には他にも白色顔料や有色顔料があります。
白色顔料としては、紫外線散乱剤としても活躍する酸化チタンや酸化亜鉛、もともと色みを持つ無機顔料である有色顔料では、酸化鉄やグンジョウなどが有名です。
化粧品のパッケージなどには、配合されている全成分が原則として配合量の多い順に表示されています。
自分が普段使っている化粧品にはどのような成分が配合されているのか、化粧品に対する理解を深めるためにもチェックしてみるとよいでしょう。
新しく化粧品を購入する際にも、成分をチェックすることは大切です。
3)マイカのはたらき
マイカを化粧品に配合することで、お肌への感触がソフトになり、すべすべとした肌ツヤを演出することができます。
また、化粧品の伸びがよくなるので使い勝手も向上します。
女性が憧れるお肌の透明感を演出する効果もあります。
化粧品のCMなどでパール感をアピールしているものがありますよね。
マイカを配合すると、お肌にきらめきを与えることができ、パール感をつくり出すことが可能です。
パール感が出ることで、シワを目立たなくさせたり、肌の色が明るくなって顔のくすみも目立たなくなるので、若々しさを演出できます。
肌悩みを改善するはたらきそのものはありませんが、使用した時、すぐに目に見える変化を実感できると嬉しいですよね。
マイカは、塗った直後から見た目にもお肌を華やかな印象にするので、その効果をユーザーがダイレクトに認識することができるのです。
化粧品会社は、マイカの視覚効果を上手く活用しているといえます。
なおマイカは、化粧品にクリーミーな感触を加えることも可能です。
化粧品と聞くと、保湿や美白などで素肌が美肌になるために有効な成分が重視されがちですが、見た目の印象を高め、使い勝手をよくするはたらきがある顔料も大切な成分といえます。
4)マイカの安全性は?
マイカは、化粧品として使用される限りにおいて、皮膚への刺激性がほとんどありません。
また、眼への刺激性はほとんどないといわれています。
アレルギーや毒性の報告もなく、安全な成分と考えられているのです。
だから、基本的にはどんな肌質や肌タイプでも使えます。
普通肌や脂性肌はもちろん、混合肌、乾燥肌、敏感肌、インナードライ肌でも使うことが可能な成分です。
しかし、どんな成分であっても、肌荒れやかゆみ、赤みが出るほか、刺激を感じる可能性を100%否定することはできません。
つまり、化粧品かぶれ(接触皮膚炎)のリスクがまったくないわけではないのです。
もし、マイカが含まれる製品で肌トラブルが起これば、一旦、使用を中止しましょう。
アトピー性皮膚炎がある方、肌が弱く心配な方は、事前にパッチテストをすることをおすすめします。
また、品質が低い場合には、ニッケルやクロムが不純物としてごく微量含まれていることがあるため、注意が必要です。
金属アレルギーがある場合は、とくに気をつけましょう。
3.マイカはどんな化粧品に配合されるの?
1)マイカが使われるケースは増加
すべすべ感や伸びのよさなどを付与する目的で、ファンデーションなどメイク用のアイテムに使用されています。
白粉にも配合されていることがある成分です。
元来、体質顔料としてタルクが使用されることが多かったのですが、特に乾燥肌にはタルクよりもマイカが適しているとされます。
そのため、近年マイカを配合する化粧品が増えてきています。
化粧品以外では、陶磁器の原料や塗料としても活用されている成分です。
2)マイカが配合されるアイテム
使い勝手のよいマイカは、20,000種を超えるアイテムに使われています。
具体的には、口紅、リップグロスなどの唇ケアアイテム、マニキュアなど爪(ネイル)ケアアイテム、リキッドファンデーションン、パウダーファンデーション、コンシーラー、プレストパウダー、アイライナー、マスカラ、パウダーチーク、日焼け止めなどに使われます。
また、種類は少ないですが、化粧水、美容液、保湿クリーム、ハンドクリーム、シャンプーなど頭皮ケアアイテムに使われることもあります。
4.まとめ
マイカの特徴やはたらき、安全性について詳しくご紹介しました。
また、どんな化粧品に配合されるのかについても取り上げました。
ご理解いただけましたでしょうか?
マイカは、体質顔料であり、光輝性顔料としても活用される成分です。
化粧品の感触を調整したり、パール感を演出する上で優れたはたらきがあります。
日頃使う機会が多く、顔全体に塗布するファンデーションによく使用されている成分です。
このような特性を理解するとともに、マイカ配合の化粧品を上手にエイジングケアにいかしてくださいね。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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