きみえ歯科院長の中村喜美恵先生に、実際にクリニックで行っている表情筋エクササイズについてふんだんに写真を使って解説します。より実践的な表情筋エクササイズの方法が理解できると思いますので、ぜひ、試してみてください。
CONTENTS
1. 表情筋エクササイズは老化の過程にアプローチする対策
きみえ歯科の表情筋エクササイズのコンセプトや鍛えるメリットなどは、次の記事で紹介しました。
<紹介記事>
歯科医が教える表情筋エクササイズ!30代からはエイジングケアも
そこで、ここでは、表情筋エクササイズのより実践的な方法をご紹介します。
表情筋エクササイズは老化の過程にアプローチする対策の1つです。
老化の過程は年代別で次の通りです。
20代 全身の細胞が成熟 30代 皮膚が乾燥しやすくなり、しわができはじめる 40代 頭蓋骨の萎縮が始まり、骨の上に程よく乗っていた筋肉がずれ落ちてくる 50代 血流が悪くなってくるとともに、頭蓋骨の骨梁が減少してくる 60代 皮膚が硬くなってくる |
上記のように誰にも起こる老化の進行を遅らせるためには、頭蓋骨の萎縮の程度をいかに最小限にとどめ、ずれ落ちてくる筋肉に血流とハリを与えるかを考えることが大切です。
頭蓋骨の萎縮の程度を最小限にとどめるかは、姿勢、咀嚼位置、咀嚼の仕方に大きく関わっています。本件はまた別の機会に紹介します。
一方、ずれ落ちてくる筋肉に血流とハリを与えるのが表情筋(顔筋)エクササイズ です。
この記事では、きみえ歯科で取り入れている表情筋(顔筋)エクササイズ の実践的な方法をご紹介します。
<参考記事>
ほうれい線の予防・解消は表情筋のエクササイズ&マッサージで!?
マスク生活に負けない口角美を手に入れる|ナールスセミナーレポート
2.表情筋エクササイズを実践する重要なポイントは?
表情筋エクササイズを実践する重要なポイントは次のとおりです。
1)必ず保湿された状態で行う
表情筋エクササイズを始める前は、肌が潤った状態であることが大切です。
そうでないと肌へのダメージが大きくなるリスクがあるからです。
毎日のスキンケアやエイジングケアで保湿を行い、常に肌が潤った状態をキープしましょう。
また、表情筋エクササイズを行う直前に化粧水や美容液、乳液などで保湿を行うこともおすすめです。
2)全身の血流を上げる
血流が上がっていない状態でいきなり顔の皮膚を動かすと、かえってしわを作って
しまう結果となってしまいます。
特に、60代以降はそのリスクが高くなります。
表情筋エクササイズの準備として全身の血流を上げましょう。
その方法は次の章で解説します。
3)皮膚から指を離さない・皮膚をこすらない(パフを使用しても良い)
皮膚から指を離さず、また、皮膚をこすらないで行うことも大切です。
特に、次の章で解説する表情筋エクササイズ(1)、3)、4)、5))の重要ポイントです。
また、指の腹で骨面をとらえる、皮膚の下にある筋肉を確実にとらえ、動かすことが大切です。指の腹を皮膚に少し押し付けて、骨の面を感じることがポイントです。
3.表情筋(顔筋)エクササイズを始める前に
1)開始前のウォーミングアップとして、全身の血流を上げる
全身の7割以上の筋肉があると言われる下半身の血流を上げると、早く全身の血流を上げることができます。
例えば、ふくらはぎをもむ、ストレッチをする、体操をするなど、ご自身の馴染みの深いエクササイズでウォーミングアップを行い全身の血流をアップさせましょう。
2)姿勢を整える
猫背など悪い姿勢で行うと、表情筋をきちんと捉えられず、また左右対称に動かせないため、十分な効果が期待できません。
表情筋エクササイズは、正しい姿勢で行うことが大切です。
椅子に腰かけ、もたれないで足裏を床にしっかりつけることがポイントです。
次のような方法で正しい姿勢をつくって表情筋エクササイズを行いましょう。
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この深呼吸を3回繰り返したら、そのまま鼻呼吸へ移行する
※この時、歯と歯が少し離れ、舌が上顎に付いているのが正しいポジションです。
4.表情筋や顔筋を知ろう
各エクササイズで、主に動かす顔筋(表情筋以外も含みます)を紹介します。
下記にこれから登場する表情筋や顔筋の読み方を示します。
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5.表情筋(顔筋)エクササイズの実践と全体の手順
<提供:きみえ歯科>
⓪深呼吸のエクササイズをし、歯と歯は合わせないように
①下口唇の下の片側を意識して
②頬骨に指をぶつける感じで
③必ず口は半開きで、斜め上方向を意識して
④痛い or 痛気持ちいい部分は念入りに
⑤必ず鼻の横から耳の前まで意識して
⑥胸鎖乳突筋を後方から前方に押す、最後は筋肉の付け根を押す
※1つの動きを3回×3セット行い(①~⑥)、⓪へ戻る
※⓪~⑥を3セット行う
<提供:きみえ歯科>
⑦ゆっくり舌で歯と歯肉を撫でるように回す(上唇8カウント&下唇8カウントを3セット)
反対向きも同様に回す(上唇&下唇8カウントを3セット)
※舌回しのあいだは、口唇が開かないようにがんばる
⑧頬の内側の粘膜を親指の腹でさするように、口の奥から口角へと矢印方向に指を動かしながらマッサージ(ゆっくり8カウントを左右各々3セット)
口角から口の奥へと同様にマッサージ(ゆっくり8カウントを左右各々3セット繰り返す)
⑨指で耳をつまみ、引っ張りながらけんこう骨をしっかり寄せる。
矢印の方向に横へ5カウント、イラストの様に3箇所に分けて引っ張る。そして最後に耳たぶをつまみ、下方へ5カウント引っ張る(3セット)(写真参照)
6.表情筋(顔筋)エクササイズ実践の詳細
ここからは、写真を使って表情筋(顔筋)エクササイズ実践を詳細に紹介します。
1)口輪筋、下唇下制筋、オトガイ筋、口角下制筋、広頚筋
下口唇の下の片側を意識して、指の腹を少し皮膚に押し付け骨面をとらえます。
これは、「感じる」イメージです。
そして、皮膚から指を離さないように注意しながら、筋肉(皮膚)を矢印の方向に動かし
ます。
動かし方は、横方向に、1、2、3、、1、2、3、、、というふうなイメージです。
ネイルをされている方は、写真の様にパフを使用されても良い。
2)頬筋、広頚筋
口を半開きにして指の腹を頬の中央部に少し強めに当てて、指を頬骨に下から上にぶつけ
る感じで、縦方向(矢印の方向に)に、1、2、3、、1、2、3、、、と動かします。
3)笑筋
指先をえらの部分に当て、カチカチかみ合わせてみる(ギュッとかみしめてみる)と、ピ
クピク動く筋肉を触れることができます。これが咬筋です。その咬筋の前縁部に指先を当
て、口を半開きにして強く押してみると、下顎の骨の斜面を感じることができます。
この骨面を指先でとらえつつ、皮膚から指を離さないで、かつ、皮膚をこすらないようにして、斜め上外側、つまり、耳のある方へ向かって1、2、3、、1、2、3、、、と動かします。
4)咬筋(咀嚼筋)、笑筋、広頚筋
3)のエクササイズで最初に触れた咬筋そのものをゆるめるエクササイズです。
太く長い骨格筋ですので、上中下と3か所に分けて矢印の方向へしっかり動かします
(頬骨の直下、下顎の下縁近く、その2か所の中間部の3か所に分けて)。
痛気持ちいい力加減で行います。
痛いと感じる部分は念入りに行いましょう。
5)上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋
頬骨のトップを、鼻の横から耳の横にかけて動かします。
指の腹で皮膚を少し押す感じで骨の面をとらえ、外側横方向(矢印の方向)に、1、2、3、と動かします。
この際も、皮膚をこすらないよう注意しましょう。
次に、少し指を頬骨に沿って外側にずらして、また同様に1、2、3、と動かします。
頬骨のトップに沿って指を少しずつ外側へずらしながら、耳の前までエクササイズを行います。
6)胸鎖乳突筋、広頚筋
斜め下へ首を捻って胸鎖乳突筋を浮き立たせます。
耳の後ろ辺りの筋肉を後ろから前方向へ押すように3回動かします。
筋肉に沿って少し下方部位も同様に、そして更に下方部位(鎖骨近く)を同様に動かします(胸鎖乳突筋を3か所に分けて動かす)。
最後は、筋肉の付け根を押します。
7)更に顔筋アップしたい場合のエクササイズです。
⑦舌回し(目も一緒に回しましょう)
舌を動かすとお口周りの筋肉を含め、首から上の約70種類の筋肉を刺激します。
首から上には全身の約1/4のリンパ節がありますが、舌を動かすとこれらのリンパ節を
一挙に刺激できるのです。マッサージでは、顔筋やリンパ節を部分的に刺激するにとどまります。
舌を動かすことにより、顔筋や首から上のリンパ節を全体的にそして効率的に刺激できますので、リンパの流れは促され肌は細胞レベルで若返ります。
⑧頬筋、笑筋、広頚筋
頬の内側の粘膜を、上から下へゆっくり親指の腹で少し押すようにマッサージする
(ネイルをしている方は、指を下の写真のようにして頂くか専用のスポンジを使用)
⑨側頭筋(咀嚼筋)、眼輪筋
指で耳の上の方をつまみ(a)、肩甲骨を寄せながら横に引っ張る(5カウント)
耳を上中下の3か所に分けて、同様に引っ張る
最後に、耳たぶをつまんで下方向に引っ張る(5カウント)
7.表情筋エクササイズ実践の注意点
表情筋エクササイズで効果を期待するには、いくつかの注意点があります。
先ほども一部紹介しましたが、改めて整理します。
ここでは、そのポイントをご紹介します。
1)肌へのダメージを最小限に気持ちよく
強い力で肌を擦ると表皮のバリア機能低下の原因になったり、真皮のコラーゲンにまでダメージを与えます。
滑らかに表情筋エクササイズができるように、クリームや化粧水、美容液などを使用して摩擦を最小限にしましょう。
2)同じ表情筋ばかり鍛えない
同じ表情筋ばかり鍛えると、そこに負荷が集中してしまいます。そのため、表情筋全体のバランスが崩れます。
その結果、かえってたるみやシワが目立つリスクになります。
表情筋は、一部に偏らず、顔全体をバランよく鍛えることが大切です。
3)毎日朝晩2回行う
表情筋エクササイズは、習慣化して継続することで効果を発揮します。
決まった回数を守って、朝晩2回行いましょう。
8.まとめ
きみえ歯科院長の中村喜美恵先生が、実際にクリニックで行っている表情筋エクササイズの実践方法をご紹介しました。
表情筋の衰えは、たるみの原因です。
肌の老化の過程はすでに20代から始まります。しかし、残念ながら、表情筋は化粧品を使ったスキンケアやエイジングケアでは鍛えることはできません。
そのため、早いうちからら表情筋エクササイズを実践することをおすすめします。
歯科医が教える正しい表情筋エクササイズでたるみやほうれい線を改善・予防しましょう。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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