紫外線吸収剤のデメリット。光劣化でSPFやPAが下がる!

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紫外線吸収剤には、紫外線で劣化してSPFやPAが下がる光劣化のデメリットがあることをご存知ですか?

使い心地が良く、紫外線ブロック力が高いというメリットがある一方、光劣化による紫外線ブロック力の低下というデメリットがあるのです。

だから、紫外線吸収剤の日焼け止めは、こまめな塗り直しが必要です。

<この記事の大切なポイント>
  • 日焼け止めには、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。いずれもメリットとデメリットがあります。
  • 紫外線吸収剤のデメリットで特に気をつけたいのが、光劣化です。光劣化とは、紫外線を浴びることで日焼け止めの紫外線カット力が低下することです。
  • 紫外線吸収剤の中で最も大きな光劣化を起こす成分は、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンです。これはUVAカット力が高い成分です。
  • 紫外線吸収剤は、汗などで日焼け止めが落ちていない場合でも、2時間程度を目安に塗り直すことがおすすめです。これで光劣化を防ぐことができ、日焼け止めの効果が得られます。
  • 紫外線散乱剤には光劣化がありません。紫外線吸収剤のデメリットである塗り直しの手間、使用量増加にともなうコストを考えると、紫外線散乱剤だけのノンケミカルの日焼け止めがおすすめです。酸化セリウムや酸化鉄配合のものは、ブルーライトカットも期待できます。

京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事

ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。

この記事の監修者
ナールスコム店長 村上清美

ナールスコム

ナールスコム店長 村上清美

メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。

<保有資格>
コスメコンシェルジュ
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト

この記事の目次を紹介する女性のイラスト

1.紫外線吸収剤の日焼け止めをお使いの方へ

紫外線吸収剤の日焼け止めを使用する女性

「紫外線吸収剤のデメリット。光劣化でSPFやPAが下がる!」をお届けします。

紫外線対策にとって重要な日焼け止め。

UVAやUVBをカットすることで、日焼けを防いでくれます。

そんな日焼け止めの成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があります。

どちらにも特徴があって、メリットとデメリットがあります。

たとえば、紫外線吸収剤は紫外線カット効果が高い、使用感がよい、といったメリットがあります。

一方、紫外線線散乱剤は、肌に優しく効果が持続することがメリットです。

最近登場しているSPF50やPA++++といった紫外線ブロック力の高い日焼け止めの多くには、紫外線吸収剤が配合されています。

しかし、そんな紫外線吸収剤には、紫外線で成分が劣化して効果が長続きしない「光劣化」の問題があることがわかっています。

だから、こまめに塗り直しをしないと、表示されているSPFやPAを発揮できないリスクがあるのです。

この記事では、そんな紫外線吸収剤の光劣化について、エビデンスをもとにご紹介します。また、紫外線吸収剤を使用する際の注意点や紫外線散乱剤との違い、メリットやデメリットをご紹介します。

「紫外線吸収剤とはどんな日焼け止め?成分名や特徴は?」

「光劣化とは何?詳しく知りたい!」

「紫外線吸収剤を使う場合の注意点は?教えて!」

「紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いは?また、メリットとデメリットは?」

「光劣化しない紫外線吸収剤はあるの?」

などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。

【紫外線対策】肌老化の80%は紫外線が原因!知っておくべき最低限のこと



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2.紫外線吸収剤の特徴と種類

紫外線吸収剤の特徴と種類を説明する女性

1)特徴

紫外線吸収剤とは、化学的な仕組みで紫外線のエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換する成分です。

それによって、紫外線が皮膚へ浸透してダメージを与えることを防ぐ成分です。

紫外線吸収剤には、紫外線ブロック力が高い、使用感が良いというメリットがあります。

一方、紫外線をカットするプロセスで、化学変化を起こすため、肌への刺激があるというデメリットがあります。

だから、バリア機能が低下している敏感肌乾燥性敏感肌の方には使いづらいこともあります。

もう1つのデメリットは、今回の記事のテーマである光劣化です。

光劣化とは、紫外線によって本来持っている日焼け止めとしてのはたらきが低下してしまうことです。

つまり、表示されているSPFやPAが発揮できなくなることです。

2)種類

紫外線吸収剤として使われている成分には、次のような種類があります。

  • オキシベンゾン
  • メトキシケイヒ酸オクチル
  • ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
  • ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
  • t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
  • エチルヘキシルトリアゾン
  • クチルトリアゾン
  • パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
  • テレフタリリデンジカンフルスルホン酸

などです。

オキシベンゾンは、「オキシベンゾン-1」のように末尾の数値により種類が分かれ、特徴が少しずつ異なります。

単独ではそれほど紫外線ブロック力が高くなく、ほかの日焼け止め成分と一緒に使われます。

メトキシケイヒ酸オクチルは、UVBのカット力に優れた成分です。

t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンは、UVAのカット力に優れた成分です。

テレフタリリデンジカンフルスルホン酸は、波長の長いロングUVAにも対応可能な紫外線吸収剤です。

<主な紫外線吸収剤の種類と特徴>

成分特徴
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル50年以上にわたって、広く使用されている。

UVBの吸収効果が高い。

t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンUVAの吸収効果が高い。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと一緒に配合されることが多い。

オキシベンゾン1〜9までの9種類あって、その数値で得意な吸収域が違う。

単独では紫外線吸収効果は低い。

配合されることが減っている。

パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル50年以上にわたって、広く使用されている。

UVBの吸収効果が高い。

ドロメトリゾールトリシロキサン配合禁止





3.紫外線吸収剤の光劣化とその問題

光劣化して肌悩みを抱える女性

1)光劣化で何が問題になるの?

紫外線吸収剤のデメリットの中で気をつけたいのが、光劣化です。

光劣化の一般的な定義としては、「物質が光エネルギー(光子)を吸収し、その諸特性を低下させる現象のこと」です。

光劣化を性能低下現象からみた場合は「photo deterioration」と呼び、物質の劣化反応からみた場合は「photo degradation」 と呼びますが、日本語で明確に区別されていません。

日焼け止めの光劣化は、先ほども少し触れましたが、紫外線を浴びることで、紫外線吸収剤の紫外線カット力が低下する現象です。

これによって起こる大きな問題は、高いSPFやPAの記載がある紫外線吸収剤の日焼け止めを使っているのに、日焼け(サンバーン)をしてしまうことがあります。

またシミソバカスになることも。

さらに、UVAのカット効果が下がることで、コラーゲンエラスチンなどが変性して、肌のハリがなくなってしまいます。

つまり、光老化によって顔のたるみほうれい線しわなどのリスクが増えるのです。

日焼け止めを塗り直すことが勧められているのは、などによって日焼け止めが落ちてしまう以上に、この光劣化が問題だからです。

特に、紫外線吸収剤の日焼け止めを使う場合は、日焼け止めが落ちていない場合でも、塗り直すことが大切です。

日焼け止めによっては2時間程度で、紫外線ブロック力が半減してしまうこともあるので、目安としては2時間おきくらいに塗り直さないと効果が発揮されないことになります。

2)光劣化のエビデンスは?

紫外線を浴びる女性

東京工科大学応用生物学部の報文『UV吸収剤の光安定化に関する基礎基礎的検討』では、メトキシケイヒ酸オクチル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンの4つの成分で光劣化の検討が行われました。

いずれも光劣化が認められましたが、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンの光劣化が最も大きいことが示されています。

また、UVB吸収剤のオクトクリレンとの組み合わせでやや改善することも示されています。

3)光劣化を防ぐ工夫

資生堂では、光劣化を防ぐ「光スタミナ技術」が開発されています。

こうした技術開発によって、紫外線吸収剤の光劣化を防ぐ研究が進んでいます。

資生堂独自の光スタミナ技術

日やけ止めを選ぶとき、基準のひとつとされるSPF値、PA値。

でも、実は同じ数値でも違いがあることをご存知でしょうか?

その一因に「スタミナダウン」という現象があります。サンケア製品の多くには、紫外線防御成分が入っています。

「スタミナダウン」とは、紫外線を浴び続けるうちに、この防御成分の紫外線吸収力が低下すること。

資生堂は、早くからこの現象に着目し、紫外線を浴びても、スタミナダウンしにくい独自の「光スタミナ技術」の研究・開発をおこなってきました。





4.紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いとおすすめは?

自分に合った紫外線を使用し美肌を保つ女性

1)紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い

日焼け止めには、紫外線散乱剤もあります。

紫外線散乱剤として使われている成分としては、下記のものがあります。

紫外線散乱剤との違いをまとめてみます。

<日焼け止めの種類とメリット・デメリット>

紫外線吸収剤

(ケミカル)

紫外線散乱剤

(ノンケミカル)

メリット・UVカット効果が高い

・使用感が良い

(白浮きしない)

・肌に優しい

・ブルーライトカット力あり

・光老化しない

デメリット・刺激が強い

・光老化でUVカット力が下がる

・白浮きしやすく使用感がやや悪い

・吸収剤よりUVカット力が弱い

2)どちらがおすすめ?

日焼け止めを使う目的を、日焼けを防ぐこと、肌老化を防ぐことと考えた場合、紫外線散乱剤だけでつくった日焼け止めがおすすめです。

これは、ノンケミカルの日焼け止めと呼ばれます。

まず、紫外線吸収剤のデメリットである光劣化がないことが大きなメリットです。

汗などで落ちない限り、塗り直しの必要がないので手間を省くことができますし、経済的なメリットもあります。

また、酸化鉄を配合したものなら、最近問題となっているブルーライトもカットできます。

実際、ナールス ヴェールでブルーライトをカットしたデータもあります。(3)参照)

ナールスヴェールを塗る女性

さらに、肌に優しく刺激が小さいこともメリットです。

これに加えて、最近では白浮きが少なく使用感も改善されてきました。

こうした成分特性を考えると、紫外線散乱剤のほうがメリットは大きいといえます。

私たちが、紫外線散乱剤だけの日焼け止めを提供するのもそのためです。

3)ナールス ヴェールのブルーライトをカットする効果は?

ナールス ヴェールがどこまでブルーライトをカットできるかを測定しましたので、ご紹介します。

ナールス ヴェールのブルーライトカット率のグラフ

グラフに示すようにブルーライトは、380nm〜500nmの波長の光線です。

太陽光の中でも紫外線に次いで波長の短いブルーライトの場合、ほとんど透過しません。

真ん中あたりだと15%程度透過、つまり85%程度をカット、最も長い500nmなら25%程度透過、つまり75%カットしています。

完全に十分とはいえませんが、ノンケミカルで敏感肌でも使えるタイプの日焼け止めなのに、ここまでブルーライトをカットできるなら、とても良い検証結果です。

UV化粧下地としても使えて、白浮きもしないメリットもあり、一年中お使いいただくアイテムとしてオススメです。

<参考記事>

酸化鉄配合の日焼け止めでブルーライトはカットできる?検証結果!

乾燥肌におすすめの日焼け止め11選!選び方の5つのコツと使い方は?

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5.まとめ

まとめ

紫外線吸収剤には、紫外線で劣化してSPFやPAが下がる光劣化のデメリットがあることをご紹介しました。

使い心地が良く、紫外線ブロック力が高いというメリットがある一方、光劣化による紫外線ブロック力の低下というデメリットがあるのです。

そのため、塗りっぱなしにしていると、高いSPFやPAの日焼け止めを使っていても、サンバーンになることがあります。

また、光老化によって、顔のたるみやシワなどのリスクも。

だから、紫外線吸収剤の日焼け止めは、汗で落ちなくてもこまめな塗り直しが必要です。

こうしたデメリットを考えると、おすすめは紫外線散乱剤です。

この記事「紫外線吸収剤のデメリット。光劣化でSPFやPAがさがる!」が、エイジングケア世代の女性のお役に立てば幸いです。

著者・編集者・校正者情報

著者情報 株式会社ディープインパクト 富本充昭
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。

文部科学省後援日本化粧品検定1級

化粧品検定1級

一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。

ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

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