エイジングケアやアンチエイジングに詳しいあなたなら、エラスチンという名を聞いたことがありますね。
エラスチンは、コラーゲンほどの知名度はありませんが、肌にもある大切な成分。
しかし、最近では研究も進み、からだのなかや肌での役割もわかってきました。
また、エイジングケア化粧品の成分として、エラスチンが使われることも増えつつあります。
この記事では、そんなエラスチンの効果と化粧品成分としての役割に迫ってみます。
エラスチンのことを知っておくと、きっと上手なエイジングケアができますので、ぜひ、続きを読み進めてくださいね。
- エラスチンはコラーゲンをしっかり束ね、お肌のハリや弾力を保つのに重要な役割を果たす弾性線維です。お肌では真皮にあります。
- エラスチンは、コラーゲンに比べて量は少なく、真皮の2~数%にしか満たない成分です。しかし、エイジングケアに大切な効果を発揮します。
- エラスチンは、20代から減少が始まり、40代から急激に減少するといわれています。それがしわやたるみなどのエイジングサインにつながります。
- エラスチンを維持するには、紫外線対策をはじめ、抗酸化を意識した生活を心掛けましょう。スキンケアはもちろん、内側からのアンチエイジングも大切です。
- ヒトの真皮にもとからあるエラスチンとエイジングケア化粧品成分として補うエラスチンでは、はたらきが異なり、効果も違うのです。化粧品成分のエラスチンは保湿成分です。
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CONTENTS
1.エラスチンをエイジングケアに活かしたいあなたへ
エラスチンとは、どのような効果を持つお肌の成分かご存知ですか?
実は、エラスチンはエイジングケアやからだのアンチエイジングにとって重要な成分。
お肌のハリ・弾力、柔軟性は、エラスチンがあるからこそといわれています。
つまり、美肌をキープする上でなくてはならないのです。
特に、たるみ予防に大きな役割を果たしているのがエラスチンなのです。
一方で、美肌をサポートする成分として知られるコラーゲンに比べれば、エラスチンの知名度はまだまだ低いのが現状です。
しかし、最近では、エイジングケア化粧品や健康食品などに配合されることも増えてきました。
大手の資生堂やロート製薬などでもエラスチンがエイジングケア化粧品成分として使われています。
今回の記事では、みずみずしくハリのあるお肌には欠かせない成分、エラスチンの効果について解説します。
また、外から補う化粧品成分のエラスチンとの違いも取り上げます。
これはエイジングケアに大切なポイントです。
さらに、エラスチンを増やすエイジングケア化粧品成分についても紹介します。
「エラスチンとは、そもそもどんな成分なの?特徴や役割は?」
「エラスチンってどんな効果があるの?肌老化が防げるの?」
「化粧品成分としてのエラスチンの役割や安全性は?シワやほうれい線が予防できるの?」
「エラスチンってどうやれば増えるの?方法を教えて!」
「エラスチンを食べても意味がないって聞いたけど・・?本当はどうなの?」
「お肌の中のエラスチンと化粧品に含まれるエラスチンの違いは?」
「コラーゲンとエラスチンってどう違うの?」
などにご興味がある方は、ぜひ、続きをお読みください。
エラスチンの特徴やはたらきを知って、毎日のエイジングケア習慣にお役立てくださいね。
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2.エラスチンとは?またその構造は?
<肌の断面図>
1)エラスチンとは?
エラスチンは、ヒトをはじめ、脊椎動物の結合組織に広く分布する不溶性のたんぱく質です。
つまり、その元の成分は、アミノ酸なのです。
エラスチンは、お肌では真皮にあるたんぱく質です。
エラスチンは、800個以上のアミノ酸でできていますが、その80~90%はロイシン、アラニン、グリシン、プロリン、バリンの5つで占められています。
また、イソロイシンも豊富です。
なかでも、グリシンの含有量が高いことが知られています。
また、エラスチンに特異的なアミノ酸として、デスモシンとイソデスモシンがあります。
コラーゲンとエラスチンは、ともに真皮にあるお肌の若さに大切な成分ですが、デスモシンとイソデスモシンはコラーゲンにはありません。
一方、コラーゲンにあるヒドロキシプロリンをほとんど含まないこともエラスチンの特徴です。
エラスチンは、トロポエラスチンというエラスチンの先駆体ができた後、分子同士が橋を架けあって(架橋)、弾性線維のエラスチンになります。
ここで、トロポエラスチンが規則正しく集合することを、コアセルベーションと呼びます。
2)真皮の構造とエラスチン
また、真皮以外では、動脈や腱、肺などにあります。
エラスチンの束は弾性線維と呼ばれ、真皮の深部になるにしたがって太くなります。
弾性線維の太さは直径1~3μmです。
エラスチンに細い線維であるフィブリンでできたマイクロフィブリンがくっついて弾性線維ができています。
真皮の上の層は「乳頭層」と呼ばれますが、乳頭層ではエラスチンがお肌の表面と垂直に走っていて、表皮の基底層にある基底板とつながっています。
一方、真皮の下の方は「網状層」と呼ばれ、ここではお肌の表面と平行して走っています。
このように、エラスチンは、真皮の構造を支えている成分の1つなのです。
なお、エラスチンは、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンとともに、真皮の線維芽細胞の外にあって、細胞外マトリクスと呼ばれています。
3.真皮のエラスチンの基礎知識
1)エラスチンはお肌に大切な役割を果たす!
エラスチンは線維状のたんぱく質で、体内では主にコラーゲン同士を結びつけて網目状に構成するはたらきがあります。
そして、コラーゲンとともにお肌のハリやツヤをもたらすための効果を発揮しているのです。
エラスチンは人間だけでなく、脊椎動物の多くが持つたんぱく質なのですが、水などの溶剤に溶けにくい性質を持つため、扱いが難しく、あまり研究が進んでいませんでした。
それが最近になって急速に研究が進み、エラスチンの形成過程や性質、アミノ酸組成、役割などがかなり解明され、イキイキした美肌を保つ上で、コラーゲンに匹敵するほどのエイジングケア効果があることがわかってきました。
2)エラスチンとコラーゲンの役割の違いは?
お肌の弾力を保つのに重要な役割を果たしているのが、表皮と皮下組織の間にある真皮ですが、真皮の約70%はコラーゲンが占めています。
一方、エラスチンは真皮の2%~数%程度と随分少ない成分です。
また、コラーゲンほど強靭な強さがあるのではなく、弾性・弾力に富んだ性質を持っています。
実は、エラスチンの名前は、英語の「elastic:弾力・伸縮性がある」が語源で、その性質をよく表しているのです。
余談ですが多くの方は、コラーゲンといえば「プルプル感」「ゼリーみたいに柔らかい」と思う方が多いのですが、あれはコラーゲンを加工したゼラチンのイメージです。
テレビなどのCMや広告では、コラーゲンそのものではなくゼラチンが全面に出されるので、多くの方がこうしたイメージを持つのです。
体内にあるコラーゲンは、皮のスーツのように固いのです。
革の財布やベルトなどの成分の多くがコラーゲンであることをお伝えすれば、ピンとくるのではないでしょうか。
さて、エラスチンは真皮のなかの線維芽細胞でつくられますが、真皮でコラーゲンをつなぎ止めるようにして支えることで、はじめてコラーゲンの効果が発揮されるのです。
つまり、エラスチンは弾力に富んでいて伸縮する性質を持ちながら、コラーゲンを束ねることでその効果を発揮しているのです。
そのため、エラスチンの束は「弾性線維」あるいは「弾力線維」とも呼ばれています。
<肌の断面図>
<エラスチンとコラーゲンの違い>
日本語の呼び名 | 真皮の割合 | 弾力 | 再生 | |
エラスチン | 弾性線維 | 2~3% | 大きい | しにくい |
コラーゲン | 膠原線維 | 70%程度 | 小さい | 可能 |
3)エラスチンの年齢に伴う変化
エラスチンは、赤ちゃんの時期は少なく、成長期前の若い時期につくられることが多く、その後、あまり入れ替わることがないといわれています。
そして、20代後半のプレエイジングケア世代から徐々に減少していって、エイジングケア世代真っただ中の40代頃から急激に減少するといわれています。
その結果、お肌の弾力が失われ、しわやたるみ、ほうれい線が生じる原因の1つとなるのです。
逆にいえば、エラスチンの量をしっかり維持することができれば、エイジングによる肌悩みや肌老化を減らすことができるのです。
ナールスエイジングケアアカデミーでは、エラスチンがコラーゲンとともにお肌の弾力の維持に欠かせないエイジレスな美肌のために大切な成分であることから、エイジングインデックスの項目の1つとし、お肌の老化の指標としました。
年代別のお肌の老化の進行度合いについては、こちらの記事を参考にしてください。
*エイジングインデックスはエイジングケアの道しるべ!肌老化を数値化
また、お肌の老化の原因やメカニズムについては、こちらの記事を参考にしてください。
このようにエラスチンは、お肌の弾力を支える上で、なくてはらない成分なのです。
4.エラスチンの役割を詳しく知ろう!
1)真皮のエラスチンはまるでパンスト!?
エラスチンがお肌のなかで効果を発揮できる期間は、それほど長くはありません。
真皮において、エラスチンの修復力は20歳後半から低下しはじめ、30代、40代と歳を重ねれば重ねるほど、収縮力は失われていきます。
古いパンストをめいっぱい大きく引き伸ばしたら、完全に元のサイズに戻らずに、ぶよぶよとした状態になりますよね?そんなイメージです。
エラスチンは加齢や紫外線などで劣化すると、古いパンストと同じで伸縮性が鈍くなって復元できない分が残ってしまうのです。
そして、本来の効果を発揮できなくなっていくのです。
これが、「たるみ」の原因です。
「たるみ」はエラスチンの減少や修復力と深い関係にあり、小じわやくすみよりも手強いエイジングサインなのです。
このように、お肌を若々しく保つポイントは、エラスチンが正常な状態にあり、真皮の収縮活動が活発に行われることが大切といえます。
2)真皮以外のエラスチンの役割は?
エラスチンは、真皮以外にも靭帯や血管、肺など伸縮性が必要な組織には欠かせない存在です。
これらの組織における含有量は、靱帯で約78~80%、動脈で約50%、肺で約20%を占めています。
特に、血管壁の内膜や中膜にエラスチンは多く含まれ、非常に強い弾力を発揮しています。
このため、 エラスチンが体内で減少すると、血管の柔軟性が失われ、血管の老化が早まって動脈硬化や心筋梗塞、脳血栓などのリスクが高まる可能性が指摘されています。
また、靭帯の伸縮性が失われて、運動などで怪我をしやすくなってしまうこともあります。
このように、エラスチンは、お肌だけでなく、からだのエイジングとも大いに関係しているのです。
また、一度壊れてしまうとうまく再生することができないので、毎日の生活習慣でアンチエイジングを意識することが大切です。
これは、コラーゲンも同じですね。
なお、最近では、エラスチンが、細胞増殖、遊走、接着、分化などの機能調節にも関与することが明らかになっています。
5.エラスチンが減少する原因とお肌への影響
1)エラスチンの減少や劣化の原因
エラスチンもコラーゲン同様、真皮の線維芽細胞の活力が下がることで、つくられる量が減ってしまいます。
もちろん、加齢が大きな原因となりますが、それ以外でも下記にあげた紫外線ダメージ、酸化、糖化が大きな原因です。
これらは、コラーゲンが変性したり、減少するのと同じです。
- 紫外線による活性酸素で、エラスターゼというエラスチンを破壊する酵素によって変性します。
- 糖化によって、たんぱく質であるエラスチンと糖が結びつき、焦げた状態になってしまいます。
- 酸化によって、エラスチンが劣化します。
糖化については、あまり聞きなれないかもしれませんので、糖化の原因などの詳細は、「糖化が原因でお肌の老化が!エイジングケアの前に予防を」をご覧ください。
このなかでも、特に紫外線はコラーゲンやエラスチンを変性させてしまう大きな原因です。
2)エラスチンの減少や劣化で起こる肌悩み
お肌は、本来正常な方向に向かって弾力性を維持していますが、紫外線にさらされることによってコラーゲンやエラスチンが変性し、弾力性が失われて硬くなり、また正常な方向へ引っ張っている弾力性を低下させ、しわやたるみを固定化させてしまうのです。
このほか、エラスチンの変性や減少は、たるみ毛穴、ほうれい線、目の下のたるみ、目の下のクマ(黒くま)、まぶたのたるみの原因にもなります。
さらには、ゴルゴラインやマリオネットラインなども、エラスチンの低下がその原因の1つとなります。
一旦、顔のたるみで目立ったほうれい線を消すことやしわを消すことは難しくなります。
だから、エラスチンの劣化や減少による肌老化を避けるためには、アンチエイジングを意識した生活習慣やエイジングケアが大切です。
6.エラスチンを維持する対策とは?
エラスチンが減る原因を上記で説明しましたが、エラスチンを維持するには、その原因にアプローチすることです。
1)紫外線対策
やはり、紫外線対策はエイジングケアの基本。
エラスチンを変性させないためにも大切な手段です。
お肌のハリや弾力を支える効果を維持するためには、1年を通しての紫外線対策で光老化予防を心掛けましょう。
そのためには、日焼け止めを使うことや日傘や衣類などファッションで紫外線をカットすることも大切です。
その上で、目や目元の紫外線対策としてUVカットサングラスを使うこともおすすめです。
また、紫外線を浴びた後のアフターケアでビタミンACE(エース)を食品から摂ったり、エイジングケア化粧品でビタミンA誘導体、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体を補いましょう。
ビタミンA誘導体には、レチノールやレチノイン酸トコフェリルがあります。
ビタミンC誘導体には、水溶性ビタミンC誘導体、油溶性ビタミンC誘導体、さらには水と油の両方に溶ける両親媒性ビタミンC誘導体(APPS)があります。
ビタミンE誘導体には、油溶性のトコフェロールと両親媒性ビタミンE誘導体のトコフェリルリン酸ナトリウムがあります。
なお、紫外線対策や紫外線のアフターケアについては、「紫外線対策こそエイジングケア!日焼けダメージの肌老化を防ぐ対策」や「外出時の紫外線による日焼けのアフターケアはビタミンACEで!」を参考にしてください。
さらに、最近ではブルーライトや近赤外線もエラスチンにダメージを与える可能性があることがわかってきました。
これらの有害光線をカットすることも大切です。
2)抗酸化と抗糖化
年齢を重ねるとエラスチンを増やすことは難しくなるので、減らさない生活を意識することも大切です。
コラーゲンの維持も同じですが、エラスチンの維持には、まずは、紫外線対策、そして喫煙しないこと、ストレスをためないこと、偏った食生活を避けることなどを心掛けましょう。
これらを意識することが「抗酸化」であり「抗糖化」です。
抗糖化の対策については、「肌老化の原因「糖化」を予防する対策は5つのポイントで!」をご覧ください。
また、抗酸化の対策については、「お肌の酸化は老化の大敵!防ぐための対策とエイジングケア」をご覧ください。
3)エラスチン維持の食べ物
エラスチンが含まれる食べ物には、もつ、スジ肉、手羽先、軟骨などがあります。
これらはコラーゲンも含まれます。
これらを食べても、直接、エラスチンにはなりませんが、これらをはじめ、たんぱく質を含む食品を意識して食べることで維持に役立ちます。
ただ、食事からたんぱく質を摂っても、エラスチンは修復が難しいので、増やすのは難しいようです。
そのため、サプリメントなどを摂ることも選択肢の1つです。
しかし、これも食品と同じく、体内でそのままエラスチンになるのではなく、エラスチンペプチド、そして最終的にアミノ酸に分解されます。その後、血管に乗って体内に回ります。
そして、エラスチンをつくる原料の一部として使われるのです。その点は理解しておきましょう。
つまり、エラスチンを食べ物で摂ってもサプリメントで摂っても、即効的な効果はないのです。
どこまでがエラスチンになるのかはわからないのです。
なので、エラスチンを維持するための特効薬のような食べ物やサプリメントはないので、たんぱく質を中心にバランスよく食べ物を摂ることが大切です。
食べ物に関しては、「美肌のための食事のとり方とアンチエイジングへの効果は?」や「美肌をもたらす食べ物と飲み物は?その種類から栄養素まで」を参考にしてください。
7.エラスチンの化粧品成分としての効果と安全性
1)エラスチンの化粧品成分としての基本
エラスチンはもともと不溶性です。
だから、豚や鶏、魚のエラスチンを加水分解して、可溶性の化粧品成分として製造します。
その性状は、淡黄色〜茶褐色の液体です。
化粧品の全成分表示では、「加水分解エラスチン」と表記されます。
また、医薬部外品の表記名も同じです。
2)エラスチンはどんな化粧品に配合されるの?
最近では、エラスチンを配合したエイジングケア化粧品が使えるようになっています。
また、エイジングケア化粧水やエイジングケア美容液、シャンプーなど頭皮ケアのアイテムにも配合されています。
加水分解エラスチンは、ほかにもクレンジングジェルなどのクレンジング料、洗顔石けんや洗顔フォームなどの洗顔料、保湿化粧水、美白化粧水、保湿美容液、乳液、フェイスクリーム、フェイスマスクやフェイスパック、オールインワンゲルやオールインワンジェル、ハンドクリーム、フェイスマッサージ用のクリームなどに使われます。
さらに、口紅やリップグロスなどの唇ケア用品、化粧下地やファンデーションなどメイクのアイテムにも使われます。
@コスメでもエラスチン化粧品のランキングがあるほどです。
化粧水ランキングの高い製品のなかにもエラスチン配合の製品もあります。
また、試薬であったり、最近ではその弾性を活かして、生体機能材料として人工血管などさまざまな再生医療分野への応用にまで利用範囲が広がりつつあります。
ここでは、主にエラスチンの化粧品成分としての効果を考えてみます。
3)エラスチンの化粧品成分としての原料は?安全性は?
エラスチンは、水溶性成分なので化粧水や美容液に配合されることが多い成分です。
一般に、エラスチン化粧品といえば、ブリ、ハマチ、マグロ、カツオ、タラなどの魚や、豚などの動物から抽出したエラスチンがその原料です。
豚の大動脈血管や魚の動脈球などを原料としてエラスチンが抽出され、加水分解してエラスチンペプチドになって化粧品などの成分として使われるのです。
本来、たんぱく質はアレルギー源となりますが、化粧品やサプリメントなどで使う場合は、分解されたり、加工されるとともに、安全性の試験もパスしているので問題になることはほとんどありません。
また、エラスチンは刺激が少なく、アレルギーや眼刺激性もほとんどないと考えられています。
4)エラスチンの効果は?
こうしたエラスチンを配合した化粧品の効果とは、どんなものでしょうか?
「真皮にもとからあるエラスチン」と「化粧品で補うエラスチン」はその役割が異なります。
化粧品成分としてのエラスチンは、表皮で保湿成分としてはたらき、水分を抱え込んで保持することで、お肌の潤いを維持するのを助けます。
つまり、その効果は、「直接的な弾力アップ」ではなく「保湿力アップ」なのです。
だから、化粧品成分としてエラスチンを使う目的は、保湿です。
その保湿力は、セラミドよりは低いものの、グリセリンよりは高く、湿度がある程度まで低くなっても保湿効果を発揮するのが特徴です。
<保湿成分の分類>
5)名前は同じでもヒトのエラスチンとは別
しかし、化粧品成分で補ったエラスチンは、お肌で自分自身のエラスチンになることはありません。
これは、化粧品原料として使われるコラーゲンやヒアルロン酸も同じです。
また、プロテオグリカンも同じです。
エラスチン、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンは、もともとヒトの真皮の線維芽細胞でつくられる成分です。
一方、化粧品原料としての成分は、動物や魚、鶏などからつくられます。
そして、そのはたらきは、ヒトのからだにある場合とは違うのです。
この点は、化粧品やサプリメントでよく話題になります。
「エラスチンは化粧品で補っても無駄」「エラスチンを飲んでも意味がない」「コラーゲンを飲んだら、体内で一杯になる」などのお話です。
いずれも、サプリメントとして飲めば、代謝を受けて分解されます。
そのあと、それぞれの成分をつくる原料として体内を巡ります。
このとき、体内でどの程度が元の成分の原料として使われるかは不明です。
しかし、それほど多くないながらも、確実に体内のエラスチン合成のために何%かは使われるはずです。
したがって、「サプリメントで摂っても意味がない」わけではありません。
しかし、「飲んだ翌日から、お肌にエラスチンが増える」とも考えにくいのです。
つまり、サプリメントの効果は即効的なものではなく、長く続けることで得られるのです。
ただし、確実にエラスチンが増えるともいえないのが悩ましいところです。
化粧品の場合は、先ほど説明したとおり、「保湿成分」としてお肌の潤いのために効果を発揮するので、その点では意味があります。
しかし、補ったエラスチンが、ヒトが元から持つエラスチンのようにはたらくかといえば、そうではないのです。
だから、「エラスチンを補って自分のエラスチンを増やす」ためであれば、効果はありません。
しかし、エラスチンで保湿され、お肌が潤った結果、肌理(キメ)が整ったり、ハリやツヤがでることはあります。
この点をしっかり理解しておけば、誤解はなくなりますね。
人のからだやお肌のエラスチンとエラスチン化粧品の役割の違いをしっかり理解しておきましょう。
8.エラスチンを増やすエイジングケア化粧品成分
さて、最近では新たな化粧品原料の開発が進み、コラーゲンやエラスチンの産生を助けるエイジングケア化粧品成分もあります。
コラーゲンを増やす成分として、よく知られているものには、ビタミンA誘導体であるレチノイン酸やレチノール、それを改良したレチノールやビタミンC誘導体があります。
また、ナールスゲン、ネオダーミルなどは、線維芽細胞にはたらきかけ、エラスチンやコラーゲンを増やすはたらきのある最新のエイジングケア化粧品成分です。
しかも、ナールスゲンにもネオダーミルにも実際に、コラーゲンやエラスチン、HSP(ヒートショックプロテイン)47を増やしたエビデンス(科学的根拠)があります。
しかし、これらのエビデンスは、エイジングケア化粧品成分そのものの実験結果であり、必ずしもその成分を含んだ製品の効果を保証するものではありません。
<ナールスゲンのコラーゲンへの効果>
<ナールスゲンのエラスチンへの効果>
<ナールスゲンのHSP47への効果>
化粧品は、真皮にまでは浸透しないことが基本なので、エイジングケア化粧品であっても、ケアするものであっても、キュア(治療)の効果はないことを理解しておく必要があります。
エイジングケアでエラスチンを維持するためには、まず日常生活を考えることが大切なのです。
その上で、サポート役として、エイジングケア化粧品を使うのが効果的と考えましょう。
エイジングケア化粧品成分ナールスゲンについての詳しい情報は「ナールスゲン 京都大学発エイジングケア化粧品成分の10の秘密」をお読みください。
ネオダーミルについては、「ネオダーミルは、いま注目の新エイジングケア化粧品成分!」を参考にしてください。
9.エラスチン化粧品の選び方と使い方
1)エラスチン化粧品の選び方
いま、ご紹介したとおり、化粧品成分としてのエラスチンは、次の3つの特徴があります。
- 水溶性成分である
- 水分を抱え込んで保湿する
- コラーゲンとは少し異なったアミノ酸組成を有する
エラスチン化粧品を選ぶ場合は、この特性を活かしながら、エラスチンと異なるエイジングケア化粧品成分や保湿成分を配合したものを選ぶことがポイントです。
たとえば、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどと一緒に補うことがオススメです。
また、エラスチンが水溶性成分なので保湿化粧水や美容液、ジェルタイプのオールインワン化粧品から選ぶことがオススメです。
ただし、オールインワン化粧品だけでは、エイジングケアの対策は不十分なのでその点はご注意ください。
2)エラスチン化粧品の使い方
エラスチン化粧品は、どんな肌悩みに使うのがよいのでしょうか?
エラスチンの効果は、「保湿」ですから、乾燥肌対策に使うことが基本です。
また、乾燥肌の原因であるバリア機能の低下やターンオーバーの乱れなどの場合もエラスチン化粧品を使うことができます。
エラスチン化粧品が効果的な肌悩みとしては、乾燥で目立つ小じわ、目元の小じわ、乾燥で目立つほうれい線、乾燥で目立つ毛穴の開き、乾燥やターンオーバーの乱れによるくすみなどです。
また、エラスチンには美白効果はありませんが、保湿によってターンオーバーを改善するので、ターンオーバーの遅れによるシミ対策にも使えます。
3)エラスチンはどんな肌質でも使える!
では、エラスチン化粧品はどんな肌質に使えるのでしょうか?
化粧品成分としてのエラスチンは、現在では魚由来または豚由来で牛由来のものはありません。だから、狂牛病の心配も不要です。
たんぱく質なので、アレルギーの可能性を100%否定することはできませんが、加水分解エラスチンには報告されていません。
だから、安全性が高く刺激が少ないことからどんな肌質でも使えます。
普通肌、混合肌、脂性肌、インナードライ肌、敏感肌、乾燥性敏感肌でも問題なく使える成分です。
このようにエラスチンは、30代からのエイジングケアや40代のエイジングケア、さらには50代のエイジングケアにも使いやすいタイプの化粧品成分なのです。
もちろん、エラスチンをはじめどんな化粧品成分でも100%安全とはいえません。
小さいリスクながらも、肌状態によっては化粧品かぶれや接触皮膚炎が起こる可能性があり得ることも知っておきましょう。
10.まとめ
エラスチンとは、どんな成分か、お肌にとってどのような効果があるのかをご紹介しました。
また、エイジングケアやエイジングケア化粧品の関係について詳しく説明しました。
エラスチンの特徴やその効果について、ご理解いただけたでしょうか?
少し複雑なので難しいこともあったと思います。
それでも、エラスチンがエイジングケアを考える上で、とても大切な成分であることはおわかりいただけたと思います。
しかし、年齢とともに減少します。
だから、紫外線対策、抗酸化、抗糖化を意識することが、エラスチン維持にとっては大切です。
日々の生活で、エイジングケアはもちろん、健やかなからだを保つためにも、エラスチンを維持するように過ごすことを意識していただけると幸いです。
最近では、エラスチンはサプリメントや化粧品、医薬品などでも応用されるようになってきました。その点ではとても身近になってきたのです。
しかし、もともとお肌にあるエラスチンになるわけではありませんし、役割も違います。
その点もしっかり理解して、上手にエラスチンをエイジングケアに取り入れましょう。
この記事「エラスチンのエイジングケア効果と化粧品成分としての役割」が、エイジングケア世代の女性の美肌づくりのお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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