グルタチオンとは、細胞内で活性酸素から細胞を保護するとても大切な抗酸化物質です。
しかし、知名度が低い成分です。
この記事では、エイジングケアを考える上で、大切なグルタチオンの特性や化粧品成分としての効果をご紹介します。
また、医薬品としての効果やグルタチオン点滴療法などもご紹介します。
- グルタチオンは、3つのアミノ酸から構成されるトリペプチドです。3つのアミノ酸とは、グルタミン酸、システイン、グリシンです。
- グルタチオンは、医薬品として長い間使用されていますが、化粧品やサプリメントとしても利用されています。つまり、健康や美肌にとても有用な成分なのです。
- グルタチオンには、抗酸化作用、美白作用、肝機能を高める作用があります。この作用が、化粧品や医薬品の効果に発揮されるのです。
- エイジングケア化粧品成分の1つであるナールスゲンは、表皮のグルタチオンを増やします。ナールスゲンはとてもユニークなエイジングケア化粧品成分です。
- グルタチオンは食べ物から摂ることができますので、内側からのエイジングケアのためには積極的に摂りましょう。
CONTENTS
1.グルタチオンに興味があるあなたへ
あなたは、グルタチオンという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
グルタチオンは、その大切な役割ほどには名前が知られていない成分です。
お肌への主なはたらきとしては、次の通りです。
そんなグルタチオンを理解することは、身体の健康や美肌のためにはとても大切です。
この記事では、アンチエイジングやエイジングケアに有効なグルタチオンを取り上げます。
「グルタチオンっていったい何?どんな特徴や効果があるの?」
「グルタチオンの医薬品としての効果を知りたい!どんな病気の治療に使うの?」
「グルタチオンってエイジングケア化粧品に配合されているの?また、効果や安全性は?」
「グルタチオンを増やすエイジングケア化粧品成分って?あれば教えて!」
「グルタチオンって食べ物で増やせるの?」
などを知りたい方は、ぜひ、続きをお読みくださいね。
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2.グルタチオンとは?
1)グルタチオンはアミノ酸
グルタチオンの分子構造は、「C10H17N3O6S」です。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸からなる成分です。
3つのアミノ酸が結合していることをトリペプチドと言いますが、グルタチオンもトリペプチドの1つです。
グルタチオンはヒトなどの動物や植物、微生物の細胞の中にあって、生命を維持するために欠かせない物質で、身体の中では、特に皮膚や肝臓などに多く含まれています。
グルタチオンが大切なのは、活性酸素によるダメージから身体を守る抗酸化作用がある以外に、解毒作用が際立っているからです。
また、免疫系においても重要な役割を担っており、アレルギーや喘息などの抑制効果もあります。
さらに、美白作用をサポートする力があり、3つのアミノ酸から構成されているため保湿効果があります。そのため、エイジングケア化粧品の成分としても注目されています。
グルタチオンは、20代をピークとしてエイジングによって減っていきます。
2)グルタチオンには2つの型がある
グルタチオンは、細胞内では0.5〜10 mM(ミリモル)という比較的高い濃度で存在します。
一方、細胞外ではその1/100~1/1000と低い濃度でしか存在しません。
グルタチオンには還元型と酸化型があります。酸化型グルタチオンは、2分子の還元型グルタチオンが、イオン原子を介してつながるジスルフィド結合でつながっています。
細胞内では、ほぼすべてのグルタチオンは還元型です。一般的に、「グルタチオン」と言えば、還元型のことです。
3.グルタチオンは何に使われている?
1)医薬品としてのグルタチオン
①錠剤や点眼液としてのグルタチオン
グルタチオンは、日本では1969年に医薬品の原料として使いだされたのが最初です。
その後現在に至るまで、グルタチオンは医薬品として注射や錠剤で、下記の疾患などに処方されています。
- 薬物中毒、アセトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)
- 慢性肝疾患における肝機能の改善
- 急性湿疹、慢性湿疹、皮膚炎、じんま疹、リール黒皮症、肝斑、炎症後の色素沈着
- 妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群
- 角膜損傷の治癒促進
- 放射線療法による白血球減少症、放射線宿酔、放射線による口腔粘膜の炎症
などに処方されています。
また、点眼薬としては、次の目の病気の治療薬として使われます。
- 初期老人性白内障
- 角膜潰瘍
- 角膜上皮剥離
角膜炎
②グルタチオン点滴療法
最近では、グルタチオンのパーキンソン病の治療への応用も進みつつあります。
パーキンソン病は、脳内物質の一つであるドーパミンの減少が原因の病気です。
その症状は、手足の震えやこわばり、動作が遅くなる、転びやすくなるなどで、これらが徐々にひどくなっていきます。
このパーキンソン病の発症には、グルタチオンの減少も関係していると考えられています。
パーキンソン病の患者さんの脳内では、グルタチオンが減少していることから、グルタチオンの点滴で顕著にパーキンソン症状が改善した例が多く見られます。
そのため、アメリカではグルタチオンの点滴治療が多くの施設で実施されています。また、臨床試験も行われています。
しかし、効く人もいれば、ほとんど無効な方もいます。
日本ではまだ保険適用になっていませんので、自由診療となります。
さらに、美容クリニックでは、日焼けによるシミ予防や、肝斑や色素沈着の改善にグルタチオン点滴が実施されています。
ただし、グルタチオンには、次のような副作用が報告されています。
- 発疹
- 吐き気
- 胃痛
- 食欲不振
医薬品を処方されて副作用が出た場合は、医師に相談するようにして下さい。
2)化粧品成分としてのグルタチオン
化粧品の全成分表示の名称は、「グルタチオン」です。
化粧品成分としてのグルタチオンは、水溶性で水に溶けやすいのですが、安定性が悪いというデメリットがあります。
性状としては、白色の結晶性の粉末で、特異なにおいがあります。
メラニン色素の生成を抑制するので美白化粧品などの成分として使われています。
化粧水や乳液、保湿クリーム、洗顔料、フェイスマスク、美白化粧品、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションなどのアイテムに使われます。
なお、グルタチオンは、海外ではサプリメントなどにも使われています。
4.グルタチオンのはたらきは?
グルタチオンには、次の4つのはたらきがあります。
医薬品や化粧品として使われるのは、このはたらきが期待されるからです。
1)美白効果
お肌で活性酸素による過酸化脂質を抑えて、メラニンができるのを防ぎます。
グルタチオンは、2つの作用で美白をサポートします。
1つは、メラニンに関連する効果です。
メラニン色素には黒色メラニン(ユウメラニン)と肌色メラニン(フェオメラニン)の2種類があります。
黒色メラニンは肌を黒くしたり、しみ、色素沈着を引き起こすメラニンです。
一方、肌色メラニンは、お肌の自然な白さを引き出すメラニンです。
グルタチオンには、肌色メラニンの生成を増やすはたらきがあると言われています。
もう1つは、グルタチオンの持つ還元作用による間接的な作用です。
グルタチオンは、その還元作用で、ビタミンCなどの抗酸化ビタミンを還元して活性化させます。
その結果、ビタミンCがよくはたらくことで、美白をサポートするのです。
2)生活習慣病の予防・改善効果
体内で活性酸素による過酸化脂質を抑えて、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防に役立ちます。
なぜなら、グルタチオンが体内で発生した活性酸素を除去してくれるからです。
活性酸素は日常生活でも生まれ、呼吸によって取り入れた酸素の約2%が体内で活性酸素に変化をします。
しかも、タバコ、紫外線、ストレスなどの要素で活性酸素は過剰に増えてしまいます。
そうなると身体やお肌が酸化するのです。
細胞の細胞壁が酸化されて過酸化脂質ができると、血管の内壁にダメージを与えたり、蓄積して血栓をつくります。
その結果、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の原因になってしまいます。
そのため、表皮だけではなく真皮もダメージを受けてたるみなどの原因になります。
グルタチオンは、活性酸素を除去することで酸化による身体の老化、病気、肌の老化を防いでくれるのです。
3)肝機能を高める効果
体内で解毒酵素がつくられる力を活性化することで、肝臓の解毒作用を高めます。
グルタチオンは、異物、薬物、伝達物質、毒物などの有害物質を細胞外に排出して、細胞の正常な機能を維持し、肝臓の解毒作用が正常にはたらくのをサポートします。
その1つが、お酒を飲んだ後にできる二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを無毒化することです。
そのため、グルタチオンは二日酔いの防止などにも効果的です。
このグルタチオンのはたらきがなくなると、細胞の解毒が滞り、細胞のはたらきが阻害されて、身体全体の老化や不調のリスクが上がってしまいます。
4)白内障や角膜の病気など眼病を予防する効果
白内障とは、加齢による目の老化や紫外線ダメージの蓄積で眼球の水晶体が濁って、視力が低下してしまう病気です。
しかし、グルタチオンは、眼の水晶体や角膜に多くあって、白内障や角膜疾患などの予防や進行を抑えるはたらきがあります。
そのため、若いうちに白内障を発症することは多くありませんが、加齢とともにグルタチオンが減ると白内障になるリスクが増えるのです。
5.グルタチオンとエイジングケア化粧品
1)グルタチオンのエイジングケア化粧品成分としての効果
先ほども触れましたが、グルタチオンは、その美白作用から美白化粧品などに配合されます。
また、肌荒れを防ぐために配合される場合もあります。
さらに、抗酸化作用によって、お肌のエイジングサインの中でも顔のたるみが原因の肌悩みであるほうれい線、たるみ毛穴、しわなどの予防につながります。
ただ、グルタチオンは水に溶けやすいのに、水溶液での安定性が非常に悪いという性質をもっています。
その点では、少し扱いが難しい成分ともいえます。
2)グルタチオンとナールスゲンの関係
また、グルタチオンと関係の深いエイジングケア化粧品成分が、ナールスゲンです。
ナールスゲンは、線維芽細胞を活性化することでヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、HSP(ヒートショックプロテイン)47を増やす実験データのある成分です。
また、表皮でグルタチオンを増やす実験データもあります。
つまり、ナールスゲンはグルタチオンを増やすことでお肌の酸化を防ぐはたらきをサポートするのです。
こうした抗酸化作用は、お肌の老化の予防に役立ちます。
グルタチオンとナールスゲンの関係については、こちらをご覧ください。
3)グルタチオンとビタミンCの関係
美白作用のところでも少し触れましたが、グルタチオンは抗酸化作用を発揮して自分自身が酸化してしまったビタミンCから酸素を除去し、もとのビタミンCに戻すはたらきがあります。
だから、グルタチオンとビタミンC誘導体が一緒にはたらけばエイジングケアにとってはとても効率的なのです。
6.グルタチオンを増やすナールスゲン配合エイジングケア化粧水
グルタチオンとの関係でオススメしたいエイジングケア化粧水は、「ナールスピュア」。
@cosme(アットコスメ)で化粧水ランキング1位を獲得したエイジングケア化粧水で、500以上の口コミやレビューがあります。
ナールスピュアは、次のような特徴があります。
1)ナールスゲン推奨濃度配合
京都大学と大阪市立大学の共同研究で開発されたエイジングケア化粧品成分であるナールスゲンを推奨濃度で配合しています。
ナールスゲンは、分子量331ダルトンという小さな成分で、浸透性が高く、水分を保持することでお肌を保湿することに加え、次のはたらきがあります。
これらは、エイジングケアにとってウレシイ効果です。
2)ビタミンC誘導体配合
ナールスピュアには、水溶性のビタミンC誘導体であるアスコルビン酸ナトリウムと両親媒性のAPPS(アプレシエ)を配合しています。
ビタミンC誘導体は、抗酸化作用の他、皮脂分泌の抑制、コラーゲンを増やす作用、メラニンを抑制する美白作用があり、ビタミンC誘導体化粧水は人気の高いエイジングケア化粧品です。
さらに、次の効果もあります。
- ナールスゲンにビタミンC誘導体を加えると、コラーゲンが増える量がさらにアップするという相乗効果がはたらく
- ナールスゲンとビタミンC誘導体は、ともにイオン導入に向いたエイジングケア化粧品成分
なので、ナールスピュアはイオン導入用の化粧水としても使えます。
3)ビタミンE誘導体であるトコフェリルリン酸Na配合
ナールスピュアには、水溶性と油溶性の両方の性質を持つビタミンE誘導体であるトコフェリルリン酸Naを配合しています。
ビタミンE誘導体には、抗酸化作用の他、血行促進作用、優れた肌荒れ防止効果、水分の保持作用による保湿効果、抗炎症効果があります。
4)プロテオグリカン配合
高い水分保持力のある保湿成分の1つであるプロテオグリカンを配合しています。プロテオグリカンは、保湿力だけではなく、ヒアルロン酸やコラーゲンを増やす作用もあります。
ナールスピュアは、プロテオグリカン化粧水でもあるのです。
5)エイジングケアにぴったりのローション
ナールスゲンがグルタチオンを増やすことで、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体も併せた3成分による抗酸化作用が期待できます。
そのため、お肌の酸化を防いだり、お肌の老化を防ぐにはピッタリの組み合わせなのです。
また、ナールスピュアは、香料・着色料・石油系界面活性剤はもちろん、アルコールなどを含まないシンプルな配合のアルコールフリー化粧水です。
だから、どんな肌質の方でも使いやすく、インナードライ肌や敏感肌でも使えるエイジングケアローションです。
乾燥肌対策に加えて、ほうれい線、たるみ毛穴、しわ、くすみなどの肌悩みが目立つのを防ぐために使っていただきたいエイジングケア化粧品です。
なお、抗酸化のためのエイジングケアについては次の記事もご覧ください。
7.グルタチオンと日常生活
1)グルタチオンを減らさない日常生活
グルタチオンも例にもれず、加齢によって減少します。また、肝臓に負担をかけずに、肝臓を正常に機能させることも大切です。そのため、アルコールの摂りすぎには注意が必要です。
お酒はほどほどに飲むことがグルタチオンの過剰な消費を抑えます。
もちろん、紫外線対策、喫煙を避ける、十分な睡眠などアンチエイジングを意識した健康的でバランスのよい日常生活が身体や肌の老化の予防につながりますし、グルタチオンの減少を防ぐのです。
そんな日常生活については、「エイジングケアより大切な日常の生活習慣で肌老化の予防を!」をご覧ください。
2)グルタチオンを含む食べ物
グルタチオンは、たんぱく質の源であるアミノ酸でできていますから、食品からたんぱく質を摂ることで維持することが可能です。また、グルタチオンを含む食品もあるので、それらを摂ることも有効です。
牛レバー、マダラ、赤貝、酵母、野菜では、ほうれん草、キャベツ、きゅうり、ブロッコリー、かぼちゃ、またキウイやアボカドなどのフルーツにもグルタチオンが多く含まれますので、意識して摂りましょう。
ただし、グルタチオンには加熱に弱いという特徴があります。
だから、加熱調理が必要な食品以外は、生で摂るのがオススメです。
8.まとめ
グルタチオンのはたらきやエイジングケア化粧品との関連について説明しました。
いかがだったでしょうか?
グルタチオンは、優れた抗酸化作用を持つことから、お肌はもちろん、身体全体の老化や不調にも関連しています。
加齢とともに減ってしまうグルタチオンですが、食事などで積極的に摂取するよう心がけ、健やかな身体や美肌づくりに役立てたいですね。
また、ナールスゲンのようなグルタチオンを増やすエイジングケア化粧品成分もあるので、上手にエイジングケアに活かしましょう。
この記事「グルタチオンの効果は抗酸化!医薬品や化粧品に活用」が、エイジングケア世代の女性の肌悩み対策のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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nahlsエイジングケアアカデミーを訪れていただき、ありがとうございます。nahlsエイジングケアアカデミーでは啓発的な内容が中心ですが、ナールスコムでは、ナールスブランドの製品情報だけでなく、お客様にご参加いただいた座談会やスキンケア・エイジングケアのお役に立つコンテンツが満載です。きっと、あなたにとって、必要な情報が見つかると思います。下記から、どうぞ。ナールスゲン配合エイジングケア化粧品なら「ナールスコム」
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