最近では、「糖化」が老化の原因の1つとして注目されています。
糖化は、酸化と同様にからだだけでなく、お肌の老化にも大きな影響を与える化学変化。
では一体、糖化によってお肌がどうなるのでしょうか?
また、どのように糖化を予防すればよいのでしょうか?
この記事ではそんな疑問にお答えします。
CONTENTS
1.糖化の予防法を知りたいあなたへ
「肌老化の原因「糖化」を予防する対策は5つのポイントで!」をお届けします。
最近、アンチエイジングや糖尿病などの生活習慣病との関係で話題になることの多い「糖化」。
実は、糖化は、「酸化」と並んで、お肌のエイジングケアにとってとても大敵です。
なぜなら、肌が糖化すれば美肌がキープできないから。
「糖化はからだや肌の老化の原因!健康と美肌にための対策の基本」では、お肌にあらわれる くすみ や たるみ などの老化のサイン、また生活習慣病やからだの不調にも「糖化」が深く関係していることをお話しました。
糖化が進むと改善が難しくなります。
しかし、それほど進んでいないならお肌は比較的糖化をリセットしやすい部分なので、糖化しやすい生活習慣を見直し、アンチエイジングやエイジングケアを意識すれば、改善することができます。
また、エイジングケア化粧品できちんとケアすることで予防が可能です。
今回は、普段の生活で心掛けたいからだやお肌の老化の原因 の1つである糖化の予防についてまとめてみました。
「糖化の兆しはどんなサイン?チェック方法が知りたい!」
「糖化でお肌はどうなるの?どんなエイジングサインが目立つの?」
「糖化の予防法をしっかり理解したい!具体的な方法や対策は?」
「糖化を防ぐ食べ物って?おすすめを知りたい!」
「糖化ってエイジングケア化粧品で予防できるの?改善できるの?」
などが気になる方は最後までお読みください。
<糖化予防と一緒にエイジングケアするなら!>
<ナールスのエイジングケア化粧品「トラベルセット」>
- 糖化が進むと細胞の老化が進み、病気や肌老化の原因になります。まずは、ご自身の生活をチェックしてみましょう。
- 糖化によってコラーゲンなどが老化し、お肌のハリや弾力が失われてしまうことがあります。その結果、お肌のたるみの原因になってしまいます。
- 糖化を予防することで、お肌の老化を遅らせることができます。そのために大切なのは、食生活をはじめとする規則正しい生活です。
- 糖化はGI値の低い食べ物を摂ることで防ぐことが可能です。玄米やソバ、ライ麦パンなどがあります。逆に白米や精製白パン、うどんなどは、GI値の高い食べ物です。
- 十分な睡眠、適度な運動、ストレスの少ない生活なども糖化の予防に役立ちます。これらは酸化予防にもなるので、健康と美肌のキープのために大切です。
- 紫外線対策も糖化予防のために大切です。紫外線は、酸化を進めるだけでなく、糖化を進めるリスクもあります。紫外線をブロックすることで、糖化と酸化が予防できます。
- スキンケア化粧品やエイジングケア化粧品で、糖化を改善することはできません。しかし、予防美容的に活用することは可能です。
2.あなたの糖化度をチェック!
糖化とは、からだのたんぱく質と余った糖質が結びつくことによる、「おこげ」のような状態です。
細胞の老化が進み、からだや肌にダメージを与えます。
そんな糖化は、生活する外部環境や生活習慣、年齢などと関係しています。
では、まずあなたの糖化度のチェックをしてみましょう。
当てはまるものをチェックしてください。
◎糖化度チェック
- 朝食を食べない
- 白ごはん、精製した白いパンなど炭水化物が好き
- 甘いお菓子をよく食べる
- 清涼飲料をよく飲む
- 食事はごはんから手をつける
- 食べたら眠くなる
- 野菜はあまり食べない
- あまり運動をしない
- 睡眠時間は6時間以下
- 健康診断などで血糖値が高いと指摘されたことがある、または糖尿病
- 喫煙習慣がある
- 紫外線対策をあまりしていない
- 顔やからだで黄色いくすみが目立つ
いかがでしたか?
当てはまった数が多いほど、老化の原因といわれる糖化のリスクが高いといえます。
最近では、糖化が測定できる「糖化度測定器」というものがあるようです。
測定器の上に腕を乗せるだけで、蛍光分光方式によって、皮膚の下の血管壁に蓄積されているAGEs(終末糖化産物という体内の老化物質)が検出されます。
チェックした項目が多く、気になる方は医療機関を尋ねてみてください。
3.「糖化」が進む原因は?
1)糖化をもたらす内外の要素
たんぱく質と余った糖が結びつくことで、糖化を進ませるAGEsという物質が、全身のあらゆる組織に生成されます。
これは、糖だけではなく、加齢による抗酸化力や免疫力の低下、飲酒や喫煙、脂質の過剰摂取、酸化ストレスといった、さまざまな内部の要因にも影響を受けます。
また、紫外線や大気汚染といった外部環境も酸化ストレスを生み出すため、糖化の原因となります。
これらは、酸化の原因と同じです。
このように、糖化と酸化は表裏一体のような関係があります。
2)体内でAGEsができると糖化が進む
糖とたんぱく質が結びつく現象は、発見者の名前を取って「メイラード反応」と呼ばれますが、一般には「糖化」と呼ばれることが多いようです。
からだやお肌の老化の原因の1つである「糖化」は、体内にAGEs(終末糖化産物)が溜まることで起こります。
このAGEsは、2つのルートで溜まります。
1つは、体内で血中のブドウ糖とたんぱく質が結びついてしまうことです。
血中のブドウ糖が過剰になってしまうと、細胞や組織の元であるたんぱく質とくっつき、体温で熱せられて、AGEsができてしまいます。
もし、たんぱく質が糖化し始めても、初期段階で血中の糖の濃度が下がれば、たんぱく質はもとに戻ることが可能です。
しかし、一定の時間が経過すればAGEsとして溜まってしまうのです。
だから、血糖値が高いこと、それが続くことが糖化のリスクです。
3)体外からAGEsを取り込んでも糖化が進む
もう1つは、食べ物自体からAGEsを取り込んでしまうことです。
実は、人間の体内だけではなく、たんぱく質と糖が加熱されると食べ物も糖化するのです。
たとえば、鶏のから揚げは、鶏肉のたんぱく質と衣である小麦粉の炭水化物(糖分)が油によって高温で熱せられてできた食べ物です。
だから、鶏のから揚げには、AGEsが多く含まれます。
この例以外にも、たんぱく質と糖分が高温で熱せられた食べ物には、AGEsが含まれるのです。
食べ物に含まれるAGEsは消化の段階で多くが分解されますが、約10%が排泄されずに体内に溜まり、7%が長期間留まると考えられています。
そのため、揚げ物や炒め物を食べ過ぎると、体内にAGEsを溜めて糖化を進めることになるのです。
このように糖化の原因は、2つのルートで体内にAGEsが溜まることなのです。
4.糖化を防ぐ5つのポイント
糖化が進む方程式は、
AGEsのできる量が増える = 血糖値が高い × その持続時間が長い
です。
だから、この方程式の2つの要素に対して対策することが糖化の予防につながります。
一言でいえば、糖化を予防することは、体内のAGEsを溜めない生活習慣を持つことです。
「血糖値が高い」や「その持続時間が長い」原因の多くが食生活にあることから、糖化予防は食生活に気を付けることが大切です。
しかし、糖化予防の対策には、運動をはじめ、ほかにもさまざまな手段があります。
次の章からはより詳しい糖化予防のお話を進めますが、その前にからだやお肌の老化の原因「糖化」を防ぐ5つのポイントを整理しておきます。
糖化を予防する5つのポイントは、次のとおりです。
「糖化」を防ぐ5つのポイントをご覧になっていかがでしょうか?
どれも、特別なことではありませんね。
この5つは、お肌の酸化を防いだり、エイジレスな美肌を維持する上でとても大切なことです。
糖化と酸化の予防は、同時にできますし、すごく難しいわけではありませんので、ぜひ、実践してくださいね。
もちろん、タバコはAGEsを増やすことがわかっているので、糖化を進ませるリスクの1つです。
副流煙を吸う受動喫煙も同じくAGEsを増やしてしまいます。
喫煙習慣はからだやお肌の老化予防のためには、ぜひ、避けたいことです。
なお、タバコとお肌の関係については、「喫煙がお肌の老化を加速!タバコで老け顔になる原因と対策」をご覧ください。
5.食べ物・栄養素と食べ方の工夫で糖化予防
1)過度の糖質やAGEsを避ける
糖化の主な原因は、糖質の多い食品を摂り過ぎてしまうことです。
注意したいのは、糖分や炭水化物の多い砂糖たっぷりの甘いおやつ、ごはん、パンなどの食品。
アルコール(お酒)も糖分が多いですし、アルコールをたくさん摂ると肝臓の代謝が落ちて消化力が下がります。飲み過ぎにも気を付けましょう。
糖化を進ませないお酒の飲み方は、「お酒の飲み方と成分を知って美肌に!エイジングケアの視点」を参考にしてください。
また、動物性たんぱく質の焼き物、炒め物、揚げ物も糖化を進めてしまうので、食べ過ぎないようにしたいですね。
高温であればあるほど糖化が進みやすいので、特にオーブン焼きや揚げ物は注意したい食べ物です。
ただし、糖分は生きていくためには必要なエネルギー源。
もちろん、たんぱく質も血や肉になる大切な栄養素です。
過度に控えると、かえってマイナスになるので要注意です。
焼き物や揚げ物ではなく、蒸し物や煮物にするなど工夫することでAGEsは少なくできるので、調理などを工夫して摂るようにしましょう。
2)GI値を考えた食生活で糖化予防
糖化の予防を考える上で、GI=Glycemic Index(グリセミック・インデックス)という有名な指標があります。
これは、食後血糖値の上昇度を示す指標で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示すものです。
具体的には、食べ物を摂った2時間後までに血液中に入る糖質を測定した値で、食べ物ごとにGI値が示されています。
GI値が低い食べ物ほど血糖値の上昇が遅くなり、ゆっくりと吸収されます。
つまり、「血糖値を上げない」ことで、AGEsをつくるのを抑えることができるのです。
<食べ物のGI値と血糖値上昇の関係>
最近では、ダイエット法の1つとしても低GI値食品が注目されていますよね。
同じものを食べても人によって食後の血糖値の上り方が違いますので、絶対的なことはいえませんが、糖化を予防する考え方の1つとしてGI値を参考にし、食べ物を選ぶこともよい選択肢の1つです。
以下に、低GI値食品、中GI値食品、高GI値食品の代表的なものをあげますので、参考にしてみてください。
<GI値と食品>
3)AGEsの多い食べ物を避ける
ジュースや炭酸飲料などの清涼飲料、お菓子、缶詰などの甘味づけに使われる人工甘味料の一部には、ブドウ糖よりもAGEsを速くつくるものがあります。
だから、これらを飲みすぎたり、食べ過ぎてしまうことは糖化のリスクを高めることになります。
基本的には、甘い食べ物や飲み物は、控えめにすることが糖化予防につながります。
また、AGEsの多い食品や少ない食品については、下記も参考にしてください。
4)糖化の予防が期待できる栄養素と食べ物
今までは、どちらかといえば糖分を控える、いわば「守り」の糖化予防の食べ物についてのお話でした。
ここでは、糖化を積極的に予防できる食べ物や栄養素をご紹介します。
①糖の代謝を促進する栄養素
食べ物で糖化を予防する1つの方法は、糖を素早くエネルギーに変えてしまうことです。
だから、糖の代謝を促進するビタミンB1がよい栄養素です。
ビタミンB1は、豚肉に多く含まれるので、油身の少ない豚ヒレや豚モモなどを煮物や炊き物などで摂取すると糖化予防に効果が期待できます。
また、アルファリポ酸やコエンザイムQ10なども、糖や脂肪などの栄養素を効率よくエネルギーにするための燃焼効果を高める酵素であり、抗酸化作用もあります。
アルファリポ酸は、牛のレバーや心臓、野菜ではほうれん草に多く含まれます。
牛レバーや心臓よりもオススメは、ほうれん草です。
コエンザイムQ10は、鰯や鯖などの青魚に多く含まれますので、これらは抗酸化の点でもオススメです。
②糖の吸収を抑える食べ物
糖の吸収を抑える食べ物を摂取することでも、血糖値の上昇を防ぐことができ、糖化予防に役立ちます。
そんな成分は、誰もが知っている便秘にもよいといわれる食物繊維。
中でも水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)はAGEsの吸収を妨げて、便と一緒に排出してくれる効果も。
食物繊維は、海藻類、キノコ類、納豆や山芋などに豊富に含まれており、普段スーパーなどで目にする、焼きのり、わかめ、もずく、めかぶ、こんぶ、とろろこんぶ 、いんげん豆 、おから、納豆 、ごぼうなども一例になります。
③糖化を抑える食べ物
インドの研究で、糖化を予防する食べ物があるとの報告があります。
AGEsがつくられるのを抑えてくれるのは、その強さの順に、生姜、シナモン、クミン、お茶、黒胡椒、バジル、リンゴ、レモン、ニンニク、オレンジと報告されています。
(参照文献)
Br J Nutr. 2009 Jun;101(11):1714-21. doi: 10.1017/S0007114508116270. Epub 2008 Nov 6.
5)食べ方は、ベジタブルファーストを意識してみましょう
糖化が進むのは、血糖値が急激に上がる時です。
ですので、消化吸収をゆるやかにして血糖値の上昇スピードを抑える食物繊維の多い野菜、ネバネバ食品、海藻類などが糖化予防には効果的です。
このほか、ポリフェノールを含む果物や緑茶、香辛料も積極的に摂りたい食材です。
食事の順番のポイントとして覚えていただきたいのが「ベジタブルファースト」。
まずは野菜やキノコ類、その後に肉や魚などのたんぱく質、ごはんやパンは最後に食べることで糖質の吸収を抑えることができます。
食べる順番も、糖化の予防対策の大切なポイントなのです。
なお、糖化だけではなくアンチエイジングのための食べ方については、「美肌のための食事のとり方とアンチエイジングへの効果は?」をご覧ください。
また、糖化を防ぐ食べ物や栄養素については、次の記事も参考にしてください。
*スーパーフードはアンチエイジング・美容・ダイエットに効果!
*「発酵食品で体を元気に!」@健康ラボステーションのセミナーに参加してきました
6.軽い運動で血糖値の上昇を抑えよう!
食後の1時間が、血糖値が一番上がるタイミングです。
だから、そのタイミングで血糖値の上昇を抑えるためには、食後20~30分から、食後60分~90分程度までの間に、30分~1時間程度の軽い運動を行うのが効果的です。
ウォーキングなら簡単に行えますし、掃除や洗濯、買い物などでからだを動かすことも有効です。
スポーツジムなどに通っている方は、水泳やエアロビクスなどの有酸素運動も効果的です。
運動が好きな方なら、ストレスも発散できるので一石二鳥ですね。
ただし、ハードな運動は逆に血糖値を上げたり、酸化の原因になってしまいます。
アスリートではない一般の方は、無理のない範囲での運動がオススメです。
特に、食後のハードな運動は避けましょう。
また、運動後の水分補給も大切ですが、運動直後に糖分を多く含む飲み物を摂ると、急に血糖値を上げてしまいます。
この点にも注意して、上手に水分の補給を行いましょう。
<参考記事&情報>
Withコロナの運動不足はスポーツで解消!GYMEで検索が便利
7.ストレス解消で糖化予防を!
過度のストレスがかかると、ホルモンバランスが崩れ、その結果、血糖値が上がることもあります。
入浴、ヨガ、読書や音楽など、自分なりの楽しみ方で上手にストレス解消につとめたいですね。
たとえば、食後、少し落ち着いたら20~30分のウォーキングなどの軽めの運動をすると、ストレスの解消にもなり、血糖値の上昇を抑えることもできます。
こうした運動習慣を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。
ほかにもストレス解消法には、次のようなさまざまなものがあります。
- 野球、テニス、水泳、ランニング、ボウリング、ゴルフなどのスポーツ
- カラオケで歌う、ロック音楽でドラムをたたく、ギターを弾く
- ダンスやライブを楽しむ
- パーティで食べる・飲む・騒ぐ
- ショッピングを楽しむ
- 話をする・愚痴を聞いてもらう・泣く
- サウナ、お風呂、マッサージやエステ
- 旅行
- 散歩
- ごろ寝
- 瞑想
もちろん、ストレス解消法は人それぞれです。
ある人にはストレス解消になっても、違う人には逆にストレスになることも。
糖化予防のためには、自分に合ったものを見つけましょう。
<参考記事>
*ストレスオフの女性がこの2年で増加!そのリラックス方法TOP10
*ストレスオフの秘訣は「音楽習慣」だった! 20代からシニアまで大調査
8.十分な睡眠も糖化予防に大切
睡眠中に分泌される成長ホルモンやメラトニンは、美肌づくりや健やかなからだづくりには欠かせないもの。
また、老化物質といわれているAGEsの蓄積を防ぐのにも一役買っているといわれています。
毎日の良質な睡眠で、抗糖化、抗老化につとめましょう。
では、なぜ糖化予防に睡眠が大切なのか、もう少し詳しく考えてみましょう。
1)基礎代謝アップで抗糖化
睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発化してたんぱく質の合成が進みます。
また、筋肉の緊張が解けるので、筋肉を休ませることになります。
だから、よく眠ると筋肉が翌朝にはしっかりとはたらいて、基礎代謝がアップするのです。
そうすると、糖分をエネルギーに変える力も高まるので糖化予防につながるのです。
2)よい睡眠でメラトニンの分泌をアップ
メラトニンとは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、メラトニンには「体内時計」を司るはたらきがあります。
メラトニンが分泌されると副交感神経系が優位になり、「脈拍」「体温」「血圧」などが低下して、自然とリラックスした眠りを得ることができるのです。
1日の疲れをリセットして、フレッシュな状態で起きるには、メラトニンが正常に分泌されることが大切です。
メラトニンをしっかり分泌させるためには、真っ暗な環境で眠ることが大切です。
なぜなら、部屋が明るいとその影響でメラトニンが分泌されないからです。
だから、眠る前は、部屋を暗くしましょう。
また、朝になって光を浴びることで、メラトニンの分泌を止めることも大切です。
これで、メラトニン分泌のサイクルがリセットされて、適切に体内時計がはらたきます。
3)睡眠時間は、6時間以上を目標に!
お肌の新陳代謝がもっとも活発なのは夜の睡眠時間中です。
だから、睡眠時間が短いと糖化の原因物質であるAGEsを十分に代謝したり、排泄する余裕がなくなってしまいます。
糖化予防のためには、良質の睡眠を6時間以上とることを目安にしましょう。
なお、睡眠とお肌の関係については、「夜の上手なスキンケアとエイジングケアでハリ・ツヤ美肌! 」や「美肌は質の高い睡眠中に作られる!3つのホルモンを活かす4つの対策」も参考にしてください。
9.紫外線ケアはしっかりと!
1)紫外線が多い季節以外でも大切な紫外線ケア
お肌の表皮の角質層にあるケラチン繊維は、紫外線によって糖化されてしまいます。
また、紫外線のダメージは、糖化と酸化をすすめるダブルパンチ!!
紫外線量が増える季節だけでなく、年間を通じて日焼け止めクリームを塗るなどの対策でしっかりとケアしたいですね。
もちろん、紫外線対策として衣類やUVカットサングラス、帽子なども大切。
紫外線の予防対策は「紫外線対策こそエイジングケア!日焼けダメージの肌老化を防ぐ対策」をご覧ください。
また、紫外線の詳しい情報は、「エイジングケアアカデミー」内にある下記の記事を参考にしてください。
*光老化とは?紫外線ダメージによる肌老化のメカニズムと対策・治療法
2)紫外線対策は、アフターケアも大切
紫外線対策は、紫外線を防ぐことだけではありません。
もちろん、紫外線を浴びないことが最も大切ですが、紫外線を常にカットするのは、多くの方にとっては難しいことです。
そこで大切なのが、紫外線のアフターケア。
つまり、紫外線を浴びた後の抗酸化対策です。
日頃から、ビタミンACEを含む食べ物や抗酸化作用のある食べ物を意識して摂りましょう。
それが抗酸化だけでなく、抗糖化にもつながります。
なお、美肌のための食べ物については、「美肌をもたらす食べ物と飲み物は?その種類から栄養素まで」の記事も参考にしてください。
また、エイジングケア化粧品でも紫外線のアフターケアが可能です。
ビタミンA誘導体(レチノール、レチノイン酸トコフェリル)、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体配合のエイジングケア化粧品、またコラーゲンなどの生成をサポートする成分が配合された基礎化粧品は、糖化予防に効果的といわれています。
エイジングケア化粧品では、こうした成分が配合されているものを選ぶとよいでしょう。
なお、紫外線のアフターケアについての詳しい情報は、「外出時の紫外線による日焼けのアフターケアはビタミンACEで!」をご覧ください。
10.糖化の予防とお肌の関係
1)お肌の糖化による症状は?
糖化は私たちの大切なお肌にも深刻な影響をもたらせます。
1つは、表皮への悪影響です。
表皮の角化細胞が糖化すると、メラニン生成を引き起こす物質が増えるという研究結果があります。
この物質は、サイトカインと呼ばれるたんぱく質で、免疫や炎症に関する情報伝達を担っています。
そんなサイトカインの中のエンドセリン、COX-2、IL-1αといった物質が増えて、メラニンが生成されるのです。
つまり、糖化はシミの原因になりえるのです。
もう1つは、お肌のより深い部分への悪影響です。
お肌の真皮部分にあるコラーゲンやエラスチンが肌の弾力やハリを生み出しているのはご存知の方も多いと思います。
このコラーゲンもエラスチンもたんぱく質です。
糖化とは、「糖とたんぱく質が結びついて焦げる」ことですから、たんぱく質であるコラーゲンやエラスチンを焦がして、硬くしてしまうのです。
その結果、お肌に弾力やハリがなくなり、お肌を老化させてしまいます。
これは、たるみの原因なので、ほうれい線、たるみ毛穴、しわ、特にたるみによるしわが目立つのを早めてしまいます。
さらには、お肌が黄ばんでしまうこともあります。
これが、黄ぐすみです。
糖化は、お肌のエイジングを加速させる原因の1つですから、糖化を予防することで、お肌の老化を遅らせることができるのです。
さらに大切なお話をしますと…
このコラーゲンとエラスチンをつくっているのは、真皮の線維芽細胞です。
最近の研究で、糖化したコラーゲンが線維芽細胞に対しても影響を与えるという研究結果が発表されているのです。
そして、その影響とは、なんと「糖化したコラーゲンが線維芽細胞を死滅させるはたらきがある」ということです。
線維芽細胞は、お肌にとって極めて大切な細胞です。
線維芽細胞について、詳しくは「線維芽細胞とは?お肌のハリを保つエイジングケアの秘密」を参考ください。
糖化が、線維芽細胞に悪影響を与えるということは、非常に大きな問題です。
逆に、しっかり糖化を予防すれば、お肌を健やかで美しく保つことができます。
なお、最近では、喫煙、大気汚染、加齢といった要因によって、体内に蓄積された尿素が分解されるときにできるイソシアン酸とコラーゲンなどの体内のたんぱく質とが結合することで、たんぱく質を劣化させる「カルバミル化」という現象も注目されています。
せっかく化粧品でエイジングケアをしていても、食生活や普段の生活習慣で老化を早めてしまっていては大変ですので、
ぜひ、今回ご紹介したポイントを心掛けて「内側からのエイジングケア」のために、規則正しい生活を送ってくださいね。
糖化だけではなく、お肌の酸化を防いだり、健康全般を維持するための生活習慣については、「アンチエイジング的生活習慣は肌老化予防にエイジングケアより大切」も参考にしてください。
2)お肌の糖化を予防するエイジングケアは?
では、お肌の糖化をスキンケア化粧品やエイジングケア化粧品で防ぐことは可能でしょうか?
結論からいえば、スキンケア化粧品やエイジングケア化粧品で直接的に糖化を予防することはできません。
なぜなら、糖化は体内やお肌の中で起こる、たんぱく質と糖が結びつく現象ですから、それを化粧品で止めることはできないのです。
最近では、抗糖化に着目した成分も開発が進められて、いくつかはすでに化粧品に含まれていますが、真皮まで届かない化粧品成分では効果を発揮できないと考えるほうが妥当といえます。
まったく糖化に効果がないとはいえないにしても、化粧品に糖化を防ぐはたらきを求めるのは無理がありますね。
では、糖化したお肌に化粧品を使うことに意味がないかといえば、そうではありません。
スキンケアの基本は、清潔、保湿と紫外線対策です。
紫外線対策は、すでにふれましたので、残りは清潔と保湿です。
糖化することでお肌は、ターンオーバーが乱れたり、バリア機能にも悪影響を与える可能性があります。
だから、やはりお肌を常に清潔に保つためのクレンジング、洗顔や保湿は大切なのです。
なお、この点については、「エイジングケアで本当に大切なのは紫外線対策と保湿と洗顔」も参考になります。
3)糖化に加えてエイジングケア全般を考えよう!
糖化の予防を考えて対策を行うことはアンチエイジングにもつながります。
また、エイジングケアにとってもよいことです。
それ以上に、乾燥肌の対策ほかエイジングケアをもっと広い範囲で考えれば、より美しい素肌が手に入ります。
詳しい内容を知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
11.まとめ
糖化の原因やしくみから予防のポイントまで、幅広くご紹介しました。
糖化は、AGEsが体内やお肌に溜まることなので、予防はそれを避けるための対策を実践すればよいのです。
そんな糖化の予防に大切なのは、食生活を中心とした普段の規則正しい生活習慣、そして紫外線対策です。
その上で、スキンケアやエイジングケアを行えば、お肌の老化も予防することができます。
食事を中心に、糖化の予防を行い、さらに効果的なエイジングケア化粧品で保湿をしっかり行うことで、美しい素肌をめざしましょう。
この記事「肌老化の原因「糖化」を予防する対策は5つのポイントで!」が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。
当社も構成企業の1社として、参画するAGE測定推進協会のホームページは、こちら
糖化についてもっと深く知りたい場合は、ぜひ、チェック!
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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