美肌にとって食事の方法はとても大切です。
いくらスキンケアやエイジングケアを一生懸命に行っても、食べ物や栄養素をしっかり摂らないと美肌をキープすることができません。
この記事では、美肌のための食事の摂り方や食べ方とアンチエイジングへの効果をご紹介します。
- 美肌づくりには、エイジングケア化粧品など外側からのケアだけでなく、食事、睡眠、運動などの内側のケアが大切です。中でも、食事から摂取する栄養が、美肌をつくるモトになります。
- 3大栄養素をはじめ、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂ることが、美肌づくりの基本です。穀類・肉・野菜・果物などをバランス良く食べましょう。
- 摂取した栄養がきちんと吸収されるには、腸内環境を整えることも大切です。乳酸菌や食物繊維などで腸内細菌のバランスを整えましょう。
- 正しい食事と食べ方によって、からだを健康に保つことから美肌は生まれます。上手に選びましょう。
- 水はもちろん、コーヒー、緑茶、ダークチョコレート、お酒も上手に摂ることで、美肌の味方になります。飲み物の選び方と摂り方も意識することが大切です。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
管理栄養士松岡幸代先生
◆栄養マネージメント
◆オフィス Crecer(クレセール)
◆管理栄養士
◆ヘルスコーチジャパン認定コーチ 産業カウンセラー
京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室 研究員として15年肥満、代謝の研究に従事し、生活習慣病予防・糖尿病の重症化予防に現在も力を入れています。
「食べることは生きる事!」食を通して健康で若々しいカラダづくりのサポートをさせていただきます。
*大人ニキビの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
CONTENTS
1.美肌のための食事の摂り方に興味があるあなたへ
「美肌のための食事のとり方とアンチエイジングへの効果は?」をお届けします。
食事でバランスのよい栄養素を摂ることは、美肌になる方法の1つです。
まずあなたが、美肌のための食事ができているかどうか、チェックしてみましょう。
<美肌の食事チェック>
□ 食事はカロリー重視で、栄養成分には気を配っていない
□ ケーキやスナック菓子を食事がわりにすることがある
□ ランチは、パスタやうどん、そばなどの麺類が多い
□ 肉類は控え、野菜サラダを食べるようにしている
□ 高価なエイジングケア化粧品でお手入れしているのに、効果が実感できない
□魚や大豆製品をあまり食べない
□睡眠時間が5時間以下で睡眠不足ぎみである
1つでも上記に当てはまる方は、美肌のための食事のとり方について理解が不十分な可能性があります。
もし、あなたがそうならぜひこの記事を読んでくださいね。
健やかで若々しいエイジレスな美肌を保つためのお手入れといえば、スキンケアやエイジングケアを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、毎日欠かさずスキンケアをしていても、美肌にはほど遠く、次のような肌悩みはありませんか?
お肌の状態は、からだと密接に結びついているため、からだが健康でないとお肌も健やかな状態を保つことができません。
つまり、外側からのスキンケアだけでなく、からだの内側からのケアが美肌づくりには不可欠なのです。
からだの内側からのケアとしては、食事や睡眠、運動などが挙げられますが、中でも栄養を補給するための食事は、美肌と大きな関わりを持っています。
この記事では、美肌にもっとも影響力のある食事について、どのような食生活がお肌にとってよいのか、また何を、どう食べれば美肌効果が期待できるかなどを、わかりやすく解説しています。
「美肌のための栄養素の基本が知りたい!教えて!」
「美肌効果が期待できる食材や食べ物は?また、控えるものは?」
「どんな食べ方が健康や美肌に良いの?知りたい!」
「食事の際の食べ方の順番は?野菜が最初?」
「やってはいけない食習慣は?知っておきたい!」
などの疑問を明らかにするとともに、エイジングケア化粧品の効果をさらに高めて美肌を手に入れるために、ぜひ読み進めてくださいね。
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<美肌のためのスキンケアと内側のケア>
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2.美肌と食事の関係
栄養素については、「美肌をもたらす食べ物と飲み物は?その種類から栄養素まで」に詳しく紹介していますので、ここでは美肌と食事の関係を整理します。
1)美肌に最も大切な食生活と栄養素は摂り方が大切
私たちのからだは、37兆個ともいわれる膨大な数の細胞からできています。
その細胞が健やかに育つために必要とされるのが、食事から摂取する「栄養」です。
食事からの栄養こそが、健康なからだや美しいお肌の材料になるため、間違った食生活をしていたり、食べているつもりでも栄養が偏っていたりする場合には、健康な素肌や美肌は生まれないのです。
また、栄養素は単独で作用するものではないため、美肌のためにはバランスよく摂取することが重要です。
たとえば、お肌のためにとビタミンを意識したサラダばかり食べていても、美肌になれるというわけではありません。
食事から必要な栄養素をバランスよく摂り、その栄養がからだの中でそれぞれのはたらきを発揮してはじめて、美肌への効果が現れてきます。
美肌のための栄養素としては、次の3大栄養素があります。
①血液や筋肉、お肌や髪、ホルモンなど、からだの主原料となるたんぱく質
②脳やからだにとっての主要なエネルギー源になる炭水化物
③脳の機能を正常にし、細胞膜の形成や体温保持のはたらきを担う脂質
次に大切な栄養素としては、次の2つがあります。
④人間の生命維持に必要な補酵素としてはたらき、3大栄養素の代謝にも関わるビタミン
⑤3大栄養素のはたらきをサポートし、からだとお肌の機能を正常に保つミネラル
この2つの栄養素を加えて、5大栄養素と呼びます。
さらに、次の2つを加えると7大栄養素です。
⑥腸のはたらきを活発にして、摂取した栄養の吸収をスムーズにする食物繊維
⑦人のからだの約60%を占める生命の源である水
これらの栄養素を過不足なく、バランスよく摂ることが、健康なからだづくり、さらに美肌づくりにつながります。
逆にいえば、ダイエットのためにカロリーを極端に抑えたり、忙しいからと手軽な炭水化物メニューばかり食べるなど、正しい食事ができていないと、必要な栄養素が足りずにお肌の老化を進めてしまいます。
たとえば、急激なダイエットでほうれい線が目立つことがありますし、脂っこい食べ物の食べ過ぎで、毛穴の黒ずみが目立つこともあります。
また、糖質の摂り過ぎでお肌が糖化して黄くすみが目立つことがあります。
これでは、美肌から遠ざかってしまいますね。
このように、毎日の食事に気を配るかどうかで、肌年齢は大きく変わってくるのです。
つまり、若々しい美肌の基本は、バランスよい食事の摂り方にあるのです。
<参考記事>
2)美肌と腸の関係考えた食べ物の摂り方
美肌づくりに大切な栄養を取り込んでいるのは、私たちの腸です。
食事で摂取した栄養をしっかり吸収するためには、腸内環境を良好に保っておくことが大切です。
腸は、消化・吸収を担う小腸と便をつくる大腸から成っていますが、近年注目されているのは、大腸のはたらき。
大腸には、およそ1000種類、100兆個もの腸内細菌が住んでいるといわれ、その腸内細菌が大腸の病気などからだの健康はもとより、お肌や体型にまで関係していることがわかってきました。
たとえば、女性に多い便秘。
便秘になると、お肌にはさまざまなトラブルが現れ美肌から遠ざかります。
便秘によるお肌のトラブルは、便をいつまでも溜めておくことで、腸の中で便が腐敗し、腸内細菌の中でも悪玉菌が増え、有害物質が発生することが原因のひとつといわれています。
この有害物質は腸から吸収され、血液中に溶け込み、全身をめぐります。
すると、毒素がからだの基礎代謝や免疫力を低下させ、皮膚常在菌のバランスが崩れて、肌のpHがアルカリ性に傾きます。
そのため、美肌菌であるぶどう球菌が減り、ニキビの原因菌であるアクネ菌が優位となるなど、お肌に悪影響を与えるのです。
さらに、美肌は、食事に含まれるたんぱく質やビタミン、ミネラルなどのはたらきでつくられます。
しかし、こうした栄養素も腸が健やかでなくては吸収されません。
必要な栄養が行き渡らず、線維芽細胞など肌細胞が栄養不足になると、お肌のターンオーバーが滞り、くすみや乾燥肌の原因にもなります。
このように、便秘は美肌の大敵。
お肌を健やかに保つためにも、ふだんの食事や生活習慣を見直し、腸内細菌のバランスを善玉菌優勢の状態になるように、腸にやさしい食事や生活を心がけることが大切です。
また、エイジングケア世代は、年齢とともに腸の老化も進んでしまいます。
すると、腸内細菌のバランスも悪玉菌優勢に傾きがちに。
いつまでも健康で、お肌も若々しくあるためには、腸内環境を整え、腸も若く保つことが重要ですね。
特に2020年以降は、新型コロナウイルス感染予防のための外出自粛で巣ごもり便秘も増えています。
そんな中、食べ物やセルフケアで治らない慢性便秘は病院で治療を受けるようにしましょう。
便秘と美肌の関係については、次の記事を参考にしてください。
*腸内環境を食物繊維や乳酸菌が豊富な食べ物で改善!便秘解消で美肌へ
3)エイジングケア化粧品も良い食べ方で効果アップ
スキンケアやエイジングケアの基本は「保湿」です。
きちんと保湿ケアをすることで、水分、油分のバランスの整った健やかな美肌がキープできます。
私たちのお肌には、もともと天然保湿因子(NMF)やセラミドに代表されるようなうるおいを守る保湿物質(保湿成分)があり、この保湿物質の量が保たれ、正常にはたらくことによって、お肌はきちんとうるおいを蓄えることができます。
さらに、表皮が生まれ変わるしくみであるターンオーバーやお肌を刺激から守るバリア機能など、美肌に大切な機能も正常にはたらくのです。
しかし、加齢によってターンオーバーの周期が乱れたり、バリア機能が低下すると、乾燥やくすみ、ごわつき(角質肥厚)などのお肌のトラブルが現れやすくなります。
さらに、紫外線の影響も受けやすくなり、お肌の老化が進行します。
このように、低下した機能をアップして美肌を保つために、欠かせないのが、正しい保湿ケアです。
正しい保湿ケアとは、化粧水で水分を与えるだけでなく、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分配合のエイジングケア化粧品でお肌の保水力を高めること。
また、油分(エモリエント成分)でフタをすることも美肌づくりには大切です。
こうした、美肌のための外側からのケアをサポートするのが、食事による内側からのケア。
たとえば、ターンオーバーの乱れは、たんぱく質が豊富でバランスのよい食事を摂取することで、周期を正常に戻すことができます。
また、DHA・EPAなどの良質の必須脂肪酸を含む魚介類を積極的に食事に取り入れることで、からだの内側からうるおいをつくり、美肌へと導くこともできるのです。
内側からのケアで肌体力を底上げしておけば、エイジングケア化粧品のお手入れもより効果で美肌を実感できる期待度も高まるのです。
保湿についての詳しい情報は、下記の記事を参考にしてください。
<参考記事>
*乾燥肌は食べ物と飲み物で内側から保湿を!おすすめ10の栄養素とは?
<第2章のまとめ>
食事から摂取する栄養が、からだやお肌をつくります。
健やかなからだや美肌のためには、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、バランスよく栄養素を摂取することが大切です。
また、摂取した栄養素をしっかり吸収してはたらかせるためには、便秘を予防するなど、腸内環境を整えておくことも美肌をもたらすポイントです。
3.アンチエイジングを意識した食べ方で美肌へ
では、次に、美肌づくりのためには、どのような食べ物を摂取すればよいのか、具体的にみていきましょう。
また、食べ方についても考えてみましょう。
1)美肌効果が期待できる肉類
厚生労働省によるとは、40代のエイジングケア世代の女性のたんぱく質摂取量は1日50gです。
適量は年齢や体格によっても異なりますが、30代以上の女性でおおよそ60~100g程度です。
そんなヒトの体内のたんぱく質は、約20種のアミノ酸でできています。
そのうち9種(トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)は必須アミノ酸と呼ばれ、体内でつくれないので食べ物で上手に摂ることが大切です。
一方、アルギニン、アスパラギン、システイン、チロシン、ヒドロキシプロリン、グリシン、プロリン、セリン、アラニン、グルタミンは体内でできる非必須アミノ酸です。
さて、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類は、良質なたんぱく質の供給源。
適切な量を考えた食べ物の摂り方で美肌を作りましょう。
また、脂質やビタミン、ミネラルなども豊富に含む栄養価の高い食品です。
厚生労働省によると脂質の目安は1日40g程度なので、お肉の上手な食べ方で脂質も補うことができます。
たんぱく質は、分解されてアミノ酸となることで、お肌のハリ・弾力を支えるコラーゲンやエラスチン、うるおいを保つNMF(天然保湿因子)の材料になり、いきいきと若々しい素肌や美肌をつくる上では欠かせません。
また、たんぱく質には、お肌のターンオーバーを促進するはたらきもあり、紫外線の影響で溜まったメラニンの排出を促し、シミやくすみを予防して美肌を保ってくれます。
肉類の栄養成分は、種類や部位によって異なります。
牛肉には鉄、豚肉にはビタミンB1、鶏肉の骨や皮にはコラーゲンが豊富。
太るイメージがあるせいで敬遠されがちな肉類ですが、カロリーが気になる場合は、高脂肪のサーロインやバラ肉を避け、ヒレ肉や鶏のささみを選ぶなど食事を工夫し、美肌の材料をしっかり摂取しましょう。
1日に摂る肉類の目安量は、60g~100g(自分の手のひらサイズ、薄切りで2~3枚)です。好みの肉類を野菜と炒めたり、煮たりして主菜として摂りましょう。
2)美肌効果が期待できる魚介類
魚類は、脂質が多くて味が濃厚な、カツオやぶり、まぐろなどの赤身魚、味わいが淡白で、脂質の少ない白身魚、アジやイワシ、さんまなどの青魚に分類されます。
魚介類には、美肌のもとになる良質のたんぱく質のほか、青魚にはEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が、貝類にはタウリンやビタミンB12などの栄養成分が豊富。
さらに、種類によっては、強い抗酸化力のあるアスタキサンチン、抗酸化作用と解毒作用のあるグルタチオンなど、アンチエイジングにも効果的な栄養成分が含まれています。
魚介の上手な食べ方でたんぱく質や脂質を効率よく摂って、美肌をめざしましょう。
注目したい成分のポイントは次のとおりです。
【DHA・EPA】
魚油に豊富に含まれているDHA・EPAなどオメガ3に分類される油は、油脂の摂取が過剰になっている現代人にとって、唯一不足している油といわれています。
DHA・EPAには、血液をサラサラにする効果をはじめ、アレルギーの炎症を抑える、脳の機能低下を防ぐなどの健康効果が期待されています。
魚を焼いたり、煮たりする時間がない方は、魚の缶詰(鯖のみそ煮や鮭の水煮)は、お手軽に魚の油も摂ることができます。野菜と一緒煮つけたり、和えたりして摂られるとよいでしょう。
オイルサーディンやアンチョビなどをサラダやパスタの具材として使用されるのも良いですね。
さらに、美肌にとってもうれしい効果が。
お肌の状態に大きく関わる女性ホルモンのバランスを整えたり、お肌の代謝を促してターンオーバーをスムーズにしてくれるのです。
血行促進のはたらきもあるので、目の下のクマの解消やくすみの改善にも期待できますね。
【アスタキサンチン】
エイジングケア化粧品成分としても知られるアスタキサンチンは、ビタミンEの1000倍ともいわれる強力な抗酸化成分。
活性酸素を抑制し、紫外線による光老化を防いでアンチエイジングに効果を発揮します。
鮭、エビ、イクラなどに多く含まれているので、美肌のためには意識して食事に取り入れたいですね。
【グルタチオン】
グルタチオンとは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸が結合したトリペプチドです。
活性酸素や過酸化物質から細胞を保護する抗酸化物質としてはたらき、また異物を細胞外に排出する解毒作用もあります。
さらに、グルタチオンには優れた美白作用があり、シミやソバカス、色素沈着の予防・改善などの美肌効果が注目されています。
もともと、皮膚にも存在するものですが、加齢とともに減少するため、食事による摂取が必要。
魚介類では、真鱈や赤貝に、またほうれん草やブロッコリーなどにも含まれています。
<参考記事>
3)美肌効果が期待できる野菜・果物
①野菜の食べ方
野菜の1日の摂取量の目安は、成人の場合350gとされています。
これは、21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」において、厚生労働省が提唱した健康を維持するために必要な野菜の摂取目標量です。
そして、350gの内訳として、緑黄色野菜120g以上、淡色野菜230g以上を摂ることが推奨されています。
その点を意識した野菜の食べ方を考えることが大切です。
まず、野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維など、からだやお肌にとって必要不可欠な栄養素が豊富に含まれています。
カロテンの含有量によって、緑黄色野菜と淡色野菜に分類され、可食部100gあたり600μg以上のものを緑黄色野菜と呼んでいます。
トマトのリコピン、にんじんやかぼちゃのβ-カロテンなどの赤い色素、ナスのアントシアニンなどの紫の色素には、強い抗酸化作用があり、からだやお肌の老化抑制が期待できます。
また、ブロッコリーやピーマンには美肌成分ビタミンCが豊富。
お肌のターンオーバーを整え、メラニンの生成を抑える効果もあります。
なお、野菜についての詳しい情報は、「野菜の食べ方で美肌に差がつく!?エイジングケアによい野菜」をご覧ください。
<参考記事>
*ビタミンC不足は毛穴を目立たせ、老化スピードも速めてしまう!
②果物の食べ方
厚生労働省が推進する健康づくり運動「健康日本21」では、果物を一日200g以上摂ることが目標です。
それを意識した食べ方で美肌をめざしましょう。
果物は、ビタミンやミネラルの供給源。
健康維持や美肌づくりには欠かせない栄養成分が多く含まれているので、積極的に摂りたい食品です。
特に、ビタミンCが多く、またビタミンA(レチノール)、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンB群、カリウム、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養成分も豊富。
活性酸素のはたらきを抑える抗酸化作用や免疫力を高める効果が期待できます。
また果物は、生で食べることが多いので、加熱による栄養素の損失も少なく、高い抗酸化作用でシミを予防したり、コラーゲンの生成をサポートするビタミンCの供給源としては必要不可欠なものといえます。
ビタミンCが豊富な果物としては、いちご、グレープフルーツ、キウイ、柿、レモン、オレンジなどがあります。
ビタミンB群は、くり、かんきつ類、バナナ、キウイ、パイナップルなどの豊富です。
体内でビタミンAに変換するプロビタミンAであるβ-カロテンは、柿やびわ、スイカに豊富です。
また、みかんにはβ-クリプトキサンチンが豊富で、この栄養素は、動物実験でがん抑制効果があることが示されています。
ほかにもクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の疲労回復や鉄の吸収を高めるのに効果的な有機酸は、かんきつ類や梅、レモン、ぶどうなどに豊富です。
さらに、ブドウのレスベラトロールをはじめとするポリフェノールは、果物全般に豊富です。
これらの果物を意識して摂ることでアンチエイジングと美肌を目指しましょう。
なお、果物についての詳しい情報は、「フルーツで美肌になる!栄養素と美容効果と食べ方」をご覧ください。
<参考記事>
4)美肌効果が期待できるそのほかの食べ物
今、ご紹介した野菜や果物以外でも食事で美肌を目指すことは可能です。
そんな食べ物をご紹介します。
①豆類で美肌を!
大豆や小豆、そら豆、落花生などの豆類は、炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく含んでいます。
また、美肌やアンチエイジング効果も期待できる食物繊維も豊富。特に、小豆やいんげん豆には、サツマイモの約3倍もの食物繊維が含まれています。
このほか、ポリフェノールやサポニンなどのファイトケミカルと呼ばれる機能性成分も含まれ、活性酸素を無害化して、細胞を酸化から守ってくれます。
一般に知られている大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン様のはたらきをして、更年期障害の不快な症状を緩和したり、骨粗鬆症の予防に効果があるとされています。
ただし、最近の研究では、女性ホルモンに似たはたらきをするのは、イソフラボンから腸内細菌によって生成される「エクオール」という物質にあることがわかってきました。
腸内で、イソフラボンをエクオールに分解できるのは、日本人では約5割ほどだそうです。
そんな方は、美肌の素質が備わっているということですね。
では、イソフラボンをエクオールに分解できない人はどうすればよいのでしょうか?
最近では、エクオール配合のサプリメントも登場していますので、美肌のために試してみることもよいのではないでしょうか。
40代のエイジングケア、50代のエイジングケアには、大豆はぜひ取り入れたいですね。
1日の目安は、豆腐なら1/3丁(100g)、納豆なら1パック、厚揚げなら1個(60g)、枝豆小鉢1杯(60g)女性は、1日1回は、大豆製品をおかずとして摂ることをおすすめします。
ほかにもアーモンドなどのナッツ類もビタミンEが豊富で抗酸化作用があり、美肌に摂りたい食べ物です。
1日あたりの摂取量の目安は、女性20粒、男性22粒程度と考えられています。
アーモンドは食物繊維が多く便秘解消にも効果的ですが、食べ過ぎると下痢をすることも。だから、摂りすぎには要注意です。
<参考記事>
*アーモンドを食べる習慣のある人は顔のシワが少ない?研究結果発表!
*アーモンドミルクの日は5月30日!人気秘密はスゴイ美肌効果
②海藻で美肌を!
ワカメやひじき、昆布などの海藻類は、ミネラルの宝庫といわれ、不足しがちなカルシウムや鉄、カリウム、マグネシウムなどを多く含んでいます。
また、海藻類特有のヌルヌルは、水溶性食物繊維によるもので、主成分はフコイダンとアルギン酸。
これらは、腸内環境を整え、腸のはたらきを活発にして便秘による肌荒れなどを解消してくれるので、美肌効果が期待できます。
さらに、フコイダンは、免疫を活性化してピロリ菌から胃を守ったり、がん細胞の増殖を抑える作用にも注目されています。
③発酵食品で美肌を!
発酵食品とは、食材を微生物の作用で発酵させた加工食品のこと。
日本には、古くから保存の知恵や風味をよくする工夫として、納豆や漬物、鰹節や味噌、醤油といった調味料など、発酵の食文化が根付いています。
また、乳に乳酸菌や酵母を加えて発酵させてつくるヨーグルトも発酵食品の1つです。
キムチも発酵食品の1つです。キムチに含まれる乳酸菌は腸内環境を整えることで知られていますが、キムチ1gに含まれる乳酸菌の量は、1億~数億といわれています。これはヨーグルトと同等の量です。
キムチに豊富に含まれるビタミンB類の成分は特に人間の体の新陳代謝を促します。体の新陳代謝が活発になると、体は体内の老廃物や余分な水分を体外へ排出させるようになります。
その結果、血液の循環が良くなり、むくみなど女性に起りやすい肌の障害も改善されます。
乳酸菌などがたっぷりの発酵食品を摂取することで、自分の腸内細菌を増やすことができ、腸内環境が整います。
また、腸内細菌がつくりだすビタミンの1種であるビオチンは、肌トラブルを防ぐ効果が注目されていますが、偏った食生活などで腸内環境が悪化すると、不足しやすくなってしまいます。
美肌のためには、発酵食品を取り入れた食事を心がけ、腸内環境を整えておくようにしたいですね。
エイジングケアアカデミーでは、「スーパーフードはアンチエイジング・美容・ダイエットに効果!」の記事で、美肌のためのスーパーフードについて、幅広く解説しています。こちらの記事も、ぜひ参考にしてください。
<参考記事>
*「発酵食品で体を元気に!」@健康ラボステーションのセミナーに参加してきました
*ヨーグルトは夜に食べるのが効果的!おすすめの食べ方と乳酸菌の効果
5)季節の合わせた食材を摂る
春夏秋冬がある日本では、季節によって旬の食べ物があります。
旬の食べ物は美味しいだけでなく、栄養素が豊富なことも多いのです。
できるだけその季節に合った食材を上手に取り入れることも美肌によい食べ方の1つです。
ここでは、春夏秋冬と毎月のおすすめの食べ物と美肌レシピの記事をご紹介します。
<春が旬の美肌の食べ物の参考記事>
*春の美肌のために摂りたい!旬の食べ物10選とは?(飯塚美香さん)
*春が来た!3月の肌の栄養になるオススメの食べ物と美肌レシピ
<夏が旬の美肌の食べ物の参考記事>
*8月の暑くて夏バテが気になる季節におすすめの食べ物とレシピ
<秋が旬の美肌の食べ物の参考記事>
*秋の味覚を楽しみたい!10月にオススメの食べ物の種類とレシピ
*晩秋から初冬に美味しく食べよう!11月にオススメの食べ物とレシピ
<冬が旬の美肌の食べ物の参考記事>
*新春1月から栄養を考えよう!1月にオススメの食べ物とレシピ
*厳寒でも春の足音が聞こえる2月にオススメの食べ物と美肌レシピ
<第3章のまとめ>
肉や魚、野菜や果物、海藻など、それぞれの食材には、アンチエイジングに効果的な栄養成分が含まれています。
からだやお肌にとって、その栄養成分がどのようなはたらきをするのかを理解することが、美肌づくりにつながります。
また、カロリーを気にして肉類を控えたりすることは、たんぱく質の不足を招き、美肌にとってはマイナスに。
食事は、それぞれの栄養素を過不足なく、バランスよく摂取することが大切です。
また、季節の旬の食材を摂ることも美肌にための食べ方の1つです。
4.美肌のための飲料や嗜好品
美肌のためには、ほかにも水、飲料、嗜好品などを上手に取り入れましょう。
1)水は美肌の源
水分は、成人のからだの約60%を占め、私たちの生命維持にとってとても大切です。
また、水は健康やアンチエイジングに加え、美肌やエイジングケアにも深く関わっています。
たとえば、表皮の角質層には20~30%の水分があれば健康な状態なので、水分の蒸発を防ぐための乾燥肌対策が重要です。
そんな水は食べ物や飲み物で補うことが可能です。
厚生労働省によると、成人が1日に必要とする水分量は2.5Lです。もう少し細かくいうと、必要水分量は年齢や体重で異なります。
例えば、年齢が60歳で体重60kgの場合の必要水分量は1.8Lです。年齢が25歳で体重50kgの場合は、必要水分量が2.0Lとなります。
水は「硬度」によっていくつかの種類に分かれ、また炭酸水や水素水なども登場しています。
それぞれの水の成分や特徴を理解するとともに、適切な量や温度、飲むタイミングなども考慮して効果的に摂取しましょう。
水の種類や特徴について詳しくは、「水を飲んで美肌・美容の効果アップ?水でアンチエイジング!」をご覧ください。
2)コーヒーや緑茶で美肌とアンチエイジング
コーヒーや緑茶などには抗酸化成分が含まれているので、上手に飲めば美肌やアンチエイジングにメリットがあることがわかっています。
コーヒーに含まれるポリフェノールの1種であるクロロゲン酸の抗酸化作用で、心臓の病気、認知症、がんなど、老化と関係する病気の予防効果が期待できます。
また、シミの予防やくすみのない透明感のあるお肌をキープすることにも期待ができます。
一方、飲み過ぎは、ニキビを悪化させたり、乾燥肌の原因になることもあります。
1日の目安量は5杯までにされると良いでしょう。
緑茶に含まれるポリフェノールの1種であるカテキンやビタミンCの抗酸化効果で、メタボリックシンドローム、肥満、生活習慣病、がん、認知症などの予防効果が期待されています。
また、緑茶を飲むことで、酸化による肌老化を防ぎ、美白作用によるシミのない透明感のあるお肌をキープすることができます。
しかし、飲み過ぎはカフェインの摂り過ぎになることもあるので、夜飲みすぎると不眠の原因になるリスクもあります。
コーヒーや緑茶についての詳しい情報は、「コーヒーで美肌をつくる?美容効果とアンチエイジング!」や「緑茶の美肌・美容効果とアンチエイジングへのメリットは?」をご覧ください。
3)お酒も飲み方次第で美肌に
お酒は、過剰に飲むことで健康を害するだけなく、お肌の老化の原因にもなってしまいます。
一方、適量を飲めば、コミュニケーションを円滑にするだけではなく、からだやお肌にもよい影響を与えます。
たとえば、赤ワインにはアントシアニンやタンニン、カテキンやレスベラトロールなど、多くのポリフェノールが含まれているので抗酸化作用があります。
日本酒の原料であるコウジ酸には、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制するはたらきのほか、保湿効果もあります。
そんなお酒については、「お酒の飲み方と成分を知って美肌に!エイジングケアの視点」をご覧ください。
<参考記事>
*科学的根拠あり。お酒を飲むと、ラーメンや甘い物が食べたくなる理由
4)ダークチョコは美肌になれる?
ダークチョコレートに多く含まれるカカオには抗酸化作用があるので、美肌・美容、アンチエイジング、健康によい効果が期待できます。
カカオの抗酸化作用でお肌の老化の予防や乾燥肌の予防が可能です。
また、生活習慣病の予防、便秘の予防、脳の活性化、アレルギーの軽減など、健康やアンチエイジングにも効果が期待できます。
そんなダークチョコについては、「カカオが豊富なダークチョコレートで美肌・健康とアンチエイジング!」をご覧ください。
<参考記事>
*お酢で始める!美肌もダイエットもできる欲張り習慣(飯塚美香さん)
*ほうれい線を予防・改善する食べ物・飲料・栄養素と食べ方は?
*紫外線対策の食べ物と飲料!日焼けや肌老化を防ぐ7つの栄養素とは?
*ソラレンを含む食べ物で紫外線による日焼けがしやすくなるのはなぜ?
*老化に影響大の「オーラルフレイル」。危険性がある人は5割超え!
<第4章のまとめ>
水、コーヒー、緑茶、お酒などの飲料やカカオを豊富に含むダークチョコレートは、上手に取り入れれば健康、アンチエイジング、美肌の味方です。
適量と摂り方を知って、美肌のために活用しましょう。
5.美肌のための食事の食べ方や順番
からだの健康や美肌づくりのためには、どのような食べ物を食べ、どのような栄養素を摂取するのかという、食事の内容がとても重要であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
さらに、同じ食事でも「食べ方」や「調理法」を工夫したり、「食材の組み合わせ」を意識するだけで、健康はもちろん、お肌の老化予防にもつながるといいます。
ここからは、より健やかな美肌に近づくための、賢い食べ方をご紹介します。
1)美肌のための食べ方の順番
エイジングケア化粧品にも使う順序があるように、美肌のためには食べ物にも効果的な食べ方の順番があります。
その食べ方とは、食事の最初に野菜を食べる「ベジタブルファースト」。
野菜の食物繊維があとから食べるご飯やパンに含まれる糖の吸収を遅らせ、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることで肥満や糖尿病を予防し、さらにエイジングケアにも有効といわれています。
では、美肌のためのベジタブルファーストの具体的な効果とおすすめの食べ方を説明します。
☆お肌の糖化を予防
実は、食後の高血糖状態は、処理しきれない糖がコラーゲンなどのたんぱく質と結びつき、「糖化」を引き起こしてしまいます。
糖化とは、からだの中のたんぱく質と余分な糖が結びつき、たんぱく質が劣化変性してしまうこと。
劣化したたんぱく質は、「終末糖化産物(AGEs=Advanced Glycation End Products)」と呼ばれています。
AGEsは強い毒性を持ち、お肌だけでなくからだ全体の老化を進める物質。
私たちのからだのほとんどはたんぱく質でできているので、髪からつま先までAGEsは体内のあちこちに溜まり、健康、美容に大きなダメージを与えます。
つまり、AGEsは、美肌の大敵です。
たとえば、お肌で糖化が起こると、真皮にあるコラーゲンやエラスチンの構造を壊すため、お肌は弾力を失ってハリやツヤのない状態に。
また糖化による老廃物が皮膚細胞内に溜まり、くすみやいちご鼻、角栓の原因にもつながります。
ベジタブルファーストは、こうした美肌の敵ともいえる「糖化」を防ぎ、しわやたるみ、くすみの予防になるといわれています。
糖化については、下記の記事も参考にしてください。
*糖化はからだや肌の老化の原因!健康と美肌のための対策の基本
☆最初に野菜、きのこ、海藻を!
美肌のためのおすすめの食べ方は、まず野菜やきのこ類、海藻類といった食物繊維量の多いものを食べること。
その次に肉や魚などのたんぱく質、最後にご飯などの炭水化物の順です。
野菜類は5分ほどかけて食べ、野菜を食べ始めてから10分以上空けて炭水化物を食べるのがポイントです。
野菜は、食物繊維の多い野菜を選び、吸収スピードの遅い生野菜で食べるのが糖化対策にはよりよい食べ方です。
また、食事の最初に、野菜スティックをかじったり、サラダを食べたり、具だくさんの野菜スープを飲むのも美肌のためにおすすめです。
2)美肌のための調理方法
☆野菜は温野菜にして美肌を目指そう
ビタミン豊富な緑黄色野菜は、加熱して温野菜にしたほうが効率よく栄養素を摂取できます。
また、お肌の代謝をあげる効果も期待できるので、美肌をもたらす期待度もアップ。
ビタミンCは水溶性のため、水に溶けやすく熱に弱いという性質があります。
洗うときには手早く、調理法としては、茹でるより蒸したほうがビタミンCを多く摂取できます。
生のほうれん草が含むビタミンCを100%とすると、茹で時間1分で残存率74%、2分で残存率は61%、3分で残存率は48%、5分で残存率は40% に減少すると言われています。
ラップで包みレンジで2分加熱するのが、一番ビタミンCが失われないと言われています。
ビタミンCは、コラーゲンを増やす美肌効果が期待できるので、効率的に摂るようにしましょう。
☆高温加熱を避けて美肌を目指そう
からだやお肌の老化を進めるAGEs(終末糖化産物)は、高温で調理することによって発生しやすくなります。
生成を抑えるためには、たんぱく質が変性しない40〜50℃くらいの温度で調理するのがポイント。
炒め物なども、加熱しすぎないよう、手早く済ませることが美肌づくりには大切です。
3)美肌のために取り入れたい食べ方
ちょっとした食べ方の工夫や心がけで、栄養の吸収率がアップしたり、肌トラブルの予防や改善効果が期待できます。
毎日の食事に取り入れたい美肌のための食べ方を紹介します。
①腹八分目で美肌を
おなかがいっぱいになるまで食べないようにする「腹八分目」。
昔から、からだによい食べ方といわれていますが、それにはちゃんと根拠があります。
満腹になるのを防ぐと、肥満予防になるのはもちろん、カロリーを抑えることで老化のスピードをコントロールするといわれている長寿遺伝子がはたらき、若々しさを保つことができるのです。
長寿遺伝子は、サーチュイン遺伝子とも呼ばれます。
すべての人が持っている遺伝子で、細胞の損傷を防いだり、エネルギー産生に関わる重要な役割を果たしています。
ふだんは体内で眠っているため、この遺伝子をはたらかせるには、スイッチをONにする必要があります。
では、どうすればスイッチが入るのかというと、ひとつには、食事を30%程度カットすること。
つまり、腹八分目(腹七分目ともいわれていますが)によって、長寿遺伝子がONモードに切り替わり、エイジングケア効果が期待できるのだそうです。
また、おなかいっぱいに食べ過ぎると、食べ物を消化するため、たくさんの消化酵素を使うことに。
腹八分目で消化酵素を節約すれば、代謝酵素とのバランスを整えることができ、新陳代謝を促して肌荒れやむくみ予防といったトラブル防止につながります。
運動によって、筋肉を収縮させることも長寿遺伝子を活性化させるので、じんわり汗ばむくらいの運動を、毎日の生活に無理なく取り入れましょう。
このように、腹八分も美肌のために取り入れたい食事法です。
②よく噛んで美肌を
食べ物をしっかり咀嚼することで、食欲を抑える物質・ヒスタミンが分泌され、脳にある満腹中枢が健全にはたらいて、食べ過ぎを防ぎます。
よく噛んで食べると太りにくいといわれるのは、このためですね。
また、よく噛んで胃酸の分泌量が増えると、腸での吸収率もアップします。
噛む回数が多いと、唾液中の消化酵素アミラーゼの分泌も多くなり、消化を助け腸内環境を整えたり、口周りやあごの筋肉が鍛えられるので、たるみを予防してすっきりフェイスラインに。
さらに、血流がよくなることで、冷え性が改善し、目の下の青くまやお肌のくすみが取れるといった美肌効果も期待できます。
噛む回数を増やすためには、よく噛む食材を選ぶことも大切ですね。
口の中の食材がなくなってから次の料理を口に運ぶことを意識することもよく噛む習慣につながります。噛む時は、箸を箸置きに置く習慣をつけてみましょう。
根菜類、豆類などのかたいもの、イカ・タコ・こんにゃくといった弾力のあるもの、海草やキノコなど繊維質の多いものなどを食事に取り入れ、美肌に役だててはいかがでしょうか?
③適切な時間に食べて美肌を
夜8時以降の食事は、脂肪をため込む指令を出す遺伝子が増えるため、太りやすいといわれています。
肥満予防だけでなく、夜遅い食事は美肌にとってもよくありません。
というのも、血糖値が高いままで眠ってしまうと、睡眠中に肌ダメージを修復したり、再生したりする成長ホルモンの分泌を妨げてしまうから。
就寝の2時間前までには夕食を済ませるなど、お肌にとってのやさしい食べ方をこころがけたいですね。
④効果的な食材を組み合わせて美肌を
食事は、食材の組み合わせによって、吸収率がアップしたり、逆に低下することもあります。
食材の持つ栄養成分がからだの中できちんとはたらかせる組み合わせを紹介しますので、ぜひ、美肌に役立ててくださいね。
◎きのこ類は乳製品といっしょに食べて美肌を
骨を丈夫にし、免疫力を高めたり、お肌をリカバリーするビタミンD。
きのこ類に豊富なビタミンDは、カルシウムの吸収率をアップするため、乳製品と摂るのがよい食べ合わせです。
牛乳をたっぷり入れた、きのこと鶏肉のホワイトソース煮やスープがおすすめです。
◎緑黄色野菜は油といっしょに食べて美肌を
にんじんやほうれん草などに多く含まれるβカロテンは、脂溶性のビタミンです。
油といっしょに摂ると吸収率が高まるため、炒め物にしたり、油分を含むものといっしょに和えると効果的です。
ほうれん草をバターやオリーブオイルでソテーしたり、ゴマやくるみも油の仲間ですので、和えてお浸しにしてみましょう。
◎牡蠣はレモンといっしょに食べて美肌を
女性に不足しやすいミネラルといえば、亜鉛や鉄。
たとえば、亜鉛はお肌のターンオーバーを整え、コラーゲン合成の吸収率を材料になります。
吸収率を高めるためには、ビタミンCといっしょに摂ること。
亜鉛を多く含む牡蠣を食べるときには、レモンを添えるといいでしょう。
◎肉類は食物繊維といっしょに食べて美肌を
肉類は、部位によってはコレステロール値が高いものがあるため、食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻などといっしょに摂りましょう。
<参考記事>
*食べてもお腹が空くのはたんぱく質不足!プロテインレバレッジ仮説
<第5章のまとめ>
食事の内容は、お肌の状態を左右しますが、同じ食事内容でも、食べる順番や調理方法、食べ合わせの工夫などで、病気やお肌の老化を予防することができます。
特に、糖尿病の原因になったり、シワやくすみなどのエイジングサインを引き起こす「糖化」は、美肌の大敵。
食べ方の順番によって老化を防ぎ、健やかな美肌を目指しましょう。
6.美肌のためのサプリメントの種類と摂り方
最近では、美肌のサプリメントがたくさんあります。
含まれる栄養素もさまざまで、アミノ酸、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリン、ビタミン類、ミネラル類、女性ホルモン様成分、コエンザイムQ10、プラセンタエキス、スクワラン、レスベラトロールなどの抗酸化成分、EPAやDHAなどn-3系脂肪酸などがあります。
そんな中で、コラーゲンの研究はかなり進んでいて、エビデンスも増えています。
とはいっても、あくまで食べ物で補いきれない栄養素を補助的に補うものです。
そんなサプリメントは、いつどのように摂っても良い場合が多く、適正量はそれぞれの注意書きなどをチェックしましょう。
ポイントは、美肌や健康維持のためには、続けることです。
毎食後に一日の目安量を分けて飲む、朝食後に飲むなどと自分でルーティンを決めておくことがコツです。
<美肌とサプリメントの栄養素の参考記事>
*プルプル美肌になる!コラーゲンサプリメントの種類と選び方のコツ
*コラーゲンはなぜ必要?その解説とおすすめコラーゲンサプリご紹介!
*コラーゲンをサプリメントで摂れば効果的。エビデンスを知って美肌に!
*毛髪に朗報!ノニと魚由来コラーゲン入りドリンクで抜け毛が減った
<美肌の食べ物を考える参考書籍>
*コラーゲン完全バイブル(真野博 著、株式会社 幻冬舎メディアコンサルティング)
*医者が教える食事術 最強の教科書-20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68 (牧田善二 著、株式会社ダイヤモンド社)
*石原結實の病気を治す「野菜力」 (石原結實 著、株式会社ナツメ社)
*便活ダイエット ~便秘外来の医師が教える、排便力がアップする11のルール~(小林弘幸 著、株式会社ワニブックス)
*医者が教える最高の美肌術(小林暁子 著、株式会社アスコム)
7.まとめ
食事と美肌の関係について、食べ物の摂り方を中心に幅広く説明しました。
美肌を手に入れるためには、エイジングケア化粧品でお手入れするのと同様、食事の面でのエイジングケア習慣の大切さをわかっていただけたのではないでしょうか。
また、ふだん何気なく食べている食事も、ちょっとした「食べ方」への気配りで、健康の維持はもちろん、美肌づくりへの効果がアップします。
ぜひ、毎日の食事にお役立ていただき、内側からの美肌づくりを実践してくださいね。
この記事「美肌のための食事のとり方とアンチエイジングへの効果は?」が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。
参考文献:
「正しいエイジングケア事典」(吉木伸子 著)高橋書店
「いちばんわかるスキンケアの教科書」(高瀬聡子・細川モモ 共著)講談社
「新しい実践栄養学(落合敏 著)」主婦の友インフォス情報社
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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