エクオールは、女性の美肌と健康に欠かせない成分。
特に、アンチエイジングを目指すエイジングケア世代の女性の美容にとても大切です。
大豆イソフラボンが腸内細菌の力を借りてできますが、体内でつくれる人とつくれない人がいることから、サプリメントなどで補うことが必要です。
この記事では、エクオールとは何か?摂り方、効果や副作用、サプリメントの選び方などについて幅広くご紹介します。
- エクオールとは、大豆イソフラボンの1種であるダイゼインが腸内細菌のはたらきによって変化することで生まれる成分です。エストロゲンに似たはたらきをします。
- エクオールは、体内でつくれる人、つくれない人がいますが、日本人ではつくれる人は30%~50%です。つくれるかどうかは、尿検査で簡単に測定できます。
- エクオールには、美肌効果、更年期障害を抑える効果、生活習慣病を抑える効果など、からだに良い効果が期待できます。だから、特にエイジングケア世代の女性に大切です。
- エクオールをつくれない方は、サプリメントを飲むこともおすすめです。口コミやランキングだけに頼らず、エクオールの量、品質、安全性、信頼性、価格などを比較して選びましょう。
- 健康や美肌をキープするには、エクオールだけに頼らずに食生活、適度な運動、質の高い十分な睡眠などへの総合的な取り組みが大切です。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
CONTENTS
1.エクオールで美肌と健康を目指したいあなたへ
「エクオールとサプリメントのランキングに頼らない選び方」をお届けします。
最近話題の成分「エクオール」という名前を聞いたことがあるでしょうか?
女性ホルモンの1つであるエストロゲンと似たはたらきがある成分です。
そのため、女性の健康増進や美肌が期待できる成分として注目を浴びています。
エクオールはエイジングケア化粧品の成分ではありませんが、からだの内側からアンチエイジングをサポートする成分です。
さて、女性ホルモンといえば、大豆に含まれるイソフラボンが有名で、食べることで健康の増進効果があることが、よく知られています。
そんな効果をより正確に調べるために、厚生労働省研究班ではいくつかの疫学研究などが行われてきました。
研究の報告では、食品からのイソフラボン摂取量が多いほど
- 女性の乳がんや脳梗塞、心筋梗塞のリスクが低下する
- 男性の一部でも前立腺がんのリスクが低下する
といった結果が出ています。
そして、最近、大豆のイソフラボンの健康効果は、個人差があることがわかってきたのです。
その理由として、食事から摂った大豆のイソフラボンがそのまま吸収される人と、エクオールという成分に変化してから吸収される人がいることが判明したのです。
研究では、エクオールという成分に変化してから吸収される人のほうが健康や美肌の効果が高いことから、イソフラボンよりエクオールのほうがより高いエストロゲン活性を持つことがわかったのです。
この記事では、エクオールの摂り方、効果や副作用、サプリメントなどについて幅広くご紹介します。また、口コミやランキングだけに頼らない選び方のコツもあわせて紹介します。
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エクオールをつくれる人とつくれない人で若さに差がつくってホント?
2.エクオールとは?
1)エクオールとはどんな成分?
エクオールとは、大豆イソフラボンの1種である「ダイゼイン」から腸内細菌によって代謝されることで生み出される成分です。
女性の味方と呼ばれている大豆イソフラボンは、その構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ています。
そのため、女性ホルモンに似たはたらき(女性ホルモン様作用)があり、女性の更年期症状の緩和や骨密度の維持に対する効果が期待されます。
エストロゲンの減少した体内で、エクオールがエストロゲン受容体(レセプター)に入ることによって、エストロゲンとよく似た作用を発揮します。
そして、大豆イソフラボンのままよりも女性ホルモン様の強いはたらきをすることから、注目度が高まっているのです。
エストロゲンには、エストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類があり、これらはステロイド性ですが、エクオールは非ステロイド性のエストロゲンです。
また、一度できると変化しない非常に安定した分子です。
だから、代謝を受けないので、体内に素早く吸収されるのです。
2)エクオールはどのようにしてできるの?
エクオールの産生には、イソフラボンの1種であるダイゼインと腸内フローラ(腸内細菌叢)が関係しています。
大豆に含まれる主なイソフラボンには、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインがあります。
このうち、エクオールに変化するのはダイゼインだけです。
一方、ヒトの大腸にはさまざまな腸内細菌が生息しており、種類ごとにまるでお花畑(フローラ)のようにグループを形成してまとまっているのです。
これを腸内フローラまたは腸内細菌叢と呼びます。
そんな腸内フローラの中には、ダイゼインをエクオールに変換してくれるはたらきを持つ「エクオール産生菌」と呼ばれる菌がいます。
このエクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌を持っている人は、エクオールをつくることが可能です。
エクオール産生菌は1種類ではなく、2018年現在では、約15種類が確認されています。
3)エクオールはどのくらい必要?
エクオールの1日あたり必要量の目安は約10mgです。
体内で、エクオール10mgを産生するためには、約50mgの大豆イソフラボンが必要といわれています。
エクオールは体内で蓄積することができないので、毎日大豆イソフラボンを摂取したり、サプリメントで補給する必要があります。
栄養成分の一つなので、たとえサプリメントを飲んだとしても速効で効果が出るというものではなく、摂り続けることで良い効果を期待することができるものです。
3.エクオールをつくれる人とつくれない人
1)エクオールをつくれない人とは?
ダイゼインをエクオールに換えてくれるエクオール産生菌ですが、生まれつき持っている人といない人がいます。
エクオールをつくれる人の割合は日本人で30%〜50%程度。
欧米人の場合は、20~30%程度です。
日本は、世界的に見てエクオールをつくれる人の割合が多いといえます。
日本以外では、中国や韓国など、大豆製品をよく食べている地域でエクオール産生者が多いのです。
もともと、日本人女性の更年期障害などの発生率の低さには、大豆製品をよく食べる食生活が関わっていると考えられてきました。
しかし、同じように大豆イソフラボンを摂取しても、更年期障害の改善など目に見えた変化が確認できない人もいたことから疑問に思われていたのです。
その疑問を解決してくれたのがエクオールでした。
つくれる人、つくれない人の違いを考えると、効果に違いがあることも説明できます。
2)つくれない人が増えている?
①食生活の欧米化の影響?
人間は、生まれた時は腸内細菌を持っていません。
生後、いろんな食べ物を摂ることで、徐々に腸内細菌の集団が形成されます。
日本では、伝統的な和食に大豆製品がよく使われていることから、大豆食の習慣がない欧米人に比べて、日本人はエクオール産生菌を持つ人が多いと考えられています。
また、エクオールは女性しかつくれないと誤解されている方がいますが、男性でもつくることができます。
日本人の食生活事情から欧米人よりもエクオールをつくれる人の比率が高いのですが、若い世代ではその比率が低いと考えられています。
若い世代では3人に2人がエクオール産生菌を持っていないとされているのです。
なぜ若い世代ほどエクオールをつくれる人が少ないのかに関しては、まだまだ研究段階で詳しいことはわかっていません。
考えられる理由として、食生活による腸内環境の違いや、大豆製品の摂取量が影響しているのではないかと推測されています。
近年、食の欧米化により、昔と比べると大豆製品そのものを食べる機会が少なくなりました。
平成28年の「国民健康・栄養調査」によると、豆類の摂取量は、20-29歳で52.0gだったのに対して、50-59歳は63.0gと若い世代に比べて摂取量が多くなっています。
同じ日本人でも、食事や生活習慣の違いが年代によってあることから、エクオール産生菌の有無に違いが生じているのではないかといわれています。
②大豆食品を摂ってエクオールをつくろう!
ところで、厚生労働省が推進している「健康日本21」の数値目標では、1日あたり豆類100gを摂取することが目標として掲げられていることをご存知でしょうか?
エクオール産生菌を持っている人も、大豆製品を摂取しなければエクオールをつくり出すことはできません。
食生活を見直して、大豆製品を積極的に摂取することが大切です。
<参考記事>
*「発酵食品で体を元気に!」@健康ラボステーションのセミナーに参加してきました
4.エクオールをつくれるかチェック!
1)自宅でもできるエクオール検査
女性の美肌や健康に大切なエクオールですが、今ではエクオールをつくれているかどうかを、尿検査で簡単に調べることができます。
2018年現在は、比較的リーズナブルな価格でエクオール検査ができるようになっています。
有名なところでは、名古屋大学発ベンチャーのヘルスケアシステムズが提供するエクオール検査「ソイチェック」があります。
4,000円程度のお値段で検査が可能です。
検査方法はとても簡単。
検査キットを自宅へ取り寄せて、尿を採取して郵送することで、尿中のエクオール量を測定してもらえるのです。
自分がエクオールをつくれる体質なのかどうかだけでなく、エクオールの生産量が十分なのかまで含めてチェックすることができるのです。
検査を受けることによって、自分がエクオールをつくれるかどうかを確認することは、自分のからだのタイプを知ることができ、また更年期障害などへの対策を立てやすくなる点からも有益です。
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2)病院やクリニックでもできるエクオール検査
ソイチェックによるエクオール検査は、病院やクリニックの内科や婦人科などでも受けることが可能です。
エクオール検査の結果がわかるだけでなく、医師から適切なアドバイスを受けられるメリットがあります。
ただし、検査結果を確認するために2週間後に再受診することが必要です。
それでも更年期症状で悩んでいる方は、病院やクリニックを受診するほうが良いでしょう。
ただし、現時点では、検査自体は健康保険が適用されないため、費用は全額自己負担です。
検査費用は、病院やクリニックで違いますが、数千円からが相場のようです。
病院によっては検査を行っているところと行っていないところがありますので、事前に電話などで調べてから訪れることをオススメします。
また、検査キットは、一部の薬局で購入することも可能です。
ドラックストアを1件ずつ調べることが大変という方は、楽天やアマゾンなど通販でソイチェックを取り寄せる方法がオススメです。
値段は4,000円程度です。
このようにエクオールの検査は、いくつかの方法があるので自分に合ったものを選びましょう。
女性はライフステージでさまざまな健康上の問題に直面することもあるので、かかりつけ医がいるとこうした検査の相談も可能です。
<参考記事>
*女性のライフステージ別の健康のために婦人科かかりつけ医は大切
*メノポーズ週間に女性ホルモンによる肌悩みと体調不良を考えよう!
3)エクオール検査の注意点
エクオール検査を受ける時の注意点がいくつかあります。
まず、女性の場合生理期間中は検査が受けられません。
また、検査前は大量の水分の摂取は避ける必要があります。
検査キットに書かれた注意事項をよく読んで、間違いなく行うことが大切です。
検査結果は、基本的に2週間前後で届きます。
5.エクオールの美肌への効果
1)肌老化と女性ホルモン
エクオールの美肌効果をご紹介する前に、お肌の老化と女性ホルモンの関係についておさらいしましょう。
その下の皮下組織まで含めると三層構造です。
真皮は、全体の70%程度をコラーゲンが占めており、お肌を支えてくれています。
しかし、加齢にともない真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどが減少したり質が落ちてしまうと、肌のハリや弾力がなくなり、老化の症状が進むのです。
実は、エストロゲンはコラーゲンをつくるはたらきをサポートしていますが、40代半ばになると急激に減少してしまいます。
つまり、エストロゲンの減少がお肌の老化の原因の1つなのです。
また、表皮のターンオーバーも加齢によって遅くなりますが、エストロゲンや植物エストロゲンであるイソフラボン類のダイゼインを摂ることで正常化することが示唆されています。(*)
(*)女性ホルモンが皮膚のターンオーバーに及ぼす影響の検討-表皮細胞の生成・成熟・剥離過程に及ぼすエストラジオールの効果
2)エクオールで美肌に!
エクオールは、体内で女性ホルモンのようにはたらくことが確認されています。
女性特有の2つのホルモンとして黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)がありますが、お肌や頭皮を若々しく保つ作用があるのが卵胞ホルモン(エストロゲン)です。
エストロゲンは、生理後に分泌が高まるホルモンであり、肌をみずみずしく保つはたらき、つまり保湿やコラーゲンを増やすなどの作用があります。
本来、妊娠や出産のためのホルモンなので、20代の頃はもっとも分泌が活発です。
しかし、体内のエストロゲンの分泌は30代後半から減り始め、閉経を迎えると急激に低下してしまいます。
エクオールを摂取することで、エストロゲンの分泌量低下による影響を緩和し、肌の老化がゆるやかになるのです。
抗酸化作用があるので、肌のエイジングケアに効果があります。
また、肌のターンオーバーを活性化してくれることから、健やかな美肌のサポートができるのです。
エクオールを体内でつくり出せる人であれば、大豆製品を摂ることで、結果的にエクオールをつくることが可能です。
しかし、体内でエクオールをつくり出せない方の場合は、エクオールそのものをサプリメントで補う必要があります。
そのため、肌のエイジングサインが出始める30代ころから、エクオールサプリメントを摂取することをオススメします。
もちろん、エクオールだけでなく、化粧品でもエイジングケアを取り入れることで、より一層の効果を期待することができます。
早め早めに対策することが、美肌を保つコツです。
3)エクオールでしわが改善?
エクオールにはシワの進行を抑える効果が認められています。
エストロゲンの分泌量が低下した閉経後5年未満の女性グループに、エクオールサプリメントを12週間毎日摂り続けてもらったところ、目尻のしわの進行が抑えられたという研究結果が出ているのです。
ターンオーバーを促進することによって、肌の新陳代謝が良くなり、シワやシミの改善効果も期待できます。
ターンオーバーの周期は、28日程度と考えられていますが、これは20歳代の女性の場合です。
30~40歳代では1ヶ月以上といわれています。
50代、60代、70代と年齢を重ねれば、さらにターンオーバーは遅くなります。
周期が遅くなるのは自然なことなので、年齢を考えて、正常な周期でターンオーバーが行われるようにサポートをすることが大切です。
もちろん、シワが目立つ原因には、女性ホルモンの減少だけでなく紫外線のダメージや食生活バランスの乱れ、睡眠不足やストレスなどもあげられます。
深いシワを消すことはできません。
体や生活に気を配って日常の生活習慣のあり方やスキンケアを見直すことも大切です。
スキンケアは、年齢を重ねたら早めにエイジングケア化粧品を使うことで、シワ対策を行いましょう。
シワ対策のエイジングケア化粧品の選び方は、次の記事を参考にしてください。
*シワ対策のエイジングケア化粧水!選び方の3つのポイントと使い方
6.エクオールの健康増進や病気予防への効果
<加齢による女性ホルモンの変化>
1)更年期障害への効果
①更年期障害とは?
女性なら誰もが「更年期」を経験します。
更年期とは、閉経を挟んだ前後約10年間のことです。
日本人女性の場合、だいたい50歳前後で閉経を迎えることが多いとされています。
更年期障害とは、この更年期に現れるさまざまな不調をさします。
更年期における不調には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの急激な減少が影響しています。
日本産科婦人科学会によると、更年期障害の症状は大きく分けて3つに分類されます。
- 自律神経失調症状:のぼせ、汗、寒気、冷え症、動悸、胸痛、息苦しさ、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい
- 精神症状:イライラや怒りっぽいなどの情緒不安定、抑うつ気分
その他の症状:腰痛や関節痛、嘔気や食欲不振、皮膚の乾燥感やかゆみ、尿が近く外陰部の不快感
このように多彩な症状がみられますが、これらがほかの病気の症状ではないことが、更年期障害の条件になります。
②エクオールの更年期障害への効果
更年期の女性を対象として、尿中のイソフラボン類の排泄量と更年期症状について調べたところ、大豆そのものに含まれているイソフラボン(ダイゼインやゲニステイン)の尿中排泄量と更年期症状の重い軽いには差が見られませんでした。
一方、尿中のエクオール量だけは、更年期症状の重い人のほうが低いという結果となりました。
これは、エクオールをつくれる人は、更年期症状が軽い人が多かったということを示しています。
この研究のほかにも、エクオールが更年期のホットフラッシュ(ほてり)や首や肩のこりを和らげるという研究結果が報告されています。
大豆イソフラボンやエクオールは、腸から吸収されて体内で作用した後、1~2日程度で尿から排泄されます。
だから、大豆は毎日食べることが大切です。
体内にエクオール産生菌が十分にあってエクオールがつくられれば、辛い更年期障害の症状を緩和したり予防することが可能です。
しかし、研究結果から体内にエクオールが少ない人は、更年期障害が重くなりがちであることが示唆されています。
そんな方は、エクオールを適度に摂ることができれば、更年期障害の改善効果が期待できます。
ところで、お肌にも季節の変わり目などで敏感肌になるゆらぎ肌がありますが、体調がゆらいでしまう更年期を、ゆらぎ期とも呼ぶこともあります。
ゆらぎ期にはエクオールを上手に摂り入れたいですね。
2)生活習慣病への効果
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、血圧やコレステロールの調整をするだけでなく、血糖値の上昇を抑える作用があります。</p.
だから、女性ホルモンが急激に減少する更年期以降は、メタボリックシンドロームになりやすい傾向があります。
メタボリックシンドローム(Metabolic syndrome)とは、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態のことで、最近では「メタボ」と呼ばれることが多くなっています。
メタボリックシンドロームを引き起こすと、生活習慣病を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
主な生活習慣病として、悪性新生物(がん)、心疾患、高血圧症などがあげられます。
特にがんで亡くなる人は多く、平成28年の死亡原因の第1位です。
こうしたことから、生活習慣病の予防は、更年期やそれ以降のQOL(Quality of Life = 生活の質)を維持していく上でとても大切です。
試験結果によると、エクオールは動脈硬化などのリスクを示すLDLコレステロールの減少を促し、糖尿病のリスクを示すHbA1cという指標に好ましい影響を与えることがわかっています。
生活習慣病の予防のためにも、エクオールを定期的に摂取することが有効です。
なおエクオールには、食欲を抑える作用があるほか、悪玉コレステロールを抑えるはたらきも確認されています。
ダイエットなどが気になる方にもオススメの成分です。
3)骨粗鬆症への効果
骨粗鬆症患者の9割は女性です。
骨粗鬆症も女性ホルモンの減少が関係しています。
女性ホルモンには、骨からカルシウムが溶け出してしまうことを押さえる効果があるので、女性でも30代や40代では比較的骨は丈夫です。
しかし、女性ホルモンの分泌が低下する更年期以降、骨量は年間約2%減っていくことが確認されています。
だから、高齢の女性ほど、骨は弱くなるため骨粗鬆症になりやすいのです。
そんな骨粗鬆症に対して、大豆イソフラボンはそのエストロゲン様作用によって、骨からカルシウムが溶け出すことを押さえるはたらきをすることから、予防効果が期待できます。
更年期以降の女性に2年間、毎日豆乳500ml(イソフラボン量で約100㎎)を飲んでもらう試験を行った結果、次のデータが得られました。
- イソフラボンを摂らないグループは骨密度が約4%低下した。
イソフラボンを摂ったグループは低下しなかった。
この改善の効果は、エクオールをつくれる人のほうが、良い成績が得られたのです。
このことから、エクオールには骨粗鬆症の進行を抑える効果が期待できることがわかります。
なお、骨粗鬆症は早期診断、早期治療が大切です。
骨密度は、見た目にわかるものではないので、40歳を過ぎたら病院やクリニックで定期的に骨密度検査を受けることを推奨します。
特に閉経後なら、年に1回程度は骨密度検査を受けるようにしましょう。
もし骨密度の減少が確認されても、早めに治療を開始するなど有効な対策を取ることができます。
4)顔のたるみの予防も期待できる?
顔のたるみは、エイジングや紫外線ダメージに加えて、肌の酸化や糖化が進むことで、肌の真皮が衰えたり、皮下脂肪の肥大化、表情筋の衰えなどが重なり起こります。
これに加えて、肌の組織全般を支える顔の骨の衰えも、たるみによる老け顔の原因の1つになり得ると考えられています。
更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し、顔の骨密度も減少します。
アメリカの研究では、腰椎と顔面骨(上顎、下顎)の骨密度の比較をしたところ、腰椎よりも顔面骨のほうが、早い年代から骨密度が減少してしまうという結果も出ています。
エクオールはエストロゲン様作用で顔の骨密度の低下の予防効果が期待できるので、顔のたるみケアにも役立つ可能性があります。
5)エクオールの男性の病気や薄毛への効果
前立腺がんや脱毛症(AGA)は、男性ホルモンであるアンドロゲン(テストステロンやアンドロステンジオンなど)の過剰な作用が原因の1つと考えられています。
エクオールには、抗アンドロゲン作用があるので、前立腺がんや脱毛にも良いはたらきが期待できます。
実は、女性のからだにも微量なアンドロゲンが存在します。
そのため、
女性の薄毛の1つであるFAGA(Female AGA:女性男性型脱毛症)にも良い効果が期待できるのです。
7.エクオールを効率的に摂るオススメのサプリメント
1)エクオールサプリメントのランキングに頼らない選び方
エクオールを効率的に摂取したいなら、エクオールサプリメントの活用が効果的です。
ただし、エクオールサプリメントであればどれでも良いというわけではありません。
信頼できるサプリメントを選びましょう。
選び方のポイントは主に3つあります。
1つ目は、エクオールの含有量に着目することです。
エクオールは、1日あたり10mgの摂取が目安とされています。
1日の目安量を、無理のない飲み方で満たせるエクオールサプリメントを選びましょう。
1日、5粒以内で1回飲めば良いものがおすすめです。
2つ目のポイントは、品質です。
口に入れる食品だからこそ、信頼できる品質のものを選びましょう。
原料や製造方法などを明確にしており、提供される情報に根拠があるサプリメントを選ぶと間違いありません。
3つ目のポイントは安全性です。
エクオールサプリメントは、短期間で効果を発揮するものではなく、長期的に摂り続けることで良い効果を発揮してくれるものです。
長く安心して摂ることができる安全性の高いものを選びましょう。
信頼できるメーカーのサプリメントを選ぶことも、一つの基準になります。
エクオール以外の成分や添加物などもチェックして各社のエクオールサプリメントを比較しましょう。
不安な時は、カスタマーサービスに相談してみる方法も有効です。
カスタマーサービスの対応がしっかりしているなら、信頼できる可能性が高くなります。
2)オススメのエクオールサプリメント
では、上記のポイントをふまえてオススメのサプリメントを3つご紹介します。
①エクオール+ラクトビオン酸サプリ アドバンスト・メディカル・ケア
90粒入り(1日3粒まで/約30日分)で、通常価格6,480円(税込み)です。
更年期障害の臨床に携わる医師と、メーカーが協力して誕生したサプリメントです。
エクオールのはたらきをサポートしてくれる作用があるラクトビオン酸を同時配合しています。
また、医薬品と同じレベルのGMP基準を遵守している工場で生産されており、安心して毎日の生活に取り入れることができます。
口コミでの評判もよく、多くの女性から支持を集めています。
エクオールサプリメントを考えているなら、真っ先にチェックしてみてはいかがでしょうか。
②エクエル 大塚製薬
112粒入り(1日4粒/約28日分)で通常価格4,320円(税込み)です。
大手製薬会社である大塚製薬の製品だけあって、安心感があることが大きなメリットです。
エクエルのHPには、エクオールなどに関する詳しい知識がわかりやすく書いてあり、参考になります。
こちらも口コミの評判が良く、人気があります。
③フルミーエクオール Unibertex社
1粒わずか8mmなので飲みやすく続けやすいサプリメントといえます。
エクオールのほかにも、ラクトビオン酸や夜の穏やかな休息をサポートしてくれるテアニン、心身のリラックスに効果的なギャバなどの成分を含んでおり、取り続けるほどに心身にとって良い効果を期待できます。
最終的には、成分、品質、信頼感、価格などを比較して、自分にとって使いやすいサプリメント選ぶと良いでしょう。
注.フルミーエクオールの公式サイトにアクセスできず、製造中止の可能性があります。
3)エクオールに問題はないの?副作用と安全性
肌のハリやツヤ、更年期障害や生活習慣病の対策など、さまざまなメリットがあるエクオール。
副作用や安全性に問題はないのでしょうか?
エクオールは、もともと体内にある成分なので、適量を守っていれば副作用の心配はありません。
基本的には、安全性も問題ない成分です。
ただし、サプリメントからエクオールを摂取する場合は、適量を毎日摂り続けることが大切です。
一度にたくさん摂取したからといって、より効果が出るというものではありません。
食べ物でもエクオールサプリでも1日にエクオール10mgが適量です。
それ以上摂取してしまうと、稀に下痢や便秘を引き起こしてしまうことがありますし、また、蓄積できないので意味がありません。
なお、エクオールを摂ると、女性ホルモンが過剰になってホルモンバランスが崩れるという話を聞くこともありますが、このことを示すエビデンスはありません。
確かに更年期障害などでホルモン補充療法を受けている方の中には、女性ホルモンを大量に注射する影響で、乳がんのリスクがあがるという報告もあります。
しかしエクオールは、女性ホルモンと近いはたらきをする物質というだけで、エストロゲンそのものではないのです。
大豆イソフラボンと腸内細菌によってつくられるものであり、直接、女性ホルモンの過剰や乳がんのリスクとは結びつけるには無理があります。
エクオールはまだ研究途上であり、今後、現時点では不明なメリットやデメリットが発見される可能性はありますが、現時点では安全性に大きな心配はない成分です。
8.エクオールを増やす生活習慣
1)エクオールを増やす食べ物は?
残念ながら食べ物から直接エクオールを摂ることはできません。
エクオールは、大豆イソフラボンから腸内細菌によってつくられるものだからです。
エクオールを体内でつくれる人なら、大豆イソフラボンが豊富に入った食材を食べることで、エクオールを摂ることができます。
大豆イソフラボンは主に大豆製品にたくさん含まれています。
日本人に馴染み深い和食は、大豆イソフラボンが豊富に含まれた食材を使っていることが多いため、和食中心の食生活にすることで、大豆イソフラボンを効率よく摂取することができるでしょう。
主な食材としては、納豆、豆腐、豆乳、油揚げなどがあげられます。
大豆製品を取り入れるだけでなく、腸内環境を善玉菌優位に整えることも必要です。
善玉菌を悪玉菌の約2倍程度に保つことが効果的とされています。
エクオールを産生できる菌がいなければ、大豆製品を摂っても効果を期待できないからです。
腸内環境を整えるためには、食事時間を決まった時間にすることも有効です。
また、若い頃と同じような食生活をしている人は、食事内容を見直すようにしましょう。
栄養バランスの整った食事を基本として、その上で大豆イソフラボンを積極的に摂取するとともに、エクオールを増やせるように配慮することをオススメします。
ほかにも、ストレスケアや生活習慣の見直しを行うと良いでしょう。
からだは日々変化しています。
老いは誰にでも訪れるものです。
栄養バランスに配慮しないことでからだに不調を引き起こすリスクが高まります。
健康なからだを維持するためにも、食事に気を配りましょう。
腸内環境のために、乳酸菌や食物繊維を摂ることを意識するのも良いでしょう。
また、海藻、炭水化物を十分に摂った上で、緑茶や魚油を摂ることもエクオールが増えるという報告もあります。
2)エクオール以外も健康を意識した食生活を
アンチエイジングやからだの健康は、エクオールだけを摂ることでできるものではありません。
だから、エイジングケア世代になると健康や美肌のためには、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることが大切です。
たとえば、ピーマンやアセロラなどに豊富なビタミンCは酸化を抑えたり、美白、コラーゲンを増やす作用があります。
また、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富なβカロチンは、抗酸化作用が高くからだの中でビタミンAとしてはたらいてくれるので、お肌の修復や老化予防に効果が期待できます。
また、健康や美肌のための飲み物は、冷たいものはからだを冷やして代謝を悪くしてしまうので、白湯やハーブティーなどがオススメです。
また、最近ではコーヒーのアンチエイジング効果やカカオが豊富なダークチョコレートにも健康や美容効果があることで注目が高まっています。
食べ物や飲み物については、次の記事も参考にしてください。
*乾燥肌は食べ物と飲み物で内側から保湿を!おすすめ10の栄養素とは?
*スーパーフードはアンチエイジング・美容・ダイエットに効果!
3)アンチエイジングを意識した生活習慣が大切
ストレスが原因で、ゆらぎ期の症状が悪化してしまうこともあるので注意しましょう。
バランスの良い食生活とともに、適度なストレス発散法を見つけ、心身にストレスを溜めないように気を配ることも必要です。
たとえば、映画、音楽などを楽しんだり、テレビのバライエティなどを観て笑うことで免疫力がアップします。
さらに、決まった時間に寝て起きるなど、規則正しい生活になるように配慮しましょう。
睡眠不足はあらゆる不調を引き起こしかねないので危険です。
最低でも6時間は寝られる時間を確保しましょう。
美肌のためには、成長ホルモンの分泌が盛んになる眠り始めの約3時間の質が大切であることがわかっています。
そのため、この時間の睡眠が深くて良質であることが大切。
質の良い眠りのためには、眠る前にはリラックスすることを心がけ、眠りのスイッチが入りやすくしておくと効果的です。
日々の生活に気を配ることで、更年期を乗り切りやすくなります。
もちろんほかにも、ウォーキングやストレッチなど適度な運動習慣などを取り入れると良いでしょう。
運動には有酸素運動と無酸素運動がありますが、生活習慣病の予防なら有酸素運動が効果的です。
日常生活でこまめに体を動かすことも有効といえます。
少しでも更年期、ゆらぎ期が気になり始めたら早めに対策をすることが効果的です。
エクオールだけに頼らずに、アンチエイジングを意識した生活習慣を続けることが、エイジレスな美肌や健康のポイントです。
<参考記事>
*女性ホルモンのバランスを整えて美肌をキープ!(飯塚美香さん)
*美肌は質の高い睡眠中に作られる!3つのホルモンを活かす4つの対策
*ストレスオフの秘訣は「音楽習慣」だった! 20代からシニアまで大調査
*ストレスオフの女性がこの2年で増加!そのリラックス方法TOP10
9.まとめ
エクオールとはどんな成分か?
また、美肌や健康、更年期障害などにどんな効果があるのかを幅広くご紹介しました。
さらに、サプリメントの選び方やおすすめをご紹介しました。
いかがだったでしょうか。
エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌の力を借りてできる成分ですが、体内でつくれる人とつくれない人がいます。
エクオールをつくれる人は大豆などの食べ物で補うことができますが、つくれない方は、サプリメントなどで補うことが必要な成分です。
ぜひ、自分がどちらのタイプかを知って、エクオールを上手に摂りましょう。
そして、健康と美肌をキープしましょう。
この記事「エクオールとサプリメントのランキングに頼らない選び方」が、エイジングケア世代の女性のお役に立てば幸いです。
<注意>
この記事は2021年10月1日時点の記事です。
エクオールの研究の進展で新たな知見が見つかる可能性があるため、今後、記事の追加・修正・削除もあることをご了承ください。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
ナールスエイジングケアアカデミー編集長京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。文部科学省後援日本化粧品検定1級。一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト著作(共著)
KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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