カカオが豊富なダークチョコレートは、美肌や美容、健康・アンチエイジングに効果を発揮!
食べ過ぎると肥満や肌荒れになるイメージのチョコレート。
でも、それは間違い?
この記事では、ダークチョコレートに含まれるカカオの美肌・健康とアンチエイジングの効果やエビデンスをご紹介します。
- チョコレートに含まれるカカオには高い抗酸化作用があります。だから、美肌・美容、アンチエイジング、健康によい効果が期待できます。
- チョコレートのなかでも、カカオの含有率が高いダークチョコレートの美肌や美容、エイジングケアのメリットは、主に抗酸化作用でもたらされます。その作用でお肌の老化の予防や乾燥肌の予防が期待できます。
- また、カカオが豊富なダークチョコレートで生活習慣病の予防、便秘の予防、脳の活性化、アレルギーの軽減など、健康やアンチエイジングにも効果が期待できます。
- チョコレートの効果は、基本的にカカオポリフェノールの抗酸化作用によるものが大きいのです。だから、カカオの含有率が高いものを選ぶことが大切です。
- カカオをたくさん含むダークチョコレートが美肌やエイジングケア、アンチエイジングによいからといっても、そればかりを食べたり、食べ過ぎるのはマイナスです。野菜など、ほかの食べ物からもバランスよくさまざまな栄養素を摂ることが、美肌やアンチエイジングにとって大切です。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
CONTENTS
1.ダークチョコレートで美肌になりたいあなたへ
「カカオが豊富なダークチョコレートで美肌・健康とアンチエイジング!」をお届けします。
チョコレートで美肌になれたり、エイジングケアやアンチエイジングができて健康になれるならうれしくありませんか?
エイジングケア化粧品によるスキンケアだけでなく、食べることによって健康づくりやエイジングケアに役立つ栄養素や食品がありますが、チョコレートもその1つ。
ダークチョコレートに含まれるカカオに抗酸化作用があるのです。
抗酸化作用は、カカオのほかにもビタミンCやビタミンE、ベータカロテン、コーヒーに含まれるクロロゲンなどにもあります。
エイジングケア化粧品に頼る前に、まずそんな栄養素や食べ物を摂ることを考えるのも大切です。
今回は、チョコレートやチョコレートの主成分であるカカオと美肌やアンチエイジングについてのお話です。
この記事では、ダークチョコレートに豊富なカカオに含まれるカカオポリフェノールの美肌効果や健康・アンチエイジングの効果についてご紹介します。
また、根拠となるいくつかのエビデンス(学術論文)もピックアップします。
「ダークチョコレートってどんなチョコレートの種類?カカオが豊富なの?」
「ダークチョコレートに豊富なカカオの美容や美肌効果って?」
「ダークチョコレートでアンチエイジングができるの?また、美容や健康にもよいの?」
「美容や美肌、エイジングケアによいチョコレートの選び方は?カカオが多いとよいの?」
「健康や美肌のためのダークチョコレートの食べ方の注意点は?食べ過ぎはダメ?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
なお、ダークチョコレート以外の美肌と食べ物については、次の記事を参考にしてください。
*スーパーフードはアンチエイジング・美容・ダイエットに効果!
2.ダークチョコレートの美肌効果や健康効果はカカオによる
1)ダークチョコレートの健康効果とは?
さて、みなさん、チョコレートはお好きですか?
「好きだけれど、カロリーが気になる…」
「食べ過ぎると肌によくないのでは?」
という方もいらっしゃると思いますが、カカオが豊富なチョコレートには意外な健康効果があるのをご存知でしょうか。
実は、アメリカの医学雑誌「Journal of the American Heart Association」の2014年7月2日号に、足の末梢動脈に障害を持つ人がダークチョコレートを食べた直後に、歩く速さが上がり、歩ける距離も長くなったという研究報告が掲載されているのです。
この研究は、イタリア、ローマ大学サピエンツァ校助教授のLorenzo Loffredo氏らによるもの。
ダークチョコレートに含まれる抗酸化物質「カカオポリフェノール」が、動脈を広げる生化学物質に影響を及ぼし、足の血流を改善すると考えられています。
研究では、ダークチョコレートを食べた後に血流改善に関連する一酸化窒素濃度が高くなり、それによって末梢動脈が広がって、歩く能力によい影響を及ぼしたと報告されています。
2016年度のアメリカ、ブラウン大学のXiaochen Lin氏の研究「Cocoa Flavanol Intake and Biomarkers for Cardiometabolic Health: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials」では、砂糖や脂肪分の量が異なるほかのチョコレート菓子にまで一般化すべきではないと指摘されていますが、からだによいというデータも出ています。
こんな効果があるチョコレートですが、本当に積極的に食べてもよいのでしょうか?
2)効果はダークチョコレートのカカオ含有率がポイント!
一方、ミルクチョコレートで先ほどのダークチョコレートと同じ実験を行い比較したところ、こちらは効果がなかったそうです。
この研究では、ダークチョコレートのカカオ含有量は85%以上、ミルクチョコレートは30%未満で、カカオポリフェノールの含有量の違いが影響しているようですね。
ポリフェノールといえば赤ワインにも多く含まれていますが、ダークチョコレートは、赤ワインより多くのポリフェノールを含有。
研究データでは、ダークチョコレートでは、100g中840mgのポリフェノールが含まれ、赤ワインでは100g中180mgです。
ポリフェノールの抗酸化作用は、動脈硬化や高血圧の予防につながることがわかっています。
また、これまでの研究では、ダークチョコレートには、次のような効果があります。
- 脳を活性化して集中力を高める
- アレルギーの予防効果がある
- 食物繊維やプロテインによる整腸効果がある
これ以外にも、お肌の乾燥を防ぎ、内側から美肌をもたらす効果もあるといわれています。
逆に、チョコレートを食べると、肌荒れになったりニキビや大人ニキビが出るという説はさまざまな研究で因果関係がないことがわかっているそうです。
おいしくて、エイジングケア効果も期待できるチョコレート。
アンチエイジングやエイジングケア、予防美容に上手に取り入れていきたいですね。
では、これからチョコレートやカカオの美肌効果やアンチエイジング、健康への効果について詳しくご紹介します。
また、いまここで挙げた以外のいくつかのエビデンスをご紹介します。
3.チョコレートに含まれるカカオや原料とチョコの種類
1)ダークチョコレートに豊富な「カカオ」の基礎知識
今回のテーマはチョコレートやダークチョコレートですが、その美肌やエイジングケア、アンチエイジング効果の主役は、何といってもカカオです。
ということで、まず、カカオの基礎知識を整理します。
①カカオとは?
カカオは、赤道の南北緯度20度以内、年間平均気温27℃以上の、高温・多湿な西アフリカ、東南アジア、中南米の一部の地域で栽培される熱帯植物です。
生長すると、高さは7~10メートル、幹の太さは10~20センチ程度の大きさに育ちます。
カカオは、枝だけでなく、幹にも実のなるちょっと風変わりな樹です。
②カカオ豆とは?
カカオ豆は、チョコレートやココアの主原料として使われます。
カカオの樹の果実の中にある種子がカカオ豆です。
③カカオ豆を加工するチョコレートの原料
チョコレートは、カカオ豆からつくられますが、その加工の過程で、次の2つに分けられます。
- カカオ豆をすりつぶしてペースト状にした「カカオマス」
- カカオマスから搾り取った脂肪である「カカオバター」
カカオマスは、カカオ豆の胚乳部分を粉砕・焙煎してすり潰したものです。
カカオマスには、約55%の脂肪分が含まれます。
カカオバターは、ココアバターとも呼ばれるカカオマスから分離された脂肪分です。
色はこげ茶色で、カカオ豆300個から約1kg採ることができます。
2)チョコレートの原料
チョコレートは、いま説明したカカオマスやカカオバター(ココアバター)に加えて、砂糖、粉乳といった主要材料以外に、植物性の油脂、香料や甘味料などの添加物でつくられています。
栄養素としては、タンパク質、脂質、糖質、食物繊維、ミネラル類、カカオポリフェノール、カカオプロテイン、テオブロミンなどが含まれています。
そんなチョコレートは、原料の配合率、加工の仕方などによって、さまざまな種類があります。
詳しくは、日本チョコレート・ココア協会のホームページで紹介されていますので、ここではエイジングケアや美肌との関係を中心に紹介します。
3)チョコレートの種類
チョコレートは、 国・地域また原料によって、次のように呼ばれることがあります。
- ビタースイートチョコレート
- セミスイートチョコレート
- ダークチョコレート
- ミルクチョコレート
- ブラックチョコレート
一般的には、ミルク(乳製品)が入らない、カカオが40~60%のチョコレートが、ビターチョコレート、ブラックチョコレート、スイートチョコレート、プレーンチョコレートと呼ばれますが、厳密なものではなくミルクが少し入ったチョコレートもビターチョコレートと呼ばれることもあります。
また、ダークチョコレートとは、糖分や乳成分が少なく苦味の多いチョコレートやカカオが70~90%という低糖のチョコレートのことをそう呼びます。
ただし、ダークチョコレートも厳密な定義があるわけではありません。
さまざまな種類があるチョコレートですが、アンチエイジングや美肌への効果はカカオによってもたらされているのです。
最近では、カカオ含有量が72%、86%、95%などと表示されたダークチョコレートがありますが、含有量が多いほどカカオポリフェノールの含有量も多くなります。
4.ダークチョコレートのエイジングケアや美肌への効果
1)お肌の酸化を防いで肌老化を予防
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用があります。
だから、活性酸素を除去してくれることでお肌の老化を防ぐことができるのです。
チョコレートのカカオポリフェノールの含有量は赤ワインの2倍、紅茶の45倍など、ほかの植物より豊富に含まれています。(※1)
そんなカカオポリフェノールは、緑茶ほかお茶などにも含まれている低分子のフラボノイド類であるカテキンやエピカテキン、それらが重合したプロアントシアニジン類です。
だから、お肌の酸化がもたらすたるみやたるみが原因のほうれい線、たるみ毛穴、ゴルゴライン、マリオネットライン、しわなどの肌悩みの予防が期待できるのです。
つまり、カカオポリフェノールの効果で、お肌のハリのキープが期待できるのです。
※1 Scalbert, A.; Williamson, G., Dietary intake and bioavailability of polyphenols. J Nutr 2000, 130, 2073s-85s.
2)まだあるチョコレートの美肌効果
このほか、カカオポリフェノールが保湿効果をはじめ、紫外線ダメージにも効果があることが研究で示唆されています。
カカオポリフェノールを多く含むカカオ製品を12週間続けて摂取すると、お肌の角質層の水分量の低下を防ぐという結果が出ています。
また、同じ研究で紫外線を照射した後で起こるサンバーン(日光皮膚炎)が抑えられるという結果も出ています。(※2)
※2Heinrich, U.; Neukam, K.; Tronnier, H.; Sies, H.; Stahl, W., Long-term ingestion of high flavanol cocoa provides photoprotection against UV-induced erythema and improves skin condition in women. J Nutr 2006, 136, 1565-9.
このように、チョコレートに含まれているカカオポリフェノールは、乾燥肌対策や紫外線対策をサポートするのです。
つまり、ダークチョコレートは、紫外線対策になる食べ物なのです。
紫外線による日焼けのアフターケアに食べてもよいですね。
また、カカオポリフェノールは、からだの内側でも血行促進をすることで冷え性を予防したり、むくみを改善することが期待できます。
さらに、チョコレートの苦み成分であるテオブロミンには毛細血管の血流を改善するはたらきがあります。
血行が促進されると、お肌のキメが整い、肌ツヤやお肌の透明感がもたらされるのです。
つまり、お肌のくすみや目の下のクマ(青クマ)などの予防、乾燥肌の予防や改善にも期待できるのです。
ほかにもチョコレートには、ビタミンE、ナイアシンなどのビタミン類、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リンなどのミネラル類が豊富なことも美容や美肌、エイジングケアにとってプラスです。
5.ダークチョコレートのアンチエイジングや健康への効果
1)生活習慣病の予防やアンチエイジング
この記事では、まずはじめに、ポリフェノールの抗酸化作用は、動脈硬化や高血圧の予防につながることをご紹介しました。
また、カカオに含まれるエピカテキンが代謝を促進するはたらきがあるため、肥満の予防にもつながります。
このようにダークチョコレートは、カカオの効果で生活習慣病の予防やアンチエイジングにもよい食べ物として期待できるのです。
2)便秘の予防
便秘は多くの女性の悩みですが、肌荒れの原因にもなる美肌の敵。
実は、チョコレートカカオマスの成分の約17%は食物繊維です。そして、そのうち52.9%がリグニンという食物繊維です。
リグニンには、次のような効果があります。
- 便秘を予防する
- 血中のコレステロール値を下げる
- 腫瘍ができるのを予防する
これは、リグニンにはコレステロールでできた胆汁酸を吸着し、体外に排出させるはたらきがあるからです。
また、最近、カカオから抽出したたんぱく質である「カカオプロテイン」に、便のもととなり、便の容量を増やす効果や腸内細菌のえさとなって整腸作用をもたらすこともわかってきました。
このようにカカオは、食物繊維とカカオプロテインの両面から便秘を防ぐ効果が期待できるのです。
つまり、カカオが豊富なチョコレートを食べることで、便秘を予防するとともに、肥満防止、大腸ガン予防の効果が期待できるのです。
もちろん、便秘の予防は美肌にもつながりますね。
3)チョコレートで脳を活性化
チョコレートには糖分が含まれるので脳の活性化をサポートします。
といっても、これはほかの食べ物と同じことです。
チョコレートで興味深いのは、高濃度のカカオポリフェノールが脳の血流量を増やすことで脳を活性化することです。
脳の活動を支える栄養分に、脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor=BDNF)というたんぱく質があります。
このたんぱく質は、脳内で記憶を司る「海馬」に多く含まれていて、脳の神経細胞の発生や成長、維持や再生をサポートしてくれます。
つまり、脳由来神経栄養因子は、神経細胞を活性化させて脳を活性化させているのです。
しかし、脳由来神経栄養因子はエイジングで減ってしまいます。
これが脳のはたらきを低下させて、認知症のリスクの1つになるのです。
この脳由来神経栄養因子を維持するには、運動や抗酸化作用のある物質を摂ることによって、脳の血流を増やすことです。
カカオポリフェノールには、脳の血流量を増やす可能性があることから、脳由来神経栄養因子をサポートし、脳を活性化する可能性が期待されるのです。
一方、カカオには、テオブロミンやカフェインが含まれています。
これらの成分は、中枢刺激作用、気管支拡張や利尿、興奮などの生理作用があります。
この作用で脳が活性化するといえないこともありませんが、睡眠前に摂ると眠れなくなるリスクがあります。
また、妊婦さんや授乳中のお母さん、子供が摂り過ぎることもよくありません。
4)ダイエットのサポートも!
ミルクチョコレートやダークチョコレートも食べ過ぎはいけませんが、ほかの糖分の多いお菓子に比べるとチョコレートはダイエットに向いたお菓子です。
1つには、カカオポリフェノールが満腹中枢を刺激して空腹感を抑える作用があるからです。
もう1つは、ポリフェノールに含まれるカテキンの一種「エピカテキン」に代謝アップの効果があるからです。
カカオマスやカカオバターは脂肪が多いので、食べすぎると逆効果ですが、ほかの糖質の多いお菓子の代わりにちょっと食べるならチョコレートはダイエットにもマイナスにはならないのです。
最近では、「低GIチョコレート」といって、血糖値があがりにくいチョコレートが市販されています。
低GIチョコレートなら、よりダイエットにも向いたチョコレートですね。
5)チョコレートでアレルギーを予防!
カカオポリフェノールに、抗アレルギー効果があることがわかっています。
アレルギーは、食べ物を食べたり、細菌、ウイルス、花粉やダニなどのアレルゲンが目や鼻から侵入した際に、IgE抗体という免疫に関わる物質が体内でつくられることから始まります。
その後、IgE抗体は、血液中を流れて皮膚の真皮や粘膜にいるマスト細胞(肥満細胞)の表面にくっつきます。この状態を「感作(かんさ)」と呼びます。
感作された状態で再びアレルゲンが侵入すると、肥満細胞から、ヒスタミン、ロイコトリエンが放出されてアレルギー症状を起こすのです。これを、即時型アレルギー反応と呼びます。
また、リンパ球が反応した場合は、アレルゲンが再び侵入すると、アレルギーを引き起こすロイコトリエンなどさまざまな物質が体内で発生して症状が悪化するのです。
これを遅発型アレルギー反応と呼びます。
チョコレートの摂取による研究で、IgE抗体の産生やヒスタミンの放出量が減ったり、リンパ球の反応が抑えられることがわかりました。
これは、カカオポリフェノールの活性酸素のはたらきを抑える作用によるものと考えられています。
つまり、カカオポリフェノールを多く含むダークチョコレートには、アレルギー予防や症状の軽減が期待できるのです。
6.ダークチョコレートの効果に関する新たしいエビデンス
ここでは、2017年以降のダークチョコレートの効果に関する新たしいエビデンスを3つ紹介します。
1)ダークチョコレートを毎日食べると認知機能が向上
島根大学医学部の研究で、ダークチョコレートを毎日食べると、神経成長因子(NGF)というたんぱく質が増加し、認知機能も向上するという結果が2019年に報告されました。
チョコレートを食べるのを止めた後も、しばらく認知機能が高い状態が維持されました。
この効果は、ダークチョコレートだけにあって、ホワイトチョコレートにはありませんでした。
<試験名とエビデンス>
ダークチョコレートの亜慢性消費は認知機能を強化し、神経成長因子を放出します:並行群無作為化試験。
2)ダークチョコレートは視力にもよい効果がある
2018年のアメリカの研究で、ダークチョコレートとミルクチョコレートの視力に与える影響を比較しました。
その結果、食べた2時間後にダークチョコレートでは目のコントラスト感度と視力の改善が示されました。
<試験名とエビデンス>
2時間以内の視力とコントラスト感度に対するミルクとダークチョコレートの消費の影響:無作為化臨床試験。
3)チョコレートが脳卒中リスクを予防する?
日本の大規模コホート研究であるJPHC studyにおいて、2017年にチョコレート摂取と脳卒中リスクの関連を前向き研究で調査しました。
その結果、女性の場合だけにチョコレートを多く食べれば、脳卒中が少なかったという結果がでました。
<試験名とエビデンス>
男性と女性の間のチョコレート消費と脳卒中のリスク:大規模な人口ベースの前向きコホート研究
7.チョコレートの上手な選び方と食べ方
ここまでチョコレートやカカオポリフェノールの美肌効果など、メリットを中心にご紹介してきました。
しかし、チョコレート以外でもいえることですが、いくらメリットがあっても過度に1つの食べ物に固執したり、食べ過ぎることは健康やアンチエイジング、エイジングケアによくありません。
また、少し古い情報ですが、カカオを豊富に含むダークチョコレートが、実は高カロリーであることが、国民生活センターの調査で示されています。
カカオ分70%以上の高カカオチョコレート12銘柄と普通のチョコレート3銘柄を比較した結果、高カカオチョコの脂質の割合は40.7~53.5%と、普通のチョコの1.2~1.5倍含まれていることがわかったのです。
<参考>
独立行政法人 国民生活センター「高カカオをうたったチョコレート(結果報告)」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf
せっかく美肌や健康、アンチエイジングによい効果のあるダークチョコレートなのですから、上手に食べるよう心がけましょう。
ここでは、そんな視点からチョコレートの上手な選び方と食べ方をご紹介します。
1)美肌やアンチエイジングにはどんなチョコレートがよいの?
①基本は、カカオ含有量が多いダークチョコレートを!
チョコレートの美肌効果やアンチエイジング効果は、主にカカオのおかげです。
だから、カカオの多いダークチョコレートほど高い効果が期待できます。
といっても、カカオが80%以上だと苦くて食べにくいという方もいますね。
そんな場合は、少し甘さの増す70%程度のチョコレートを選びましょう。
②トランス脂肪酸の多いチョコレートは避ける!
チョコレートの主原料はカカオですが、ほかにも砂糖、乳粉ほか添加物が入っています。
ミルクチョコレートなどは砂糖や乳粉が多くてカロリーが上がるので、食べ過ぎると肥満の原因になります。
また過度の糖分は、疲労感、脱力感、眠気、だるさなどのリスクになります。
また、植物性の油脂に含まれるトランス脂肪酸には要注意です。
比較的安価で販売されているチョコレートのなかには、トランス脂肪酸が多く含まれているものがあります。
トランス脂肪酸は、カカオポリフェノールとは逆に、次のようなリスクがあります。
- 動脈硬化
- アレルギー
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病
- 心臓の病気
だから、糖分や植物性の油脂が多いチョコレートは避けることをオススメします。
できれば信頼できるメーカーのダークチョコレートを選んで食べましょう。
2)チョコレートの上手な食べ方
①1日の量はどの程度がよいの?
生活習慣病の改善など、健康やアンチエイジングの観点からは、1日に200~500mgぐらいのカカオポリフェノールを、毎日、何回かに分けて摂ることがよいと考えられています。
一方、厚生労働省と農林水産省の合同作成による「食事バランスガイド」では、「菓子・嗜好食品は一日に200kcalを目安とする」とあります。
これは1日に食べるいろいろな菓子・嗜好品の総カロリーのことです。
製品でバラつきはありますが、板チョコレートですと、約35gが200kcalに相当します。
だから、チョコレートポリフェノールとカロリーのバランスでチョコレートを食べる量を決めることになります。
メーカーにもよりますが、カカオが85%以上のダークチョコレートには、150mg程度のポリフェノールが含まれます。
ほかの食べ物からもポリフェノールを摂ることができるので、ダークチョコレートの板チョコの半分程度を目安と考えればよいのではいでしょうか?
毎日、食べるなら間食にダークチョコレートを、1かけら程度でもよいでしょう。
②1日の間で少しずつ分けて食べる
ポリフェノールは早く吸収されて抗酸化作用が早く発揮されますが、効果は長時間持続しません。
だから、1度にたくさん食べるのではなく、1日の間で分けて食べることをオススメします。
なお、チョコレートにはカフェインが含まれるので、夜寝る前に食べるのは控えましょう。
8.チョコレートのウソ?ホント?
1)チョコレートを食べると虫歯ができる?
チョコレートに含まれるカカオは虫歯の原因にはならないことがわかっています。
しかし、チョコレートに含まれる砂糖は、歯磨きをせず口中に砂糖を残したままにすると、虫歯の原因になります。
つまり、虫歯の原因がチョコレート特有のものではないのです。
逆に、カカオマスには抗菌作用があるため、虫歯の発生は、チョコレートと同量の砂糖を含むお菓子と比べると低いという報告もあります。
2)チョコレートを食べるとニキビができる?
ニキビは、皮脂腺から出た皮脂が酸化して毛穴に詰まり、皮膚常在菌の1つであるアクネ菌が過剰に繁殖することで起こります。
ニキビは、思春期などのホルモンバランスの崩れや脂性肌など肌質などでもできやすさが違います。
いまでは、ニキビとチョコレートやカカオの直接的な因果関係はないことがわかっています。
また、疫学的な研究でもチョコレートがニキビの原因であることを示すデータはありません。
なお、乾燥肌がニキビの原因になるので、こちらには注意が必要です。
3)お酒のつまみにチョコレートはよいの?
実は、カカオポリフェノールには抗酸化作用によって胃粘膜を保護することがわかっています。
だから、お酒を飲む前にダークチョコレートを食べればアルコールによる胃粘膜へのダメージが軽減できます。
好き嫌いは別として、お酒のつまみにダークチョコレートを食べるのは胃に優しい飲み方の1つといえますね。
だからといって大量にアルコールを摂ることは、アンチエイジングや美肌にはマイナスなので飲み過ぎは止めましょう。
お酒の飲み方については、「お酒の飲み方と成分を知って美肌に!エイジングケアの視点」も参考にしてくださいね。
4)チョコレートで鼻血がでる?
鼻血は、子供の場合、粘膜が弱いので、指で触って傷がつくことのほか、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、熱が出て体が温まることで血管が広がって切れてしまう、などが原因です。
また、大人の場合は、高血圧や糖尿病、動脈硬化によって、弱った血管が切れやすい状態にあることなどが原因です。
チョコレートが鼻血の原因になるという研究はありませんが、カカオで血行がよくなってしまうことがないとはいえません。
チョコレートを一度にたくさん食べることは控えたほうがよいですね。
9.まとめ
チョコレート、特にダークチョコレートと美肌や美容、健康やアンチエイジングとの関係について幅広くご紹介しました。
また、選び方や上手な食べ方もご紹介しました。
いかがでしたか?
ダークチョコレートに含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用が、お肌やからだによい影響を与えることがおわかりいただけたのではないでしょうか?
また、適度な量のダークチョコレートを食べれば、美肌になるためのエイジングケアやアンチエイジングの強い味方になりそうですね。もちろん、病気を予防したり、健康増進にも役立ちます。
カカオの含有量の多いダークチョコレートを上手に美肌のために摂りましょう。
もちろん、3度の食事でバランスよく栄養を摂取することや朝晩のエイジングケア化粧品もお忘れなく!
この記事「カカオが豊富なダークチョコレートで美肌・健康とアンチエイジング!」を参考に、チョコレートを美肌効果やアンチエイジングのためにお役に立てれば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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