グリシンをご存じですか?
コラーゲンを構成するアミノ酸の1つで、健康維持や良質な睡眠に欠かせない成分です。
また、保湿効果に優れた化粧品成分でもあります。
さらに最近、筑波大学から、グリシンが老化を改善する可能性があるとの研究成果も発表されました。
そんなグリシンについてご紹介します。
CONTENTS
1.老化症状に改善にグリシン摂取が有効?
「老化の症状改善にコラーゲンに含まれるグリシンが効果を」をお届けします。
筑波大学発表の「老化を誘発する仕組みを解明 〜グリシン摂取が老化の緩和に有効である可能性〜」を参考にした記事です。
人の老化は、エネルギー欠乏と細胞分裂の遅延が原因である可能性があると考えられています。
それは、特定の遺伝子が関与しているとされています。
筑波大学はその仮説の一部を検証するとともに、グリシンが老化を抑える可能性をつきとめたのです。
この記事では、そんなグリシンと研究結果をご紹介します。
<グリシンが豊富なコラーゲンを生み出す力をチェックしたいなら!>
2.私たちのからだにある「グリシン」ってどれくらい?
グリシンって聞いたことがある人は多いと思います。
色々なコラーゲン関係のサプリメントの広告でも目にしますよね。
人間のからだは約70%が水分で構成されていて、次に多い成分がたんぱく質で約20〜30%を占めています。このタンパク質のうち約20〜30%がコラーゲンです。
そんなコラーゲンはプロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、リシンほか20種類のアミノ酸から構成されていますが、グリシンもその1種で、コラーゲンの約1/3を占めています。
ナールスエイジングケアアカデミーでもご紹介していますが、コラーゲンは三種のらせん構造をしていて、この構造を形づくるために、グリシン、ヒドロキシプロリン、プロリンが大切な役割を果たしています。
3.グリシンを詳しく知ろう!
1)グリシンは肌のハリ、髪、爪、血液、筋肉、深い睡眠をつくるもと
グリシンは、わたしたちの体内で作ることができる非必須アミノ酸で、からだのいろいろな働きに関係しています。
例えば、血液中の酸素を運ぶ機能に関係するポルフィリンを作り、このポルフィリンが体内の鉄と結合するとヘモグロビンの材料となりますし、髪や爪をつくるケラチンの材料にもなります。
そのほかに、筋肉運動に必要なクレアチニン、抗酸化物質のグルタチオンや核酸のプリン体を作ります。
皮膚では、真皮の線維芽細胞で作られていて、肌のハリに必要なコラーゲンやエラスチン、天然保湿因子(NMF)の成分でもあります。
また、血行を促進して冷え性を防いだり、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌をうながすセロトニンを増やして深くて質の良い睡眠にしてくれ、ぐっすり寝れる効果があります。さらに、肝臓での解毒作用やアルコールを代謝するのを助けてもくれます。
2)グリシンは普段食べている食品にもたくさん含まれています
グリシンは私たちが自ら作り出すことのできるアミノ酸の1つなので、できれば豊富に含まれている食べ物を食べたいですよね。
特に多く含まれているのが、ホタテやカニなどの魚介類と、豚足や牛すじなどゼラチン質の肉類です。
またグリシンは、セリンやスレオニン(トレオニン)といったアミノ酸を用いて体内で合成します。
だから、セリンが豊富な牛乳や大豆製品、スレオニンが豊富な鶏肉や卵などを食べることで、グリシンを増やすことが可能です。
このような食べ物を、美肌のための食べ物として意識的に摂っていきましょう。
実は、グリシンは水に溶けやすいという性質があって、かつ匂いもほとんどなくて甘味があること、菌をおさえる静菌作用があることなどから、お惣菜やお菓子など、調味料や料理の日持ちをさせるためとしても使われているんですよ。
3)化粧品成分としても使われるグリシン
グリシンは、エイジングケア化粧品など化粧品の成分としても使われています。
分子量が小さいので角質層まで浸透して、水分を吸着することで保湿力を発揮します。
つまり、保湿成分としては、水分を保持する「ヒューメクタント」という分類になります。
そんなグリシンは、バリア機能が正常な場合、時間と共にゆっくり肌に浸透して、じわじわと保湿効果を発揮する一方、リア機能が低下した肌ではそのスピードがアップして速く浸透します。
乾燥肌がある場合などは、速やかに保湿効果を発揮するのです。
また、他のアミノ酸やPCA-Na、乳酸Naなどと一緒に配合すると相乗効果が得られることから、グリシンが入っている化粧品にはこれら成分も配合されていることがよくあります。
なぜなら、複数のアミノ酸を使うことで角質層の天然保湿因子に近いはたらきを発揮させるためです。
化粧品成分としての全成分表示でも、医薬部外品に配合される場合でも、表示は「グリシン」と表記されます。
安全性に関しては、毒性や皮膚刺激性がほとんどありません。また、アレルギーの報告もなく、眼刺激性がわずかにありますが大きな問題ではありません。
4.ヒトの老化のしくみが解明。老化症状の緩和のキーワードは「グリシン」
ここからは、グリシンの 老化の症状改善の研究について。
「老化」は、生まれてきたからには抗えない自然の摂理と考えられてきましたが、グリシンが老化を緩和する可能性があり、老化も治療によって「若返り」できるかもしれないという新仮説が発表されたのでご紹介します。
もちろん、肌の老化とも関係があります。
研究成果を発表したのは、筑波大学生存ダイナミクス研究センターの林純一名誉教授らのグループで、英国の電子版科学誌『Scientific Reports』(2019年11月5日付)に掲載されました。
ヒトは老化にともなってエネルギー欠乏になりますが、原因についてはさまざまな仮説があります。
この研究グループは、「ヒトの老化に伴うエネルギーの欠乏は、SHMT2遺伝子の発現低下が重要な原因である」という仮説を立てて、SHMT2と名付けられた遺伝子を破壊した実験マウスを作って、仮説の検証をしました。
このSHMT2という遺伝子は、アミノ酸の1つであるセリンをグリシンに変換する酵素をつくるはたらきをもつ遺伝子です。
実験では、SHMT2が正常なマウスの胎児では、肝臓でグリシンが作られていますが、SHMT2が破壊されたマウスの胎児では、肝臓でグリシンが枯渇しているのが認められ、それだけでなくグリシンの枯渇によるタウリンおよびヌクレオチドの枯渇も認められたとのことです。
タウリンはエネルギー産生に必須のアミノ酸で、タウリンが枯渇する=エネルギーの欠乏をもたらすことになり、エネルギーが欠乏すると細胞分化の遅延も誘発します。
もう一つのヌクレオチドは生命活動に必須の核酸(DNAとRNAの構成成分)の合成に欠かせませんが、これが枯渇するということは、細胞分裂の遅延を誘発することになります。
また、SHMT2遺伝子のはたらきが失われると、エネルギー欠乏によって血球分化の遅延がみられ、細胞分裂の遅延で血球数が不足し、その結果として、肝臓の85%を構成する造血細胞が枯渇して、胎児貧血を起こす原因となっていることも明らかにされました。
つまり、グリシンが作られないと造血機能も奪われ、グリシンが枯渇することでエネルギーの欠乏や細胞分裂が遅延するということは、逆に言えば、グリシンを摂取すると、老化に関連したエネルギー欠乏や細胞の老化を改善することが期待できます。
一方、SHMT2遺伝子の発現を抑制するとがん細胞の分裂速度も抑制するという報告もあるとのことです。
なので、自然に老化していくことががん化を抑制しているという側面がありますので、研究グループは「グリシンの摂取については、今後さらに、がん細胞の増殖を促進する可能性を考慮した研究が必要」と述べています。
【参考】
筑波大学. 「老化を誘発する仕組みを解明 〜グリシン摂取が老化の緩和に有効である可能性〜」Tsukuba Journal. 2019.11.8
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20191108140024.html
Haruna Tani, et al. “Disruption of the mouse Shmt2 gene confers embryonic anaemia via voetal liver-specific metabolomic disorders.”
Scientific Reports 9, Article number: 16054 (2019).
5.老化を防ぐ良質なグリシンが豊富なコラーゲンサプリメント
良質なグリシンが豊富なコラーゲンサプリメントをご紹介します。
コラーゲンといえば、2023年8月に、ナールスのコラーゲンサプリ「ナールスモイストコラーゲン」をリニューアル新発売いたしました!
この「ナールスモイストコラーゲン」は、きれいな海で獲れた天然海水魚皮(タラ科等)を原料にして作られている「マリンコラーゲン」と名乗れる、数少ないコラーゲン・ペプチドをベースに、プロテオグリカン、マリンプラセンタなど4つの美肌成分をプラスした顆粒状のコラーゲンサプリです。
もちろん、グリシンも良質です。
原料の質が良いので、化学薬品を使った漂白や脱臭をしなくても臭いがきになりません。ほんのりピーチ風味で美味しくお召し上がりいただけます。
元々は、ノベルティとしておつけしていたのですが、
「あのコラーゲンが欲しいんですが・・・」
「販売する予定はないんですか?」
と、お客さまに大好評を博したので、
「よし!発売しよう」となった商品です。
2gずつの個包装になっているので、携帯にも便利です。美容や健康を内側からサポートする高品質なコラーゲンサプリ。ぜひ試してみてください。
▼ナールスモイストコラーゲンの詳細・ご注文はこちらから
ナールスモイストコラーゲンを見に行く
また、グリシンといえば、エイジングケア美容液の「ナールス ネオ」に配合されているのをご存知ですか?
目元のハリや口元のハリをキープする、目元・口元専用エイジングケア美容液です。
手前味噌ですが、使い続けていると、小じわなどが気にならなくなります。
こちらも、よろしければお試しくださいね。
<グリシンを含むコラーゲンの参考記事>
*プルプル美肌になる!コラーゲンサプリメントの種類と選び方のコツ
*コラーゲンはなぜ必要?その解説とおすすめコラーゲンサプリご紹介!
*コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド
*毛髪に朗報!ノニと魚由来コラーゲン入りドリンクで抜け毛が減った
6.編集後記
「老化の症状改善にコラーゲンに含まれるグリシンが効果を」をお届けしました。
いかがだったでしょうか?
グリシンが老化を防いでくれるというのは良いニュースです。
アンチエイジングや健康のために発酵食品やコラーゲンを毎日摂るようにしていますが、筑波大のエビデンスがその効果を後押ししてくれ、これからもちゃんと摂っていこうと思わせてくれました。
この記事「老化の症状改善にコラーゲンに含まれるグリシンが効果を」が、エイジングケア世代のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
医学出版社、医学系広告代理店にて編集・ライターとして、医師向け、患者向けの情報提供資材や書籍等の記事の編集・執筆や、国内・海外医学会取材・記事執筆を行う。
(編集・校正:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
ナールスエイジングケアアカデミー編集長
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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