30代や40代になると、いままで以上にエイジングサインが目立ってくるもの。
そんな肌悩みのなかでも、日本人女性が特に気にするのが、シミ。
そして、そんなシミのケアといえば、紫外線対策と美白化粧水などです。
美白化粧水は、シミを予防するはたらきがありますが、例のロドデノール事件で起きたような副作用の問題もあります。
だからこそ、ランキングや口コミに頼らずに、正しい知識を持ってしっかりと選びたいものです。また、正しい使い方をするなど、安全性への配慮も必要です。
この記事では、そんな美白化粧水について、ランキングに頼らない選び方と使い方を幅広くご紹介します。
- 美白化粧水の「美白」とは、肌を白くすることではなく、日焼けによるシミやそばかすを防ぐことです。まずはこの点を正しく理解することが大切です。
- 美白化粧水とは、厚生労働省に認められた美白成分を含む医薬部外品(薬用化粧品)です。つまり、薬用化粧品の1つです。
- 美白化粧水は、一般的な保湿化粧水よりも刺激が強いので慎重に選ぶこと、使うことが大切です。とくに、エイジングケア世代の女性は慎重になりましょう。
- 美白化粧水は、美白成分を理解して肌質や年齢ごとの肌状態に合ったものを選びましょう。特に、敏感肌や高齢の方は慎重になりましょう。
- 美白成分は、メラニンの生成を抑える成分、できたメラニンを還元して色を薄くする成分、ターンオーバーを促進してメラニンを排出させる成分など、いくつかのメカニズムがあります。リスクもあるので作用の強さを理解して使いましょう。
- 美白化粧水を使うよりも紫外線対策をしっかり行い、メラニンができるのを防ぐほうが大切です。過剰なメラニンを発生させないことを心がけましょう。
- 美白化粧水には、副作用問題があったようにリスクがあるので、その点には常に留意しましょう。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
*しみの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
CONTENTS
1.美白化粧水をシミ対策に取り入れたいあなたへ
「美白化粧水のランキングは不要?選び方と使い方のコツ!」をお届けします。
紫外線によるメラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐための「美白化粧水」。
美肌になる方法の1つが美白であるとお考えのエイジングケア世代の女性もたくさんおられますね。
「30代になって、急にシミが増えてきた気がする!」
「40代になった今、これ以上、シミをつくりたくない!」
「50代になってシミが大きくなった気がするけど、どうすればよいの?」
という女性にとって、エイジングケアの一環として、美白成分配合の化粧水を取り入れるのは、予防のためにも、できてしまったメラニンに対処するためにもよい選択肢の1つといえます。
なぜなら、美白化粧水を上手に使うことで、肌ツヤや透明感のあるお肌へ導くことができるからです。
しかし、美白化粧水でいう「美白」が何かをちゃんと理解せずに使っても、期待外れになる場合もあります。
また、「美白」が何かを理解しても、たくさんある美白化粧水のなかからどれを選べばいいのか、迷ってしまいますね。
美白化粧水も口コミやランキングがウェブサイトで紹介されることも多くなっています。また、春や夏には、美容雑誌でも美白化粧品特集なども組まれます。
いまではたくさんの美白化粧水が市販され、百貨店、ドラッグストア、アマゾンや楽天などの通信販売でも購入できるようになってきました。
ブランドも有名なものとして、資生堂のHAKU薬用美白化粧水、富士フィルムのアスタリフト ホワイト ブライトローション、オルビスのオルビスユー ホワイトローション、ディセンシアのサエル ホワイトニングローション コンセントレートなどがあります。アンプルール、ファンケル、花王ソフィーナなどの美白化粧水も人気ですが、ほかにも無数とも思えるくらいたくさんありますね。
そんな美白化粧水の正しい選び方は、何といっても配合されている美白成分のはたらきをしっかり理解することです。
実は、美白成分にはさまざまな種類があり、メラニンがつくられるプロセスのどの段階で作用するかによって分類されているのです。
美白化粧水のランキングやおすすめなどの情報も役立つことはありますが、成分のことを十分に説明していない美白化粧水ランキングもあります。
そんな美白化粧水ランキングで選んでしまえば、自分の目的に合った美白ケア、エイジングケアができないばかりか、配合されている有効成分が無駄になってしまうことにもなりかねません。
また、美白作用には、一定のリスクもあるので、その点に対する理解も重要です。
「美白」への第1歩は、美白成分の作用機序とリスクを理解した上で、自分自身のシミの悩みにあった美白成分を選ぶこと。
この記事「美白化粧水のランキングは不要?選び方と使い方のコツ!」を読んで、美白成分や美白化粧水の知識を身につけ、ランキングに頼らずに自分にぴったりの美白化粧水を選んでくださいね。
<美白の前にエイジングケアを!>
*ナールスブランドの人気No.1ナールスゲン配合エイジングケアローション「ナールスピュア」
初回限定価格!(4,950円→3,465円)(税込)
*本当にキレイになれる!動画「ナールス60日間美肌プログラム」とは?
<参考記事>
2.そもそも、美白化粧水って?
1)化粧水とは?
美白化粧水の前に、まず化粧水全般について。
化粧水は、次の成分で構成されています。
- 水
- ベース成分(基材または基本成分):グリセリンやBGなど
- 機能性成分 :美白成分や抗酸化成分
- 安定化成分 :パラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤など
- その他の成分:pH調整剤など
化粧水は80%程度あるいはそれ以上が水からできています。
化粧水もいくつかの種類に分類されますが、化粧水の中身や化粧水の成分の構成は大きく変わりません。
一般的に化粧水といえば、保湿化粧水のことです。
その基本的な役割は、水分や保湿成分で保湿をサポートし、お肌を潤しお肌のキメを整えることです。
しかし、美白化粧水は、保湿化粧水とは違って、その名のとおり「美白」が目的の化粧水です。
なお、化粧水の種類について詳しく知りたい方は、「化粧水は10種類以上も?目的別の効果とランキングに頼らない選び方!」を参考にしてください。
また、エイジングケア化粧水の選び方については、こちらの記事もぜひご覧ください。
2)美白化粧水とは?
①美白化粧水の「美白」の意味は?
化粧水の役割で、その呼び方が異なります。
美白化粧水とは、化粧水の種類のひとつで、いわゆる「美白成分」が配合されたものです。
美白化粧水に限らず、美白化粧品と呼ばれるものには、メラニンの過剰生成を防ぎ、できてしまったメラニンをできるだけ早くお肌の外に排出し、角質層より奥の表皮へ移行させない(シミとして定着させない)ための有効成分が配合されています。
ここで、ひとつ気をつけておきたいのは、美白というと、「お肌が白くなる」、「できたシミが消える」などのイメージがあるようですが、化粧品の効果でいう「美白」とは、「肌に余分なメラニンがない、その人本来持っている肌にする」ことを意味しています。
美白化粧水を使う前に、美白とはお肌をもとのお肌以上に白くするものではなく、前述のようにメラニンの生成を抑え、シミをつくらないための予防レベルであることを理解しておきましょう。
「美白」についての詳しい情報はこちらです。
*美白への過度な期待はお肌をダメに!正しい美白化粧品の選び方の秘密
②美白化粧水の定義は?
美白化粧水は、「医薬部外品」です。また、「薬用化粧品」とも呼ばれますが、その定義は同じです。
薬用化粧品とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、化粧品としての期待効果に加えて、肌あれ・にきびを防ぐ、美白、デオドラントなどの効果を持つ「有効成分」が配合され、化粧品と医薬品の間に位置する「医薬部外品」に位置づけられています。
美白化粧水は、そんな薬用化粧品の1つです。
美白化粧水を名乗るには、厚生労働省によって承認を得ることが必要です。
また、美白化粧水の承認を得ることができれば、「有効成分」として、「美白成分」を記載することができます
美白化粧品の広告の表現では、「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」「日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ」の2つだけが、が認められています。
3.自分に合った美白化粧水の選び方
1)美白化粧水の選び方の基本
「エイジングケア化粧水の選び方のコツは肌質と年齢と肌悩みの3つ」や「おすすめの化粧水は大切な7つのチェックポイントで!」でも詳しく触れていますが、美白化粧水の選び方の基本も、自分の肌質と年齢に合ったものを選ぶことが大切です。
美白化粧水を選ぶ場合も、その基本は同じで、次の7つのポイントを考えればよいのです。
- 美白化粧水の目的と限界を理解する
- 自分の肌タイプや年齢による老化の状態を理解する
- 美白成分を理解して選ぶ
- 自分にとっての安全性を考える
- 化粧水のテクスチャーで選ぶ
- 価格や経済性を考える
- 提供企業の情報提供のあり方や姿勢をチェックする
美白化粧水の場合は、特に美白成分の種類とはたらきがポイントとなります。
また、美白化粧水といっても、美白成分だけでつくられているのではなく、保湿成分も配合されています。
だから、それらをチェックして保湿力がどの程度なのかを確認することも大切です。
2)美白化粧水の目的と限界を理解する
それでは、美白化粧水の目的と限界を理解するために、あらためて期待できることとできないことを整理しておきます。
あなたの肌悩みが美白化粧水を使うことで改善、解消できるのかをチェックしてみましょう。
①美白化粧水に期待できること
- 日焼けした肌を、日焼け前の肌に戻すサポート
- 日焼けによるシミやそばかすを予防する
- お肌のくすみをケアして、肌に透明感を与える
- ニキビ跡のケア
- メラニンによる毛穴の黒ずみをケアする
- 保湿成分によって、キメを整える
- 保湿成分や一部の美白成分で、ターンオーバーを正常化する
- 肝斑のケア
②美白化粧水でできないこと
- 日焼け前の肌色より白くする
- ほくろやイボのようにもりあがったシミを改善する
- あざやADM(対称性真皮メラノサイトーシス)などの病気を改善する
- シミを即効的に消す
- 進んだ脂漏性角化症を改善する
ここからおわかりいただけると思いますが、「美白」という言葉は、あくまで日焼けによるシミの予防であって、「肌を白くする」ことではないのです。
化粧品や美容の言葉は、現実とイメージが異なることが多いので、注意が必要なのです。
あなたの肌悩みに、美白化粧水は使えるでしょうか?
3)肌質と年齢を考えた美白化粧水の選び方
①肌質と美白化粧水
肌質には、普通肌、乾燥肌、脂性肌、乾燥性脂性肌(インナードライ肌)の4つに加えて、混合肌やバリア機能がとても低い乾燥性敏感肌や敏感肌があります。
ここで気をつけたいのは、美白成分は通常の化粧水に配合される成分より刺激が強いものが多いことです。
通常は、普通肌や脂性肌の方は、比較的、自由に化粧品を選べるのですが、美白化粧水を選ぶ場合は、どんな肌質の方でも注意が必要です。
もちろん、乾燥肌、インナードライ肌、混合肌、敏感肌の方は、より注意することが必要です。
②加齢と美白化粧水
エイジングによって、どんな方もお肌は老化します。
どんな方も、20代、30代、40代、50代と年齢を重ねることで、お肌の皮脂や水分量が減って、乾燥肌の傾向になります。
年齢とお肌の老化の進み方の詳細については、「エイジングインデックス」をご覧いただきたいのですが、表皮では、角質層の天然保湿因子(NMF)、セラミドなども減っていきます。
また、真皮では線維芽細胞の活力も減り、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などのお肌のハリや潤いをもたらす成分が減っていくのです。
エイジングで肌は薄くなり刺激に弱くなります。
だから、年齢を重ねれば重ねるほど、刺激の少ない安全な美白化粧水を選ぶことが大切になるのです。
③刺激が気になる場合は、パッチテスト
だから、乾燥肌やインナードライ肌や敏感肌の方、40代以上の方は、新しい美白化粧水を使う場合には、パッチテストをオススメします。
特に、高齢で乾燥肌の方は注意が必要です。
無料サンプル、初回トライアル、返品保障・返金保障などのある美白化粧水を選んでパッチテストを行いましょう。
パッチテストとは、化粧品などを初めて使うときに、含まれる成分のアレルギー反応の有無を調べる簡易検査のことです。
次のように簡単なので、刺激が気になる方は、ぜひ、チェックしてくださいね。
- 入浴後、美白化粧水を、二の腕の内側に10円玉程度の大きさの分量を塗ります。
24時間後に、美白化粧水を塗った部位に赤みなどの反応がないかを確認します。
その部位に何も異常がなければOKなので、その美白化粧水を使うことができます。
もし、赤みがでたり刺激を感じるなら、その製品はNGです。すぐに洗い流してください。炎症がひどい場合は、皮膚科に相談することをオススメします。
OKな場合も、顔はお肌が薄いので、顎のあたりで試してから問題がないかを確認し、その後で顔全体に使うようにしましょう。
4.どう選ぶ?美白化粧水の美白成分
ここからは、「美白品成分を理解して選ぶ」プロセスになります。
美白成分についての理解を深めましょう。
1)美白成分とメラニン
紫外線を浴びると、お肌の中でメラニン色素がつくられ始めますが、それを抑えてくれるのが美白成分です。
メラニンとは、シミのもとになる色素。
紫外線などの影響によって表皮の一番奥の基底層にあるメラノサイトでつくられます。
先ほどもお伝えしましたが、「美白」を名乗るには、厚生労働省が認めた美白有効成分が配合されていて、医薬部外品(薬用)の承認を受ける必要があります。
ただし、医薬部外品でなくても、きちんと美白成分を含んでいるものもありますので、美白化粧水をはじめ、美容液や保湿クリームなど、美白化粧品を選ぶ際には、必ず美白成分が配合されているかどうかを確認することが大切です。
また、美白成分にはたくさんの種類があり、メラニン生成過程におけるはたらきやお肌への役割にも違いがあります。
美白成分は、シミができるどのプロセスを阻害するかで分類されます。
では、どのような美白成分があるのか、代表的な成分について作用別にご紹介します。
2)メラニン生成抑制作用のある美白成分
シミの元となるメラニンを作るプロセスを阻害することで、美白効果をもたらす成分です。
メラニンをつくる際に使われる酵素であるチロシナーゼのはたらきを阻害する成分と、メラニンをつくる細胞であるメラノサイトの情報伝達経路を阻害して美白効果をもたらす成分があります。
①メラニンをつくる酵素チロシナーゼの活性化を阻害する成分
- ビタミンC誘導体
ビタミンCを肌に吸収しやすく加工した成分です。
エイジングケア化粧品成分として抗酸化作用を発揮したり、コラーゲン産生をサポートします。次の章で詳しく説明しています。厚生労働省認可の医薬部外品有効成分。
- アルブチン
旧称は、α―アルブチンです。
コケモモや梨から抽出された成分で、ハイドロキノンとよく似た分子構造です。
チロシナーゼの活性を阻害する以外にも、メラニン色素を除去する作用を持っています。
厚生労働省認可の医薬部外品有効成分。
- コウジ酸
味噌や醤油、お酒などを造る際に使うコウジカビの培養液から抽出された美白成分です。
一時、毒性の問題が指摘されましたが、追加試験で安全性が確認され、現在では問題なく使えます。厚生労働省認可の医薬部外品有効成分。
- エラグ酸
ペルー産のマメ科植物のタラやイチゴ、ザクロなど、多くの植物に含まれるフラボノイドです。化学構造的には、ポリフェノール類で、ハイドロキノンのような作用があります、
比較的肌への刺激が少ないのですが、黄褐色をしていることから経時安定性に注意が必要です。厚生労働省認可の医薬部外品有効成分。
- ルシノール
ルシノールはPOLAが開発した美白成分です。シベリアのもみの木に含まれる成分を改良した成分で、ハイドロキノンのような作用があります。厚生労働省認可の医薬部外品有効成分。
- マグノリグナン
モクレン科の植物であるホウノキの木の皮に多く含まれるポリフェノールの一種です。
チロシナーゼの活性化を防ぐのではなく、チロシナーゼの成熟を阻害することで美白作用を発揮します。
カネボウが開発した成分です。
- ダエダリンA
ホウロクタケの菌糸から抽出した成分です。チロシナーゼを阻害する試験データはありますが、厚生労働省認可の医薬部外品有効成分ではありません。
- プラセンタエキス
プラセンタエキスは、馬・豚・羊の胎盤(プラセンタ)から抽出した成分で、複数のアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
美白作用以外に、血行促進や抗炎症作用などがあります。
厚生労働省認可の医薬部外品有効成分です。
- ハイドロキノン
ハイドロキノンンは、2001年の薬事法改正で化粧品に使えるようになりました。
ハイドロキノンは、アルブチンやコウジ酸より約100倍もの美白作用があるといわれています。
その分、ハイドロキノンは刺激が強いのです。
人によってはかぶれたり、ヒリヒリとした刺激がある場合があります。赤みや刺激が強い場合は使用を中止しましょう。
ひどい場合は、皮膚科などに相談してください。
厚生労働省認可の医薬部外品有効成分ではありません。
②メラノサイトに指令を出す情報伝達物質を阻害する
- カモミラET
カミツレ葉から抽出される成分で、全成分表示の際には、「カミツレエキス」と表記されます。開発企業である花王の美白化粧品で使われる際に、カモミラETという名前が使われます。
メラノサイトへメラニン生成の指令をだす「エンドセリン」という情報伝達物を抑制することで美白作用を発揮する成分です。
- トラネキサム酸
人工合成されたアミノ酸誘導体です。
イオン導入でよく浸透します。
抗炎症作用もあるので、美白ケアだけではなくニキビケアにも使われます。また、抗プラスミン作用があり、喉の腫れや口内炎を治療する薬から、歯磨き粉など、幅広く使われています。
3)メラニンを還元する成分
メラニンは、刺激を受けると化学反応で酸化され、黒褐色になります。この、酸化されたメラニン色素を無色に還元することで、シミを薄くする美白成分があります。
- ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体には、還元作用もあります。
4)メラニンの排泄を促進する成分
この作用機序を持つ美白成分は少なく、エナジーシグナルAMPだけです。
- エナジーシグナルAMP
エナジーシグナルAMP(成分名・アデノシン1リン酸2ナトリウム OT)は、皮膚の表皮のエネルギー代謝を促進し、ターンオーバーを促すことでメラニンを体外に排出し、シミやソバカスを薄くします。大塚製薬が開発した美白成分です。
ほかにも、レチノイン酸、アゼライン酸、油溶性甘草エキス、リノール酸などに美白作用があります。
美白成分を作用機序で分類しましたが、ランキングに頼る前に、それぞれの美白成分のはたらきを理解することが基本となります。
また、どの成分が自分のお肌に合うのか、相性もあります。
何度もお伝えしていますが、美白化粧水を選ぶ際にはランキングやおすすめ情報に頼らずに、必ず自分のお肌で試して確認することが大切です。
5.美白化粧水に有効なビタミンC誘導体のメリットとデメリット
ここでは、美白化粧水だけではなく、さまざまな化粧水で使われるビタミンC誘導体について詳しく取り上げます。
1)ビタミンC誘導体のメリットは?
これらの数ある美白成分のなかでも、美白作用ほか多くの作用を持ち、よく美白化粧水に配合される成分がビタミンC誘導体です。
抗酸化作用がありお肌の酸化を防ぐなどのエイジングケア化粧品成分としても有名です。
ビタミンC誘導体とは、リン酸型ビタミンCなど、ビタミンCをお肌に浸透しやすい形に変えたもの。
ビタミンC誘導体には、アスコルビン酸ナトリウムやVCエチルなどの水溶性ビタミンC誘導体、油溶性ビタミンC誘導体、両親媒性ビタミンC誘導体APPSがありますが、美白化粧水に使われるのは、水溶性ビタミンC誘導体です。
水溶性ビタミンC誘導体は、乳液や保湿クリームなどの油分の多いスキンケアアイテムよりは化粧水に配合したほうが安定しやすく、お肌への吸収がよいのがその理由です。
美白の効果の点でも、即効性があることが大きなメリットです。
なぜなら、ビタミンC誘導体は、メラニンが基底層から表皮の上部に上がってきた際に、直接、その還元作用を発揮するからです。
また、ビタミンC誘導体のこのほかの作用としては、美白効果だけではなく抗酸化作用にも優れ、ニキビの炎症を抑える作用もあります。
さらには、コラーゲンの生成をサポートするので、毛穴の開きやたるみ毛穴、しわ、ほうれい線などへのエイジングケア効果も期待できます。
こうした幅広い作用を持つことから、美白化粧水をはじめエイジングケア化粧水などにもよく使われるビタミンC誘導体ですが、メリットだけではなくデメリットもあるのです。
2)ビタミンC誘導体のデメリット
いま、ビタミンCは還元作用を発揮することを説明しましたが、この作用には、「刺激」がともないます。
ビタミンCは、本来、かなり強い酸性物質です。ビタミンC誘導体にすることで、その酸性は緩和されますが、それでも刺激性は残っています。
そのため、高濃度の場合や過剰に使えば刺激を感じるリスクは高くなるのです。
また、お肌が弱い人も注意が必要です。
もう1つは、皮脂を抑えるはたらきもあるので、乾燥肌をもたらすリスクがあります。
美白もエイジングケアも、という方にとっては、ビタミンC誘導体は、非常にすぐれた化粧品成分です。しかし、このようなデメリットもあることを覚えておきましょう。
もちろん、刺激を感じない方や高濃度でも美容皮膚科など専門家の指示の下でお使いいただければ大きな問題はありません。
よい成分なのでメリットとデメリットを理解して上手に使いましょう。
なお、ビタミンC誘導体化粧水については、「乾燥肌対策の保湿にビタミンC誘導体化粧水は使っていいの?」や「ビタミンC誘導体化粧水の選び方はエイジングケアの視点で」も参考にしてください。
6.美白化粧水を選ぶための決め手は?
ここまで、美白化粧水を選ぶためのポイントとして、次の4点について詳しく取り上げました。
- 美白化粧水の目的と限界を理解する
- 自分の肌タイプや年齢による老化の状態を理解する
- 美白品成分を理解して選ぶ
- 自分にとっての安全性を考える
これらのポイントを踏まえて美白化粧水を選ぶのは大変だと思いますが、加えて次のポイントも抑えておきましょう。
- 美白化粧水に配合される保湿成分で選ぶ
- 化粧水のテクスチャーで選ぶ
- 価格や経済性を考える
- 提供企業の情報提供のあり方や姿勢をチェックする
1)オススメの保湿成分は?
最近の美白化粧水には、保湿成分をしっかり配合したものが増えています。
化粧水で配合される保湿成分は、水溶性の成分がほとんどです。
そんな水溶性の成分も、次の2つに分かれます。
- 水分を抱え込んで保湿する成分
水分を吸着して保湿する成分
保水力は、次のとおりです。
水分を抱え込んで保湿する成分 > 水分を吸着して保湿する成分
だから、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチンなどの「水分を抱え込んで保湿する成分」が配合された美白化粧水を選びましょう。
水分を吸着して保湿する成分は、アミノ酸、グリセリン、BG、尿素が代表的な成分です。
これらは、ヒューメクタントと呼ばれます。
なお、水分を挟みこむ保湿成分であるセラミドは油溶性の成分のため、エイジングケア美容液などで補うことをオススメします。
2)美白化粧水を選ぶ最後の決め手は?
美白化粧水のテクスチャーは、好みで選べばよいので自分が好きなものを選びましょう。
美白化粧水を選ぶ最後の決め手となるのは、価格と企業姿勢です。
価格は、コストパフォーマンスを考えて、自分の経済状態に合ったものを選びましょう。
最終候補に残った美白化粧水の1日あたり、あるいは1mlあたりの費用を計算して比較してみてはいかがでしょうか。
また、美白化粧水を提供している企業の接客、電話応対、情報提供のあり方など、企業姿勢をチェックすることも大切です。
信頼できる企業の美白化粧水を選びましょう。
7.美白化粧水ではなくても美白はできる?
ここまで、美白化粧水の選び方をご紹介してきましたが、美白化粧水以外でも「美白」は可能なのでしょうか?
答えは、Noでもあり、Yesともいえます。
①メラニンを抑える美白は難しい
薬用化粧品である美白化粧水には、いままで説明してきた厚生労働省によって認可された美白成分が入っていますので、メラニンを抑えることが期待できます。
しかし、そうではない化粧水ではメラニンを抑えることは難しいといえます。
ビタミンC誘導体やプラセンタエキスは、美白化粧水でないものにも配合されるので、まったくメラニンの抑制が期待できないわけではありませんが、配合濃度や種類が異なるため、美白化粧水ほどの効果は期待できないと考えられます。
②ターンオーバーの正常化も美白の1つ
メラニンを正常に排出するには、ターンオーバーが正常であることが大切です。
保湿化粧水やエイジングケア化粧水であっても、それは可能です。
メラニンを抑えるのではありませんが、ターンオーバーを正常化することで余計なシミが角質層に残ることは防げるのです。
また、美白成分ではありませんが、紫外線による細胞の損傷を軽減するナールスゲンなどのエイジングケア化粧品成分が配合されたエイジングケアローションなども、毎日の美白ケアをサポートするアイテムとしておすすめです。
8.知っておきたい美白化粧水のリスク
1)メラニンは実は、お肌の味方?
女性にとって憧れでもある美白。
水を差すような話なのですが、美白化粧水はそもそも、お肌が本来持つ、防御作用に逆らっているのです。
シミは、実は、防御作用の「賜物」なのです。
紫外線の中でもA波(UVA)は、皮膚の組織の深いところまで到達してダメージを与えます。
また、紫外線B波(UVB)は、表皮までしか届きませんが、エネルギーが強く日焼けをもたらし、直接的なシミの原因になります。
しかし、人の肌には紫外線を防御するための機能が備わっているのです。
それが、メラノサイトであり、メラニンです。
メラノサイトは、色素細胞ともメラニン細胞ともいわれる細胞です。
メラノサイトは、表皮の基底層にやや真皮側にはみ出すように存在するメラニンをつくる細胞です。
メラニンは、メラノサイトで「チロシン」と呼ばれるアミノ酸が「チロシナーゼ」で酸化されてつくられます。
メラニン色素は、紫外線の影響が大きければ、たくさんつくられます。そして、それが集まって、部分的な色素沈着を起こします。
これが、シミなのですが、お肌が紫外線と一生懸命戦った証なのです。
美白化粧水に含まれる美白成分は、この防御反応を抑制するはたらきをしています。
つまり、お肌本来のはたらきとは真逆なことを行っているのです。
だから、一般的な美白成分は、「効果」と「副作用」を考え、問題の起こらないように濃度が設定されています。
また、多くの美白成分は、経皮吸収性も過度に高くなく、まだ配合濃度も適度なので、皮膚の基底層まで届くことは少ないといえます。
とはいえ、白斑事件に見られるようなリスクが100%ぬぐいされるものではありません。
化粧品による美白には、常にリスクがあることを理解した上で、美白化粧水を使いましょう。
でも、一番のオススメはしっかりと紫外線対策を行って、美白化粧水を使わなくても、シミができないような対策を行うことです。
2)知っておきたい美白化粧品の副作用
①美白化粧品の主な副作用
一般的な美白化粧水の副作用をあげておきます。
これらは、美白成分の影響によるものです。
- ピリピリ、ヒリヒリなどの刺激
- 乾燥でかゆみが出る
- 赤みや腫れ、発疹
- 白斑(色抜け)
- 黒ずみ、色素沈着
このような問題に直面したら、美白化粧水の使用を中止しましょう。
もし症状がひどい場合、回復しない場合は、早めに皮膚科などを受診しましょう。
②ロドデノールの副作用
ここで、美白化粧品では最も大きな問題となった「ロドデノール」の問題について触れておきます。
2013年7月にロドデノールの皮膚障害が報告され、ロドデノール配合美白化粧品が回収されました。
なぜ、この副作用が発生したかは完全に解明できているわけではありませんが、ある程度はわかっています。
そのポイントは次のとおりです。
ロドデノールは、チロシナーゼを阻害することで美白効果を発揮する成分です。ロドデノールは、メラノサイトに対して細胞毒性があることがわかりました。
ただ、ロドデノールをはじめ毒性がある成分でも、人が持つグルタチオンやシステインなどの抗酸化物質による解毒システムで処理されれば、大きな問題にはなりません。
しかし、毒性の強さが、解毒能力を上回ったときにメラノサイトの元気がなくなります。
そして、その状態が続くと、メラノサイトの多くが減少あるいは消失すると考えられています。
その結果、脱色素斑(白く色が抜けた状態)が生じるというのが見解です。
カネボウの調査では、ロドデノール配合の美白化粧品を使っていた人の2%程度の人に脱色素斑が認められたそうですが、なぜ脱色素斑を生じる人と生じない人がいるのかについては、研究中のようです。
なお、日本皮膚科学会のウェブサイトに、「ロドデノール含有化粧品について(ロドデノール誘発性脱色素斑)」という調査・活動報告が掲載されています。
疫学調査や患者さんからの質問への回答、市民公開講座の資料などがダウンロードできます。
9.美白化粧水の使い方
1)美白化粧水の使い方の基本と保管期限
紫外線が強くなったり、シミが目立ってくると美白化粧品を使い始める人も多いようですが、これまで説明したように、美白成分はこれからつくられるメラニン色素を減らすようにはたらきます。
しかし、大切なのは美白化粧水を使う前からの紫外線対策です。
日焼け止めほか帽子やUVカットサングラス、衣類などでしっかりと紫外線対策を行うことが大切です。
美白化粧水は、シミがつくられないよう予防的に使うものなので、できるだけ刺激がなく使いやすいものを選んで紫外線の強い季節の前後だけに使いましょう。
さらに、美白化粧品は、シミの上だけに使うのではなく、顔全体に使うこともポイントです。
その点、化粧水なら洗顔後に顔全体につけるので、毎日の美白ケアにも取り入れやすく、美白効果にも期待できますね。
美白化粧水の保管期限は、特に記載がなければ3年ですが、開封後は1年以内で使い切りましょう。
保存は、常温で日光を避けてくださいね。
2)美白化粧水は、年中、使うべき?
考え方はさまざまですが、美白化粧水を長期間、毎日、使い続けることは避けたほうがよいと考えます。
「予防美容的に毎日、習慣に!」との情報もありますが、それが長期となった場合は、リスクが高くなることも考えられます。
なぜなら、メラニンそのものは、紫外線ダメージを防御するバリアとしてもはたらいているからです。
それを、毎日、できないようにすることは乾燥を招いたり、お肌の老化を促進する方向にはたらくことになるからです。
私たちは、美白化粧水による美白よりも、紫外線を浴びないことで「美白化粧品」を過度に使わないようにすることのほうが大切だと考えます。
3)美白化粧水のつけ方は?
美白化粧水は、洗顔の後に使います。
美白化粧水をつけるときは、ほかの化粧水と同じようにお肌に負担にならないように優しくつけることが大切です。
お肌を叩いたり、擦ったりすることは、肌を傷つけるので止めてくださいね。
洗顔後、5分以内をめどにして数回に分けて、手で優しく美白化粧水をつけましょう。
化粧水の使い方は、「化粧水の正しい使い方とつけ方で美肌に!上手なエイジングケア」で詳しく取り上げていますので、ここではポイントをご紹介します。
美白化粧水は、コットンでも手でつけてもかまいませんが、エイジングケア世代の方には手で直接触れることでスキンシップができ、顔の肌状態が確認できる「手」をオススメします。
つけ方は、次のとおりです。
①まず適量を両手のひらに取り、体温であたためる。
②顔の中心から外側へ、手で顔を包み込みながら、大きく円を描くように全体に優しくつける。
③目元や口元などお肌が薄くデリケートなパーツは、指の腹でそっと押さえる。
④手に残った化粧水をおでこになじませ、最後にフェイスラインを軽く押さえましょう。
⑤化粧水をつけた後は、成分がじんわり浸透しやすいようにハンドプレスしましょう。
化粧水のパッティングは上手にできるなら構いませんが、そうでないなら控えたほうが無難。
また、美容成分を浸透させるには化粧水パックを活用するのもよい方法です。
コットンやシートにたっぷりと化粧水を染み込ませ、シミの気になるパーツで使いましょう。
ただし、バリア機能が低下している場合は控えてくださいね。
美白化粧水の後は、エイジングケア美容液や保湿クリームでしっかり保湿を行いましょう。
エイジングケア世代の方には、ヒト型セラミド配合のセラミド美容液やセラミドクリームがオススメです。
なお、美白化粧水を日焼け後すぐに使うのは避けましょう。日焼けは「日光皮膚炎」という火傷です。
刺激が強くなってしまうので、十分に熱を冷ました後に使ってくださいね。
3)こんな時は控えたい!美白化粧水の使用
美白化粧水は、保湿化粧水よりも刺激が強いので使い方は慎重になるべきです。
バリア機能が低下している状態では注意して使う、または控えることをオススメします。
春先など、季節の変わり目にお肌がゆらいでいる状態のゆらぎ肌、花粉で肌荒れがある場合は避けましょう。
また、夏から秋にかけて肌が疲労して肌荒れがあったり、ニキビなどで炎症を起こしている場合も同じです。
10.美白成分に頼らない美白対策
これまでお伝えしてきたように、美白は美白化粧品や美白化粧水に頼らず対策することが可能です。
1)紫外線対策が美白とエイジングケアの基本
くどいようですが、美白化粧水よりも大切なのは、紫外線対策です。
まず、UVケアをしっかり行っているかをチェックしましょう。
シミは、紫外線の中でも紫外線B波が主な原因です。日焼け止めは、紫外線B波の対策の指標であるSPFに注目しましょう。
日焼け止めクリームに加えて、夏場は帽子やサングラス、黒っぽい服などファッションで紫外線を避けることで紫外線対策を行いましょう。
もちろん、冬でも紫外線対策を行いましょう。
さらに、紫外線のアフターケアを積極的に行うことで、お肌の酸化を防ぐことも大切。
ビタミンA誘導体(レチノールやレチノイン酸トコフェリル)、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体、ナールスゲン、フラーレンなどの抗酸化作用のある成分を配合したエイジングケア化粧品を外出後すぐに使うことをオススメします。
2)酵素洗顔でターンオーバーを改善
- お肌がゴワゴワしている
- 角栓が溜まっている
- 毛穴が詰まっている、毛穴の黒ずみが目立つ
- くすみが気になる
などは、ターンオーバーが遅くなっている可能性があります。
そんな場合は、メラニンの排出が遅れてシミができやすい状態です。
ターンオーバーを正常化させるには、美白化粧水よりも酵素洗顔がオススメです。
また、ターンオーバーが遅い場合には、クレンジングの後にダブル洗顔をすることも有効です。
3)食べ物でもできる美白ケア
日常の食べ物による内側からのエイジングケアで、お肌のシミやくすみの予防が可能です。
「紫外線対策の食べ物と飲料!日焼けや肌老化を防ぐ7つの栄養素とは?」で詳しくご紹介していますが、外側からの美白だけではなく、食べ物で美肌を目指しましょう。
美白に必要な栄養素や食べ物をご紹介します。
①ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用があり、シミやそばかすの原因となるメラニンをつくる酵素チロシナーゼを阻害することで美白効果を発揮します。
ビタミンCを含む食べものは、黄パプリカ、赤パプリカ、アセロラ、キウイフルーツ、ゆず、柿、パプリカ、パセリ、ゴーヤ、レモンなどです。
ビタミンCは、水溶性で熱に弱いので、野菜などは茹でずに生がオススメです。
また、すぐに排泄されるので、一度に大量に摂るのではなく、毎日、少しずつ摂るのがよい方法です。
② L-システイン
L-システインは、体の内側から代謝を促すはたらきと抗酸化作用を持つアミノ酸です。
ヒトの皮膚、髪の毛、爪などにたくさんあり、シミ・そばかす、肌荒れなどのトラブルのない美肌を保つ上で欠かせない成分です。
L-システインは食べ物にはなく、必須アミノ酸「メチオニン」を摂ることによって、体内で合成されます。
だから、メチオニンを含む食べ物を意識して摂取することで美白が期待できるのです。
メチオニンを豊富に含む食べ物は、マグロ、鶏肉、豚肉、牛肉、牛乳、チーズ、納豆、豆腐、しらす干しなどです。
ただし、メチオニンを摂り過ぎると、血中コレステロールを増やしてしまいます。その結果、動脈硬化になるリスクを高めるので注意が必要です。
③エラグ酸
エラグ酸は、ポリフェノールの1種で、メラニン色素の生成を抑制する作用に加えて、強い抗酸化作用もあります。
また、ガンを抑制する効果や糖尿病を予防する効果、炎症を抑える効果、アンチエイジングなど、さまざまな効果を持っています。
だから、美白だけではなく、からだの健康のためにも積極的に摂りたい成分です。
エラグ酸は、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ザクロ、いちご、アサイー、アーモンドなどのナッツ類に豊富です。
ビタミンCと一緒に摂取することでより効果が発揮されます。
④グルコシルセラミド
セラミドは、角質細胞間脂質の約半分を占める成分で、お肌のバリア機能を高めるはたらきがあります。 また、メラニンの生成を抑えてくれます。
だから、乾燥肌対策としても美白ケアにも大切な成分です。
乾燥を防ぐ食べ物では、セラミドを含む食べ物がオススメですが、食べ物で摂取する場合は、グルコシルセラミドとして摂ることができます。
グルコシルセラミドがそのままお肌のセラミドになるわけではありませんが、お肌のセラミドを増やすサポートが期待できます。
グルコシルセラミドを豊富に含む食べ物は、こんにゃく芋、大豆、小麦、黒豆、大豆、ブロッコリー、牛乳などです。
⑤リコピン
リコピンには強力な抗酸化作用があるので、肌の酸化ダメージを抑えてくれます。
美白効果以外にもたるみやしわの軽減が期待できます。
リコピンを豊富に含む食べ物は、ミニトマト、トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ、柿、人参などの野菜やフルーツです。
ほかにも、ビタミンEやビタミンA、βカロテンなども美白のために摂りたい成分です。
⑥コラーゲン
コラーゲンが隠れシミを予防したり、光老化を予防することが分かってきています。
だから、魚の皮や鳥の皮などと積極的に食べることも美白によいのです。
詳しくは、「コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド」や「コラーゲンを毎日食べて、紫外線による光老化や肌老化を予防しよう!」をご覧ください。
4)まだできる生活習慣でできる美白!
よくない生活習慣も美白の敵です。アンチエイジングを意識した生活習慣もシミを防ぐのです。
十分な時間とともに、質の高い睡眠を取ることで美肌が得られますし、夜寝る前にリラックスしてエイジングケアを行うことも美白ケアになるのです。
タバコや過度なアルコールも美白や美肌の敵です。
どんなに自分に合った美白化粧水を使ってもタバコを毎日吸っていては、透明感のあるお肌は期待できません。
タバコは血管を収縮させるので、お肌への酸素や栄養が滞ってしまいます。その結果、ターンオーバーも乱れ、シミになったりハリやツヤが失われるのです。
喫煙とお肌の老化の関係についての詳しい情報は、「喫煙がお肌の老化を加速!タバコで老け顔になる原因と対策」をご覧ください。
お酒の飲み方は、「お酒の飲み方と成分を知って美肌に!エイジングケアの視点」を参考にしてください。
5)医薬品でもできる美白対策
シミが気になる方は、「シミ」に効能・効果があるOTC医薬品を使うこともよい方法です。
ロスミンローヤルという飲む医薬品は、「シミ」に効能・効果のある医薬品です。
これは、「第3類医薬品」といって、副作用のリスクは少ないとの判断から、薬局に限らずネットなどでも販売されています。
用法・用量を守って使えば、比較的安全に使えるシミ対策の医薬品です。
肌への効能効果は、しみ、そばかす、にきび、はだあれ、小じわです。
11.まとめ
ランキングに頼らない美白化粧水の成分や選び方、また効果的な使い方について説明しました。
さらには、美白化粧水のリスクや副作用にも触れました。
いかがでしたか?
化粧水に限らず、美白化粧品は、そのメリットとデメリットを理解した上で、選ぶこと、使うことが大切です。
ぜひ、この記事「美白化粧水のランキングは不要?選び方と使い方のコツ!」を参考にしていただき、美白成分の特性を理解するとともに、美白ケアやエイジングケアに、効果的に取り入れてくださいね。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 やすだともよ)
医学出版社、医学系広告代理店にて編集・ライターとして、医師向け、患者向けの情報提供資材や書籍等の記事の編集・執筆や、国内・海外医学会取材・記事執筆を行う。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
ぜひご登録をお待ちしております。
▶キレイと健康のお役立ち情報が届く、ナールスのメルマガ登録はこちらから
nahlsエイジングケアアカデミーを訪れていただき、ありがとうございます。nahlsエイジングケアアカデミーでは啓発的な内容が中心ですが、ナールスコムでは、ナールスブランドの製品情報だけでなく、お客様にご参加いただいた座談会やスキンケア・エイジングケアのお役に立つコンテンツが満載です。きっと、あなたにとって、必要な情報が見つかると思います。下記から、どうぞ。ナールスゲン配合エイジングケア化粧品なら「ナールスコム」
SNS Share
\ この記事をシェアする /