あなたは、なぜお肌の酸化が問題なのかご存知ですか?
それは、酸化することでお肌が老化してハリや弾力を失い、ほうれい線やしわなどのエイジングサインの原因になるから!
だから、毎日の生活習慣で身体やお肌の酸化を防ぐことや抗酸化作用のあるエイジングケア化粧品で抗酸化ケアを行うことが大切。
この記事では、そんなお肌の酸化を防ぐ対策や抗酸化成分によるエイジングケアをご紹介します。
- お肌の酸化とは、活性酸素によってお肌の細胞、組織がダメージを受けて老化してしまうことです。
- お肌の酸化をもたらす活性酸素が過度に増える原因は、身体の外部と内部の両方にあります。
- 外部要因は、化学物質、紫外線、電磁波(放射線など)、タバコの副流煙などです。内部要因としては、ストレス、不規則な生活、過度のアルコール摂取、過度な運動、喫煙、便秘などです。
- お肌の酸化を防ぐ対策で最も大切なのは、紫外線対策です。次いで、日常の生活習慣です。
- スキンケアやエイジングケアでは、まず、お肌を清潔にすることが大切です。加えて抗酸化作用のある成分を配合したエイジングケア化粧品を使って、プラスアルファの抗酸化ケアを行いましょう。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
*たるみの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
CONTENTS
1.お肌の酸化が気になるあなたへ
お肌の酸化がお肌の老化につながり、ほうれい線やしわが目立つ原因になることは、ご存知の方が多いと思います。
お肌の酸化は、鉄など金属が「錆びる」ことと同じような状態です。
一方で、
「酸化が、なんとなく悪いことは知っているけど、詳しいことはよく知らない」
「スキンケアやエイジングケアで抗酸化ってどうやればよいの?」
「活性酸素を余分に発生させない生活習慣は?」
などについて疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では、お肌の酸化の原因や予防のためのアンチエイジングを意識した生活習慣から、エイジングケア化粧品で行える抗酸化の対策まで、幅広くご紹介します。
エイジングケアを考える上で、酸化と抗酸化を理解することは必須です。
錆びない美肌へ導く、エイジングケアを実践したい方は、ぜひ、続きをお読みください。
<抗酸化物質「グルタチオン」を増やす>
京都大学発ナールスゲン配合のエイジングケア化粧品「ナールス」
2.お肌の酸化とは?
1)お肌の酸化の原因「活性酸素」とは?
身体やお肌の酸化の直接的な原因は、過剰な活性酸素によるダメージです。
ここでは、まず簡単に活性酸素とは何かを理解しましょう。
私たちは、呼吸によって、毎日500リットル以上の酸素を身体の中に取り込んでいます。
これで、生きていくためのエネルギーを生み出しているのです。
実は、そのうち、2%程度が活性酸素になります。つまり、通常の呼吸でも活性酸素は生まれているのです。
この活性酸素は、適度な量であれば、ウイルスや細菌などの外部刺激を除去してくれます。
だから、必ずしも「活性酸素=悪」ではなく、適度なら身体にとっては必要な存在なのです。
しかし、活性酸素が過度に増えてしまったり、その状態がより不安定になれば、コラーゲンやエラスチンなどのお肌のたんぱく質、皮脂などの脂質、糖質、細胞膜やDNAに害を及ぼし、そのはたらきを低下させてしまうのです。
たんぱく質などは、身体が若く健康な状態であれば、細胞も元気なので、代謝することにより分解と合成を繰り返すことができます。
ですが、体内で過剰な活性酸素が発生すれば、異常なたんぱく質が発生し、細胞が弱ってたんぱく質を合成する能力が低下してしまいます。
これが原因で、お肌の老化はもとより、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病、認知症、癌など、さまざまな病気の原因になることもあるのです。
活性酸化は、お肌の老化を招くエイジングケアの敵であるだけでなく、身体全体の健康を害するものなので、それを避けることが大切なのです。
2)お肌の酸化とは?
次に、お肌の酸化についてもう少し具体的なお話を進めましょう。
その下は表皮で、上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層という4つの層で構成されています。
お肌、つまり皮膚とは、表皮、真皮、皮下組織の3層構造のことです。
また、これらのお肌の中には血管やリンパ管なども通っています。
これらのお肌の組織は、たんぱく質、糖質、脂質からできていますが、お肌の外的な要素と内的な要因ですべてが酸化の影響を受けるのです。
たとえば、お肌表面の皮脂やメイクなどの油分は、紫外線による活性酸素で酸化して過酸化脂質になります。
これも、お肌の酸化の1つです。
また、真皮のコラーゲンやエラスチン、線維芽細胞なども紫外線などのダメージで活性酸素が発生すれば、変性したり死滅することもあります。
さらには、肥満になると皮下組織が酸化することも知られています。
このように、お肌の酸化はお肌の細胞やさまざまな組織で起こるのです。
これは、まさにお肌の老化とも言えます。
お肌の酸化が具体的にどんな肌悩みやエイジングサインにつながるかについては、後半にご紹介しますので、ここでは
- お肌の酸化は、お肌の細胞やさまざまな組織で起こる
- お肌の酸化とは、お肌の老化である
ことを覚えておいてください。
3)酸素と酸化って何?
ここから先は、お肌の酸化の話ではなくて、化学のお話です。
だから、ご興味がなければ読み飛ばしていただいても結構です。
酸素や酸化の化学的なお話にご興味があれば、読んで頂ければ、ウレシイです。
酸化を理解するために、まず酸素のことを理解しましょう。
酸素を、人間に例えるなら、
- さみしがり屋でいつもだれかを探している
- 不良の影響を受けると暴力的になる
といった性格を持っているのです。
酸素とは、O₂、つまり、酸素の原子Oが2つ結合した状態です。
これは、一応安定した状態なのですが、結びつきがゆるいのです。
酸素原子は、8つの電子を持っていて、そのうちの6つはそれぞれの原子の中でペアになります。
それが2つ結びつくとき、酸素原子同士でペアをつくります。
つまり、酸素原子は、3つのペアが原子内にできます。
余った2つの原子は、仲間を探そうとして、酸素の2つの原子同士がくっつきます。
これが酸素分子です。
しかし、この2つはちょっとしたはずみでペアを解消します。
ペアをもたないこの電子は、「不対電子」と呼ばれますが、不安定な状態にあるため、他の物質から電子を奪って、安定しようという性質を持っています。
だから、もし、鉄などがそばにあれば、この酸素がすぐに鉄に結びついてしまうのです。
酸素とは、なぜか仲間である酸素原子の電子と仲間にならず、外部の何かにちょっかいをかける性質があるのです。
さて、今、酸素原子は電子を奪いました。
一方、鉄は電子を奪われました。
この化学反応が、酸化と還元です。
つまり、電子を奪われた鉄は「酸化」し、電子を奪った酸素は「還元」されたのです。
電子を奪われた鉄は、錆びてしまって、やがてボロボロになってしまいます。
お肌の酸化もこれと同じです。
紫外線、過度のストレスや過度の運動、喫煙などによって活性酸素が生まれるのですが、活性酸素はペアになっていない電子を持っているため不安定で、自らを安定させようとして細胞から電子を奪っていくのです。
身体や皮膚でも鉄が電子を奪われたことと同じことが起こってしまい、お肌を錆びさせます。
これが、酸化が大きな問題とされる理由です。
エイジングケアで大切なこととは、酸化を防ぐことなのです。
4)酸化還元反応とは?
酸化と還元について少し触れましたが、補足します。
酸化とは、「酸素と結合する」 「水素を奪う」 「電子を失う」 ことです。
還元とは、「酸素を失う」 「水素と結合する」 「電子を奪う」 ことです。
2つの物質で、どちらかが酸化すれば、相手は還元されます。
常に「酸化」と「還元」は同時に起こるので、化学の世界ではこの現象を「酸化還元反応」と呼んでいます。
お肌や身体の中でも、酸素によって、これと同様のことが起こっています。
ビタミンCなどの抗酸化物質は、「われ先に!」と酸素に電子を差し出すことで、酸素とくっついて自身が酸化され、身体の細胞が酸化されることを防いでくれています。
身体の中の抗酸化物質とは、何らかの物質が細胞の変わりに酸素と結びつき、いわば、身代わりになってくれているのです。
これで、ビタミンCとくっついた酸素は、安定します。
これが、ビタミンCの還元力です。
つまり、抗酸化成分とは、自分自身が酸化されやすい成分なのです。
3.お肌の酸化の原因「活性酸素」は、なぜ増える?
活性酸素は、先ほどお話したとおり、普通に生活していても発生します。
それ自体は、身体に必要なので問題ではありません。
しかし、活性酸素は、外部要因と内部要因によって過剰に発生するために酸化の原因になります。
外部要因としては、『化学物質、紫外線、電磁波(放射線など)、タバコの副流煙、』
内部要因としては、『ストレス、不規則な生活、過度のアルコール摂取、過度な運動、喫煙』です。
それらについて少し詳しく整理してみましょう。
1)化学物質
車の排気ガス、工場からでる窒素化合物などの化学物質を含むガス、PM2.5などの大気中の化学物質も活性酸素の原因です。
また、残留農薬、殺虫剤、作用が強い抗がん剤などの医薬品も体内に活性酸素を増やす原因になります。
さらに、食品添加物に含まれる物質や酸化した油なども活性酸素の原因になります。
2)紫外線
紫外線が活性酸素の原因であることはよく知られています。
もちろん、紫外線によるお肌の老化は、光老化と呼ばれ、お肌のしわやシミ、たるみの大きな原因です。
お肌の老化の80%が光老化によるものと言われますが、紫外線のエネルギーで生まれる活性酸素は、お肌にとって、「タチの悪い」ものです。
また、紫外線ダメージで活性酸素が増えれば増えるほど皮膚がんになるリスクも高くなります。
紫外線を避けることが、お肌の酸化防止の対策で、エイジングケアの基本中の基本となります。
3)電磁波
電磁波とは、放射線や光線なども含まれるので、紫外線も電磁波の1種です。
電磁波には、紫外線以外にも活性酸素の原因となるものがあります。
波長の短いガンマ線やエックス線などの放射線も活性酸素の原因です。
なお、医療で病気の診断の際のエックス線を気にする方がいますが、健康診断や病気の検査など年数回の場合は、大きな問題ではありません。
それよりも日々の紫外線対策を気にすることが大切です。
また、テレビ、ラジオ、スマートフォンなどの電磁波は、日常で使うレベルであれば、身体やお肌への影響はない、あるいは極めて少ないと考えられています。
4)タバコ
タバコの喫煙も活性酸素の原因です。ニコチンやタールなどの有害物質が体内に吸い込まれることで、大量に活性酸素が発生するのです。
また、タバコの煙には、活性酸素の1種である過酸化水素が含まれます。
だから、副流煙による受動喫煙も喫煙者以上のダメージがあります。
タバコとお肌の老化については、「喫煙がお肌の老化を加速!タバコで老け顔になる原因と対策」を参考にしてください。
5)ストレス
ストレスには、外的なストレスと内的(精神的)ストレスがありますが、現代社会はストレスだらけです。
過度なダイエット、仕事の疲れや通勤時のラッシュアワーなどは内的なストレスになります。
また、職場や家庭ほか、人間関係による内的なストレスはつきません。
さらに、活性酸素の原因として挙げた化学物質、紫外線、タバコの煙などは外的ストレスです。
外的ストレスでも内的ストレスでも、人の身体はストレスを受けるとそれに反応し、ストレスを下げて元に戻ろうとします。
その際に、脳の視床下部からの指令で、ストレスを緩和させてくれる「副腎皮質ホルモン」が分泌されます。
実は、その際に一緒に活性酸素もつくられてしまうのです。
また、ストレスで血管が収縮して、それが開放され血液が流れる際にも活性酸素が生じます。
これらがストレスにより活性酸素が発生する原因です。
6)不規則な生活
睡眠不足をはじめ不規則な生活も活性酸素の原因です。
生活が不規則になると内的・外的なストレスが溜まります。
また、睡眠不足は、起きている時間が長くなることそのもので活性酸素が増えるリスクが高まるのです。
なぜなら、睡眠中はエネルギー消費が減るので活性酸素も減るのですが、起きて生活している際は、エネルギー消費が睡眠中より大きくなるからです。
7)過度のアルコール摂取
アルコール摂取、つまり飲酒は、少量なら活性酸素を減らすと考えられています。
しかし、過度になれば、肝臓でアルコールを代謝するのに大きなエネルギーが必要となり、その際に活性酸素が増えるのです。
8)過度な運動
激しいスポーツやその人にとっての過度な運動も活性酸素が増える原因です。
激しいスポーツでは、呼吸回数が増え、必要な酸素量が増えます。
その結果、酸素消費とともに活性酸素も増えるのです。
運動やスポーツが過度かどうかは個人差があるとともに、徐々に慣れていけば逆に体力が上がって、ある程度の運動までは耐えられるようになります。
だから、少しずつ運動量を増やすことは、美肌、体力アップと活性酸素の対策、酸化防止にとってもよい方法です。
9)腸内細菌叢の乱れ
腸内環境が乱れると便秘や下痢になってしまいます。
便秘や下痢は、腸内細菌叢が乱れ、悪玉菌が優位な状態です。
そうなると、腸内で活性酸素が増えます。
そして、自律神経の働きが悪くなり、皮膚の血行が悪化します。
また、腸から毒素が発生し、それが全身に回ってお肌にもダメージを与えた結果、肌荒れや大人ニキビ、ニキビなどの原因になるのです。
4.酸化の原因「活性酸素」をもっと知ろう
酸化の原因となる活性酸素とは、酸素とは別のものというより、酸素が変化した「状態」で、4つのパターン(種類)があります。
そんな活性酸素について、少し掘り下げてみます。
この章も少しマニアックな話になりますので、お肌の酸化だけを知りたい方は、読まずに次に進んで頂いてもよい内容です。
でも、活性酸素のことを詳しく知りたい方は、読んでくださいね。
1)活性酸素とフリーラジカル
活性酸素には、スーパーオキシド(スーパーオキサイド)、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素 という4種類があります。
このうち、フリーラジカルは、スーパーオキシドとヒドロキシラジカルです。
活性酸素とフリーラジカルは同じものとして混同しやすいのですが、
活性酸素 = フリーラジカル ではない
のです。
フリーラジカルとは、「不対電子」という不安定な電子を持つ物質のことで、活性酸素以外にも一酸化窒素や脂質アルコキシラジカルなどいつくかの脂質があります。
一方、活性酸素でも、過酸化水素や一重項酸素は不対電子を持っていないので、フリーラジカルではないのです。
2)お肌の酸化をもたらす活性酸素は4種類
①スーパーオキシド(スーパーオキサイド)
酸素分子が、他の物質から電子を1 つもらうとスーパーオキシドになります。
これは、最も一般的な活性酸素で、体内では、酸素分子から最初に生成されます。
スーパーオキシドは、電子が1つ増えた状態なので、ペアがない不対電子を持っていることになります。
だから、スーパーオキシドはフリーラジカルです。
スーパーオキシドは、白血球が体内で侵入してきた細菌などを殺すために大量発生します。
これは身体の防御のためですから活性酸素が必要な状態です。
しかし、この状態が続くと、お肌や身体の細胞を傷つけたり、破壊するのです。
②ヒドロキシラジカル(ハイドロキシラジカル)
ヒドロキシラジカルは、酸素原子と水素原子が結びついたもので、100万分の1秒程度の寿命ながら、非常に反応性が高く、周りの細胞の脂質、たんぱく質、糖質、核酸などにダメージを与える活性酸素です。
この活性酸素は最も酸化力が強く、これが過度に増えると生命をも脅かすとても怖い活性酸素です。
③過酸化水素
過酸化水素は、ヒドロキシラジカルがさらに電子を1つ、水素原子を2つ奪ってできる活性酸素です。
極めて不安定で、非常に強い毒性をもっていますが、フリーラジカルではありません。
④一重項酸素
一重項酸素は、放射線(X線)や紫外線に皮膚があたると皮下組織で大量に発生します。
この一重項酸素は、活性酸素の中でもお肌にとって「とてもタチの悪い活性酸素」です。
脂質を過酸化脂質に変えるとともに、皮膚のたんぱく質であるコラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。
また、皮膚がんなどを引き起こすリスクもあります。
さらに、反応性が強く、他の活性酸素に姿を変えてゆく性質をもっています。
5.活性酸素がお肌を酸化させるメカニズム
人の身体は、細胞の集まりで、全体で60兆個もあると考えられています。
もちろん、皮膚(お肌)も同じです。
そんな細胞の細胞膜は、酸化しやすい脂質である不飽和脂肪酸でできています。
この細胞膜が、活性酸素にさらされると有毒な「過酸化脂質」に変化します。
そして、過酸化脂質が蓄積されていくと細胞膜が破壊されるのです。
その結果、細胞の活力はなくなり、正常なはたらきができなくなります。
身体でもお肌でも、活性酸素にさらされる期間が長ければ長いほど、細胞ダメージが進むことはもうおわかりですね。
細胞の活力が失われることが老化ですから、まさに酸化は老化を招くのです。
たとえば、お肌の真皮で酸化が起こるとどうなるのでしょうか?
①真皮内の線維芽細胞の細胞膜の脂質を酸化させ、細胞が栄養と老廃物を運搬する力を弱める。
②線維芽細胞の核の遺伝子を傷つけ、細胞を変性、死滅させ、コラーゲンやエラスチンをつくる能力を弱める。
③コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどにもダメージを与え、それらを変性させたり、破壊する。
これが、お肌のたるみの原因となってさまざまなエイジングサインや肌悩みをもたらすのです。
6.人が持っている抗酸化力とは?
1)若いお肌は抗酸化力がある
活性酸素が怖い、怖いという話が続きましたが、幸いにして人間には、生来の抗酸化力が備わっています。
このはたらきをする物質を「スカベンジャー」と呼びますが、活性酸素と結びついて、それを無毒化する酵素のことです。
主なスカベンジャーとしては、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、グルタチオン、カタラーゼ、ペルオキシターゼなどが知られています。
また、抗酸化物質としては、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、カテキン、ポリフェノール、コエンザイムQ10なども有名です。
体内でスカベンジャーをつくる力は、30代半ば~40歳前後にピークを迎えると、年齢とともに低下してしまいます。
多くの女性がエイジングケアを意識する年齢がこの頃ですが、できれば、もっと若い時期から食事で抗酸化成分を摂り、抗酸化力を高めることも大切です。
もちろん、気付くのが遅くなったとしても諦めるのではなく、いつでも気付いたその時からエイジングケアを意識し、抗酸化力を高める食事や生活を実践しましょう。
2)抗酸化のメカニズム
スカベンジャーと抗酸化物質は、過剰に発生した活性酸素に対抗し、身体やお肌の酸化を避けるために
- 活性酸素の発生を防ぐ
- 発生した活性酸素を素早く安定させる
- 活性酸素から受けたダメージを修復する
はたらきをしてくれます。
代表的なスカベンジャーのはたらきをご紹介します。
①抗酸化対策はSODが大活躍
先ほど、通常の生活でも発生する最も代表的な活性酸素が、スーパーオキシドであることをお話しました。
SODには、「スーパーオキシド」を「酸素」と「過酸化水素」にかえて無毒化する力があります。
SODは、大量に発生するスーパーオキシドを、最初の段階で無毒化する強力なスカベンジャーです。
だから、若いお肌では、日々、SODの活躍で肌のハリやツヤが守られているのです。
②過酸化水素を分解するカタラーゼ
カタラーゼと言うスカベンジャーは、過酸化水素を無毒化する2番目の門番のはたらきをしてくれています。
③グルタチオンは活性酸素を消去
グルタチオンはチオール基という抗酸化成分を最も多く持っている酵素で、細胞内で発生した活性酸素種や、過酸化物を消去してくれます。
7.お肌の酸化がもたらすエイジングサインは?
ここで、お肌が酸化することでもたらされるエイジングサインについて整理してみましょう。
結論から言えば、ほぼすべてのエイジングサインは、何らかの形でお肌の酸化が関わっています。
1)乾燥肌も活性酸素が原因
活性酸素によってバリア機能が低下することで、ターンオーバーも乱れます。
その結果、乾燥肌をはじめ、乾燥肌が原因となる肌悩みの症状も出てくることになります。
毛穴の黒ずみ、くすみ、角栓、角質肥厚(お肌のごわごわ)などもお肌の酸化が原因となる場合があるのです。
もちろん、乾燥肌がひどくなったインナードライ肌や敏感肌などの症状もお肌の酸化が関係している場合があります。
2)たるみが原因の肌悩み
紫外線ダメージなどによるお肌の酸化は、真皮の老化をもたらして顔のたるみの原因になります。
もちろん、目の下のたるみ、まぶたのたるみ、頭皮のたるみ、女性の薄毛などもお肌の酸化が原因の1つになることもあります。
だから、たるみが原因で起こるしわ、ほうれい線、マリオネットラインやゴルゴライン、またたるみ毛穴、目の下のクマ(黒クマ)などもお肌の酸化が影響を与えているのです。
3)シミは紫外線防御でできる肌悩み
紫外線による活性酸素の影響で、表皮のメラノサイトはお肌を防御するためにメラニンを分泌させます。
シミとは、活性酸素によるダメージを防ぐためにできたメラニンがお肌に留まって目立つ肌悩みです。
美白とは、そんなシミの原因であるメラニンの産生をおさえることなので、お肌の防御機能を弱めることと言えるのです。
4)オイリー肌やニキビも活性酸素が原因
生まれつき脂性肌(オイリー肌)でない方でも、急にお肌がテカったり、ニキビができることがあります。
たとえば、腸内細菌叢が乱れて毒素がお肌に回る場合です。
これも活性酸素が原因の場合があります。
8.お肌の酸化を予防する生活習慣
ここまでお肌の酸化の原因や、その結果目立つエイジングサインなどについてご紹介してきました。
ここでは、お肌の酸化を防ぐ生活習慣をご紹介します。
といっても特別なことではありません。
先ほど挙げた活性酸素を増やす原因を1つ1つなくせばよいのです。
1)お肌の酸化を防ぐ紫外線対策
お肌の酸化を防ぐ最も大切なことは、紫外線対策です。
紫外線ダメージとは、活性酸素を発生させることによるお肌の酸化のことなのです。
陽ざしの強い春や夏のお昼なら、わずか10分~20分でもお肌の炎症が起こりますが、これが紫外線の持つ酸化力なのです。
無防備なままなら、この酸化力には、SODがいくらあって足りません。
だから、サンスクリーン剤をはじめさまざまな手段で紫外線対策を行うことが大切なのです。
紫外線は、紫外線A波と紫外線B波がありますが、真皮の肌老化に影響を与えるのが、A波。
お肌の酸化予防には、A波もB波も防ぐことが大切ですが、特にA波には要注意です。
紫外線対策は、日焼け止めだけでなくファッションや衣類なども含めて生活習慣に組み込み、直接、紫外線を浴びる時間を少なくしましょう。
また日焼け止めは、適切な量を使うこととこまめに塗り直すことが大切です。
特に、紫外線吸収剤は、紫外線を吸収すると化学反応を起こし、分子が壊れるため効果がなくなってしまいます。
だから、紫外線吸収剤の日焼け止めは、1日に数回塗り直しが必要です。
一方、紫外線散乱剤(ノンケミカル)は、紫外線を跳ね返すので、壊れにくいのがメリットです。
しかし、汗などをかくと日焼け止めが取れるので、そんな場合は塗り直しましょう。
紫外線の詳しい記事は、「エイジングケアアカデミー」内にある下記を参考にしてください。
*冬でも紫外線対策は大切!その理由は、光老化を促進するから!
2)抗酸化力を高める食品と成分を摂る
体外から取り入れるスカベンジャーとしては、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン(ビタミンA)やトマトのリコピンなどのカロテノイド、ワインやココア、ハーブなどに含まれるポリフェノールが有名です。
また、緑茶などのお茶のカテキン、ごまのゴマリグナンなどもポリフェノールの一種です。
このように、日常で手に入れることができる食品の中で、エイジングケアを意識して、抗酸化成分を摂取することが可能です。
緑黄色を中心としたさまざまな種類の野菜、果物、海藻、キノコ、豆類、種子やスパイス類など、偏らずに食べることで、さまざまな抗酸化成分を日常的に摂取し、抗酸化力を高めましょう。
具体的には、バナナ、大豆、アーモンド、キャベツ、カボチャ、ニンジン、トマト、アボカド、ショウガ、ニンニク、ネギ、赤ワインなどが酸化を防ぐ食べ物です。
食べ物に関しては、次の記事も参考にしてください。
3)食物繊維の多い食べ物を摂る
食物繊維が多い食べ物を摂ることは、腸内環境を整え、活性酸素を発生させない対策の1つです。
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維は、水分に溶けてゲル化し、食べ物を包み込む食物繊維です。
一方、不溶性食物繊維は水に溶けにくく、カサが増すことで便意を促し、有害物質を排出させる働きがあります。
お肌の酸化予防や肌荒れ改善のために、食物繊維を積極的に摂りましょう。
◎水溶性食物繊維が多い食べ物には、ニンニク、ゆず、ゆりね、ごぼう、納豆、きんかん、アボカド、オクラ、サツマイモなどがあります。
◎不溶性食物繊維が多い食べ物には、豆類、おから、あずき、しそ、くり、パセリ、納豆、とんぶり、エリンギなどがあります。
便秘とお肌の関係については、「腸内フローラを整え便秘解消!肌荒れを改善して美肌へ」や「便秘からくる肌荒れ 解消には食事の見直しから」を参考にしてください。
4)外的・内的なストレスが過度にならない毎日を!
ストレスをなくすと言っても現代社会では難しいかもしれませんが、喫煙習慣を止めることや睡眠不足を解消することなどは努力してみましょう。
睡眠については、「夜寝る前のエイジングケアと質の高い睡眠でハリ・ツヤ美肌!」や「美肌は、睡眠中のホルモンによってつくられるってホント!?」も参考にしてください。
また、楽しく過ごすことも免疫がアップし、お肌の抗酸化力も高まります。
アルコールも適度なら楽しく過ごすための潤滑油なので、「お酒の飲み方と成分を知って美肌に!エイジングケアの視点」を参考に上手にお酒を楽しみましょう。
5)運動を習慣化する
酸化を避けるための運動としては、エアロビクスや水泳などの有酸素運動がオススメです。
なぜなら、有酸素運動は抗酸化酵素を増やすからです。
しかし、いくら有酸素運動でも過度であれば、身体やお肌にストレスを与えて活性酸素が増えてしまいます。
だから、負担を感じず、気持ちよいと感じるレベルの運動を習慣化することが大切です。
また、運動は、軽い体操、ストレッチやウォーキングでも十分なので、できる範囲で継続することを心がけましょう。
ウォーキングについては、「一般社団法人 日本姿勢と歩き方協会」や「エイジングケアに良い姿勢とウォーキング|高岡よしみさん」を参考にしてください。
なお、お肌の酸化だけではなく、もう1つのお肌の敵である、「糖化」の対策も含めた日常生活については、「エイジングケアより大切な日常の生活習慣で肌老化の予防を!」をご覧ください。
9.お肌の酸化を予防するエイジングケア
酸化や活性酸素が、お肌の老化を促進する、エイジングケアの大敵であることをご理解いただけたと思います。
お肌が錆びないエイジングケアのためには、エイジングケア化粧品を使う前に、
- 紫外線対策、喫煙、その他汚染された外気を避ける生活を送る
- 食べ物で内側からの抗酸化力を高める
- 過度のストレスを避け、活性酸素を増やさない日常生活を送る
ことが基本です。
その上でできるスキンケアやエイジングケアを考えてみましょう。
1)お肌を清潔にして酸化予防
お肌の酸化の原因は、紫外線によってメイクの油分や皮脂が過酸化脂質になることです。
だから、毎日、皮脂やメイク落としを行ってお肌を清潔に保つことも、お肌の酸化を予防するスキンケアの基本です。
メイクした日は必ずクレンジングを行いましょう。
毛穴の汚れも落とせるクレンジング料を選ぶのがポイントです。
また、洗顔も毎日1~2回、適切に行いましょう。
なお、擦り過ぎや脱脂力の強い界面活性剤によるクレンジングや洗顔は刺激になってしまうので、NGです。
また、ダブル洗顔も肌質や肌状態を考えて行なうことが大切です。
2)お肌の酸化を防ぐエイジングケア
その上で、抗酸化作用を持つエイジングケア化粧品成分を含むエイジングケア化粧品を使うこともよい選択の1つです。
最近では、さまざまなエイジングケア化粧品が開発されています。
ビタミンA誘導体(レチノールやレチノイン酸トコフェリル)、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体などの古くから知られているエイジングケア化粧品成分やプラセンタエキス、ダエダリンA、フラーレン、アスタキサンチン、リコピンなどの抗酸化作用をもつエイジングケア化粧品成分などを配合したエイジングケア化粧品を考えてもよいでしょう。
特に、ビタミンC誘導体にはたくさんの種類があります。
◎水溶性ビタミンC誘導体:VCエチル、リン酸アスコルビン酸3Na、リン酸アスコルビルNaなど
◎油溶性ビタミンC誘導体:テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)など
◎両親媒性ビタミンC誘導体:アプレシエ(APPS)
また、これらのエイジングケア化粧品成分とは異なる作用のナールスゲンも側面的に抗酸化をサポートするエイジングケア化粧品成分です。
酸化は、しわやたるみなどお肌の老化の原因として大きなウェイトを占めるので、よいエイジングケア化粧品を選ぶことも大切なポイントです。
そんなエイジングケア化粧品の選び方は、次の記事を参考にしてください。
*50代のエイジングケアと化粧品の選び方と大切な7つの真実!
*60代・70代も大切!エイジングケア化粧品の選び方と使い方
3)ナールスゲンって抗酸化作用があるの?
ナールスゲンは、そのはたらきが解明されている珍しいエイジングケア化粧品成分ですが、抗酸化作用も発揮します。
まず、1つは、表皮で抗酸化物質グルタチオンを増やす作用です。
もう1つ、ナールスゲンには興味深いメカニズムがあります。
ナールスゲンは、お肌に軽い「酸化ストレス」を送ります。
といっても、人の身体に害のないレベルのものです。それによって、細胞はしっかりと危険を察知するのです。
そして、酸化に対する自己防衛システムを作動させることで、細胞がイキイキとし始めるのです。
抗酸化は、「活性酸素を無毒化」することですが、ナールスゲンは軽い酸化ストレスを与えることで、細胞を活性化させるというユニークな作用を持っています。
また、ナールスゲンは、線維芽細胞を紫外線から守る作用もあることが実験的にわかっています。
このメカニズムについては、「抗酸化物質グルタチオンとナールスゲンのとても不思議な関係」をご覧ください。
ナールスゲンに関する詳しいことは、これらの記事をご覧くださいね。
◎ナールスゲン 京都大学発エイジングケア化粧品成分の10の秘密
◎大学発エイジングケア化粧品成分ナールスゲンの作用メカニズムは?
4)酸化を防ぐために美容オイルはどう使う?
最近では、エイジングケアや保湿を目的として馬油やオリーブオイル、ココナッツオイル、ホホバオイルなどの美容オイルが人気です。
これらは、お肌につけた後、日中に外出すると紫外線の影響で酸化してしまうことがあります。
また、保管がよくなかったり、古くなってしまうと容器内で酸化することもあるので、品質管理には注意が必要です。
10.まとめ
活性酸素がもたらす酸化は、エイジングケアにとって、大敵です。
肌の酸化は、お肌の老化そのものであり、その原因は過剰な活性酸素。
そんな、活性酸素を過剰に発生させる原因は、紫外線をはじめ身の回りにたくさんあります。
しかし、毎日の生活習慣で活性酸素を防ぎ、お肌の酸化を予防するための対策が可能です。
ぜひ、活性酸素を増やさない、内側からの抗酸化、そして、エイジングケア化粧品によるお肌の酸化を防ぐエイジングケアを意識し、実践いただければ幸いです。
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ナールスゲン、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体を配合したナールスブランド
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この3つによるトリプルエイジングケアで、育み、守り、攻める
「素肌の質」(Quality Of Skin)を高めます。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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