今回のテーマは、両親媒性ビタミンC誘導体APPS(アプレシエ)の効果と安全性について。
APPS(アプレシエ)とは?
APPS(アプレシエ)が水溶性と油溶性の両方の性質を持つ両親媒性のビタミンC誘導体です。
全成分表示名称は「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」と記載されます。
水溶性ビタミンC誘導体である「リン酸型ビタミンC誘導体」にパルミチン酸を合成して親油性も加えることが可能になった進化型のビタミンC誘導体です。
「アプレシエ」というのは、メーカーが名付けたブランド名です。
「APPS」は、エイジングケア化粧水「ナールスピュア」に使っている成分ですが、
今回、このAPPSについて詳しくご紹介します。
APPSのメリットとして、次の点があります。
- 水溶性ビタミンC誘導体よりもお肌に浸透しやすい
- 刺激が比較的少なく、お肌の乾燥を招きにくい
- 価格が高い
APPSは、化粧水、美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスクなど、
さまざまな化粧品に配合することができるメリットがあります。
一方、APPSのデメリットの1つは、安定性が若干低いことです。
だから、直射日光や高温では分解されるリスクもあります。
今回はそんなAPPSについて詳しく紹介します。
また、おすすめのAPPS配合化粧品もご紹介します。
APPSの効果や特徴
皮膚浸透性が高く肌になじみやすい
APPSは、従来型の水溶性ビタミンC誘導体の数十倍~100倍の肌への浸透力があると考えられています。
実際、色素にて色を付けたAPPSおよびアスコルビルリン酸に、ヒト皮膚片を18時間浸透させ、顕微鏡で観察したところ、APPSの浸透性が高かったという実験データがあります。
表皮の角質層はバリア機能により、水溶性のものに比べて油溶性の方が浸透しやすいです。
APPSは、水にも油にもなじみやすいため、油溶性である皮脂や角質層のセラミドとも
なじみやすく浸透しやすいのです。
この点が水溶性ビタミンC誘導体との違いでありメリットです。
低刺激なビタミンC誘導体
APPSは従来の水溶性ビタミンC誘導体より刺激が小さい点も特徴であり、メリットです。
水溶性ビタミンC誘導体は皮膚の赤み等刺激を感じる方もいますが、APPSはそのリスクが比較的小さいです。
しわ改善効果を発揮
ビタミンC誘導体には、コラーゲンを生み出す力と抗酸化力があります。
そのため肌のハリを向上させ、シワやたるみを改善する効果が期待できます。また、抗酸化作用により、真皮内で活性酸素を除去してコラーゲンの破壊や防ぎます。
APPSはその浸透緑の高さからその効果が従来のビタミンC誘導体以上期待できます。
実際、21名の被験者の目尻のしわ部分に、1日2回、1~3ヵ月間1%APPS配合美容液を塗布し、目視にて使用開始前と比較したところ、約半数以上の方でしわの改善と角層水分量の増加が認められました。
このことからAPPSには、乾燥によるしわを目立たなくする効果が示唆されました。
<参考記事>
ほうれい線の改善にビタミンC誘導体化粧水は効果があるの?ないの?
コラーゲンを増やすにはビタミンCのチカラが必要!
美白効果
ビタミンC誘導体は、体内で酵素によってビタミンCへと変換され、美白効果を発揮します。
APPSも同様ですが、浸透度が高いことでより高いシミへの効果が期待できます。
そのメカニズムは3つです。
- チロシナーゼのはたらきを抑えてメラニン色素の合成を抑制
- 黒色メラニンを還元し、シミの色素を薄くする効果
- 抗酸化作用で活性酸素を除去し、シミができるのを予防
実際に、メラニンがつくりだされるメラノサイト、およびケラチノサイトを培養した皮膚モデルに1%APPSを投与し、2週間培養後、生成したメラニンを確認したところ、
APPSのメラニン量は投与なし群の約70%にとどまったという研究結果があります。
<参考記事>
メラニン色素を減らすだけの美白は危険!役割と増やさない方法
シミの種類・原因と予防のスキンケアやエイジングケアから治療
ニキビの予防効果
APPSには、他のビタミンC誘導体と同じくは過剰な皮脂の分泌を抑えることでアクネ菌の過剰発生を抑え、ニキビを予防する効果が期待できます。
また、毛穴の詰まりや黒ずみ、角栓を予防する効果が期待できます。
実際、皮膚科に通院中のアクネ(にきび)患者に1%APPS配合ローションを1日2回、
6ヵ月間塗布したところ、面皰(めんぽう:毛穴がつまって皮脂がたまっているニキビ)や、赤色丘疹(せきしょくきゅうしん:赤く炎症を起こしているニキビ)が減少しました。これらの結果は、ヒト皮膚片などで行われたものを含んでいますが、APPSの優れた効果を示しています。
<参考記事>
大人ニキビの症状・原因と予防・改善の対策
初期のニキビの治し方!毛穴の詰まりを解消する効果的なスキンケア
APPSのデメリットは?
メリットの多いAPPSですがデメリットもあります。
安定性に難点
APPSのデメリットは安定化が難しいことです。
APPSは2週間~3週間でビタミンが分解されてしまうのです。
そのため高濃度で配合するには工夫が必要です。
そパウダーとエッセンスや溶液の2剤に分けて使用する直前に混ぜたり、遮光瓶に入れて冷蔵庫で保管し早めに使い切るなどが必要です。
価格が高い
APPSは、化粧品原料としての価格が高いこともデメリットです。
そのため、APPS配合化粧品の価格も効果になりがちです。
医薬部外品としての有効成分未承認
APPSは、美白効果はありますが、医薬部外品の有効成分としは未承認です。
つまり、APPSを配合しても「美白化粧品」としては承認されません。
<参考記事>
ビタミンC誘導体を配合した化粧品のデメリット!リスクを避けるには?
乾燥肌対策の保湿にビタミンC誘導体化粧水は使っていいの?悪いの?
美白成分の種類と特徴・効果!「シミ」が消えるのは?
APPS配合のおすすめのエイジングケア化粧品
ナールスのエイジングケア化粧品には、2つのAPPS配合のアイテムがあります。
それらをご紹介します。
エイジングケア化粧水「ナールスピュア」
ナールスピュアは、APPS配合のおすすめのエイジングケア化粧水です。
また、アスコルビルリン酸Naと3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸の合計3種のビタミンC誘導体を配合しています。
さらに、ナールスの主力成分ナールスゲンを推奨最高濃度で配合するととともに
次の成分を配合。
- 国産ヒト幹細胞培養上清液に含まれる成長因子が肌のターンオーバーをサポート
- ナイアシンアミドで、うるおいの元セラミドとハリの元コラーゲンが増える肌へ
- 水分をぐっと抱え込むプロテオグリカンがうるおいをサポート
- ビタミンEを改良したビタミンE誘導体がエイジングケアをサポート
- CICA(シカ)で肌細胞活性化や炎症を鎮める
ナールスピュアは、大人女性の肌を土台から整えるハリ・ツヤ活性成分で本格的なエイジングケアができる化粧水です。
ナールスゲン&ビタミンC誘導体配合エイジングケアローション「ナールスピュア」
<参考記事>
美女が考える抗酸化のためのエイジングケア
@cosme(アットコスメ)化粧水ランキング1位!ナールスピュアで学ぶ化粧水選び」
APPS(アプレシエ)化粧水のおすすめ!口コミと体験・選び方もご紹介
ビタミンC誘導体化粧水の美肌効果!|動画で3分間エイジングケア
ビタミンC誘導体化粧水の選び方はエイジングケアの視点で
元化粧品研究者の薬剤師が化粧品選びのコツとビタミンCの魅力を解説
エイジングケア化粧水はナールスゲンとビタミンCがおすすめ!なぜ?
エイジングケア化粧水「ナールスピュア」
ナールスネオは、APPS配合のおすすめのエイジングケア美容液です。
また、VCエチルも配合の合計2種のビタミンC誘導体を配合しています。
さらに、ナールスの主力成分ナールスゲンを推奨最高濃度で配合するととともに
次の成分を配合。
- Ⅲ型コラーゲンを増やす金賞受賞成分「ネオダーミル」最高推奨濃度配合
- セラミドの中でも保湿力に定評のあるヒト型セラミド6種を配合
- 水分をぐっと抱え込むプロテオグリカンがうるおいをサポート
ナールスネオは、目元や口元のエイジングサインにおすすめの美容液です。
<参考記事>
ビタミンC誘導体美容液のランキングに頼らない選び方
目元美容液の選び方!ランキングよりエイジングケア視点で!
APPSと他のビタミンC誘導体との違いは?
ビタミンC誘導体には、両親媒性以外でも水溶性と脂溶性があります。
まず、それらの特徴をまとめます。
種類 | メリット | デメリット |
両親媒性 | 浸透性が高い
肌なじみが良い |
安定性が低い
高価である |
水溶性 | 即効性が高い
美白有効成分として承認(一部) |
効果の持続力が低い
安定性が低い 肌に刺激や乾燥を感じやすい |
脂溶性 | 効果の持続性が高い
安定性が高い |
肌への浸透に時間がかかる
ベタつきやすい |
APPS以外の両親媒性ビタミンC誘導体
両親媒性ビタミンC誘導体には、APPS以外にも3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸などがあります。
基本的な特徴は同じですが、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、セラミドを増やす特徴があります。
<参考記事>
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸はセラミドを増やすビタミンC
実はハイドロキノン並み!「セラミドプロモーター」の美肌効果
水溶性ビタミンC誘導体
リン酸アスコルビルMgやアスコルビルリン酸Naなどが、水溶性のビタミンC誘導体です。
古くから知られたビタミンC誘導体で、即効性があります。
<参考記事>
水溶性ビタミンC誘導体の種類・特徴と効果的な使い方は?
VCエチル(エチルアスコルビン酸)は優れたビタミンC!
油溶性ビタミンC誘導体
油溶性ビタミンC誘導体の代表は、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)です。刺激が少ないので、敏感肌でも使える可能性があります。
<参考記事>
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)は油溶性ビタミンC誘導体
まとめ
両親媒性ビタミンC誘導体APPS(アプレシエ)について詳しくご紹介しました。
また、おすすめのAPPS配合のエイジングケア化粧品もご紹介しました。
APPSは従来の水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体の良いとこ取りのような成分でメリットがたくさんあります。
しかし、デメリットもあります。
APPSのメリットとデメリットを理解して、上手に美肌やエイジングケアのために活かしましょう。
ありがとうございます。
ナールスゲン配合エイジングケア化粧品の通販サイト「ナールスコム」を宜しくお願い申し上げます。
SNS Share
\ この記事をシェアする /