2026年3月12日

エルゴチオネインとは?強力な抗酸化力で美肌とエイジングケアに効果


「肌のくすみやたるみが気になる」「紫外線ダメージが心配」——そんな方に、ぜひ知っていただきたい成分があります。それが「エルゴチオネイン」です。

1909年に発見されたこの成分は、長らく研究者の間でのみ注目されてきましたが、近年になって美肌・エイジングケア・認知症予防など、多方面での効果が明らかになってきました。ビタミンCやグルタチオンを超える抗酸化力を持ちながら、自己再生できる「持続型」の抗酸化成分という、他にはない特性が注目される理由です。

この記事では、エルゴチオネインの基礎知識から、お肌への具体的な効果、おすすめのエイジングケアへの活用法まで、わかりやすく解説します。

村上清美

この記事の執筆者

ナールスコム

店長村上清美

監修・編集責任者コメント
富本充昭

ナールスエイジングケアアカデミー・美容医療アカデミー 編集長 富本充昭

エルゴチオネインは、1909年の発見から100年以上が経ちますが、近年になってようやくその抗酸化力の高さと生体内での多彩な働きが科学的に解明されつつあります。特筆すべきは、自身が酸化されても再生する「持続型」の抗酸化機序で、グルタチオンやビタミンCとは異なるメカニズムを持つ点です。皮膚においては、コラーゲン・エラスチンを分解する酵素の抑制、チロシナーゼ阻害による美白効果、そして光老化抑制など、エイジングケアに直結する多面的な作用が確認されています。化粧品への配合においても安全性・安定性が高く、スキンケア成分として実用性の高い素材です。食事(キノコ・発酵食品)とスキンケアを組み合わせたエルゴチオネインケアは、今後のエイジングケアの新しいスタンダードになりえると考えます。

エルゴチオネインとは?

エルゴチオネインの構造式

エルゴチオネインはアミノ酸の一種で、キノコ(担子菌類)、麹菌などの真菌類、放線菌、シアノバクテリアといった一部の微生物だけが合成できる特殊な成分です。人間を含む動物は体内で合成することができないため、食事から摂取する必要があります。

1909年の発見から100年以上が経ちますが、近年の分析技術の進歩により、その多彩な効果が科学的に解明されるようになってきました。今では化粧品やサプリメントとしても活用されています。


エルゴチオネインの抗酸化力がすごい理由

エルゴチオネインの最大の特徴は、その強力かつ持続型の抗酸化作用です。一般的な抗酸化物質は活性酸素を無害化するとき、自身が酸化(消費)されてしまいます。しかしエルゴチオネインは、抗酸化作用を発揮したあとも自己再生できる性質を持ちます。これはまるで錆びない金属のように、繰り返し活性酸素から体を守り続けることができるということです。

その抗酸化力の強さは、他の代表的な成分と比較すると際立っています。グルタチオンやビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10よりも高い抗酸化力があるとされています【1】。

さらに、熱・酸に対する安定性が高く、毒性もないため、スキンケア成分や食品素材としての安全性・実用性も非常に優れています。

エルゴチオネインの体内吸収(OCTN1トランスポーター)

Alt   エルゴチオネインの体内吸収とOCTN1トランスポーター

エルゴチオネインが他の抗酸化物質と大きく異なる特徴のひとつが、専用の輸送体によって体内に取り込まれることです。

この輸送体は OCTN1(Organic Cation Transporter Novel type 1) と呼ばれ、SLC22A4という遺伝子によってコードされています。OCTN1は小腸、肝臓、腎臓、脳、赤血球など多くの組織に存在しており、食事から摂取されたエルゴチオネインを効率よく細胞内に取り込む役割を担っています。

興味深いことに、エルゴチオネインは体内に取り込まれると、特に酸化ストレスを受けやすい組織に高濃度で蓄積することが報告されています。例えば、赤血球、肝臓、腎臓、脳、眼の水晶体などで比較的高い濃度が確認されています。

このように専用トランスポーターによって体内に取り込まれ、重要な臓器で利用されることから、エルゴチオネインは単なる食品成分ではなく、生体にとって重要な機能性分子である可能性が指摘されています。


エルゴチオネインの全身エイジングへの効果

エルゴチオネインの全身への効果の図

エルゴチオネインの効果は、肌にとどまりません。全身の抗老化研究においても注目度が高まっています。

1)認知症・うつ病リスクへの関与

エルゴチオネインは脳神経を保護する性質を持ち、アルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイドによる神経障害を軽減する可能性があります。

また、うつ病症状の改善効果への示唆もあり、神経系への有益な働きが研究されています【2】。

2)心血管疾患リスクの低減

スウェーデンで実施された研究では、血中エルゴチオネイン濃度が高い人ほど心血管疾患リスクと死亡リスクが低いというデータが報告されています。酸化ストレスが関係する動脈硬化や心疾患の予防に貢献する可能性が示唆されています【3】。

3)幹細胞の活性化と長寿遺伝子への作用

神経幹細胞にエルゴチオネインを投与すると、ニューロンへの分化が促進されることが報告されています。また、レスベラトロールと同様に、SIRT1・SIRT6などの「サーチュイン(長寿遺伝子)」の発現が確認されており、細胞レベルでのアンチエイジング作用が期待されています。白内障予防や糖化抑制への効果も研究が進んでいます。


エルゴチオネインは「長寿ビタミン」?

エルゴチオネインの抗酸化のメカニズム

近年、エルゴチオネインは「長寿ビタミン(Longevity vitamin)」とも呼ばれ、老化研究の分野で注目されています。
この概念は、米国の研究者Bruce Ames博士が提唱したもので、体内で合成できないものの健康維持や老化抑制に重要な役割を果たす栄養素を「長寿ビタミン」と位置づける考え方です。エルゴチオネインは、強い抗酸化作用に加えて、炎症抑制・細胞保護・ミトコンドリア保護など多面的な働きを持つことが知られています。こうした作用は、加齢とともに増加する酸化ストレスや慢性炎症、炎症老化(インフラメイジング)を抑える可能性があるため、エイジング研究でも重要な分子として研究が進められています。また、人の体内ではエルゴチオネイン濃度が加齢とともに低下することも報告されており、食事からの摂取が健康維持に関係している可能性が指摘されています。キノコ類などエルゴチオネインを多く含む食品を日常的に摂ることは、長期的な健康やエイジングケアの観点からも注目されています。

【参考記事】
炎症老化(インフラメイジング)とは?肌老化を加速させる「見えない炎症」の正体


エルゴチオネインを多く含む食べ物

エルゴチオネインが豊富な食べ物

エルゴチオネインは、人間の体内では合成することができないため、主に食事から摂取する必要があります。特に多く含まれているのがキノコ類です。キノコはエルゴチオネインを合成できる真菌類であり、食品の中でも含有量が高いことで知られています。

代表的なエルゴチオネイン含有食品は次のとおりです。

カテゴリー 食材・食べ物・飲料・調味料
キノコ類(特に豊富)
  • エリンギ
  • シイタケ
  • マイタケ
  • 霜降りひらたけ
  • マッシュルーム
発酵食品
  • 味噌
  • 醤油
  • 日本酒
豆類
  • 黒豆
  • 赤いんげん豆

この中でも特にキノコ類は、エルゴチオネインを比較的多く含む食材として知られています。日常の食事にキノコ料理を取り入れることは、エルゴチオネインを摂取する最も手軽な方法のひとつです。

また、近年ではエルゴチオネインを含むサプリメントや機能性食品も登場しており、食事だけで不足する場合の補助として利用されることもあります。

ただし、栄養素は単独で摂るよりも、バランスの取れた食事の中で摂取することが重要です。キノコを中心とした多様な食品を組み合わせることで、抗酸化物質やビタミン、ミネラルなどを総合的に取り入れることができます。


エルゴチオネインのお肌への効果

エルゴチオネイン配合化粧品を使う女性

エルゴチオネインには、美肌・エイジングケアに直結する複数の効果が確認されています。

1)しわ・たるみの抑制

エルゴチオネインには、コラーゲンを分解する酵素(MMP-1)と、エラスチンを分解する酵素(エラスターゼ)の活性を抑える働きがあります。コラーゲンとエラスチンは肌のハリと弾力を保つ重要なタンパク質で、これらが守られることで、しわ・たるみ・ほうれい線・たるみ毛穴などの予防が期待できます。

2)シミ・色素沈着の予防

メラニン色素の生成に関わるチロシナーゼという酵素の活性を抑えるはたらきがあります。紫外線による色素沈着やシミを防ぐ美白作用として期待されています。

3)光老化の抑制

紫外線が表皮・真皮に与える酸化ダメージ(光老化)を、強力な抗酸化作用によって軽減する効果が期待されています。紫外線対策の補助成分として、日常のスキンケアへの取り入れが注目されています。


エルゴチオネイン配合のおすすめエイジングケア美容液「ナールスネオ」

エルゴチオネイン配合エイジングケア美容液「ナールスネオ」

エルゴチオネインをスキンケアで取り入れたい方におすすめなのが、エイジングケア美容液「ナールスネオ」です。目元・口元など、特にエイジングサインが気になる部位への集中ケアに適した美容液です。

ナールスネオに配合された主要成分は次のとおりです。

  • エルゴチオネイン:持続型の強力な抗酸化作用
  • ナールスゲン:コラーゲン・エラスチン産生を促進するエイジングケア成分
  • ネオダーミル:ハリと弾力をサポートするペプチド
  • ビタミンA誘導体(レチノール):肌のターンオーバーを促進
  • プロテオグリカン:保湿・細胞活性化

エルゴチオネイン単体の効果だけでなく、相乗効果を持つ成分との組み合わせによって、より高いエイジングケア効果が期待できます。

化粧品成分としては、「エルゴチオネインの優れた効果!エイジングケア化粧品にも」を参考にしてください。

執筆者コメント
村上清美

ナールスコム店長 村上清美

「エルゴチオネイン」という名前、最初は私も聞き慣れなくて、正直あまりピンとこなかったのですが、調べれば調べるほど「なんでもっと早く知らなかったんだろう!」と感じる成分でした。特に、酸化されても自己再生できる点は、他の抗酸化成分にはない大きな強みだと思います。キノコは以前から週に何度か食べていたのですが、それ以来「エルゴチオネインのために食べよう」という意識に変わりました(笑)。スキンケアでは、ナールスネオにひっそりと配合されているこの成分が、実はエイジングケアの大きな戦力になっていると感じています。特に目元ケアを続けている方は、ぜひ「エルゴチオネインが入っているかどうか」も成分チェックの基準に加えてみてください。


エルゴチオネインに関するよくある質問

Q1. エルゴチオネインはどんな食べ物に多い?

キノコ類(特にヒラタケ属のエリンギ・霜降りひらたけ、シイタケ、マイタケ)に豊富に含まれます。また麹菌を使った発酵食品(味噌・醤油・日本酒)にも含まれています。毎日の食事にキノコを取り入れることが、最も手軽なエルゴチオネイン補給法です。

Q2. エルゴチオネインはビタミンCより抗酸化力が高い?

はい、研究によるとエルゴチオネインはビタミンC・ビタミンE・グルタチオン・コエンザイムQ10を上回る抗酸化力を持つとされています。さらに、ビタミンCと異なり自己再生能力を持つため、消費されずに抗酸化力を持続的に発揮できる点が大きな特長です。

Q3. エルゴチオネインは化粧品から摂れる?

はい、エルゴチオネインは化粧品成分として配合が可能で、安全性・安定性が高いことが確認されています。ナールスネオのように、推奨濃度で配合されたエイジングケア美容液を使うことで、スキンケアからもエルゴチオネインの抗酸化作用を肌に届けることができます。

Q4. エルゴチオネインのサプリメントは有効?

国内外でエルゴチオネインサプリメントの研究が進んでいます。全身への抗酸化・認知機能サポートを目的とする場合はサプリメントも選択肢のひとつです。ただし、肌への直接的な効果を求めるなら、スキンケア製品での局所的な活用が効率的です。食事・スキンケア・サプリメントを組み合わせたアプローチが最も効果的と考えられています。

Q5.エルゴチオネインと金コロイドではどちらが抗酸化力が強いですか?

エルゴチオネインと金コロイドは、抗酸化の仕組みが根本的に異なるため、単純な強弱の比較は難しいのが実情です。それぞれの特性を整理すると、次のようになります。

エルゴチオネインは、活性酸素を直接消去する「化学的抗酸化作用」を持ち、グルタチオンの3〜30倍ともいわれる強力な活性酸素消去能が研究で示されています。特にヒドロキシルラジカルや一重項酸素といった攻撃性の高い活性酸素種に対して素早く反応します。さらに、抗酸化作用を発揮したあとも自己再生できる「持続型」の仕組みを持ち、専用トランスポーター(OCTN1)によって細胞内に高濃度に蓄積されます。

一方、「想像以上にすごい!金(金コロイド)の美肌&エイジングケア効果」で紹介していますが、金は化学的に非常に安定した元素で、酸化されにくい性質から「半永久的な抗酸化作用」を持つとされています。ただし、エルゴチオネインのように活性酸素を直接・即座に消去する反応性とは異なり、皮膚表面での酸化防止・触媒的な安定化作用が主体と考えられています。化粧品成分としては、持続的・安定的な酸化防止効果が期待されます。

まとめると、活性酸素を素早く直接消去する「反応型の抗酸化力」という点ではエルゴチオネインが優れています。一方、金コロイドは半永久的な安定性と持続力に強みがあります。そのため、ナールスネオではこの2成分を併用し、それぞれの異なる抗酸化特性を組み合わせることで、相補的にお肌の酸化を防ぐ設計になっています。

【参考記事】
金(ゴールド)コロイドの美肌やエイジングケアへの効果は?


まとめ:エルゴチオネインで「さびない肌」と「さびない体」を

エルゴチオネインは、グルタチオンやビタミンCを超える抗酸化力を持ちながら、自己再生できる「持続型」の抗酸化成分です。お肌においては、しわ・たるみ・シミ・光老化の抑制効果が期待でき、全身においては認知症予防、心血管疾患リスクの低減、幹細胞の活性化、長寿遺伝子への働きかけなど、幅広いエイジングケア効果が研究されています。

日常生活でエルゴチオネインを補うには、次の2つのアプローチが有効です。

  • 食事:キノコ(エリンギ・シイタケ・マイタケ)や発酵食品を積極的に摂る
  • スキンケア:エルゴチオネイン配合のエイジングケア美容液(ナールスネオ)を使う

毎日の食事とスキンケアにエルゴチオネインを取り入れることで、内側と外側から「酸化しない体・肌」を育てていきましょう。知名度はまだ高くありませんが、これからのエイジングケアに欠かせない成分のひとつとして、ぜひ覚えておいてください。


参照論文

1 Cheah IK, Halliwell B. Ergothioneine; antioxidant potential, physiological function and role in disease. Biochim Biophys Acta. 2012 May;1822(5):784-793.

PMID: 22001064  DOI: 10.1016/j.bbadis.2011.09.017

日本語要旨:エルゴチオネイン(EGT)の抗酸化ポテンシャル・生理機能・疾患への関与を整理したレビュー。EGTは非酵母性真菌・放線菌・シアノバクテリアのみが合成し、専用トランスポーター(OCTN1)を介して体内に蓄積することが示されています。in vitroでは多様な細胞ストレスに対する抗酸化・細胞保護能が確認されており、グルタチオンやビタミンCを超える抗酸化力と自己再生能力(酸化されても還元型に戻る)という特性が詳述されています。

【2】 Paul BD. Ergothioneine: A Stress Vitamin with Antiaging, Vascular, and Neuroprotective Roles? Antioxid Redox Signal. 2022 Jun;36(16-18):1306-1317.

PMID: 34619979  DOI: 10.1089/ars.2021.0043

日本語要旨:エルゴチオネインをヒスチジン由来の「ストレスビタミン」と位置づけ、抗酸化・抗炎症・神経保護・血管保護・抗エイジング作用を総説したレビュー。加齢とともに体内濃度が低下すること、食事(特にキノコ)から専用トランスポーターを介して取り込まれること、血液脳関門を通過して脳機能に有益に作用することが示されています。βアミロイドによる学習・記憶障害を動物モデルで改善し、SIRT1などの長寿遺伝子(サーチュイン)発現も確認されています。

3 Smith E, Ottosson F, Hellstrand S, Ericson U, Orho-Melander M, Fernandez C, Melander O. Ergothioneine is associated with reduced mortality and decreased risk of cardiovascular disease. Heart. 2020 May;106(9):691-697.

PMID: 31672783  DOI: 10.1136/heartjnl-2019-315485

日本語要旨:スウェーデンのマルメ食事・がん研究(n=3,236名、中央値21.4年追跡)において、血漿エルゴチオネイン濃度が高いほど冠動脈疾患リスク(HR=0.85, p=0.01)、心血管死亡リスク(HR=0.79, p=0.002)、総死亡リスク(HR=0.86, p=4e-5)がいずれも有意に低かったことを示したコホート研究。112種の代謝物中エルゴチオネインが最も健康的食事パターンと強く関連した代謝物として特定されています。

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